JP3198420U - 除雪用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 作業者が建物等の屋根に上がることなく、屋根に積もった雪を簡易な構成にて容易に除雪することができる除雪用具を提供する。【解決手段】 除雪用具1は、作業者Pが把持する一対の作業棒2,2と、一対の作業棒2,2の先端部に連結され、屋根Rの除雪対象箇所に架け渡される鎖部材3と、鎖部材3の途中に配置され、雪Sに食い込ませるための複数の刃5aを有する固定刃部材5と、鎖部材3と固定刃部材5との間に配置され、雪Sに食い込ませるための回転可能な刃10aを有する回転刃部材10と、を備える。【選択図】 図1
Description
本考案は、建物等の屋根に積もった雪を2人の作業者が手作業で除雪する際に使用する除雪用具に関するものである。
従来より、建物等の屋根に積もった雪を作業者が手作業で除雪する場合、作業者自身が屋根に上がり、スコップやスノーダンプ等を用いて雪を地上に落とすことが行われてきた。このような除雪作業は、屋根の上での重労働を要すると共に転落等の危険をも伴うため、作業者が限定されていた。そのため、作業者が屋根に上がることなく、地上から除雪作業をできる手段が提供されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
すなわち、特許文献1に係る従来技術は、先端が傾斜した柄と、柄の先端に取り付けられた雪掻き板と、雪掻き板又はその近傍に一端が取り付けられた引きロープとを有する雪下し器を提供しており、このロープを引くことにより前記雪掻き板が雪に埋まり、雪を深く削り取ることができるとしている。
また、特許文献2に係る従来技術は、一端が屋根の棟の支持装置に取付けられ他端が地上まで延在するワイヤロープを設けた手段を提供しており、このワイヤロープの他端部を左右に移動させることにより雪庇を含む屋根面上の雪をかき下ろすことができるとしている。
しかし、特許文献1に係る従来技術は、雪掻き板にかかる荷重や雪掻き板を屋根に配置する労力等を考慮すると、雪掻き板の面積や重量を小さくしなければならず、1回のロープ引き動作で除雪できる範囲が狭かった。そのため、広範囲の雪を下ろすには、上記ロープ引き動作を多数回繰り返さなければならず、多大な労力を要していた。
また、特許文献2に係る従来技術は、屋根の棟に予め大型の支持装置を設置しなければならず、構造が複雑化し、多大な設置コストがかかってしまうという課題があった。
また、特許文献2に係る従来技術は、屋根の棟に予め大型の支持装置を設置しなければならず、構造が複雑化し、多大な設置コストがかかってしまうという課題があった。
本考案は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、作業者が建物等の屋根に上がることなく、屋根に積もった雪を簡易な構成にて容易に除雪することができる除雪用具を提供することを目的とする。
本考案の除雪用具は、建物等の屋根に積もった雪を2人の作業者が除雪する際に使用する除雪用具であって、前記作業者が把持する一対の作業棒と、前記一対の作業棒の先端部に端部をそれぞれ着脱自在に連結され、前記屋根の除雪対象箇所に架け渡される鎖部材と、前記鎖部材の途中に配置されると共に当該鎖部材に両端部を連結され、前記雪に食い込ませるための複数の刃を有する固定刃部材と、を備えることを特徴とする。
また、本考案の除雪用具は、前記考案において、前記鎖部材と前記固定刃部材との間に配置されると共に当該鎖部材及び当該固定刃部材に連結され、前記雪に食い込ませるための回転可能な刃を有する回転刃部材を更に備えることを特徴とする。
また、本考案の除雪用具は、前記考案において、前記鎖部材、前記回転刃部材及び前記固定刃部材を直列に連結して所定の単位長さに構成した除雪ユニット部を複数備えると共に、当該除雪ユニット部同士を連結するユニット連結部材を備えることを特徴とする。
