JP3200121U - 小型水力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水車の回転動力を発電機の固定子と回転子に伝えて効率良く発電する小型水力発電装置を提供する。【解決手段】水車2と動力伝達機構3と発電機4を備えて構成する。水車は円筒形状とし外周面には水流を受けて水車本体を回転させる複数の羽根2aを形成し、羽根を水流に浸漬させた状態では水流に直角な軸芯周りに回転するように構成する。動力伝達機構は水車の回転軸の両端に取り付けた左第1、右第1プーリーの回転を水面より高い位置に取り付けた左第2、右第2プーリーにチェーンで伝える。左第2プーリー8cの回転軸にはその反対側出力軸を反対方向に回転させる遊星歯車機構10を取りつける。発電機には回転子と固定子が独立して回転する構造のものを使用し、遊星歯車機構の出力軸と左第2プーリーの回転軸により回転子と固定子を互いに反対方向に回転駆動させる。【選択図】図1

Description

本考案は、水流のある開放された用水路などへの設置が容易で、水位が変動しても効率良く発電できる小型の水力発電装置に関する。
東日本大震災に端を発した原子力発電所の事故以来、安全で環境にやさしい自然エネルギーを利用した発電方式への関心が高まっている。自然エネルギーを利用した代表的発電方式には、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電がある。この中の水力発電については大規模なものは従来より知られているが、近年、水流のある身近な場所で昼夜を問わず発電できる小型水力発電に関心が高まっている。
身近で水流のある流れとしては各種用水路があり、そうした水路に設置して使用する小型水力発電装置が各種提案(特許文献1〜3参照)されている。例えば特許文献1には、内部に中空フロート部、外周面に水掻き板が植設されたドラム型水車、その車軸に直結した動力増幅装置及び発電機を備え、水面に浮かべて回転させる水力式発電機が開示されている。また、特許文献2にも流動する水面に下半分の一部が浸漬された状態で一定経路に沿って自由上下動可能に浮上支持され、水路の水位変動に応じて自重追従して上下動する水車と、水車を横向きの軸心周りに回転自在に支承する支軸と、水車の回転によって回転駆動される発電機機構とを備えた水力発電装置が開示されている。しかし、これらの水力発電装置は発電機が水車内、あるいは水車回転軸に直結された状態で設置されるため、発電機が水に漬かる心配があり、メンテナンスも難しい問題がある。
特許文献3には発電機を水車回転軸に直結するのではなく高い所に設置し、水車回転軸の回転をチェーンを介して発電機に伝達する方式の水車型発電方式が開示されている。しかし、水車の回転速度は低速なため、単純にその回転をチェーンで発電機に伝えて発電するだけでは効率的な発電はできない。特許文献4にはその問題をなくすため、水車の回転軸片側から取り出した動力をチェーンで増速して発電機に伝える小型水力発電装置が開示されている。しかし、チェーンでの増速では発電機の回転速度を大きく高めることは困難である。また、駆動力を水車回転軸の片側からだけ取り出す方法では、装置の左右がアンバランスになる問題がある。
特開2007−40217号公報 特開2014−58944号公報 特開2007−205342公報 特開2013−96264公報
本考案は従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は水流のある開放された用水路などへの設置が容易で、水位が変動しても効率良く発電できる小型の水力発電装置を提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の考案は、水流に直角な軸周りに回転する水車の回転動力を利用して発電する水力発電装置であって、該水力発電装置は水車と、該水車の回転動力を発電機に伝える動力伝達機構と、発電機を備えて構成され、前記水車は円筒形状で外周面には水流を受けて水車本体を回転させる複数の羽根が形成され、羽根を水流に浸漬させた状態では水流に直角な軸芯周りに回転するように構成されており、動力伝達機構は水車の回転軸の両端に取り付けた左第1、右第1プーリーと、水面より高い位置に取り付けられ左第1、右第1プーリーの回転をチェーンを介して受け、それらと同一方向に回転する左第2、右第2プーリーと、左第2プーリーの回転軸を入力軸として回転し、反対側の出力軸を入力軸とは反対方向に回転させる遊星歯車機構からなり、発電機はその回転子と固定子が共に独立して回転する構造で、遊星歯車機構の出力軸と右第2プーリーの回転軸により互いに反対方向に回転駆動されるように取り付けられていることを特徴とする水力発電装置である。
このような構成の水力発電装置では、水車に生じた回転駆動力をプーリー、チェーン、遊星歯車を使用して発電機の両側で互いに反対方向に回転する二つの軸に導く。そして、その二つの軸により発電機の固定子と回転子を互いに反対方向に回転駆動させる。このため発電機内における磁束とコイルの単位時間当たりの磁束交差数が著しく増加して小さな発電機でも大きな出力が得られる。
本考案に係る水力発電装置1の斜視図である。 水力発電装置1の上方から見た平面図である。 水力発電装置1の左側面図である。 遊星歯車機構10の断面図である。 水力発電装置1の各部の回転方向を示す図である。
以下、本考案に係る小型水力発電装置の構成例について図面を参照して説明する。図1は水力発電装置1の斜視図、図2は水力発電装置1の上方から見た平面図、図3は左側面図である。水力発電装置1は水車2、動力伝達機構3、発電機4を備えて構成されている。
水車2は円筒形状で、外周面には水流を受けて水車本体を回転させる複数の羽根2aが形成されており、中心には回転軸が固定取り付けされている。羽根2aを含む水車本体は発泡スチロールで製作されている。水車2は図3に示すように回転軸が水流5に直角で、円筒部の下部分を水流5に漬けた状態で設置され、水流5により回転駆動される。
