JP3200915U - 衣類粉塵除去機 - Google Patents

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Abstract

【課題】外出時に衣類に付着した花粉などの粉塵を室内に持ち込まないよう帰宅時に玄関で除去する衣類粉塵除去機の提供。【解決手段】片手で操作できるようハンドル5を付けた筐体1の対向する位置に吸入口2と排出口3を設け、筐体1内部に吸入口2から排出口3に至る空気通路を設け、空気通路にHEPAフィルター30とファンモーター34を配置する。吸入口2を篩状カバー13で覆い、篩状カバー13の内側に振動子を取り付ける。ファンモーター34により、吸入口2の篩状カバー13の網目から空気を吸い込み、HEPAフィルター30を通過させることで花粉などの粉塵を除去した空気を排出口3に送り出す。また、衣類に接する吸入口2の篩状カバー13を振動子で振動させて、衣類の繊維に付着した花粉などの粉塵を遊離、浮遊させることで、吸塵力を高める。【選択図】図2

Description

花粉症で辛い思いをしている人が増えている。本考案は、外出時に衣類に付着した花粉などの粉塵を室内に持ち込まないよう帰宅時に玄関で除去する機器に関するものである。
花粉症などのアレルギー性症状を軽減させるため、HEPAフィルターを利用して、花粉などの粉塵を除去する空気清浄機が普及している。HEPAフィルターは、花粉などの粉塵の粒子に対し一定以上の集塵機能を達成したフィルターに付与される名称である。
JIS規格で、HEPAHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルターの性能は、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルターと定められている。
掃除機のノズルを振動させることで、ゴミを浮き上がらせながら吸い込む方法として、特許文献2の方法が知られている。
実用新案登録第3129636号公報 実用新案登録第3143069号公報
衣類に付着した花粉などの粉塵は、最初は衣類の表面に付着するが、人の動きで衣類が揺らされ、表面から奥に入り込むものが出てくる。
花粉の粒径は、30μm前後である。
HEPAフィルターの性能は、定格風量で粒径が0.3 μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率であるので、HEPAフィルターで濾過すれば、ほとんどの花粉を捉え除去することができる。
如何にして、花粉などの粉塵を含んだ空気をHEPAフィルターに送りこみ通過させるかが第1の課題である。
衣類に付着した花粉などの粉塵を吸い込むには、掃除機のような強力な吸引力を利用すればよいが、衣類そのものを吸い込むなど衣類を傷つけてしまう。
既に製品化されている特許文献1の手段では、衣類に付着した花粉や塵を掃き出すためにブラシを使用し、比較的弱い吸引力で吸い込む。
ブラシを使用することで衣類表面の花粉や塵は効率よく掃き出せるが、ブラシ毛が直接触れない衣類の繊維の奥に入り込んだ花粉や塵を掃き出すことは難しい。
衣類に叩くなどの振動を加え、衣類に付いた粉塵を落とす方法は昔からよく使われている。
特許文献2の手段では、電気掃除機の吸引ノズルに振動を与えながら吸い込むことでノズルを汚さずに集塵しようとする方法である。
この手段では大きなゴミも吸い込むことが前提のためノズルの口が大きく開いており、衣類に応用すると大きな口から衣類を吸い込んだり叩き過ぎたりして衣類を傷つけてしまう。
衣類を傷つけることなく衣類の繊維の奥に入り込んだ花粉や塵だけを吸い込むかが第2の課題である。
ファンモーターの能力を高めて通風量を確保するとともにHEPAフィルターで濾過前の花粉などの粉塵が外部に漏れないようにすることが第3の課題である。
また、HEPAフィルターは、詰まり具合に応じて交換する必要があり、HEPAフィルターを簡単に着脱できる仕組みが第4の課題である。
本考案は、ハンドドライヤーのようにハンドルとその先に取り付けられた筐体から成り、筐体の前方が吸入口、後方が排出口となる。
吸入口から排出口に至る空気通路にHEPAフィルターとファンモーターを収容する。
ファンモーターは、吸入口から空気を吸い込み、排出口から吐き出すよう構成する。
吸入口を篩状カバーで覆い、篩状カバーの網目面を衣類との接触面とし、篩状カバーの網目面の裏側(内側)に振動子を取り付ける。
ハンドルに電源スイッチを設け、ファンモーターと振動子への電源供給を制御する。
筐体の形状や吸入口から排出口に至る空気通路の形状やHEPAフィルターの形状やファンモーターの構造と形状は様々な形態が考えられるが、ここでは、それぞれを円筒形状とした場合で説明する。
本考案は円筒形状以外の形状でも実現できる。
HEPAフィルターはカップ状に成型し、側面には複数のひだ部を設け、カップの底面と口に相当する部分は、弾力性とシール性を持たせた加工が施してある。
ファンモーターは円筒状のケースに収容する。
カップ状のHEPAフィルターと円筒状のファンモーターを吸入口から排出口に至る円筒状の空気通路にカップ状のHEPAフィルター、円筒状のファンモーターの順に配置する。
カップ状のHEPAフィルターを吸入口から着脱できるようカップ状のHEPAフィルターの外径よりも吸入口の内径と吸入口から円筒状のファンモーターに至る空気通路の内径を大きくする。
篩状カバーの構造について説明する。
吸入口を覆うように取り付ける篩状カバーの網目面は、衣類に接する部分であり、空気の吸い込み口となる。
