JP3197850B2 - シリンダ用シール材 - Google Patents

シリンダ用シール材

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JP3197850B2 JP25566897A JP25566897A JP3197850B2 JP 3197850 B2 JP3197850 B2 JP 3197850B2 JP 25566897 A JP25566897 A JP 25566897A JP 25566897 A JP25566897 A JP 25566897A JP 3197850 B2 JP3197850 B2 JP 3197850B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体圧シリンダの
ロッドを囲繞して、ダストや水などがシリンダ内部に侵
入するのを防止するシリンダ用シール材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、流体圧シリンダなどのロッド
部において外部から侵入するダストや水などをシールす
るには、例えば、図7に示すようなシール材が用いられ
ている。このシール材70は、金属製の補強環77の内
径側に弾性材料からなるダストシール71が接着されて
おり、ダストシール71の内径側にシールリップ72お
よびオイルシールリップ74が形成されている。通常の
使用においては、このようなシール材で充分であるが、
特にダストの浮遊量が多い環境下においてロッド2が作
動するような場合、あるいはロッド2に多量の水が掛か
るような場合、ロッド2が水中で作動するような場合に
おいては、ロッド2表面にダストが付着したり、水に含
まれる固体状微粒子がロッド2に付着する。このため、
ロッド2表面に摺接するシールリップ72、オイルシー
ルリップ74の端部が磨耗してシール性が維持できなく
なり、その結果、ダストあるいは水などがシリンダ内に
侵入して油圧機器の故障の原因となることがあった。
【0003】このような問題を解決するために、例え
ば、図8に示すようなシール材が用いられている。この
シール材では、第1シール材80のハウジング1の内部
側に、外部のダストや水などと直接接触しない第2シー
ル材86を装着し、そのシールリップ83により、シー
ル材81のシールリップ72を通過して侵入した水など
をシールする方法が取られている。このような構成にす
ると、第2シール材86により、水の侵入は通常の使用
では問題のない程度に防ぐことができる。しかし、第1
シール材80と第2シール材86との間に侵入した水に
より、ハウジング1、シール材装着溝84および空間8
8の金属部分に錆が発生し、この錆がロッド2に付着
し、シールリップ83が磨耗してシール性を低下させる
という問題が発生する。さらに、この方法ではハウジン
グに2つのシール材装着溝を形成する必要があり、製造
工程が複雑になるなどの問題がある。
【0004】また、特開平2−35273号公報では、
図9に示すようなシール材が提案されている。すなわ
ち、このシール材は、弾性材料によりほぼ全体が包囲さ
れたほぼL字あるいはJ字断面形状を呈する補強環92
と、該補強環92の径方向部分93の内周側に設けら
れ、軸方向外側に突き出てロッド2の表面に当接するシ
ールリップ91とを備えた第1シール90と、ロッド2
の表面に摺接する内周側リップ95を備えた弾性材料か
らなる第2シール96とを有し、該第2シール96が前
記第1シール90の補強環92の軸方向部分94と径方
向部分93とで区画される空所に圧入されている。
【0005】しかしながら、前述したようなシール材で
は、何れもシールリップとロッドとの接触面積が小さい
ため、ロッド表面に付着したダストなどによりシールリ
ップが早く磨耗してしまい、長期間にわたる有効なシー
ル性の維持が必ずしも充分ではなかった。
【0006】このような問題を解決するために、特開平
6−117546号公報に開示されるようなシリンダ用
シール材が提案されている。このシリンダ用シール材1
00は、図10に示したように、ゴム状弾性体からなる
第1シール部材113と、第1シール部材113の内周
側に設けられた合成樹脂からなる第2シール部材115
と、第1シール部材113の外周側に設けられた金属性
の補強環117とから形成されている。そして、第1シ
ール部材113は、断面略矩形で環状のシール部材本体
111と、このシール部材本体111の内周側であっ
て、ハウジング1に装着した際にシリンダの外方となる
側に、軸方向外側に突出し周方向に延伸するシールリッ
プ部112を有しいる。このシールリップ部112の先
