JP3200859B2 - 手振れ補正回路及びその方法 - Google Patents

手振れ補正回路及びその方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、民生用のヴィデオカメ
ラ等に使用して好適な手振れ補正回路及びその方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば民生用のヴィデオカメラにおいて
は、小型軽量化が進められた結果、いわゆる片手の手持
ちで撮影が行われることが多くなってきている。その場
合に片手の手持ち撮影ではいわゆる手振れが避けられ
ず、このような手振れの生じた画像は良好な観賞を著し
く阻害するものである。
【0003】そこで従来から、撮影された映像信号をメ
モリ等を用いて補正して手振れを解消する装置が提案さ
れている。すなわち図5は提案された従来の装置の構成
を示している。この図において、51はCCDあるいは
撮像管等の撮像部である。ここでこの撮像部51のCC
Dあるいは撮像管等には、後述する手振れの動きを考慮
して充分大きな撮像面が設けられている。この撮像部5
1で撮影された映像信号がA/D変換器52を通じてメ
モリ53に供給される。
【0004】また54はカウンタであって、このカウン
タ54で任意の画素クロック信号等がカウントされる。
このカウンタ54からのカウント値がメモリ53に供給
される。これによってカウンタ54からのカウント値を
書込みアドレスとして、A/D変換器52からのディジ
タル化された映像信号の全画素がメモリ53に書込まれ
る。
【0005】一方、55は動き検出回路であって、この
動き検出回路55にA/D変換器52からのディジタル
化された映像信号が供給される。これによって例えば1
フレームごとの映像信号が比較され、これらのフレーム
間の映像信号の動きベクトルが検出される。この動き検
出回路55で検出されたフレーム間の映像信号の動きベ
クトルが読出し制御回路56に供給される。そしてこの
供給された動きベクトルに基づいてメモリ53の読出し
が制御されて、読出された映像信号が出力端子57に取
り出される。
【0006】すなわち図6において、図面の外枠は撮像
部51のCCDあるいは撮像管等に設けられる撮像面の
範囲を示している。これに対してメモリ53には、斜め
のハッチングを付して示すように、この撮像面からの映
像信号の全画素が書込まれている。
【0007】このメモリ53から、通常は例えば破線の
枠で示す範囲の映像信号が出力されている。これに対し
て任意のフレームで動き検出回路55にて矢印で示すよ
うな動きベクトルが検出されると、この動きベクトルに
基づいてメモリ53の読出が制御される。そしてこの任
意のフレームでは一点鎖線の枠で示す範囲の映像信号が
出力されるようにメモリ53の読出しが行われる。
【0008】従ってこの装置において、検出された動き
ベクトルに対して、この動きベクトルを相殺するように
メモリ53の読出しが制御される。これによって手振れ
の補正された映像信号を出力端子57に取り出すことが
できる。
【0009】ところがこの装置において、メモリ53に
は撮像面からの映像信号の全画素が書込まれている。こ
のためメモリ53には極めて大きな記憶容量が必要とさ
れる。従って多数のメモリIC等を設けなくてはなら
ず、構成が複雑になると共に、またそれらの制御も容易
ではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来の装置ではメモリに撮像面からの映像信号の
全画素を書込むために、メモリに極めて大きな記憶容量
が必要とされるというものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、撮影(撮像部
1)された映像信号の所定期間ごとにその前の所定期間
との間で動きベクトルを検出する動き検出手段(動き検
出回路4)、過去の1若しくは複数の上記動きベクト
ルから次の所定期間の動きベクトルを推定(回路6)
る推定手段と上記推定された動きベクトルに基づい
上記撮影された映像信号中の任意の範囲をメモリ
(3)に書込む(制御回路7)ように成すと共に、上記
メモリに書込まれた映像信号を上記動き検出手段によっ
て検出された動きベクトルに基づ(演算回路8)いて読
出し(制御回路9)て出力映像信号を得(出力端子1
0)るようにした手振れ補正回路及びその方法である。
【0012】
【作用】これによれば、次の所定期間の動きベクトルを
推定し、この推定された動きベクトルに基づいて撮影さ
れた映像信号中の任意の範囲のみをメモリに書込むの
で、メモリに必要な記憶容量を大幅に縮小することがで
きる。
【0013】
【実施例】図1において、1はCCDあるいは撮像管等
の撮像部である。ここでこの撮像部1のCCDあるいは
撮像管等には、後述する手振れの動きを考慮して充分大
きな撮像面が設けられている。この撮像部1で撮影され
た映像信号がA/D変換器2を通じてメモリ3に供給さ
れる。
【0014】一方、4は動き検出回路であって、この動
き検出回路4にA/D変換器2からのディジタル化され
た映像信号が供給される。これによって例えば1フレー
ムごとの映像信号が比較され、これらのフレーム間の映
像信号の動きベクトルが検出される。
【0015】この動き検出回路4で検出されたフレーム
間の映像信号の動きベクトルが順次ラッチ回路5a、5
b、5cに書込まれる。これらのラッチ回路5a、5
b、5cからの書込まれた動きベクトルが動きベクトル
推定回路6に供給され、この動きベクトル推定回路6で
推定された動きベクトルが書込み制御回路7に供給され
る。そしてこの推定された動きベクトルに基づいてメモ
リ3の書込みが制御される。
【0016】さらにこの推定された動きベクトルと、上
述の動き検出回路4で検出されたフレーム間の映像信号
の動きベクトルが演算回路8に供給される。これによっ
て推定された動きベクトルと実際の動きベクトルとの差