また、本考案の除雪用具は、前記考案において、前記刃は、刃先に円みを付けた金属製の刃を所定の樹脂でコーティングしたもの又はガラス繊維強化樹脂を素材として成形されたものであることを特徴とする。
また、本考案の除雪用具は、前記考案において、前記作業棒は、互いに連結可能に構成された単位作業棒を長手方向に複数連結することにより伸長可能に構成され、又は複数の筒状部材を入れ子式に配設することにより伸縮自在に構成されることを特徴とする。
本考案によれば、作業者が建物等の屋根に上がることなく、屋根に積もった雪を簡易な構成にて容易に除雪することができる除雪用具を提供することができる。
本考案の実施の形態に係る除雪用具1について図1〜図12を参照しながら詳細に説明する。図1は、本考案の実施の形態に係る除雪用具1の使用状態を示す説明図である。図2は、除雪用具1の全体を示す正面図である。図3は、除雪用具1の要部を拡大して示す正面図である。図4は、分解した作業棒2を示す正面図であり、図4(a)は、単位作業棒を示し、図4(b)は、ストラップ4を装着した単位作業棒2aを示している。
図5は、ストラップ4を示す正面図である。図6は、先端金具6を示す正面図であり、雌ねじ部6bを部分断面で示してある。図7は、連結金具7を示す正面図である。図8は、固定刃部材5を示す側面図である。図9は、回転刃部材10を示す説明図であり、図9(a)は、回転刃部材10を示す側面図、図9(b)は、回転刃部材10を示す正面図である。 図10は、自動車16に対する除雪作業の様子を示す説明図である。図11は、農業用ビニールハウス17に対する除雪作業の様子を示す説明図である。図12は、3人の作業者Pによる除雪用具1の使用状態を示す説明図である。
図5は、ストラップ4を示す正面図である。図6は、先端金具6を示す正面図であり、雌ねじ部6bを部分断面で示してある。図7は、連結金具7を示す正面図である。図8は、固定刃部材5を示す側面図である。図9は、回転刃部材10を示す説明図であり、図9(a)は、回転刃部材10を示す側面図、図9(b)は、回転刃部材10を示す正面図である。 図10は、自動車16に対する除雪作業の様子を示す説明図である。図11は、農業用ビニールハウス17に対する除雪作業の様子を示す説明図である。図12は、3人の作業者Pによる除雪用具1の使用状態を示す説明図である。
図1に示すように、本考案の実施の形態に係る除雪用具1は、建物Hの屋根Rに積もった雪Sを2人の作業者P,Pが除雪する際に使用するものである。図1及び図2に示すように、この除雪用具1は、作業者Pが把持する一対の作業棒2,2と、一対の作業棒2,2の先端部に連結され、屋根Rの除雪対象箇所に架け渡される鎖部材3と、鎖部材3の途中に配置され、雪Sに食い込ませるための複数の刃5aを有する固定刃部材5と、鎖部材3と固定刃部材5との間に配置され、雪Sに食い込ませるための回転可能な刃10aを有する回転刃部材10と、を主として備える。
図2及び図4(a)に示すように、作業棒2は、互いに連結可能に構成された単位作業棒2aを長手方向に複数連結することにより任意の長さに伸長可能に構成されている。すなわち、単位作業棒2aは、図4(a)に示すように、所定の単位長さ(例えば、60〜70cm程度の長さが好ましい)に構成され、一端に雄ねじ部2bを有し、他端に雄ねじ部2bと係合可能な雌ねじ部2cを有する。この単位作業棒2aは、例えば、直径が3〜4cmのアルミニウム合金製の中空パイプにて軽量且つ握りやすく形成されることが好ましい。
また、図4(b)に示すように、単位作業棒2aの雌ねじ部2cには、作業者Pが手指などを通すためのストラップ4が着脱自在に装着されている。このストラップ4は、図5に示すように、ストラップ部4aと、雌ねじ部2cと係合可能な雄ねじ部4bとからなる。
また、図3、図4(a)及び図6に示すように、単位作業棒2aの雄ねじ部2bには、先端金具6が装着される。先端金具6は、図6に示すように、雌ねじ部6bを有する金具本体6aと、連結部6cとからなる。雌ねじ部6bは、単位作業棒2aの雄ねじ部2bと係合可能に構成されている。連結部6cは、略逆U字状に形成され、後述する連結金具7(図3及び図7参照)を介して鎖部材3と連結される。
