JP3199706U - 断熱型枠材のスペーサ用ホルダ材 - Google Patents
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Abstract
【課題】玄関土間を作る型枠材の表面に、スペーサの被覆材(支持材等)が露出しないようにしたスペーサ用ホルダ材を提供する。【解決手段】コンクリート打設面を内側としたときに、型枠材の内側に配するインナーホルダ11と、型枠材の外側に配するアウターホルダ21とを備える。インナーホルダ11は、型枠材の内側表面に接する内側支持板12と、内側支持板の中心部から突出する短寸筒材14とを備える。短寸筒材は、スペーサを貫通させるネジ孔を備える。アウターホルダ21は、型枠材の外側表面に接する外側支持板22と、長寸筒材24とを備え、外側支持板は、その外周に、切削切歯23を備え、中心部に、回転工具を介して支持板を回転させる多角形穴27を備える。切削切歯23が型枠材を切削して内側に侵入するので、外側支持板22を型枠材と面一に設置できる。【選択図】図1
Description
本考案は、発泡樹脂製の断熱型枠材を保持するスペーサに用いるホルダ材に関する。
住宅用の基礎は、図6に示すように、地面1を土間スラブ2によって被覆して立上部3を設けるベタ基礎と、図7に示すように、地面1を露出させた状態で立上部4を設ける布基礎がある。
いずれの場合も、立上部3の上に土台を配置して、土台の上に柱材等を設け、躯体を構築する。
地面1を土間スラブ2によって被覆するベタ基礎は、家を面で支えるので不同沈下が起こりにくいとされ、立上部3に通気口を設けなくても良いので害虫の侵入を防ぐことが出来、床下の湿度が安定する等の利点がある。使用するコンクリート量が多いので、布基礎に較べ建築コストが若干嵩む。
ベタ基礎と布基礎はどちらにも利点があるが、近時、高気密/高断熱住宅の普及等により、ベタ基礎の需要が増加する傾向にある。
ベタ基礎を作る手順は、例えば、基礎が配置される部分の地面1に砂利を敷き詰めて転圧し、砂利の上に捨てコンクリートをかぶせ、配筋工事を行い、土間スラブ2のコンクリート打設を行う。土間スラブ2の養生後、立上部3の型枠を組んだ上で、型枠にコンクリートを打って立上部3を形成する。
一般的な型枠は、木製型枠であり、立上部3のコンクリートの養生後は、当該型枠を取り外して撤去した。しかし、このような木製型枠を用いると、段階を踏んで成形する土間スラブ2と立上部3の形成に、時間と手間を要する。
そこで、本出願人は、発泡樹脂製の型枠材を用いてベタ基礎を構築する技術を提案した(特許文献1;未公開)。
これは、図8に示すように、特殊形状のホルダ材6と支持材7を用いて型枠材8−1、8−2をセットすることにより、発泡樹脂製の型枠材8−1、8−2の上部開口からコンクリートを打設して、土間スラブ2と、立上部3とを同時に形成し、爾後、立上部3の内側と外側が発泡樹脂(8−1、8−2)によって断熱被覆されるようにしたものである。
ところで、ベタ基礎の形成と同時に玄関土間を作るときは、図9に示すように、屋内側の型枠材(8−2)の上端を、屋外側の型枠材(8−1)の上端よりも高い位置(上)に設定して、矢印Aで示す打設コンクリートが土間スラブ2に充填された後に、屋外側の型枠材(8−1)の上端を超えて玄関土間(P)に広がるようにする。
この場合、従来は、コンクリート打設時における型枠材(8−1、8−2)の揺動を抑えるため、図9に示すような離間保持のためのスペーサ9を用いた。
このスペーサ9は、例えば、ネジ山をもつボルト材であり、屋外側の型枠材(8−1)の上部内側をナット状部材で支持する一方、屋内側の型枠材(8−2)の外側を被覆材Fを螺合させることで支持する。Zは、被覆材Fの内側に設けた座金である。
問題は、立上部3の外側の型枠材(8−2)の表面に、被覆材Fが突出した状態で残ることにある。
発泡樹脂製の型枠材(8−2)は、コンクリート打設後に、劣化防止等の目的で表面保護を行うが、被覆材Fが突出した状態で残っていると、表面保護の処理が煩雑となる。
そこで、本考案の目的は、玄関土間を作る型枠材の表面に、スペーサの被覆材(支持材等)が突出して露出しないようにすることにある。
前記目的を達成するため、本考案に係る断熱型枠材のスペーサ用ホルダ材は、コンクリート打設面を内側としたときに、型枠材の内側に配するインナーホルダと、当該型枠材の外側に配するアウターホルダとを備え、前記インナーホルダは、前記型枠材の内側表面に接する内側支持板と、この内側支持板の中心部から突出する短寸筒材とを備え、該短寸筒材は、前記スペーサを貫通させるネジ孔を備え、前記アウターホルダは、前記型枠材の外側表面に接する外側支持板と、この外側支持板の中心部から突出する長寸筒材とを備え、該外側支持板は、その外周に、切削切歯を備えるとともに、その中心部に、回転工具を介して当該支持板を回転させる多角形穴を備え、前記長寸筒材は、前記スペーサを嵌装させるネジ穴を備える(請求項1)。