篩状カバーは、ABS樹脂やアルミニウムなど軽量で強靭な材料を使って、中央部が概半球状に盛り上がったドーム状に形成する。
篩状カバーの周縁部には吸入口に取り付けるため内側に向け爪部または鍔部を設ける。
周縁部の形は円形や楕円形や三角形の角を丸めたおむすび形などの形状とする。
ドーム状の面にハニカム構造や格子構造など空気が通りやすい網目を開ける。
網目の径は1ミリから数ミリとする。
網目の径を1ミリから数ミリとすることで、花粉などの粉塵は吸い込むが衣類は吸い込まない。
篩状カバーを吸入口に取り付ける方法について説明する。
篩状カバーを筐体から浮かせるようにして自由に振動させ、振動が筐体に伝わって異音や不快感を抑えるため篩状カバーと吸入口間に緩衝器を取り付ける。
吸入口に被せるような吸入口蓋を設け、吸入口蓋と篩状カバーとを緩衝器で結合することで一体化する。
吸入口蓋の形状は、大き目のボトルの蓋のような形、すなわち、筒状の片方の口だけ円板状の面があり、もう片方の口は開いた形の円板状の面の中心部を円形にくり貫き、緩衝器との接続口とする。
さらに、吸入口蓋が、緩衝器と篩状カバーと一体化した状態で吸入口から開閉できるようするため、吸入口蓋の側面の1箇所を引き出して開閉支点を設けた構造とする。
また、筐体の吸入口近くでハンドル側の周縁部を引き出して開閉支点を設け、この筐体側の開閉支点に吸入口蓋の開閉支点を取り付けることで、吸入口蓋が開閉支点で吸入口に被さるように閉じたり吸入口が丸見えになるように開いたりできるよう構成する。
緩衝器は、ゴムなどの柔軟性のある樹脂製で円筒状に形成し、両方の口には外側に向けて鍔部を設けた形状とする。
片方の口は、篩状カバーとの嵌合に使用するので、篩状カバーの周縁部の内側の形状に合わせて鍔状に形成する。
もう片方の口は、吸入口蓋との嵌合に使用するので、吸入口蓋の内径に合わせて円形の鍔を形成する。
緩衝器の片方の鍔部を篩状カバーの爪部または鍔部に嵌合させ、緩衝器のもう片方の鍔部を吸入口蓋の円形にくり貫かれた穴に嵌合させる。
この時、吸入口蓋の円形にくり貫いた穴とは反対側の開いた口が、吸入口に被さるように構成する。
このように構成した吸入口蓋と篩状カバーを緩衝器により嵌合して一体化する。
緩衝器と篩状カバーを一体化した吸入口蓋を開閉支点で開くと吸入口からファンモーターの円筒状の口までの空気通路が丸見えとなり、HEPAフィルターを容易に着脱できる。
篩状カバーは緩衝器を挟んで筐体と接するため、篩状カバーが自由に振動できるとともに、篩状カバーを振動させても筐体にはほとんど振動を与えず異音も抑えられる。
振動子の構造と、振動子を篩状カバーに取り付ける方法を説明する。
吸入口を覆うように取り付ける篩状カバーの網目面は、衣類に接する部分であり、篩状カバーの網目の内側に振動子を取り付けることで網目面を振動させ衣類に伝える。
振動子としては、直流モーターの軸に偏心した重りを付けた構造の振動モーターや内部の重りを電磁力で往復運動させるリニア振動アクチュエーターなどがある。
振動モーターは数ボルトの直流電圧を加えるだけで駆動できるのでコストも抑えられる。
振動モーターが発生する振動はモーター軸を中心にした円周方向である。
リニア振動アクチュエーターを駆動するには周波数調整が可能な数ボルトのパルス駆動回路が必要であるが、リニア振動アクチュエーターの共振周波数にパルス駆動回路の周波数を調整することで効率の良い振動が得られる。
リニア振動アクチュエーターが発生する振動は直線的な往復運動である。
振動子の取付位置は、篩状カバーのドーム状の頂点付近とする方法や篩状カバーの周縁部に複数の振動子を配置する方法がある。
振動子の取付方向は、振動子の振動方向が篩状カバーのドーム状の頂点が伸縮する方向に合わせる。
複数の振動モーターの振動を同期させることは難しいので、振動モーターを使用する場合は単独で篩状カバーのドーム状の頂点付近に取り付けるのが簡便でコストも安くできる。
特性の揃ったリニア振動アクチュエーターを複数組み合わせれば運動量を大きくすることができる。
ドーム状の頂点付近に、多角形の柱状の振動子取付台を設け、振動子取付台の多角形の側面に特性の揃った複数のリニア振動アクチュエーターを固定することで、小型で大きな振動を得ることができるが、周波数調整が可能なパルス駆動回路が必要となるためコストは高くなる。
以上のような方法で、篩状カバーに振動子を取り付ける。
HEPAフィルターを活用するには、使用目的に合わせてシート状のHEPAフィルターを成型する必要がある。
シート状のHEPAフィルターの空気通過面を大きくする方法として、シートにプリーツ加工する方法が多用されている。
空気通過面を大きくし、風圧に耐える構造とするため、側面に複数のひだ部を持つカップ状に成型し、カップの底とカップの口に相当する部分を弾力性がありシール性もあるシリコン樹脂などで成型しカップ状に成形されたHEPAフィルターを構成部品として利用する。
本考案は、HEPAフィルターの成型方法に関するものではなく、出来上がったカップ形状のHEPAフィルターを構成部品として利用するが、カップ形状のHEPAフィルターの構造を説明するために成型方法を簡単に説明する。
扇状のシートを扇の要となる位置から放射線状に伸ばした線上で数ミリから数センチの間隔でプリーツ加工して折り目と直角方向の円周に丸めて両端を接合すると、複数のひだ部を側面とした概円筒形になり、概円筒形の両側のうち口の狭い方に円板状の蓋を付ければ複数のひだ部の側面を持ったカップ状になる。