また、図3、図4(a)及び図6に示すように、単位作業棒2aの雄ねじ部2bには、先端金具6が装着される。先端金具6は、図6に示すように、雌ねじ部6bを有する金具本体6aと、連結部6cとからなる。雌ねじ部6bは、単位作業棒2aの雄ねじ部2bと係合可能に構成されている。連結部6cは、略逆U字状に形成され、後述する連結金具7(図3及び図7参照)を介して鎖部材3と連結される。
鎖部材3は、図2及び図3に示すように、例えば、金属製のサッシュ鎖(サッシュチェーン、打ち抜き鎖)として構成され、重量・強度・耐食性などの観点からステンレス製であることが好ましい。この鎖部材3を構成する一つの鎖(一つのリング)の全体形状は、ほぼ三角形であり、雪S(図1参照)に食い込み易くなっている。また、図3に示す鎖部材3の全体の長さ(5つのリングの長さ)は、例えば、15cm程度に構成されることが好ましい。
固定刃部材5は、図2及び図3に示すように、鎖部材3の途中に配置され、後述する回転刃部材10を介して鎖部材3と連結されている。この連結には、後述する連結金具7が用いられる。固定刃部材5は、図3及び図8に示すように、平板部5bと、この平板部5bの下端縁から延び、雪S(図1参照)に食い込ませるための複数(例えば、5つ)の刃5aと、連結穴5cと、を備える。例えば、固定刃部材5の長辺は20cm程度が好ましく、短辺は3cm程度が好ましい。また、刃5aの突出長さは、2cm程度が好ましい。平板部5bと刃5aとがなす角度Tは、例えば、135〜140度程度の鈍角が好ましい。このように設定することで、刃5aを雪S(図1参照)に食い込み易くすることができる。
また、固定刃部材5の刃5aは、正面視及び側面視における形状が、先端に向かって徐々に細くなるように形成され、刃先に円みを付けている。刃先をこのように構成することで、刃5aが雪S(図1参照)に食い込む際の抵抗を少なくすることができる。刃5aは、上記刃先に円みを付けた金属製の刃を所定の樹脂でコーティングしたもの又はガラス繊維強化樹脂を素材として成形されたものであることが好ましい。除雪の際に、刃5aで屋根R(図1参照)等に傷を付けないようにするためである。
上記所定の樹脂としては、自己潤滑性、耐摩耗性、撥水性などに優れた樹脂、例えば、シリコーン樹脂(ケイ素樹脂)などが好ましい。また、ガラス繊維強化樹脂として、例えば、ガラス繊維強化ナイロン樹脂などが好ましい。
上記所定の樹脂としては、自己潤滑性、耐摩耗性、撥水性などに優れた樹脂、例えば、シリコーン樹脂(ケイ素樹脂)などが好ましい。また、ガラス繊維強化樹脂として、例えば、ガラス繊維強化ナイロン樹脂などが好ましい。
連結金具7は、図7に示すように、細長い楕円形状の金属製リング部材であり、例えば、いわゆるナスカンとして構成されている。すなわち、連結金具7は、通常はバネ(図示せず)の付勢力でリングは閉じており、レバー7aをリング内側へ押し下げるとリングが開く構成となっている。レバー7aは、軸7bによって回動自在に軸支されている。この連結金具7は、例えば、アルミニウム合金にて形成され、後述するユニット連結部材としても機能する。
回転刃部材10は、図2及び図3に示すように、鎖部材3と固定刃部材5との間に配置され、これらと上記連結金具7によって着脱自在に連結される。この回転刃部材10は、図9に示すように、雪S(図1参照)に食い込ませるための回転可能な刃10aと、この刃10aを回転自在に軸支する軸部10bと、この軸部10bの両端部に連結されたリング部10cと、を備える。
刃10aは、正面視及び側面視における形状が、先端に向かって徐々に細くなるように形成され、刃先に円みを付けている。刃先をこのように構成することで、刃10aが雪(図1参照)に食い込む際の抵抗を少なくすることができる。なお、図9(a)において、説明の便宜上、刃10aの図示を一部省略している。刃10aは、上記刃先に円みを付けた金属製の刃を所定の樹脂でコーティングしたもの又はガラス繊維強化樹脂を素材として成形されたものであることが好ましい。除雪の際に、刃10aで屋根R(図1参照)等に傷を付けないようにするためである。これら樹脂の好ましい具体例は、前記固定刃部材5の刃5aの場合と同様である。リング部10c,10cには、上記連結金具7がそれぞれ装着(連結)される。