分が算出される。この差分のベクトルが読出し制御回路
9に供給される。そしてこの供給された差分のベクトル
に基づいてメモリ3の読出しが制御される。この読出さ
れた映像信号が出力端子10に取り出される。
【0017】すなわち図2において、図面の外枠は撮像
部1のCCDあるいは撮像管等に設けられる撮像面の範
囲を示している。ここで動きベクトル推定回路6では例
えば破線矢印のような動きベクトルが推定される。これ
によってメモリ3には、斜めのハッチングを付して示す
ように、この推定された動きベクトルに基づいて読出さ
れる映像信号の範囲より、後述する差分を考慮して所定
の幅分大きい範囲の映像信号が書込まれる。
【0018】これに対して動き検出回路4で実線矢印で
示すような動きベクトルが検出されると、この動きベク
トルと上述の推定された動きベクトルとから一点鎖線矢
印で示すような差分のベクトルが算出される。そしてこ
の差分のベクトルに基づいてメモリ3の読出が制御され
る。これによってこのフレームでは一点鎖線の枠で示す
範囲の映像信号が出力されるようにメモリ3の読出しが
行われる。
【0019】従ってこの装置において、検出された動き
ベクトルに対して、推定された動きベクトルでメモリ3
の書込みが制御され、差分のベクトルでメモリ3の読出
しが制御され、全体で検出された動きベクトルを相殺す
るようにメモリ3の読出しが制御される。これによって
手振れの補正された映像信号を出力端子10に取り出す
ことができる。
【0020】こうして上述の装置によれば、次の所定期
間の動きベクトルを推定(動きベクトル推定回路6)
し、この推定された動きベクトルに基づいて撮影された
映像信号中の任意の範囲のみをメモリ(3)に書込むの
で、メモリに必要な記憶容量を大幅に縮小することがで
きるものである。
【0021】すなわち上述の装置において、手振れによ
る画面の振れはある程度時間方向に滑らかである。従っ
て過去の動きベクトルから次の動きベクトルを比較的正
確に推測することができる。そこでメモリ3に記憶され
る映像信号には、余り大きな差分を考慮する必要はな
く、図からも明らかなように必要な記憶容量を大幅に縮
小することができる。
【0022】また上述の装置において、動きベクトルを
推定は、動きベクトルの時間的変化を例えば図3に示す
ように2次関数で近似することによって行うことができ
る。ここで2次関数として、 M(t)=At2 +Bt+C (A、B、Cは定数) と置いて、時刻t0 、t1 、t2 でそれぞれM0
1 、M2 となることより、時刻t3では M(t3 )=3M2 −3M1 +M0 (=M′3 ) となる。
【0023】さらに図4はこれを実現するための回路を
示す。この図において、ラッチ回路5a、5b、5cか
らの値M0 、M1 、M2 の内、M1 、M2 が乗算器4
1、42で3倍にされ、それぞれ減算器43及び加算器
44でM0 に加減算されて 3M2 −3M1 +M0 =M′3 が求められる。
【0024】なお以上の説明は、1次元についてのみ示
されているが、実際には水平および垂直方向の2次元に
ついて処理される。また過去の1つ、2つ、あるいは4
つ以上の動きベクトルをラッチして、2次関数以外の関
数、例えば線形関数、3角関数、平均値等で推定するよ
うにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、次の所定期間の動き
ベクトルを推定し、この推定された動きベクトルに基づ
いて撮影された映像信号中の任意の範囲のみをメモリに
書込むので、メモリに必要な記憶容量を大幅に縮小する
ことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による手振れ補正回路の一例の構成図で
ある。
【図2】その説明のための図である。
【図3】動きベクトルの推定の説明のための図である。
【図4】その具体回路の一例の構成図である。
【図5】従来の回路の構成図である。
【図6】その説明のための図である。
【符号の説明】
1 撮像部 2 A/D変換器 3 メモリ 4 動き検出回路 5a、5b、5c ラッチ回路 6 動きベクトル推定回路 7 書込み制御回路 8 演算回路 9 読出し制御回路 10 出力端子

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影された映像信号の所定期間ごとにそ
    の前の所定期間との間で動きベクトルを検出する動き
    出手段と、 過去の1若しくは複数の上記動きベクトルから次の所定
    期間の動きベクトルを推定する推定手段と、 上記 推定された動きベクトルに基づいて上記撮影され
    た映像信号中の任意の範囲をメモリに書込むように成す
    と共に、上記メモリに書込まれた映像信号を上記動き
    出手段によって検出された動きベクトルに基づいて読出
    して出力映像信号を得るようにした手振れ補正回路。
  2. 【請求項2】 撮影された映像信号の所定期間ごとにそ
    の前の所定期間との間で動きベクトルを検出する動き検
    出ステップと、 過去の1若しくは複数の上記動きベクトルから次の所定
    期間の動きベクトルを推定するステップと、 上記推定された動きベクトルに基づいて、上記撮影され
    た映像信号中の任意の範囲をメモリに書込むように成す
    と共に、上記メモリに書込まれた映像信号を上記動き検
    出手段によって検出された動きベクトルに基づいて読出
    して出力映像信号を得るようにした手振れ補正方法。
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JP5364927B2 (ja) * 2009-04-24 2013-12-11 京セラ株式会社 動き補正装置およびその方法

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