カップの底とカップの口に相当する部分を弾力性がありシール性もあるシリコン樹脂などで固める。
前記HEPAフィルターは、JISで定められた性能を持つフィルターの名称であるが、HEPAフィルターの代わりに花粉などの粉塵をHEPAフィルターと同等程度の性能を有するフィルターを用いた構成も可能である。
ファンモーターの構造としては、プロペラファン形式、シロッコファン形式、ターボファン形式などがあるが、筒状の空気通路に配置する都合で、構造が簡単で風量が大きなプロペラファン形式、または、構造はやや複雑であるが静圧が大きなターボファン形式のファンモーターを利用する。
プロペラファン形式のファンモーターは、飛行機のプロペラや扇風機の羽根のような形状のファンをモーター軸に取り付け一体としたもので、高速回転できる直流モーターを毎分数千回転から数万回転させることでモーター軸方向に大きな風量を発生させる。
ターボファン形式のファンモーターは、中心部から周縁部に向かって渦巻き状の複数の羽根を設けた構造のインペラをモーター軸に取り付け一体としたもので、軸の中心部付近に設けた円形の穴または円筒状の吸い込み口から空気を吸い込み周縁部の吐き出し口から吐き出す。
吸い込み口と吐き出し口を除いた周囲を円盤状に囲った構造で、高速回転できる直流モーターを毎分数千回転から数万回転させることで吸い込み口から吐き出し口に風を起こし大きな静圧を発生する。
静圧は、吸引力と密接な関係があり、静圧が大きいと吸引力も大きい。
ファンモーターを円筒状の空気通路に組み込むため、円筒状のケースの内部にファンモーターを組み込み、円筒状のファンモーターを構成する。
プロペラファン形式のファンモーターの風はモーター軸方向なので、ファンモーターのモーター軸が円筒状のケースの中心に来るよう配置する。
ターボファン形式のファンモーターの風はモーター軸方向に吸い込み、円周方向に吐き出すのでファンモーターのモーター軸が円筒状のケースの中心に来るよう配置した上で、周縁部から円周方向に吐き出された空気が、吸い込み口とは反対のモーター軸方向に流れるよう通路を作る。
また、吐き出された空気が、吸い込み口に戻らないよう、円板でドーナツ形の逆流防止壁を設ける。
次項で詳細に説明する。
ファンモーターを収容する円筒状のファンモーターケースについて説明する。
ファンモーターケースの形状は、同心で大小2つの径を持つ円筒形状で、外側円筒の径は数センチで長さは数センチとする。
内側円筒の径は外側円筒の数分の1とし長さも短くする。
外側円筒と内側円筒の中間の部分、すなわち、外側円筒の内壁から内側円筒の外壁までの空間が空気の通路となる。
外側円筒の外径は、筐体内部の空気通路にぴったり納まるように決め、内側円筒の内径は、ファンモーターのモーター部分がぴったり収まるように決める。
外側円筒と内側円筒とを、複数の支え板でつないで円筒状のファンモーターケースを構成する。
支え板は、空気の流れに沿った形状とする。
ファンモーターケースの外側円筒、内側円筒、支え板は、ともに厚みは数ミリとしプラスチックなどの合成樹脂で一体成型する。
最初にプロペラファン形式のファンモーターの場合の収容方法を説明する。
ファンモーターケースの内側円筒にファンモーターのモーター部を取り付ける。
この時、ファンの外縁部とファンモーターケースの外側円筒の内壁とにわずかな隙間を設け、ファンが外部の円筒の口からも数ミリの隙間を設ける。
ファンの付いた方を排出口側、モーターの付いた方を吸入口側となるようモーターの回転方向とファンの羽根の形状を決める。
プロペラファン形式のファンモーターの場合は、モーター側がファンモーターケースの外部の円筒の口からはみ出した構成でもよい。
カップ状のHEPAフィルターの口側がファンモーター側になるため、ファンモーターケースからモーター部がはみ出しても、はみ出した部分がカップ状のHEPAフィルターの口側から空洞部分に納まり、全体の形状をコンパクトにできる。
次にターボファン形式のファンモーターの場合の収容方法を説明する。
ターボファンのインペラの空気吸い込み口に、インペラから吐き出した空気が戻ってこないよう、ファンモーターケースのインペラ側をドーナツ状の円板で覆う。
ドーナツ状の円板の穴にインペラの吸い込み口が、わずかな隙間で接近するように構成する。
インペラの外縁部とファンモーターケースの外側円筒の内壁との間が空気通路となるようスペースを設ける。
ターボファン形式のファンモーターの場合は、インペラの空気吸込み口がカップ状のHEPAフィルターの口側になり、モーターの付いた方を排出口側となるので、プロペラファン形式の場合に比べると空気通路が長くなりコンパクト性は劣るが、大きな吸引力を利用できる利点がある。
排出口から指の届く範囲にファンモーターのファン、または、インペラが来るので、指や衣類が回転するファンに触れないよう、数ミリの網目で厚さが数mmの金属製またはプラスチック製の円板状の防護網を排出口の手前に設ける。
ハンドル部には、電源コードと電源スイッチと降圧整流回路を収容する。
振動子にリニア振動アクチュエーターを使用する場合は、パルス駆動回路も収容する。
降圧整流回路は、ファンモーターと振動子が低電圧の直流で動作するために必要となる。
電源コードのコンセント側に降圧整流回路すなわちACアダプターを設ける方法もある。
衣類粉塵除去機から、降圧整流回路を外して電気用品安全法(PSEマーク)対応済みのACアダプターを利用すれば衣類粉塵除去機を電気用品安全法(PSEマーク)の対象外とできる。
ハンドル部の内側の空間、または、ハンドル部の先端(電源コードの付いている辺り)に電池を収容し、電池で駆動させることも可能である。