端部112aが、流体圧シリンダなどに取付けられた際
に、ロッド2表面に摺接し、ロッド2作動時にロッド2
表面に付着するダストなどを拭う作用をするようになっ
ている。また、第2シール部材115は、断面略矩形で
周方向に伸びるようにシール部材本体111の内周面で
あって、ハウジングに装着した際にシリンダの内方とな
る側に設けられており、第2シール部材115の内周面
115aは、ロッド2表面に摺接し、シールリップ部1
12で拭いきれないダストなどをシールするように構成
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10に示
したような構造のシリンダ用シール材100では、第2
シール部材115の内周面115aが、ロッド2表面に
摺接し、シールリップ部112で拭いきれないダストな
どをシールする、いわゆる面接触であるので、ロッド2
表面との接触面積が大きく、軸方向の接触距離も大きく
なるので、オイル、水などが第2シール部材115の内
周面115a(すなわち、接触面)を伝わって、シリン
ダの内側(図10で下側)に漏れるのを防止する効果が
ある程度期待される。
【0008】しかしながら、このようないわゆる面接触
によるシールでは、第2シール部材115とロッド2表
面との間のシール圧力、すなわち接触面圧が低くなり、
接触面積および軸方向の接触距離が長くても、オイル、
水、ダストなどがシリンダの内側に漏れてしまうおそれ
がある。
【0009】また、このようないわゆる面接触によるシ
ールでは、接触面である第2シール部材115の内周面
115aの摺動抵抗が大きくなり、その結果、長期間の
使用によって磨耗損傷してシール性の低下につながるお
それがあり、好ましくなかった。
【0010】本発明は、このような現状に鑑み、オイ
ル、水、ダストなどがシリンダ内部に侵入することを防
止する効果に優れ、かつ、長期間にわたり有効なシール
性を維持することができるシリンダ用シール材を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題及び目的を達成するために発明
なされたものであって、本発明のシリンダ用シール材
は、流体圧シリンダのハウジングとロッドとの間に装着
されるシール材であって、流体圧シリンダのハウジング
のロッド挿通孔の軸方向外方側端部に設けられた、断面
略矩形状の第1シール部材本体と、前記第1シール部材
本体の内周側に延設されて、前記ロッド表面にその内周
側突端部で周方向に線接触で摺接するシールリップ部と
を備えたゴム状弾性体からなる環状の第1シール部材
と、前記第1シール部材本体の内周側にシリンダの軸方
内方側に嵌着された合成樹脂からなる環状の第2シー
ル部材とを備え、前記第2シール部材が、第1シール部
材の弾性力によりロッド表面に押圧されており、前記第
2シール部材が、断面略矩形状の第2シール部材本体
と、前記第2シール部材本体の内周側に突設されて、前
記ロッド表面にその内周側突端部で周方向に線接触で
接する突端シール部とを備えることを特徴とする。
【0012】このように構成することによって、第2シ
ール部材は、第1シール部材の弾性力によりロッド表面
に押圧されており、しかも第2シール部材とロッド表面
とは、内周側突端部を介して、ロッド表面の周方向に線
接触で摺接する。
【0013】従って、第2シール部材とロッド表面との
間の接触面積および軸方向の接触距離は短くなるが、そ
の分、第1シール部材の弾性力によるロッド表面への押
圧を内周側突端部の先端に集中することができ、第2シ
ール部材とロッド表面との間のシール圧力、すなわち接
触面圧が極めて高くなる(接触面圧のピーク値が上昇す
る)ので、オイル、水、ダストなどがシリンダの内部に
侵入するのがより効果的に防止できる。
【0014】また、第2シール部材とロッド表面とは、
ロッド表面の周方向に線接触で摺接しており、接触面積
が小さくなるので、摺動抵抗が小さくなり、しかも、第
2シール部材が合成樹脂でできているので、ロッド表面
に付着したダストなどにより第2シール部材が磨耗して
もシール性が低下し難いので、長期間にわたり有効なシ
ール性を維持することが可能である。
【0015】また、本発明のシリンダ用シール材では、
前記第2シール部材の突端シール部の内周側突端部のロ
ッドへの接触角θが鋭角であるのが好ましい。これは、
内周側突端部のロッドへの接触角度が、大きくなれば、
内周側突端部の基端部が大きくなるので、内周側突端部
の接触面のピーク値が低下して、ロッド表面に付着する
オイル、ゴミなどを払拭する効果が低下するためであ
り、内周側突端部のこのような払拭効果を維持するため
には、内周側突端部のロッドへの接触角θが鋭角とする
