JP3199137U - デンタルフロス - Google Patents
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Abstract
【課題】フロスのテンションを調整するときにフロスが外れたり、アームが破損したりすることがないデンタルフロスを提供する。【解決手段】柄1の先端に左右に分岐してフロスFを架橋する二股状のアーム2・3を一体に有するY字型のデンタルフロスであって、柄1には、アーム2・3の分岐部Sから長手方向に沿って、その左右幅を縮小可能に弾性変形するスリット4を形成すると共に、アーム2・3は、分岐部Sを支点として、スリット4の左右幅の縮小に伴って左右に弾性的に拡開し、アーム2・3は、スリット4の左右の内面同士の少なくとも一部が密着したときに最大に拡開する。柄1は、スリット4を形成した範囲において、アーム2・3と連続する先端側の左右両縁を内向きに湾曲させ、湾曲部1aから後端側にかけて左右の幅を一定とする。スリット4は、その先端側を丸く形成したり、全体として楕円形状とすることがある。さらに、柄の後端に歯間ピック部5や歯間ブラシを一体に設けることもある。【選択図】図3
Description
この考案は、フロスのテンション(張力)を可変としたデンタルフロスに関するものである。
従来、デンタルフロスには、柄と一直線上にフロスを架け渡すF字型と、柄の軸線と直角に交差するようにフロスを架け渡すY字型とに大別されるが、F字型では奥歯の歯間清掃が困難であるのに対して、Y字型は前歯も含めて奥歯の歯間清掃を容易に行える点で有利である。
そして、このようなY字型の改良として、柄を左右一対に分割し、この一対の柄を互いに近づける動作と連動してアームの開き具合を可変としたものがあり(特許文献1・2)、これによれば、左右一対の柄を近接させることでアームの開きが大きくなり、近接前よりもフロスのテンションを上げることができる。
特許文献1のものは、左右一対の柄(第1把手1a・第2把手1b)の先端側それぞれにアーム(第1アーム2a・第2アーム2b)を一体に延設する際、その途中を交差させたものであるから、一対の柄を近接させたときにアームは柄の基端側のU字状の連結部3を支点として左右に開くことになる。このような構成であると、一対の柄を近接させることに関して制限はないため、一対の柄を近接させ過ぎるとアームが開き過ぎとなってフロスが外れる恐れがあり、それ以上に柄を近接させると連結部3が破損する恐れがある。そして、このような問題を避けるには、一対の柄に加える力加減を微妙に調整する必要があるが、清掃中にその力加減を維持することは困難であり、また面倒である。
一方、特許文献2には、複数の実施形態が示されている。このうち図1〜図6に示された第一実施形態では、左右一対のアーム(左側アーム12・右側アーム14)がフロスを架け渡す上端部(第一端部22・28)だけでなく、下端部(第二端部24・30)も自由端となっている。このため、フロスのテンションを緩めるために下端部同士を離間した状態と、フロスのテンションを上げるために下端部同士を近接させた状態とは全く独立しており、使用者は二つの状態を一々切り替えなければならないという手間がある。
その他の実施形態(第二〜第六)にあっては、左右一対のアーム(左側アーム52・右側アーム54)の下端部(第二端部60・66)を末端にて先を尖らせた部材72により互いに一体に形成している。このため下端部同士を近接させれば、その部分を支点として上端部(第一端部58・64)それぞれが左右に開くことになるが、下端部60・66は、それぞれがほぼ同じ肉厚を有して外側に湾曲する弓形状であるため、少しの力で上端部58・64が大きく開くことなる。極端なところ、下端部60・66をぴったりと接触させた場合には、ほぼ間違いなくフロス70が外れるか、上端部または/および下端部が破損する。このように、清掃中に上端部からフロス70が外れてしまわないように、下端部に加える力加減を調整することが困難且つ面倒であることは特許文献1のものと同じである。
なお、アーム52・54の中間部分をリビングヒンジ68で結合した実施形態にあっては、このリビングヒンジ68が上端部の過度な開きを防止する開き止めとして機能するが、上述のように、ほぼ同一幅の下端部が外側に湾曲した構成にあっては、両者の間隔を少し狭めるだけでリビングヒンジ68に作用する力は指数関数的に大きくなるため、当該構成であっても、リビングヒンジ68を破損しないような力加減が必要となる。