この場合前項の電源コードと降圧整流回路は不要になり、電池駆動なので電気用品安全法(PSEマーク)の対象外となる。
以上のような構成の衣類粉塵除去機の電源コードをコンセントに差し込み、電源スイッチを入れるとファンモーターが回転し、振動子が篩状のカバーを振動させる。
ファンモーターが回転すると、篩状カバーの網目から空気を吸い込み、吸い込んだ空気はカップ形状のHEPAフィルターを通過し、排出口へと送られる。
HEPAフィルターが、花粉などの粉塵を濾過し、濾過後の空気を排出口から吐き出す。
振動子が篩状カバーを振動させることで、振動が衣類に伝わり衣類に付着している花粉などの粉塵を遊離、浮遊させることで、集塵効果を高める。
篩状カバーの網目の径は1ミリから数ミリなので、花粉などの粉塵は容易に吸い込むが、衣類は吸い込まない。
以上を特徴とする衣類粉塵除去機である。
本考案の衣類粉塵除去機は、外出先から帰った時に玄関で衣類と着用したまま、ハンドル部を片手で持って使用する。
花粉などの粉塵が付きやすい肩、胸、背中、ズボンの裾などに篩部カバーのドーム状の網目を当てながら撫でるように走査する。
振動子が篩状カバーを振動させることで、振動が衣類に伝わり衣類に付着した花粉などの粉塵を遊離、浮遊させながらファンモーターが発生する負圧により、周辺の空気とともに吸い込み、HEPAフィルターで花粉などの粉塵を濾過し、濾過後の空気を排出口から吐き出すことで室内への飛散を抑制する。
このような特長により、本考案が解決しようとする課題で示した第1の課題については、HEPAフィルターを立体的なカップ状に成型したものを採用し小さな空間で大きなフィルター面積にできたことで、掃除機のような強力なファンモーターでなくても風量を確保しやすい。
また、HEPAフィルターの形状が円錐に近いカップ状であるため、吸引力の大きい強力なファンモーターを使用した場合でも、カップ状のHEPAフィルターが変形せずに機能を果たせる。
第2の課題については、衣類に接触する篩状カバーを振動させることで、振動が衣類に伝わり衣類の繊維の奥に入り込んだ花粉などの粉塵を遊離、浮遊させることで、集塵効果を高める。
衣類に接触する篩状カバーの網目は小さく、比較的強力なファンモーターを使用した場合でも、衣類を吸い込んで傷つけてしまう心配はない。
篩状カバーを振動させる振動子は畳や絨毯を叩くような強力なのものではないので、衣服を傷つける心配はない。
第3の課題については、HEPAフィルターをカップ状に成型した上で、カップの底とカップの口に相当する部分を柔軟性がありシール性があるシリコンゴムなど樹脂で固め口の部分を円筒状のファンモーターケースの口に密着させることで吸い込んだ空気がHEPAフィルターを通過しないで外部に空気が漏れることはない。
第4の課題については、吸入口蓋と筐体に開閉支点を設け、吸入口からHEPAフィルターが丸見えになるように開ける構造なのでHEPAフィルターが簡単に着脱でき、目詰まり状態の点検と交換が容易にできる。
本考案の外観斜視図 本考案において、プロペラファン形式のファンモーターを使用した場合の立体分解図 本考案において、プロペラファン形式のファンモーターを使用した場合の内部構造を示す断面図 本考案において、ターボファン形式のファンモーターを使用した場合の立体分解図 本考案において、ターボファン形式のファンモーターを使用した場合の内部構造を示す断面図 本考案において、振動モーターを振動子として使用した場合の内部構造を示す一部断面図 本考案において、吸入口蓋を開けて吸入口からHEPAフィルターを脱着しようとする時の斜視図 本考案において、リニア振動アクチュエーターを駆動するためのパルス駆動回路図
本考案の実施の形態を図1〜図8で説明する。
本考案で使用するファンモーターは、プロペラファン形式、または、ターボファン形式とする。
プロペラファン形式は、ハンドドライヤーなどに多用されている形式で、風量が大きい特長があり、ターボファン形式は、掃除機などに多用されている形式で、吸引力が大きい特長がある。
どちらの形式のファンモーターであっても本考案の基本構造は同じであるが、一部構造が異なるので、実施形態では、プロペラファン形式とターボファン形式の二通りを説明する。
また、本考案で使用する振動子は、リニア振動アクチュエーターを利用する場合と振動モーターを利用する場合を考え、実施形態では二通りを説明する。
図1は、本考案の外観斜視図である。
長さが、10cmから数十cmのハンドル(5)を有する筐体(1)の本体部分は円筒状で、筒径が数cm、長さが10cm〜20cmである。
ハンドル(5)と筐体(1)はハンドル開閉支点(6)でつながっており、ハンドル(5)を折りたためるので嵩張らず、長期保管や旅行などで持ち歩く時に便利である。
吸入口蓋(20)と筐体(1)は吸入口蓋開閉支点(21)でつながっており、吸入口蓋(20)を開閉できる。
筐体(1)、ハンドル(5)、吸入口蓋(20)は、プラスチックなどの合成樹脂材料で成型する。
ハンドル(5)には電源スイッチ(7)を設け、後述するファンモーターと振動子への電源供給を制御する。
ハンドル(5)の先端から電源コード(9)を引き出す。
つり輪(8)は、柔軟性がある合成樹脂材料で、電源コード保護のブッシングと一体に成型したもので、本考案の衣類粉塵除去機をぶら下げて保管する時に利用する。
図1の篩状カバー(13)は、衣類に接触する部分である。
篩状カバー(13)は、ABS樹脂やアルミニウムなど軽量で強靭な材料を使って、中央部を概半球状に盛り上げドーム状に形成する。