のが望ましい。
【0016】さらに、本発明のシリンダ用シール材で
は、前記第1シール部材のシールリップ部の内周側突端
部の内径が、前記第2シール部材の突端シール部の内周
側突端部の内径よりも小さくなるように構成されている
のが望ましい。
【0017】すなわち、第1シール部材の締め代が、第
2シール部材の締め代よりも大きくなっているので、シ
リンダ外部からのオイル、水、ダストなどを、第1シー
ル部材にて殆どシールしてその侵入を防ぐことができる
とともに、万一、第1シール部材を通過して侵入したオ
イル、水、ダストなどがシリンダ内部に侵入するのを、
第2シール部材にて阻止することができる。
【0018】また、本発明のシリンダ用シール材では、
前記第2シール部材の突端シール部の内周側突端部が、
複数個離間して形成されているのが望ましい。この場合
には、第2シール部材にて、二重三重のシール機能を確
保できるので、オイル、水、ダストなどがシリンダ内部
に侵入する効果にさらに優れ、かつ、長期間にわたり有
効なシール性を維持することができる。
【0019】さらに、本発明のシリンダ用シール材で
は、前記第2シール部材の突端シール部の内周側突端部
が、シリンダの内方側に傾斜して形成されているのが望
ましい。
【0020】このように構成することによって、シリン
ダ外部からのオイル、ダストなどのをシールすることが
可能であるとともに、内周側突端部がシリンダ内方側に
傾斜しているので、シリンダ内側から第2シール部分に
かかる流体圧力に対して、突端部が強度的に耐え得るた
め、シール機能を維持でき、シリンダ内部の流体のシリ
ンダ外部への漏れ、シリンダ内部の圧力の低下を防止す
ることが可能となる。
【0021】また、本発明のシリンダ用シール材では、
前記第1シール部材の外周側に、外周面がハウジングに
当接する金属製の補強環が、さらに設けられているのが
望ましい。
【0022】この補強環によって、シール材を補強し、
シリンダ用シール材をハウジングの装着溝に取り付ける
際の固定具として機能してその固定が容易となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(実施例)について説明する。図1は、本
発明の第1の実施例のシリンダ用シール材をハウジング
内に装着した状態を示す概略断面図であり、図2は、本
発明の第1の実施例のシリンダ用シール材を示す片断面
図である。
【0024】図1及び図2に示すように、本発明に係る
シリンダ用シール材10は、ゴム状弾性体からなる第1
シール部材11と、第1シール部材11の内周側に設け
られた合成樹脂からなる第2シール部材12と、第1シ
ール部材11の外周側に設けられた金属性の補強環13
とから形成されている。
【0025】第1シール部材11は、断面略矩形で環状
のシール部材本体14と、このシール部材本体14の内
周側に延設されたシールリップ部15を備えている。こ
のシールリップ部15は、シリンダ用シール材10をハ
ウジング1に装着した際にシリンダの外方となる側(図
1において上側)にシリンダの軸方向に突出し、内周側
に延設されて、ロッド2のロッド表面2aに摺接する周
方向に延びる内周側突端部16が形成されている。
【0026】なお、内周側突端部16は、図1に示した
ように、そのシリンダ外方側表面16aがシリンダの軸
方向に対して垂直になっているとともに、シリンダ内方
側表面16bがシリンダの軸方向に対して、シリンダ外
方側に傾斜するように形成されている。
【0027】勿論、シリンダ外方側表面16aは、シリ
ンダの軸方向に対して必ずしも垂直であるとは限らず、
シリンダ内方側表面16bと同様、シリンダ外方側に傾
斜するように形成されていてもよい。
【0028】一方、第1シール部材本体14の内周側に
は、シリンダ用シール材10をハウジング1に装着した
際にシリンダの内方となる側(図1において下側)に、
周方向に装着溝17が形成されており、この装着溝17
に環状の第2シール部材12が嵌着されている。
【0029】この第2シール部材12は、断面略矩形状
の第2シール部材本体18と、第2シール部材本体18
の内周側に突設されて、ロッド表面2aにその内周側突
端部19で摺接する突端シール部20とを備えている。
【0030】また、内周側突端部19は、図1に示した
ように、そのシリンダ外方側表面19aがシリンダの軸
方向に対して垂直になっているとともに、シリンダ内方
側表面19bがシリンダの軸方向に対して、シリンダ外
方側に傾斜するように形成されている。
【0031】この場合、このシリンダ外方側表面19a
とシリンダ内方側表面19bとの角度、すなわち、第2