本考案は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、フロスのテンションを調整するときにフロスが外れたり、アームが破損したりすることがないデンタルフロスを提供することである。
上述した目的を達成するために本考案では、柄の先端に左右に分岐してフロスを架橋する二股状のアームを一体に有するY字型のデンタルフロスであって、前記柄には、前記アームの分岐部から長手方向中心線に沿って、その左右幅を縮小可能に弾性変形するスリットを形成すると共に、前記アームは、前記分岐部を支点として、前記スリットの左右幅の縮小に伴って左右に弾性的に拡開し、前記スリットの左右の内面同士が密着したときに最大に拡開するという手段を用いた。
上記手段によれば、柄を親指と人差し指(あるいは中指)とで摘んで清掃する際、摘む力によって柄の左右幅を縮小することによって、これに従ってアームが拡開し、フロスのテンションを増加させることができる。特に、スリットの左右内面同士が密着したときにアームが最大に拡開するため、フロスのテンションを最大とする目安が明確であり、また、その状態を維持しやすい。言い換えれば、スリットが密着した以降は、柄を摘む力を増加しても、それ以上、アームを拡開させることはできず、過剰なテンションによってフロスがアームから外れたり、アームを破損することもない。
柄の外形は特に限定されないが、スリットを形成した範囲において、アームと連続する先端側の左右両縁を内向きに湾曲させ、該湾曲部から後端側にかけて左右の幅を一定とすれば、当該一定幅の部分が比較的細くなって摘みやすくなり、また、当該一定幅部分を摘むことによってフロスのテンション調整も行いやすくなる。
また、スリットの形状も問わないが、少なくとも先端側を丸く形成するか、全体として柄の長手方向に長い楕円形状または左右対称の弓をループ状に閉塞した形状とすることで、柄の縮小幅が過剰に大きくならず、アームを適度に拡開させることができる。また、アームの分岐部の近くにあって、その拡開応力が分散され、繰り返し使用しても亀裂が生じにくい。
なお、柄の後端に歯間ピック(爪楊枝)、あるいは歯間ブラシを一体に設けることによって、フロスではケアできない部分もケアすることができ、1本で歯間のトータルケアが可能となる。
本考案によれば、柄に設けたスリットが密着したときにフロスのテンションが最大となるため、フロスが外れたりアームが破損することがなく、柄を摘む力を気にせず使用できる。
以下、本考案の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本考案の一実施形態に係るデンタルフロスの斜視図であって、全体として、柄1の先端に左右に分岐してフロスFを架橋する二股状のアーム2・3を一体に有するY字型のデンタルフロスをなしている。
柄1には、図2に示すように、アーム2・3の分岐部S(付け根)から長手方向中心線に沿ってスリット4を形成している。本実施形態においてスリット4は先端側と後端側を同じ曲率とした略長円形状である。そして、柄1は、スリット4を形成した範囲において、アーム2・3と連続する先端側の左右両縁を内向きに湾曲させた湾曲部1aを有すると共に、該湾曲部1aから後端側にかけては左右の幅を一定とした平行部1bを形成している。このように構成することで、平行部1bをツマミ部として柄1を摘みやすくなる。
また、アーム2・3にはフロスFを架け渡している。フロスFの架け渡し手段は、その両端をアーム2・3に結びつける他、切込みを設けておいて、この切込みにフロスFの両端を食い込ませるなど、従来公知の手段を採用することができる。フロスFは消耗品であるため、これを新品に付け替え可能とすることはもちろんである。
また、フロスFそのものは、歯科用フロスを多数本、撚糸することなく束ねたものであることが好ましい。テンションによって、太くとも細くともなり、幅広い清掃効果が得られるからである。ただし、撚糸したものであってもよく、フロスFについては従来公知のものを採用することを排除しない。