かかる構成によれば、ネジ山をもつ棒状のスペーサをインナーホルダとアウターホルダとを介して螺合支持し、型枠材を安定させることが出来る。
そして、アウターホルダを構成する外側支持板は、その中心部に回転工具を介して当該支持板を回転させる多角形穴を備え、外周部に切削切歯を備えるので、外側支持板を回転させると発泡樹脂製の型枠材を切削して、当該型枠材の内側に侵入させることが出来る。
この結果、外側支持板を回転させることによって、外側支持板の外側面を、型枠材の外側面と面一(ツライチ)に設定出来、従来の問題であったスペーサの被覆材の突出を、防止(解消)できる。
外側支持板は、型枠材と接する面に複数の突起片を備える場合がある(請求項2)。
外側支持板は、回転によって、外周部の切削切歯が発泡樹脂製の型枠材を切削しながら内部に侵入するが、型枠材と接する面に突起片を複数設けると、当該突起片も切削切歯の機能を営み、よりスムーズに型枠材を切削して内部へ侵入させることが出来る。
外側支持板の外周に設ける切削切歯は、外側支持板の中心部に向かって幅寸法が小さくなる複数の鋭角凹部である場合がある(請求項3)。
外側支持板の外周に設ける切削切歯は、回転によって型枠材を切削し、外側支持板を型枠材の内側へ進める機能があれば良い。この場合、切削切歯を、中心部に向かって幅寸法が小さくなる鋭角凹部(外観略三角形)とすれば、成形が容易であり、製造コストを抑えることが出来る。
本考案に係るスペーサ用ホルダ材によれば、玄関土間を作る型枠材の表面に、スペーサの被覆材を突出(露出)させずに配設出来る。
図1、2は、本考案に係るスペーサ用ホルダ材10の一例を示すものである。
このホルダ材10は、屋内側の型枠材8−2の内側(コンクリート打設側)に配するインナーホルダ11と、型枠材8−2の外側(屋内側)に配するアウターホルダ21とを備える。
インナーホルダ11は、型枠材8−2の内側表面に接する内側支持板12と、この内側支持板12の中心部から突出する短寸筒材14とを備え、該短寸筒材14は、スペーサ9を貫通させるネジ孔15を備える。
アウターホルダ21は、型枠材8−2の外側表面に接する外側支持板22と、この外側支持板22の中心部から突出する長寸筒材24とを備え、該外側支持板22は、その外周に、切削切歯23を備えるとともに、その中心部に、回転工具を介して当該支持板を回転させる多角形穴27を備える。また、長寸筒材24は、スペーサ9を挿嵌させるネジ穴28を備える。
以下、詳細に説明する。
ホルダ材10は、好ましくは樹脂によって成形する。腐食しないので、長期にわたって型枠材8−2を保持できるからである。
内側支持板12は、適宜形状、例えば円形に成形する。型枠材8−2の内側表面を支持できればよいので、円形に限らず他の形状(多角形等)でも良いことは勿論である。
短寸筒材14は、その内部に形成したネジ孔15にスペーサ9を嵌装(貫通螺合)させることが出来るものであれば良い。スペーサ9を挿通させるだけであれば、内側支持板12の中心部に挿通孔を設けるだけでも良いが、コンクリート打設時におけるスペーサ9の動きを抑えるには、筒状部材(14)を用いてスペーサ9を螺合貫通させることが好ましい。筒状部材(14)によってスペーサ9の動きを拘束することが出来るからである。
短寸筒材14の「短寸」は、アウターホルダ21に設ける長寸筒材24との対比(比較)において、長手方向の寸法が小さいという意味である。
外側支持板22の外周に設ける切削切歯23は、型枠材8−2の接触面の外周部分を切削できるものあれば良い。例えば、図1に示すように、外側支持板22の中心部に向かって幅寸法が小さくなる複数の鋭角凹部とする等である。この切削切歯23は、例えば、歯車のように複数の矩形凹凸であっても実用に耐える。
外側支持板22は、型枠材8−2と接する面に複数の突起片25を設けることが望ましい(図2参照)。外側支持板22を回転させたときに、突起片25が型枠材8−2の接触面を切削するので、切削切歯23を介して外側支持板22が型枠材8−2を切削するのと相俟って、外側支持板22が型枠材8−2の内部に侵入し易くなるからである。
また、切削切歯23の形状を、略三角形を呈する若干大きめの鋭角凹部としておけば、突起片25によって切削された発泡樹脂片が、切削切歯23の隙間から外部に逃げるので、外側支持板22の侵入処理(埋設処理)はより効率的となる。
多角形穴27は、外側支持板22を回転させる工具(例えば電動モータ)のアダプタを挿入させるもので、工具の回転力を外側支持板22に伝達できる形状であれば良い。原理的には楕円形でも良いが、回転中心が若干でもずれると外側支持板22の回転もぶれるので、多角形穴27を用いて作業性の安全効率を図る。多角形穴27は、有底の穴とすることが望ましい。