図1では周縁部の形が半球状であるが、周縁部の形は楕円形や三角形の角を丸めたおむすび形などの形状とすることもできる(非図示)。
ドーム状の面にハニカム構造や格子構造など空気が通りやすい網目を設ける。
網目の径は1ミリから数ミリとする。
網目の径を1ミリから数ミリとすることで、花粉などの粉塵は容易に通り抜けるが衣類は通り抜けられない。
図2〜図6で主要構成部品を説明する。
図2は、本考案において、プロペラファン形式のファンモーターを使用した場合の立体分解図であり、図4は、本考案において、プロペラファン形式のファンモーターを使用した場合の内部構造を示す断面図である。
ファンモーターの形状の違いを除けば、構造は同じであるので、初めに共通部分について説明する。
筐体(1)の吸入口(2)から排気口(3)に至る内部空間を空気通路として利用する。
その空気通路に、吸入口(2)から排気口(3)に向かってカップ状HEPAフィルター(30)、ファンモーター(34)という順序で収納する。
カップ状HEPAフィルター(30)の側面は、シート状のHEPAフィルターを加工して複数のひだ部を持たせている。
側面のひだ部の構成例として、シート状のHEPAフィルターを扇状に切り取ったものを、扇の要に当たる部分から放射状に伸びた線で交互に折り込み多数のひだ部を設け、放射状の線と直角方向に丸めて筒状にし、筒状の狭い口側をカップの底面のように加工したものである。
カップの底面と、カップの口にあたる部分は、シリコンゴムなど弾力性とシール性のある合成樹脂で、分厚く成型したものである。
HEPAフィルターが多層構造で空気の通過方向に指定があるときは、カップ状の外側から空気が入りカップの内側に通り抜ける方向で合わせる。
カップ状HEPAフィルター(30)は、側面の設けた複数のひだ部の一つひとつの面がカップの中心部から放射線状に板状構造なので、ファンモーター(34)の吸引力でカップ状HEPAフィルター(30)が変形しにくく、濾過した花粉などの粉塵が外部に漏れにくい。
ゴミフィルター(26)は吸入口蓋(20)に吸入口網(27)により着脱可能に固定する。
吸入口網(27)は、ゴミフィルター(26)が、ファンモーター(34)の吸引力で変形しないよう支える役目がある。
ゴミフィルター(26)は、吸い込んだ空気から粒の大きなゴミを濾過するために設ける。
HEPAフィルターなどに比較すると数十倍から数百倍くらいに目の粗い不織布を材料にしたエアフィルターである。
カップ状HEPAフィルター(30)の手前に、粒の大きなゴミを取り除くゴミフィルター(26)を設けることで、カップ状HEPAフィルター(30)の目詰まりを抑制することと、本考案の衣類粉塵除去機を不用意に落としたりした時などに、カップ状HEPAフィルター(30)に付着している濾過済みの花粉などの粉塵が逆流して飛散しないよう抑制する効果がある。
排出口網(38)は、排気口(3)から、指や衣類が中に入り、ファンモーター(34)などに触れて傷つかないようにするための保護の役割を果たす。
金属またはプラスチックの材料を使い網目は数mmにする。
筐体(1)の吸入口蓋開閉支点(21)と吸入口蓋(20)の吸入口蓋開閉支点(21)は、組み上げた時に一つとなり、ここを支点に、吸入口蓋(20)が開閉できるようにする。
ハンドル(5)の内部空間に降圧整流回路(10)とパルス駆動回路(11)を組み込む。
パルス駆動回路(11)は、振動子にリニア振動アクチュエーター(39)を使用する時のみ必要な回路である。
降圧整流回路(10)をハンドル(5)内部に組み込まず、その代わりに電源コード(9)のコンセント側に、ACアダプター(非図示)を取り付け、ACアダプターのプラグをハンドル(5)の電源コード(9)のあたりに設けたジャックに接続して電源供給する方法もある。
電気用品安全法(PSEマーク)対応済みのACアダプターを利用すれば本考案の衣類粉塵除去機を電気用品安全法(PSEマーク)の対象外とできる。
また、ハンドル(5)の内部に電池ケースを収容したり、電源コード(9)の付け根あたりに脱着可能な電池ボックスを接続して、一次電池や二次電池を利用して稼働させることも可能である(非図示)。
電池駆動とすれば、本考案の衣類粉塵除去機を電気用品安全法(PSEマーク)の対象外とできる。
次に、ファンモーター(34)の形式の違いによる構造の違いを図2と図4で説明する。
図2は、プロペラファン形式のファンモーターを使用した場合の図である。
ファンモーター(34)のファン部(36)の形状は、換気扇や扇風機のように複数の羽根を持つ形である。
モーター部(37)がファン部(36)を毎分数千回転から数万回転させるとモーター部(37)の軸方向に大きな風量の風を発生させる。
モーター部(37)の回転方向、または、ファン部(36)のプロペラ(羽根)のひねり方で風の向きを反転できるので、モーター部(37)とファン部(36)は入れ替えて配置ができる特徴があり、モーター部(37)をカップ状HEPAフィルター(30)の内部空間に収容すれば、筐体(1)をコンパクトにできる。
図4はターボファン形式のファンモーターを使用した場合の図である。
ファンモーター(34)のインペラ部(41)の羽根の形状は、複数の板状の羽根が、中心部から周縁部に向かってモーター部(37)軸の回転方向から見ると後ろ向きに渦巻き状に広がった形である。
モーター部(37)がインペラ部(41)を毎分数千回転から数万回転させるとインペラ吸引口(42)から空気を吸い込みインペラ部(41)の周縁部から吸い込んだ空気を吐き出す。