上記構成からなるデンタルフロスは、シリコーン樹脂などの口腔内で使用ができ、且つ、一定の弾力性を有する素材によって成形する。そして、これを使用するときは、最初に図2の状態でアーム2・3の間にフロスFを架橋する。このときフロスFをやや弛ませた状態で架橋する。
次に、フロスFを歯間に差し込んでフロッシングするが、差し込む際は、図3に示したように、柄1の中程を親指と人差し指(あるいは中指)で摘んで、その左右の幅を縮小させることにより、フロスFのテンションを増加させておくと歯間に差し込みやすい。つまり、本考案のデンタルフロスは、柄1にスリット4を設けたことによって、その左右の幅を縮小可能に弾性変形し、これに伴ってアーム2・3が分岐部Sを支点として左右外側に拡開する。このようにしてアーム2・3が拡開することによってフロスFのテンションを増加方向に変化させることができるのである。
フロスFを歯間に差し込んだならば、その線方向にフロスFを動かしてフロッシングする。このときフロスFは、図2の弛ませた状態であっても、図3のピンと張った状態の何れであってもよい。図2の緩ませた状態であれば、束ねた歯科用フロス同士の間に隙間ができて、フロスF全体がやや太くなり、歯肉等への当たりが柔らかくなると共に、フロッシング面積も拡大する。一方、図3の緊張状態では、歯垢を掻き出す力が高まるが、いずれの状態でフロッシングするかは任意である。
そして、フロスFは図3の状態のときに最もテンションが高くなる。つまり、スリット4の左右の内面4a・4b同士が密着したときに、アーム2・3が最も拡開するからである。言い換えれば、スリット4の内面4a・4bが密着した後は、いくら柄1を摘む力を大きくしてもアーム2・3の拡開は規制されている。したがって、使用者は力を加減することなく柄1を摘むことができる。また、スリット4が密着状態となったことは使用者が容易に認識できるから、フロスFが最大のテンションであることも容易に認識できる。さらに、この状態でスリット4をしっかり強く摘むことができるから、フロスFを最大のテンションとした状態を維持しやすい。
なお、上記実施形態では、柄1の後端を先細に形成して歯間ピック部5を一体に構成している。これによって、フロスFではケアできない部分をケアすることができる。ただし、歯間ピック部5に代えて、半径方向外側に毛束部を有する歯間ブラシ部を一体に設けてもよく、また、これらを省略することも可能である。
1 柄
1a 湾曲部
1b 平行部
2・3 アーム
4 スリット
5 歯間ピック部
F フロス
S 分岐部
1a 湾曲部
1b 平行部
2・3 アーム
4 スリット
5 歯間ピック部
F フロス
S 分岐部
Claims (5)
- 柄の先端に左右に分岐してフロスを架橋する二股状のアームを一体に有するY字型のデンタルフロスであって、
前記柄には、前記アームの分岐部から長手方向中心線に沿って、その左右幅を縮小可能に弾性変形するスリットを形成すると共に、
前記アームは、前記分岐部を支点として、前記スリットの左右幅の縮小に伴って左右に弾性的に拡開し、前記スリットの左右の内面同士が密着したときに最大に拡開することを特徴としたデンタルフロス。 - 柄は、スリットを形成した範囲において、アームと連続する先端側の左右両縁を内向きに湾曲させ、該湾曲部から後端側にかけて左右の幅を一定とした請求項1記載のデンタルフロス。
- スリットの先端側を丸く形成した請求項1または2記載のデンタルフロス。
- 柄の後端に歯間ピックを一体に設けた請求項1、2または3記載のデンタルフロス。
- 柄の後端に歯間ブラシを一体に設けた請求項1、2または3記載のデンタルフロス。
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JP2015002649U JP3199137U (ja) | 2015-05-27 | 2015-05-27 | デンタルフロス |
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JP2022009851A (ja) * | 2015-09-17 | 2022-01-14 | 小林製薬株式会社 | 歯間清掃具 |
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