図2に示すように、除雪用具1は、以上のように構成された鎖部材3、回転刃部材10及び固定刃部材5を直列に連結して所定の単位長さに構成した除雪ユニット部15を複数備える。この複数の除雪ユニット部15同士は、ユニット連結部材としての上記連結金具7によって連結される。
次に、除雪用具1の使用方法を図1及び図2等を参照しながら説明する。ここで、図1に示す座標軸Xは屋根Rの軒に対して平行な方向を示し、座標軸Yは屋根Rの傾斜面に対して平行な方向を示し、座標軸Zは鉛直方向を示している。
先ず、作業者Pは、必要数の除雪ユニット部15(図2参照)を連結金具7によって予め連結しておく。また、作業棒2も必要な長さ(高さ)となるように、複数の単位作業棒2a(図2及び図3参照)を予め連結しておく。
先ず、作業者Pは、必要数の除雪ユニット部15(図2参照)を連結金具7によって予め連結しておく。また、作業棒2も必要な長さ(高さ)となるように、複数の単位作業棒2a(図2及び図3参照)を予め連結しておく。
そして、図2に示すように、所定長さに連結した除雪ユニット部15(以下、単に除雪ユニット部15と記す)の両端部の鎖部材3に、作業棒2の先端部をそれぞれ連結しておく。すなわち、図2及び図3に示すように、作業棒2の先端に装着した先端金具6と鎖部材3とを連結金具7(図7参照)を介して連結しておく。これらの連結作業は、地上において行われる。
次に、2人の作業者P,Pは、屋根Rに上らずに地上から作業棒2を把持し、除雪ユニット部15が弛まないようにしながら、除雪ユニット部15を屋根Rの除雪対象箇所にX方向に架け渡す。そして、2人の作業者P,Pは、両手引き鋸を使用する要領で、除雪ユニット部15をX方向に往復移動させつつ、Z方向にも所定量移動させる。これにより、雪Sは、固定刃部材5の刃5aによって切断されると共に、鎖部材3によっても切断される。すなわち、除雪ユニット部15は、雪Sの中にZ方向に食い込んでいく。
除雪ユニット部15が雪Sに対して所定量食い込んだら、2人の作業者P,Pは、除雪ユニット部15をY方向に所定量引き下ろす。すると、雪Sは、主に固定刃部材5の平板部5b(図3参照)によってY方向に押圧される共に、鎖部材3によってもY方向に押圧される。
固定刃部材5は、図8に示すように、角度Tで折曲しているため、Y方向に進む際に、先細り状の刃5aが雪Sに食い込み易い。また、複数の刃5aによる鋸効果により、凍結した雪Sをも切断することができる。更に、回転刃部材10の刃10aが、雪Sからの押圧力(反力)を受けつつ回転し、雪Sの中に食い込んでいく。
固定刃部材5は、図8に示すように、角度Tで折曲しているため、Y方向に進む際に、先細り状の刃5aが雪Sに食い込み易い。また、複数の刃5aによる鋸効果により、凍結した雪Sをも切断することができる。更に、回転刃部材10の刃10aが、雪Sからの押圧力(反力)を受けつつ回転し、雪Sの中に食い込んでいく。
これにより、雪Sは、X方向に沿って切断を促進されつつ、Y方向に引き下ろされる。その結果、屋根Rの広範囲の雪Sを容易に地上に落下させることができる。以上の作業を他の除雪対象箇所に対しても必要回数、繰り返せばよい。なお、除雪ユニット部15の各方向への移動距離は、2人の作業者P,Pの体力、雪質(硬さ)、積雪量などに応じて適宜調節すればよい。
以上に説明した実施の形態の除雪用具1によれば、以下に示す各効果が奏される。実施の形態の除雪用具1は、2人の作業者P,Pが把持する一対の作業棒2,2と、一対の作業棒2,2の先端部に連結され、屋根Rの除雪対象箇所に架け渡される鎖部材3と、鎖部材3の途中に配置され、雪Sに食い込ませるための複数の刃5aを有する固定刃部材5と、鎖部材3と固定刃部材5との間に配置され、雪Sに食い込ませるための回転可能な刃10aを有する回転刃部材10と、を主として備える。