動力伝達機構3は、水流5による回転により発生した水車2の回転動力を発電機4に伝える部分である。動力伝達機構3は支持体6、チェーン、プーリー、回転軸、遊星歯車機構10を備えて構成されている。支持体6は水車2と発電機4を支持する部分であり、平鋼、溝形鋼等を用いて平面視コ状に形成されている。平面視コ状の平行に突出した2本の腕部の先端部間には水車2の回転軸が回転可能に取りつけられている。水車2の回転軸の両端は腕部の先端部外側に突出しており、その突出部には左第1プーリー8a、右第1プーリー8bが取り付けられている。支持体6の2本の腕部の基端部外側には左第2プーリー8c、右第2プーリー8dが取り付けられており、それらと左第1プーリー8a、右第1プーリー8bとの間には左チェーン7a、右チェーン7bが懸け渡されている。水車2が回転すると4個のプーリー8は何れも水車2と同一方向に回転駆動される。左第2プーリー8c、右第2プーリー8dの回転軸9はコ状形状の2本の腕部の内側に伸びており、その回転軸である左回転軸9a、右回転軸9aは何れも水車2と同一方向に回転する。
左回転軸9aの先端には遊星歯車機構10が取りつけられている。この遊星歯車機構10には、左回転軸9aを入力軸として反対側の出力軸9cを左回転軸9aとは反対方向に回転させる機構を採用している。遊星歯車機構は入力軸の回転速度を増速あるいは減速して反対側の出力軸に出力するもので、出力軸の回転方向を入力軸の回転方向と同じにするものと反対方向にするものとがあり車の減速機等として広く採用されている。図4は本実施形態で採用しているスター型と呼ばれる遊星歯車機構10の一例の断面図である。遊星歯車機構10は外歯車10a、内歯車10b、遊星歯車10c、キャリア10dから構成されている。スター型遊星歯車機構では、遊星歯車10cの回転軸は固定されたキャリア1dに取り付けられており、遊星歯車10cは自転するのみで公転はしない。左回転軸9aを入力軸として外歯車10aを回転させると、内歯車1bは外歯車10aとは反対方向に増速された回転速度で回転する。内歯車1bには出力軸9cが接続されており、出力軸9cは左回転軸9aとは反対方向、水車2とは反対方向に回転する。
発電機4は動力伝達機構3の支持体6に取りつけてある。通常の発電機は固定取り付けした固定子の内側で回転子を回転させる構造であるが、本実施形態で使用している発電機4は固定子も回転子と同じ軸芯回りに独立して回転する方式の発電機である。前述のように遊星歯車機構10の出力軸9cは水車2と反対方向、右第2プーリー8dで駆動される右回転軸9aは水車2と同方向に回転する。発電機4の固定子と回転子を、この互いに反対方向に回転する二つの回転軸により互いに反対方向に回転させている。発電機の起電力は、固定子と回転子の何れか一方が作る磁束と、他方に取り付けたコイル捲線の単位時間当たりの磁束交差数に比例する。従って、固定子と回転子を互いに反対方向に回転させれば、固定子が動かない発電機に比べて単位時間当たりの磁束交差数が著しく増加するため小さな発電機でも大きな出力が得られる。小型で大きな出力を得るため本実施形態では、このように固定子も回転する構造の発電機を採用している。
図5に本実施形態の水力発電装置1の各部の回転方向を矢印で示す。水力発電装置1は図3に示すような水路両岸に設けた一対の支持台12間に回転する梁13を掛け渡し、その梁13に上下揺動可能に取りつける。水流5の水位変動に対処するため水車2の浸漬深さを調整する調整装置15を取りつける。水車2は発泡スチロール製で水に浮くため、水車2以外の部分の重量を調整して水車2の上下揺動角度が水位に自動追従し、浸漬深さが一定に保たれるようにしてもよい。
以上説明した本実施形態の水力発電装置1では、水車2の回転駆動力をプーリー、チェーン、遊星歯車機構を使用した動力伝達機構3により発電機4の両側で互いに反対方向に回転する二つの軸に導く。そして、その二つの軸により発電機4の固定子と回転子を互いに反対方向に回転駆動させる。このため発電機4内における磁束とコイルの単位時間当たりの磁束交差数が著しく増加して小さな発電機でも大きな出力が得られる利点を有する。
図面中、1は水力発電装置、2は水車、2aは羽根、3は動力伝達機構、4は発電機、7a、7bはチェーン、8aは左第1プーリー、8bは右第1プーリー、8cは左第2プーリー、8dは右第2プーリー、9a、9bは回転軸、9cは遊星歯車機構の出力軸、10は遊星歯車機構を示す。

Claims (1)

  1. 水流に直角な軸周りに回転する水車の回転動力を利用して発電する水力発電装置であって、
    該水力発電装置は水車と、該水車の回転動力を発電機に伝える動力伝達機構と、発電機を備えて構成され、
    前記水車は円筒形状で外周面には水流を受けて水車本体を回転させる複数の羽根が形成され、羽根を水流に浸漬させた状態では水流に直角な軸芯周りに回転するように構成されており、
    前記動力伝達機構は前記水車の回転軸の両端に取り付けた左第1、右第1プーリーと、水面より高い位置に取り付けられ前記左第1、右第1プーリーの回転をチェーンを介して受け、それらと同一方向に回転する左第2、右第2プーリーと、左第2プーリーの回転軸を入力軸として回転し、反対側の出力軸を入力軸とは反対方向に回転させる遊星歯車機構からなり、
    前記発電機はその回転子と固定子が共に独立して回転する構造で、前記遊星歯車機構の出力軸と前記右第2プーリーの回転軸により互いに反対方向に回転駆動されるように取り付けられていることを特徴とする水力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021248583A1 (zh) * 2020-06-12 2021-12-16 荆门市佰思机械科技有限公司 挡板上升式波浪能发电装置

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