シール部材12の突端シール部20の内周側突端部19
のロッド2への接触角θは、鋭角とするのが望ましい。
これは、内周側突端部19のロッド2への接触角度θ
が、大きくなれば、内周側突端部の基端部19cが大き
くなるので、内周側突端部19の弾発力が低下して、ロ
ッド表面に付着するオイル、ゴミなどを払拭する効果が
低下するためであり、内周側突端部19のこのような払
拭効果を維持するためには、このような範囲とするのが
望ましいからである。しかしながら、図3に示したよう
に、この内周側突端部19のロッド2への接触角度θ
は、図1の実施例のシリンダ用シール材と比較して、払
拭効果がある程度低いが、鈍角とすることも勿論可能で
ある。
【0032】また、第1シール部材11のシールリップ
部15の内周側突端部16の内径Rが、第2シール部材
12の突端シール部20の内周側突端部19の内径rよ
りも小さくなるように構成されているのが望ましい。
【0033】すなわち、このように構成することによっ
て、第1シール部材11の締め代が、第2シール部材1
2の締め代よりも大きくなり、シリンダ外部からのオイ
ル、水、ダストなどを、第1シール部材11にて殆どシ
ールしてその侵入を防ぐことができるとともに、万一、
第1シール部材11を通過して侵入したオイル、水、ダ
ストなどがシリンダ内部に侵入するのを、第2シール部
材12にて阻止することができる。その場合、内周側突
端部16の内径Rが、内周側突端部19の内径rより
も、ロッド径に対して1〜5%締め代が小さくなるよう
にするのが、シール性を考慮すれば望ましい。
【0034】また、第1シール部材11を形成するゴム
状弾性体としては、耐磨耗性に優れる素材を用いること
が好ましく、具体的には、ブタジエンゴム、スチレン−
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレ
ンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、カルボキシニトリルゴム、アクリルゴム、水素添加
ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素
ゴム、多硫化ゴムなどの合成ゴムおよび熱可塑性ゴムな
どのエラストマーならびに天然ゴムなどを挙げることが
でき、この中では、水素添加ニトリルゴムが好ましい。
【0035】また、第2シール部材12を形成する合成
樹脂としては、摺動性に優れた合成樹脂が好ましく、具
体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ
アセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフェ
ニレンサイルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)などを
挙げることができ、この中では、PTFEが好ましい。
また、本発明では、第2シール部材15は、前記の合成
樹脂に、ガラス繊維、グラファイト、ブロンズ、カーボ
ン繊維、二硫化モリブデンなどの無機充填材、またはエ
コノールTM、PPS、ポリエーテルスルホン(PE
S)、ポリアセタール、ポリカーボネートなどの有機充
填材などを配合したもの、前記のゴム状弾性体の表面
を、PTFEなどの合成樹脂で被覆したもの、あるいは
PTFEなどの合成樹脂にゴム状弾性体が配合された組
成物から形成されていてもよい。
【0036】この場合、第1シール部材本体14の装着
溝17に、第2シール部材12を嵌着するには、第2シ
ール部材12の外径を、装着溝17の内径よりも僅かに
大きくして嵌合する方法の他、第2シール部材12を第
1シール部材本体14の装着溝17に、接着剤を塗布し
て接着する方法を採用することも可能である。なお、用
いられる接着剤としては、アクリル系接着剤、ゴム系接
着剤、オレフィン系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキ
シ系接着剤などが使用することができる。
【0037】一方、補強環13は、断面略L字の金属製
であり、第1シール部材11の外周面11a、およびシ
リンダ用シール材10をハウジング1に装着した際にシ
リンダの外方となる面11bを覆うように固着されてお
り、補強環13は、シール材を補強する働き、および、
シリンダ用シール材10をハウジング1の装着溝1aに
取り付ける際の固定具として機能し、その固定が容易と
なる。なお、補強環13を形成する金属としては、いず
れも使用可能であるが、耐腐食性などを考慮すれば、例
えば、SUS304などのステンレス鋼を用いるのが望
ましい。