そのため、地上の2人の作業者P,Pが、除雪用具1の除雪ユニット部15を両手引き鋸を使用する要領でX方向に往復移動させると共に、Y方向に引き下ろすことにより、屋根Rの広範囲の雪Sを主として固定刃部材5によって切断し、落下させることができる。したがって、作業者Pが建物Hの屋根Rに上がることなく、屋根Rに積もった雪Sを簡易な構成にて容易に除雪することができる。
そのため、地上の2人の作業者P,Pが、除雪用具1の除雪ユニット部15を両手引き鋸を使用する要領でX方向に往復移動させると共に、Y方向に引き下ろすことにより、屋根Rの広範囲の雪Sを主として固定刃部材5によって切断し、落下させることができる。したがって、作業者Pが建物Hの屋根Rに上がることなく、屋根Rに積もった雪Sを簡易な構成にて容易に除雪することができる。
また、除雪用具1は、鎖部材3と固定刃部材5との間に配置されると共に鎖部材3及び固定刃部材5に連結され、雪Sに食い込ませるための回転可能な刃10aを有する回転刃部材10を備える。そのため、除雪ユニット部15をY方向に引き下ろすことにより、回転刃部材10の刃10aが、雪Sからの押圧力(反力)を受けつつ回転し、雪Sの中に食い込んでいき、X方向に沿って雪Sの切断(分断)を促進することができる。
また、除雪用具1の作業棒2は、互いに連結可能に構成された単位作業棒2aを長手方向に複数連結することにより伸長可能に構成されている。そのため、除雪対象箇所の高さに応じて、作業棒2の長さを容易に調節することができる。また、作業棒2を使用しない場合には、連結を外してコンパクトに収納することができる。
また、除雪用具1は、鎖部材3、回転刃部材10及び固定刃部材5を直列に連結して所定の単位長さに構成した除雪ユニット部15を複数備えると共に、除雪ユニット部15同士を連結する連結金具7を備える。そのため、除雪対象箇所の広さ(X方向の長さ)に応じて、除雪ユニット部15の長さを容易に調節することができる。
また、固定刃部材5の刃5aは、正面視及び側面視における形状が、先端に向かって徐々に細くなるように形成され、刃先に円みを付けている。そのため、刃5aが雪S(図1参照)に食い込む際の抵抗を少なくすることができる。
更に刃5aは、上記刃先に円みを付けた金属製の刃をシリコーン樹脂(ケイ素樹脂)でコーティングされ、又はガラス繊維強化ナイロン樹脂を素材として成形されている。そのため、除雪の際に、刃5aで屋根R(図1参照)等に傷を付けないようにすることができる。
更に刃5aは、上記刃先に円みを付けた金属製の刃をシリコーン樹脂(ケイ素樹脂)でコーティングされ、又はガラス繊維強化ナイロン樹脂を素材として成形されている。そのため、除雪の際に、刃5aで屋根R(図1参照)等に傷を付けないようにすることができる。
また、除雪用具1は、鎖部材3、回転刃部材10及び固定刃部材5を直列に連結して所定の長さに形成した除雪ユニット部15(図2参照)を備える。すなわち、除雪ユニット部15が棒状部材のような剛性を有しておらず、長手方向の形状を自由に変形することができる。そのため、除雪対象物の除雪面が、平坦面に加え適宜湾曲等しているものであっても、その表面形状に沿って上記鎖部材3等を柔軟に配置・当接することができ、汎用性がきわめて高い。
したがって、除雪用具1によれば、例えば、図10に示すように、自動車16の屋根Rに対しても容易に除雪を行うことができる。この場合、鎖部材3、回転刃部材10及び固定刃部材5の連結長さを短く形成している。そして、ストラップ4(図5及び図6参照)の雄ねじ部4bを先端金具6の雌ねじ部6bに係合させ、連結部6cと連結金具7とを連結金具7で連結している。このように構成することにより、除雪対象が狭く且つ表面形状が適宜湾曲している場合であっても、容易に除雪することができる。
また、除雪用具1は、上記と同様の理由から、図11に示すように、農業用ビニールハウス17の屋根Rの除雪に対しても使用することができる。この場合は、屋根Rの大きさに応じて、鎖部材3、回転刃部材10及び固定刃部材5の連結長さを長く設定すればよい。
