JP3198358U - 五つの異なる包装体になる一枚の風呂敷 - Google Patents

Abstract

【課題】五つの異なる包装体にすることのできる一枚の風呂敷を提供する。【解決手段】正方形の風呂敷の表面において、対抗する角と角とを結ぶ十字の仮想線を引き、水平に伸びる仮想線３の中央より少し右および少し左の位置Ｂ、Ａに背負い紐１の端部を取り付け、垂直に伸びる仮想線４の上方の位置Ｅに背負い紐の中央を取り付け、垂直仮想線の上端近くおよび下端近くの位置Ｃ、Ｄに提げ手２を取り付ける。角と角とを結べば普通の風呂敷包みができる。二つの提げ手２の間に物品を載せ、角と角とを結べば手提げとして持ち運べる。また、風呂敷の裏面に物品を載せ、角と角とを結べば、表面には背負い紐が現われ、リュックサックのように背負うことができる。【選択図】図１

Description

本考案は、一枚の風呂敷に、ちょっと手を加えるだけで、それをいろいろな包装体に変えることができるようにした風呂敷に関する。

風呂敷を一枚持って買い物に出かけた。いろいろな物を買ったため大きな風呂敷包みになった。重くてこれを手に抱えて家に持ち帰るのはたいへんだった。雨の日などは特に、傘を片手に持たなくてはならないから一層たいへんだった。そこで、この風呂敷包みが手提げやリュックサックのように、背負えたらいいなと考えた。
一枚の風呂敷にちょっと手を加えただけで、それを手提げやリュックサックなどに変えられるものがないかできる限り調べてみた。しかし、そのようなものは見つからなかった。そのため、いろいろ試作し改良を重ねてみた。

本考案の技術課題は、風呂敷にちょっと手を加えるだけで、それを五つの異なる包装体にすることのできる一枚の風呂敷を提供することにある。

本考案で、「包装体」とは、持ち運びなどが簡単にできるように物品を包み込んだ単一の物を意味している。また、本考案においては、背負い紐や提げ手を風呂敷に取り付けるとしているが、その「取り付け」は、背負い紐や提げ手が常に風呂敷に固着している取り付けと、それらが風呂敷から取り外し自在にできるように構成された取り付けの両方を含むものとする。
一枚の風呂敷にちょっと手を加えるだけで、それを五つの異なる包装体にすることのできるようにするため、本考案は次の手段を採用した。
一枚の風呂敷の表面に、背負い紐の両端部および中間点ならびに二つの提げ手を取り付けた。

一枚の風呂敷にちょっと手を加えるだけで、それを見栄えが良くて丈夫で使い勝手の良い五つの異なる包装体にすることのできるようにするため、本考案は特に次の手段を採用した。
正方形の風呂敷の表面において、対抗する角と角とを結ぶ十字の仮想線を引き、水平に伸びる仮想線の中央より少し右および少し左の位置（ＡおよびＢとする。）に背負い紐の端部を取り付け、垂直に伸びる仮想線の上方の位置（Ｅとする。）に背負い紐の中央を取り付け、前記垂直仮想線の上端近くおよび下端近くの位置（ＣおよびＤとする。）に提げ手を取り付けた。

請求項１に記載の考案を構成する各事項により奏される効果は次のとおりである。
本考案は、一枚の風呂敷の表面に背負い紐と提げ手を取り付けるだけで完成し、他の構成要素を付け加える必要が無いものであるから、非常に簡単に、しかもコストをかけずに実施できる。
また、本考案は、従来から使用していた風呂敷にも新しく買った風呂敷にも適用できるものであるから、箪笥にしまっておいた古い風呂敷なども、少し手を加えればコストや手間をかけずにそれらを生まれ変わらせ再利用することが可能になる。

一枚の風呂敷の表面には、背負い紐の両端部および中間点と二つの提げ手とが取り付けられてあるだけだから、その表面に物品を載せ、普通の風呂敷と同様に角と角とを結べば普通の風呂敷包みができる。その裏面に物品を載せたときも同様である。
また、風呂敷の表面の二つの提げ手の間に物品を載せ、風呂敷の角と角とを結べば手提げとして持ち運べる包装体ができる。その裏面に物品を載せたときも同様である。
さらにまた、風呂敷の裏面に物品を載せ、風呂敷の角と角とを結べば、表面には背負い紐が現われるから、その紐に手を通してリュックサックのようにして背負うことのできる包装体ができる。
上述した書く場合において、背負い紐や提げ手の取り付けを取り外し自在にできるように構成したときは、それらを取り外して、包装体の体裁を一層良くすることができるのは言うまでもない。
以上のようにして、本考案によれば、一枚の風呂敷を簡単に五つの異なる包装体に変えることができる。