ネジ穴28は、スペーサ9の端部を嵌装(螺合嵌装)させることが出来ればよいので、有底の穴で良い。外側支持板22の表面まで貫通させても良いが、外側支持板22の表面側には多角形穴27を設けるので、ネジ穴28と多角形穴27は、それぞれ有底の穴とする方が成形作業が容易である。
例えば、ネジ穴28を外側支持板22の表面まで貫通させた後に、多角形穴27を形成することも出来るが(内径を同一とする必要はないため)、不必要な切削作業を行うことになり、アウターホルダ21の製造効率が悪くなるという難がある。
スペーサ用ホルダ材10は、取り付け時に、型枠材8−2に短寸筒材14と長寸筒材24を挿入させる孔部を設け、スペーサ9に螺合させるインナーホルダ11を予め配設してから、アウターホルダ21を型枠材8−2に装着して回転させ、外側支持板22と型枠材8−2とを面一に配設する。
図3、4は、型枠材8−2の内部に入るスペーサ9を、インナーホルダ11とアウターホルダ21とによって拘束した状態を示すものである。
取り付け時、アウターホルダ21の外側支持板22を、回転工具を介して回転させると、切削切歯23を介して外側支持板22が型枠材8−2を切削するとともに、突起片25が型枠材8−2の接触面を切削するので、外側支持板22は型枠材8−2の内部に侵入し、外側支持板22と型枠材8−2とを面一に配設することが可能となる。
外側支持板22の回転に伴い、切削切歯23が切削する型枠材8−2の切削屑は、略三角形を呈する切削切歯23から外部に排出できるので、外側支持板22の内面に、切削屑は全く又は殆ど残らない。
切削切歯23を鋭角凹状部とする場合、外周部の開口部分には若干の段差(高低差)を設けることが望ましい。段差によって、外側支持板22の回転による型枠材8−2の切削効率が向上するからである。
外側支持板22は、より好ましくは、図5に示すように、中心部から切削切歯23近傍に延びる掻出段差30を設ける。
掻出段差30の上下幅は、例えば、中心近傍から外周(切削切歯23)に向かって拡大するように成形する。外側支持板22の回転に伴って発生する切削屑を外周(切削切歯23)に案内し、切削切歯23から外部に切削屑を排出させる効率を高めるためである。外側支持板22を押圧しながら回転させるとき、突起片25によって削られる切削屑は、空間的余裕のある方向、すなわち外周方向に逃げて、切削切歯23へ導かれる。
短寸筒材14と長寸筒材24の外形寸法は、同一とする必要はない。スペーサ9を確実に保持できれば良く、外径寸法を同一とする必要はないからである。しかしながら、型枠材8−2に予め筒材(14、24)をガイドする孔を穿設するので、同一の工具で速やかに孔を穿設する等、作業上の効率から云えば、短寸筒材14と長寸筒材24の外形寸法を同一とすることが望ましい。
8−2 型枠材
9 スペーサ
10 ホルダ材
11 インナーホルダ
12 内側支持板
14 短寸筒材
15 ネジ孔
21 アウターホルダ
22 外側支持板
23 切削切歯
24 長寸筒材
25 突起片
27 多角形穴
28 ネジ穴
30 掻出段差
9 スペーサ
10 ホルダ材
11 インナーホルダ
12 内側支持板
14 短寸筒材
15 ネジ孔
21 アウターホルダ
22 外側支持板
23 切削切歯
24 長寸筒材
25 突起片
27 多角形穴
28 ネジ穴
30 掻出段差
Claims (3)
- 玄関土間を作る発泡樹脂製の型枠材を支持するスペーサに用いるホルダ材であって、
このホルダ材は、
コンクリート打設面を内側としたときに、
型枠材の内側に配するインナーホルダと、
当該型枠材の外側に配するアウターホルダとを備え、
前記インナーホルダは、
前記型枠材の内側表面に接する内側支持板と、
この内側支持板の中心部から突出する短寸筒材とを備え、
該短寸筒材は、前記スペーサを貫通させるネジ孔を備え、
前記アウターホルダは、
前記型枠材の外側表面に接する外側支持板と、
この外側支持板の中心部から突出する長寸筒材とを備え、
該外側支持板は、
その外周に、切削切歯を備えるとともに、
その中心部に、回転工具を介して当該支持板を回転させる多角形穴を備え、
前記長寸筒材は、前記スペーサを嵌装させるネジ穴を備えることを特徴とする断熱型枠材のスペーサ用ホルダ材。 - 外側支持板は、
型枠材と接する面に複数の突起片を備えることを特徴とする請求項1記載の断熱型枠材のスペーサ用ホルダ材。 - 外側支持板の外周に設ける切削切歯は、
外側支持板の中心部に向かって幅寸法が小さくなる複数の鋭角凹部であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の断熱型枠材のスペーサ用ホルダ材。
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