また、除雪用具1は、複数の除雪ユニット部15を連結金具7で連結して構成されている。そのため、図12に示すように、適宜位置の連結金具7や鎖部材3(鎖の穴)に対して、他の作業棒2を上述した要領にて連結することができる。すなわち、必要に応じて、作業者Pを容易に増員することもできる。
以上、本考案の一実施形態について説明したが、本考案は、前述した実施の形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。以下の説明においては、前述した実施の形態とは異なる点を中心に説明し、前述した実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、特に説明しない点は、前述した実施の形態についての説明が適宜適用又は援用される。
例えば、前記実施の形態においては、作業棒2の基端部にストラップ4(図4及び図5参照)を用いるものとして説明したが、これに限定されず、図13に示すように、ストラップ4の代わりに、剛性の高いグリップ18を用いてもよい。ここで、図13は、他のグリップ18を示す正面図である。
グリップ18は、T字状のグリップ本体18aと、雄ねじ部18bとからなる。雄ねじ部18bは、単位作業棒2aの雌ねじ部2c(図4(a)参照)に係合可能に構成されている。このようなグリップ18を用いることにより、作業者Pが作業棒2を把持し易くなり、作業性を更に向上することができる。なお、グリップ18に例えばゴムシートを貼付するなど、適宜の滑り止めを設けてもよい。
グリップ18は、T字状のグリップ本体18aと、雄ねじ部18bとからなる。雄ねじ部18bは、単位作業棒2aの雌ねじ部2c(図4(a)参照)に係合可能に構成されている。このようなグリップ18を用いることにより、作業者Pが作業棒2を把持し易くなり、作業性を更に向上することができる。なお、グリップ18に例えばゴムシートを貼付するなど、適宜の滑り止めを設けてもよい。
また、図14に示すように、ストラップ4とグリップ19とを併用した単位作業棒2aを構成してもよい。ここで、図14は、ストラップ4及びグリップ19を有する他の単位作業棒2aを示す正面図である。このようなストラップ4とグリップ19とを併用した単位作業棒2aを用いることにより、作業者Pが作業棒2を把持し易くなり、作業性を更に向上することができる。
また、前記実施の形態においては、作業棒2の先端部に先端金具6(図3及び図6参照)を用いるものとして説明したが、これに限定されず、図15に示すように、先端金具6Aを用いてもよい。ここで、図15は、フック部6dを有する先端金具6Aを示す正面図である。先端金具6Aは、連結金具7を用いることなく、鎖部材3に直接連結可能なフック部6dを有している。そのため、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。
また、前記実施の形態においては、刃5aを有する固定刃部材5(図3参照)を用いるものとして説明したが、これに限定されず、図16又は図17に示すような固定刃部材5A,5Bを用いてもよい。ここで、図16は、他の固定刃部材5Aを示す斜視図である。図17は、他の固定刃部材5Bを示す斜視図である。
図16に示すように、固定刃部材5Aは、平板部5bの下端縁に、マキビシ形状の刃5dを4つ備えている。また、図17に示すように、固定刃部材5Bは、連結棒5eに、マキビシ形状の刃5dを4つ備えている。連結棒5eの両端部には、連結リング5fを備える。この連結リング5fには、連結金具7が連結されるようになっている。
このような固定刃部材5A,5Bを備えることにより、雪Sへの食い込みや切断を効果的に行うことができる。なお、固定刃部材5A,5Bの刃5dの大きさ(突出長さ)、数、形状等は、雪質や積雪量等を考慮して適宜設定すればよい。
図16に示すように、固定刃部材5Aは、平板部5bの下端縁に、マキビシ形状の刃5dを4つ備えている。また、図17に示すように、固定刃部材5Bは、連結棒5eに、マキビシ形状の刃5dを4つ備えている。連結棒5eの両端部には、連結リング5fを備える。この連結リング5fには、連結金具7が連結されるようになっている。