吐き出した空気がインペラ吸引口(42)に戻ると吸引力が低下するので、インペラ吸引口(42)とわずかな隙間を保った逆流防止壁(43)を配置する。
ターボファン形式の場合は、インペラ吸引口(42)をカップ状HEPAフィルター(30)側にしなければならないので、モーター部(37)をカップ状HEPAフィルター(30)の内部空間に収容できず筐体(1)は、プロペラファン形式に比べるとやや大きくなる。
図3は、本考案において、プロペラファン形式のファンモーターを使用した場合の内部構造を示す断面図であり、図5は、本考案において、ターボファン形式のファンモーターを使用した場合の内部構造を示す断面図である。
まず、共通部分について説明する。
筐体(1)の吸入口(2)から排気口(3)に至る内部空間を空気通路として利用する。
その空気通路に、カップ状HEPAフィルター(30)、ファンモーター(34)という順序で収納すること、および、吸入口蓋(20)に、ゴミフィルター(26)を吸入口網(27)で着脱可能に固定すること、および、排出口網(38)を排気口(3)とファンモーター(34)の間に配置することは既に説明したとおりである。
ここでは、篩状カバー(13)を筐体(1)に装着する構造を中心に説明する。
篩状カバー(13)と吸入口蓋(20)とを緩衝器(17)によって嵌合し一体化する。
緩衝器(17)は、ゴムなど柔軟性のある樹脂材料とすることで篩状カバー(13)が自由に振動できるようにするとともに篩状カバー(13)が振動しても吸入口蓋(20)や筐体(1)に振動が伝わらないようにする役目がある。
緩衝器(17)は円筒状で両側の口に鍔を持った形状に成型し、その鍔の片側を篩状カバー(13)の篩状カバー鍔部(15)に、もう片側を吸入口蓋(20)の吸入口蓋鍔部(23)に嵌合させ篩状カバー(13)と吸入口蓋(20)とを一体化する。
吸入口蓋(20)の内部空間の中ほどに、数mm〜十数mmの網目を持つ円板状の吸入口蓋網目仕切(22)を設ける。
吸入口蓋網目仕切(22)と吸入口網(27)とでゴミフィルター(26)を挟んで脱着可能に固定する。
固定する構造は、図7を用いて後述する。
以上のような構造により、吸入口蓋(20)と篩状カバー(13)とは緩衝器(17)によって嵌合され、さらに、ゴミフィルター(26)が吸入口網(27)により、脱着可能に固定される。
既に説明したとおり、吸入口蓋(20)には吸入口蓋開閉支点(21)があり、筐体(1)に設けられた吸入口蓋開閉支点(21)に取り付けることで、吸入口蓋(20)は筐体(1)から開閉できる。
開閉する様子は、図7を用いて後述する。
吸入口蓋(20)を筐体(1)に留める時には、筐体(1)に設けた筐体凹部(4)に吸入口蓋(20)に設けた吸入口蓋凸部(25)を噛み合わせる図面上の位置関係では、噛み合わせたり外したりするのは困難に見えるが、実際には、吸入口蓋開閉支点(21)には、多少のゆるみが無いと開閉できず、プラスチック製の吸入口蓋(20)も多少は変形するので噛み合わせは可能である。
カップ状HEPAフィルター(30)とファンモーターケース(35)とが密着するよう吸入口網(27)の中央部分に設けた吸入口網HEPAフィルター支持部(28)により、カップ状HEPAフィルター(30)にテンションをかける。
カップ状HEPAフィルター(30)とファンモーターケース(35)とを密着させることで、カップ状HEPAフィルター(30)によって濾過した花粉などの粉塵が排気口(3)から外部に飛散しないようにする。
吸入口網(27)と吸入口網HEPAフィルター支持部(28)は、後述する吸入口網テーパー爪部(29)とともに、プラスチックなどの合成樹脂材料で厚さ数mmに一体成型する。
ファンモーターケース(35)は、外側と内側の2つの円筒を有し、外側円筒と内側円筒の中間部分、すなわち、外側円筒の内壁からと内側円筒の外壁までの空間が空気の通路となる。
外側円筒と内側円筒とを風の流れに沿った複数の支え板でつないだ構造とし、プラスチックなどの合成樹脂材料で厚さ数mmに一体成型する。
ファンモーターケース(35)の内側円筒に、直流数ボルトで稼働するモーター部(37)を装着する。
モーター部(37)の軸にファン部(36)、または、インペラ部(41)の軸穴を差し込むことで、一体化したファンモーター(34)となる。
図5で示すように、ターボファン形式のファンモーターを使用した場合は、インペラ部(41)が吐き出した空気がインペラ吸引口(42)に逆流しないようインペラ吸引口(42)とわずかな隙間を保った逆流防止壁(43)を配置する。
逆流防止壁(43)は、円板の中心部に円形の穴を設けた形状で、外径はファンモーターケース(35)外側円筒の外径に合わせ、内側の円形の穴の径はインペラ吸引口(42)の外径よりも僅かに大きな径とし、プラスチックなど合成樹脂で厚さ数mmのドーナツ状の円板に成形したものである。
次に、空気の流れと、花粉などの粉塵を濾過する仕組みを図3と図5で説明する。
ファンモーター(34)の吸引力によって、粉塵濾過前の空気の流れ(44)と粉塵濾過後の空気の流れ(45)を発生させる。
粉塵濾過前の空気の流れ(44)を説明する。
篩状カバー網目(14)から吸い込まれた空気は、吸入口蓋網目仕切(22)の網目部分を通過し、ゴミフィルター(26)で大きなゴミが濾過された空気は、吸入口網(27)の網目部分を通過し、カップ状HEPAフィルター(30)の側面のHEPAフィルターに向かって流れ込む。
篩状カバー網目(14)から吸い込まれた空気の一部は、吸入口網HEPAフィルター支持部(28)の穴を流れる。