【0038】また、補強環13を第1シール部材11の
外周面11a、およびシリンダの外方となる面11bを
覆うように固着する方法としては、ゴム製の第1シール
部材11を成形する際に、成形金型の内面に予め接着剤
を塗布しておき、第1シール部材11を加硫すると同時
に接着するいわゆる加硫接着法を採用するのが、固着強
度があり望ましい。この場合、使用する接着剤として
は、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤、オレフィン系接
着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などが使用
することができる。しかしながら、この加硫接着法の他
にも、単に接着剤を塗布して接着する方法、圧着などの
その他の接合方法も勿論採用可能である。
【0039】このように構成されたシリンダ用シール材
10によれば、第1シール部材11のシールリップ部1
5の内周側突端部16は、シリンダ用シール材10を流
体圧シリンダなどに取付けた際に、ロッド2のロッド表
面2aに摺接し、ロッド2の作動時にロッド2のロッド
表面2aに付着するダストなどを拭う作用をする。
【0040】すなわち、第1シール部材11とロッド表
面2aとは、内周側突端部16にてロッド表面に周方向
に線接触で摺接することになるので、第1シール部材1
1とロッド表面2aとの間のシール圧力、すなわち接触
面圧が極めて高くなるので、オイル、水、ダストなどが
シリンダの内部に侵入するのが効果的に防止できる。
【0041】また、第2シール部材12は、第1シール
部材11の弾性力によりロッド表面2aに押圧されてお
り、しかも第2シール部材12とロッド表面2aとは、
その内周側突端部19でロッド表面の周方向に線接触で
摺接する。従って、第2シール部材12とロッド表面と
の間の接触面積および軸方向の接触距離は短くなるが、
その分、第1シール部材11の弾性力によるロッド表面
2aへの押圧を内周側突端部19の先端に集中すること
ができ、第2シール部材12とロッド表面2aとの間の
シール圧力、すなわち接触面圧が極めて高くなる(接触
面圧のピーク値が上昇する)ので、第1シール部材11
の内周側突端部19で払いきれず侵入したオイル、水、
ダストなどがシリンダの内部に侵入するのがより効果的
に防止できる。
【0042】また、第2シール部材12とロッド表面2
aとは、ロッド表面の周方向に線接触で摺接しており、
接触面積が小さくなるので、摺動抵抗が小さくなり、し
かも、第2シール部材12が合成樹脂でできているの
で、ロッド表面に付着したダストなどにより第2シール
部材12が磨耗してもシール性が低下し難いので、長期
間にわたり有効なシール性を維持することが可能であ
る。
【0043】図4は、本発明の別の実施例のシリンダ用
シール材をハウジング内に装着した状態を示す図1と同
様な概略断面図である。なお、本実施例のシリンダ用シ
ール材は、基本的には前述した第1の実施例の複合ガス
ケットと同様な構成であり同一部材には、同一の参照番
号を付している。
【0044】この実施例のシリンダ用シール材10で
は、第2シール部材12の突端シール部20の内周側突
端部19、19が、複数個、本実施例では2個一定間隔
離間して形成されている点が第1の実施例と相違する。
【0045】なお、この場合、内周側突端部19、19
の数、その離間間隔、形状などは、シリンダ用シール材
10を用いるシリンダの寸法、シリンダ内部の流体の種
類、使用環境などによって適宜変更可能である。
【0046】このように構成することによって、第2シ
ール部材12の突端シール部20の複数個の内周側突端
部19、19によって、二重三重のシール機能を確保で
きるので、オイル、水、ダストなどがシリンダ内部に侵
入する効果にさらに優れ、かつ、長期間にわたり有効な
シール性を維持することができる。
【0047】図5は、本発明のさらに別の実施例のシリ
ンダ用シール材をハウジング内に装着した状態を示す図
1と同様な概略断面図である。なお、本実施例のシリン
ダ用シール材は、基本的には前述した第1の実施例の複
合ガスケットと同様な構成であり同一部材には、同一の
参照番号を付している。
【0048】この実施例のシリンダ用シール材10で
は、第2シール部材12の突端シール部20の内周側突
端部19が、そのシリンダ内方側表面19bがシリンダ
の軸方向に対して垂直になっているとともに、シリンダ
外方側表面19aがシリンダの軸方向に対して、シリン
ダ外方側に傾斜するように形成されている。
【0049】すなわち、内周側突端部19が、図1に示
したシリンダ用シール材10の内周側突端部19を軸方
向に反転した状態、すなわち、第2シール部材12の突