請求項２に記載の考案を構成する各事項により奏される効果は、特に次のとおりのものとなる。
背負い紐の取り付け位置（ＡとＢ）が左右対称になり、提げ手の取り付け位置（ＣとＤ）が上下対称になっているから、それらを風呂敷の図柄や模様などと組み合わせて、見栄えの良い包装体にすることができる。
その包装体の見栄えや使い勝手をもっとよくしようとしたら、背負い紐や提げ手の風呂敷への取り付けを取り外し自在にできるように構成し、風呂敷の表面から背負い紐や提げ手を無くしさえすればよい。

垂直仮想線の上端近くおよび下端近くの位置（ＣおよびＤ）に提げ手を取り付けたことによる効果は次のとおりである。
風呂敷の表面に物品を載せたときは、Ａの傍の風呂敷の角とＢの傍の角とを結んでから二つの提げ手を引き合わせれば、手提げとして使用できる包装体になる。この場合、風呂敷のＣの傍の角とＤの傍の角は、風呂敷の表面に垂れさがるから、その垂れさがった部分を利用すれば、その手提に一層美しい装飾的効果を発揮させることができる。
風呂敷の裏面に物品を載せたときは、まずＡの傍の風呂敷の角とＢの傍の角とを結び、次いでＣの傍の風呂敷の角とＤの傍の角を結ぶ。すると、その結んだ部分が二つの提げ手の間で花が開いたような形になる手提げが形成される。

水平仮想線の中央より少し右および少し左の位置（ＡおよびＢ）に背負い紐の端部を取り付け、垂直に伸びる仮想線の上方の位置（Ｅ）に背負い紐の中央を取り付けたことによる効果は次のとおりである。
上述のようにして、風呂敷の裏面に物品を載せ、Ａの傍の角とＢの傍の角とを結び、次いでＣの傍の角とＤの傍の角とを結ぶと、リュックサックとして形成された包装体ができあがる。その包装体の全重量はＡ、ＢおよびＥの三点に分散されて背中の全面に当たることになるから、重いものも軽々と運べ、しかも両手は自由に使うことができる。

（ａ）は本考案を実施するための一つの形態、すなわち一枚の風呂敷の表面の平面図で、（ｂ）はその風呂敷とともに用いられる背負い紐の斜視図である。 前記の風呂敷の裏面に物品を載せて、手提げに形成した包装体の斜視図である。 前記の風呂敷をリュックサックに形成した包装体の正面図である。

以下、本考案の実施の形態を図に基づいて説明する。

風呂敷の形は、正方形でなくても本考案を実施することはできる。しかし、正方形でない風呂敷の場合には、端部と端部を結び合わせて包装体にすることを考慮して、結びあわせやすいような角すなわち端部を有する風呂敷であることが望ましい。その風呂敷の種類は問わない。新しい風呂敷に対しても、古い風呂敷に対しても本考案を実施できることは、前述した。
異なる形の風呂敷に対して背負い紐１や提げ手２を取り付けるときは、その取り付け位置について、取り付けた後に提げ手２が現われなかったり、背負い紐１に手を通せないようになったりすることのないように、特に注意を払う必要がある。

背負い紐１の取り付けを取り外し自在にできるようにするには、各種の手段が用いられる。一例をあげると、図１（ａ）に示すように、Ａの位置とＢの位置に円環５，５を固着し、背負い紐の中間点に当たるＥの位置には円筒状の紐通し６を固着しておき、まず背負い紐の一方の端部を一方の円環５に縛り付け、他方の端部を紐通し６をくぐらせた後他方の円環５に縛り付ける。

あるいは、Ｂの位置には円環５を固着しておかず、円環５の代わりに背負い紐１の一方の端部を固着するようにしておいてもよい。
但し、その場合には、背負い紐１の処置に工夫を要する。何故なら、風呂敷の裏面に物品を載せて普通の風呂敷と同様の使い方をしようとするときに、背負い紐１が表側に露出し垂れさがってしまう。また、風呂敷の裏面に物品を載せて手提げとして使おうとしたときもまた、背負い紐が表側に露出し垂れさがってしまう。それは、見栄えが損なわれ使い勝手が悪くなるという難点になる。
しかし、そのような難点は容易に解決できる。その難点を無くするには、図示を省略したが、Ｂの位置の傍に透孔を空けておき、前述の使い方をする際に、露出した背負い紐１を風呂敷の裏面に引き出せるように構成するだけでよいからである。

本考案は、風呂敷を製造または加工する産業で利用される。

１ 背負い紐
２ 提げ手
３ 水平仮想線
４ 垂直仮想線
５ 円環
６ 紐通し

Claims (2)

1. 風呂敷の表面に、背負い紐の両端部および中間点ならびに二つの提げ手を取り付けただけの、五つの包装体になる一枚の風呂敷。
2. 正方形の風呂敷の表面において、対抗する角と角とを結ぶ十字の仮想線を引き、水平に伸びる仮想線の中央より少し右および少し左の位置に背負い紐の端部を取り付け、垂直に伸びる仮想線の上方の位置に背負い紐の中央を取り付け、前記垂直仮想線の上端近くおよび下端近くの位置に提げ手を取り付けた請求項１に記載の、五つの包装体になる一枚の風呂敷。

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