花粉などの粉塵を含んだ空気が、カップ状HEPAフィルター(30)の側面のHEPAフィルターで花粉などの粉塵が濾過されて、きれいになった空気が粉塵濾過後の空気の流れ(45)となって、排出口に流れる。
背景技術で説明した通り、HEPAフィルターは、花粉などの粉塵の粒子に対し一定以上の集塵機能を達成したフィルターに付与される名称である。
JIS規格で、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルターの性能は、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルターと定められている。
従って、粒径が30μm前後とされる花粉はもちろん、PM2.5のうち粒径が0.3μmより大きいものは濾過できる。
図3でプロペラファン形式のファンモーターを使用した場合の粉塵濾過後の空気の流れ(45)を説明する。
ファン部(36)が発生する吸引力によってカップ状HEPAフィルター(30)の内側から吸い込まれ、モーター部(37)の軸方向に流れ排気口(3)から外に排出される。
図5でターボファン形式のファンモーターを使用した場合の粉塵濾過後の空気の流れ(45)を説明する。
インペラ部(41)が発生する吸引力によってカップ状HEPAフィルター(30)の内側から吸い込まれた空気は、インペラ部(41)の周縁部から吐き出され、ファンモーターケース(35)の外側円筒の内壁を伝わって流れ、排気口(3)から外に排出される。
次に、振動子による振動発生の仕組みについて図3、図5、図6、図8で説明する。
図3と図5は、振動子としてリニア振動アクチュエーター(39)を使用した場合の内部構造を示す断面図であり、図6は、振動子として振動モーター(40)を使用した場合の内部構造の一部を示す断面図である。
図3と図5と図6の通り、篩状カバー(13)のドーム状の頂点付近に篩状カバー振動子取付部(16)を設ける。
篩状カバー振動子取付部(16)は、篩状カバー(13)と一体に構成しても良いし、別々のものを接着剤などで固定しても良い。
篩状カバー振動子取付部(16)は柱状でリニア振動アクチュエーター(39)や振動モーター(40)を取り付けるためにある。
図3と図5は、四角柱状の篩状カバー振動子取付部(16)の4つの側面に、4枚のリニア振動アクチュエーター(39)を、その振動方向が篩状カバー(13)のドーム状の頂点を押し出したり引っ込めたりする方向に合わせて取り付けた事例である。
リニア振動アクチュエーター(39)は、内部の重りを電磁コイル駆動し直線的に往復運動させて振動を発生させる。
スマートフォンや携帯電話などのバイブレーターとして大量生産されており、小型で安価なものが手に入るが、大きな振動を発生させることが目的ではないため大きな振動を得るためには工夫がいる。
前述のようにリニア振動アクチュエーター(39)を複数取り付け、後述するパルス駆動回路で並列駆動し、駆動周波数をリニア振動アクチュエーター(39)の共振周波数に調整すると大きな振動を発生させることができる。
図8は、前述のリニア振動アクチュエーター(39)を駆動する、パルス駆動回路(11)の回路図例である。
回路の動作を簡単に説明する。
この回路の電源(VDD)は、電源スイッチ(7)で制御されて供給される。
また、この回路の出力は、リニア振動アクチュエーター(39)の電磁コイル端子に配線されている。
リニア振動アクチュエーター(39)が複数の場合は、並列接続されている。
この回路のVDDとGND間に電源が供給されると、C−MOSタイマーIC(46)は、TRG端子とOUT端子とGND間に接続されたコンデンサと抵抗で決まる周波数で発振する。
発振周波数は、TRG端子とOUT端子間に入っている半固定ボリューム(48)で調整できる。
C−MOSタイマーIC(46)の発振で得られたデューティー50%のパルスは、トランジスター(2SC1815)で反転されたパルスとともにフルブリッジドライバ(47)のPIN端子とRIN端子に入力される。
フルブリッジドライバ(47)のOUT1端子とOUT2端子は出力端子となっており、リニア振動アクチュエーター(39)の電磁コイル端子に配線されている。
フルブリッジドライバ(47)は、入力されたパルスの周期で、リニア振動アクチュエーター(39)の電磁コイル端子に極性を交互に入れ替えて電流を流す。
半固定ボリューム(48)によりC−MOSタイマーIC(46)の発振周波数を調整し、リニア振動アクチュエーター(39)の共振周波数に合わせると大きな振動を発生させることができる。
図6は、篩状カバー振動子取付部(16)に振動モーター(40)を1つ取り付けた事例である。
振動モーター(40)は、モーター軸の円周方向に円運動の振動を発生させるので、図6のように、篩状カバー(13)のドーム状の頂点を押し出したり引っ込めたりする方向に取り付ける。
振動モーター(40)は、直流モーターの軸に偏心した重りを取り付けて毎分数千回転〜数万回転させることで回転軸に円運動の振動を発生させる。
スマートフォンや携帯電話などのバイブレーターとして超小型で安価なものが大量生産されているが、1つでは大きな振動を得られず、複数のバイブレーターを同期させて大きな振動を得ることは困難である。
従って、大きな振動を得るためには、スマートフォンや携帯電話などのバイブレーター用の直径が数mmの振動モーターではなく、直径が1cm前後の振動モーター(40)を1つ使ったものになる。