このような固定刃部材5A,5Bを備えることにより、雪Sへの食い込みや切断を効果的に行うことができる。なお、固定刃部材5A,5Bの刃5dの大きさ(突出長さ)、数、形状等は、雪質や積雪量等を考慮して適宜設定すればよい。
また、前記実施の形態においては、作業棒2は、単位作業棒2aを長手方向に複数連結するもの(図2及び図4参照)として説明したが、これに限定されず、図18に示すように、複数の筒状部材20を入れ子式に配設することにより伸縮自在に構成することもできる。ここで、図18は、他の作業棒2を示す正面図であり、図18(a)は、作業棒2を縮めた状態を示し、図18(b)は、作業棒2を伸長した状態を示している。
固定ねじ21は、所定長さに伸長した各筒状部材20の位置を固定するものである。このような入れ子式の作業棒2によっても、前記実施の形態で示した作業棒2と同様の効果を奏するほか、更に収納性を高めることができる。
固定ねじ21は、所定長さに伸長した各筒状部材20の位置を固定するものである。このような入れ子式の作業棒2によっても、前記実施の形態で示した作業棒2と同様の効果を奏するほか、更に収納性を高めることができる。
また、前記実施の形態においては、鎖部材3、回転刃部材10及び固定刃部材5を直列に連結して除雪ユニット部15を構成するものとして説明したが、これに限定されず、鎖部材3及び固定刃部材5を直列に連結して除雪ユニット部15を構成してもよい。すなわち、雪質や積雪量等を考慮して回転刃部材10の配置を省略してもよい。
H 建物
P 作業者
R 屋根
S 雪
1 除雪用具
2 作業棒
2a 単位作業棒
3 鎖部材
5,5A,5B 固定刃部材
5a、5d 刃
7 連結金具(ユニット連結部材)
10 回転刃部材
10a 刃
15 除雪ユニット部
20 筒状部材
P 作業者
R 屋根
S 雪
1 除雪用具
2 作業棒
2a 単位作業棒
3 鎖部材
5,5A,5B 固定刃部材
5a、5d 刃
7 連結金具(ユニット連結部材)
10 回転刃部材
10a 刃
15 除雪ユニット部
20 筒状部材
Claims (5)
- 建物等の屋根に積もった雪を2人の作業者が除雪する際に使用する除雪用具であって、
前記作業者が把持する一対の作業棒と、
前記一対の作業棒の先端部に端部をそれぞれ着脱自在に連結され、前記屋根の除雪対象箇所に架け渡される鎖部材と、
前記鎖部材の途中に配置されると共に当該鎖部材に両端部を連結され、前記雪に食い込ませるための複数の刃を有する固定刃部材と、
を備えることを特徴とする除雪用具。 - 前記鎖部材と前記固定刃部材との間に配置されると共に当該鎖部材及び当該固定刃部材に連結され、前記雪に食い込ませるための回転可能な刃を有する回転刃部材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の除雪用具。
- 前記鎖部材、前記回転刃部材及び前記固定刃部材を直列に連結して所定の単位長さに構成した除雪ユニット部を複数備えると共に、当該除雪ユニット部同士を連結するユニット連結部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の除雪用具。
- 前記刃は、刃先に円みを付けた金属製の刃を所定の樹脂でコーティングしたもの又はガラス繊維強化樹脂を素材として成形されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の除雪用具。
- 前記作業棒は、互いに連結可能に構成された単位作業棒を長手方向に複数連結することにより伸長可能に構成され、又は複数の筒状部材を入れ子式に配設することにより伸縮自在に構成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の除雪用具。
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