この振動モーター(40)は、数ボルトの低い直流電圧を加えるだけで動作し、駆動回路は不要なので、構造を簡単にできるメリットがあるが、リニア振動アクチュエーター(39)に比べると大きな形状になる。
図7は、本考案において、吸入口蓋を開けて吸入口からHEPAフィルターを脱着しようとする時の斜視図である。
既に説明した通り、吸入口蓋(20)と篩状カバー(13)は緩衝器(17)によって嵌合され一体化している。
また、吸入口蓋(20)は吸入口蓋開閉支点(21)により筐体(1)と接続され、開閉できるようになっている。
図7は、吸入口蓋(20)が開いた状態を示しており、吸入口(2)からカップ状HEPAフィルター(30)を着脱可能になる。
カップ状HEPAフィルター(30)の目詰まり点検や交換が容易にできる。
次に、吸入口蓋(20)に吸入口網(27)を脱着可能に固定する仕組みについて説明する。
吸入口蓋(20)の内側には、吸入口網HEPAフィルター支持部(28)と吸入口網テーパー爪部(29)とを設けた吸入口網(27)が見える。
吸入口網(27)は、吸入口網(27)に複数設けた吸入口網テーパー爪部(29)を吸入口蓋(20)に同数設けた吸入口蓋爪部(24)に引っ掛けて固定する構造で、吸入口網(27)をひねることで、脱着可能となっている。
図7で示す吸入口網HEPAフィルター支持部(28)は、円筒状で側面に通気口を設けた事例であるが、円筒形ではなく、中心部から板が放射線状に広がる形状としても良い。
吸入口網HEPAフィルター支持部(28)の円筒状の口は、吸入口蓋(20)の口よりも出っ張らせており、この出っ張った口の部分が、吸入口蓋(20)を閉じた時にカップ状HEPAフィルター(30)にテンションをかけて、カップ状HEPAフィルター(30)の周囲から空気がもれないようにしている。
本考案は以上のような構造である。
以下、本考案の動作と使用方法について説明する本考案の衣類粉塵除去機は、衣類を着たままの状態、または、衣類を吊るした状態での使用を想定している。
花粉などの粉塵を室内に飛散させないために、帰宅時に玄関で使用するのが効果的と思われる。
つり輪(8)は、玄関などに本機をぶら下げる時に使用する。
電源コード(9)をコンセントに差し込み、電源スイッチ(7)を「On」にし、篩状カバー(13)を衣類に接触させると、ファンモーター(34)が動作して空気を吸い込み始め、リニア振動アクチュエーター(39)、または、振動モーター(40)が動作して、篩状カバー(13)を振動させながら篩状カバー網目(14)から空気を吸い込む。
花粉などの粉塵が付きやすい肩、胸、背中、ズボンの裾などに篩状カバー(13)のドーム状の網目を当てながら撫でるように走査することで、衣類に付着した花粉などの粉塵を遊離、浮遊させながら周辺の空気とともに吸い込み、HEPAフィルターで濾過する。
本考案の衣類粉塵除去機は、以上の動作により、外出時に衣類に付着した花粉などの粉塵を除去する。
1 筐体
2 吸入口
3 排気口
4 筐体凹部
5 ハンドル
6 ハンドル開閉支点
7 電源スイッチ
8 つり輪
9 電源コード
10 降圧整流回路
11 パルス駆動回路
12 筐体筒部内壁
13 篩状カバー
14 篩状カバー網目
15 篩状カバー鍔部
16 篩状カバー振動子取付部
17 緩衝器
18 緩衝器篩状カバー側鍔部
19 緩衝器吸入口蓋側鍔部
20 吸入口蓋
21 吸入口蓋開閉支点
22 吸入口蓋網目仕切
23 吸入口蓋鍔部
24 吸入口蓋爪部
25 吸入口蓋凸部
26 ゴミフィルター
27 吸入口網
28 吸入口網HEPAフィルター支持部
29 吸入口網テーパー爪部
30 カップ状HEPAフィルター
31 カップ状HEPAフィルター側面
32 カップ状HEPAフィルター底面
33 カップ状HEPAフィルター口部
34 ファンモーター
35 ファンモーターケース
36 ファン部
37 モーター部
38 排出口網
39 リニア振動アクチュエーター
40 振動モーター
41 インペラ部
42 インペラ吸引口
43 逆流防止壁
44 粉塵濾過前の空気の流れ
45 粉塵濾過後の空気の流れ
46 C−MOSタイマーIC
47 フルブリッジドライバ
48 半固定ボリューム

Claims (2)

  1. 本考案は、衣類に付着した花粉などの粉塵を除去するため、片手で操作できるようハンドルを付けた筐体の対向する位置に吸入口と排出口を設け、筐体内部に吸入口から排出口に至る空気通路を設け、空気通路にHEPAフィルターとファンモーターを収容し、ファンモーターにより吸入口から空気とともに吸い込んだ花粉などの粉塵を排出口から吐き出さないようHEPAフィルターで濾過する基本構造に加え、衣類の奥に付着した花粉などの粉塵をより確実に吸い込むため、網目の径が1ミリから数ミリの篩状カバーで吸入口を覆って衣類との接触面を構成し、篩状カバーの網目の内側に取り付けた振動子を振動させ衣類に伝える構造を備え、衣類の奥に入り込んだ花粉などの粉塵を振動で遊離、浮遊させながら吸い込み、衣類は吸い込まないことを特徴とする衣類粉塵除去機。
  2. HEPAフィルターの代わりに花粉などの粉塵をHEPAフィルターと同等程度の性能を有するフィルターを用いた請求項1における衣類粉塵除去機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115090614A (zh) * 2022-06-21 2022-09-23 镇江京航科技有限公司 一种基于负压的车床主轴用高效清洁除屑装置

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