端シール部20の内周側突端部19が、シリンダの外方
側に傾斜するように形成されている。
【0050】このように構成することによって、シリン
ダ外部からのオイル、ダストなどのをシールすることが
可能であるとともに、図5に示したように、内周側突端
部19がシリンダ内方側に傾斜しているので、シリンダ
内側から第2シール部材12にかかる流体圧力pに対し
て、内周側突端部19が対抗しつつ強度的にも耐え得る
ようになっているため、シール機能を維持でき、シリン
ダ内部の流体のシリンダ外部への漏れ、シリンダ内部の
圧力の低下を防止することが可能となる。
【0051】また、図1に示したシリンダ用シール材1
0の内周側突端部19では、シリンダ内側から第2シー
ル部材12にかかる流体圧力pに対して、内周側突端部
19が対抗できずに強度的にも弱いために、この流体圧
力pをシールできないので、この流体圧力pをシールす
るためのロッドパッキン(図示せず)を圧力側に別途装
着する必要があるが、本実施例ではこのようなロッドパ
ッキンを必要としない。
【0052】
【実施例】
(実施例1)図1に示した構造のシリンダ用シール材
を、図6に示した試験装置の供試資料部に装着して、5
0万サイクル作動させて、a部に充填した切削油剤のb
部(鉱油)、c部(鉱油)への切削油剤の混入率を測定
した。
【0053】また、比較として、図10に示した構造の
従来のシリンダ用シール材についても同様にして、切削
油剤の混入率を測定した。その結果、従来のシリンダ用
シール材の切削油剤の混入率が17V%(充填した作動
油剤に対して切削油剤の体積)であるのに対して、本発
明のシリンダ用シール材では、切削油剤の混入率が10
V%と低い値であり、そのシール性が格段と向上してい
るのがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明に係るシリンダ用シール材は、第
2シール部材は、第1シール部材の弾性力によりロッド
表面に押圧されており、しかも第2シール部材とロッド
表面とは、その内周側突端部でロッド表面の周方向に線
接触で摺接する。従って、第2シール部材とロッド表面
との間の接触面積および軸方向の接触距離は短くなる
が、その分、第1シール部材の弾性力によるロッド表面
への押圧を内周側突端部の先端に集中することができ、
第2シール部材とロッド表面との間のシール圧力、すな
わち接触面圧が極めて高くなる(接触面圧のピーク値が
上昇する)ので、第1シール部材の内周側突端部で払い
きれず侵入したオイル、水、ダストなどがシリンダの内
部に侵入するのがより効果的に防止できる。
【0055】また、第2シール部材とロッド表面とは、
ロッド表面の周方向に線接触で摺接しており、接触面積
が小さくなるので、摺動抵抗が小さくなり、しかも、第
2シール部材が合成樹脂でできているので、ロッド表面
に付着したダストなどにより第2シール部材が磨耗して
もシール性が低下し難いので、長期間にわたり有効なシ
ール性を維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のシリンダ用シール材を
ハウジング内に装着した状態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例のシリンダ用シール材を
示す片断面図である。
【図3】本発明の別の実施例のシリンダ用シール材をハ
ウジング内に装着した状態を示す図1と同様な概略断面
図である。
【図4】本発明の別の実施例のシリンダ用シール材をハ
ウジング内に装着した状態を示す図1と同様な概略断面
図である。
【図5】本発明のさらに別の実施例のシリンダ用シール
材をハウジング内に装着した状態を示す図1と同様な概
略断面図である。
【図6】本発明のシリンダ用シール材を用いてシール効
果を確認するための試験装置の概略図である。
【図7】従来のシリンダ用シール材をハウジング内に装
着した状態を示す概略断面図である。
【図8】従来のシリンダ用シール材をハウジング内に装
着した状態を示す概略断面図である。
【図9】従来のシリンダ用シール材をハウジング内に装
着した状態を示す概略断面図である。
【図10】従来のシリンダ用シール材をハウジング内に
装着した状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・・ハウジング 2・・・・ロッド 10・・・・シリンダ用シール材 11・・・・第1シール部材 12・・・・第2シール部材 13・・・・補強環 14・・・・第1シール部材本体 15・・・・シールリップ部 16・・・・内周側突端部 17・・・・装着溝 18・・・・第2シール部材本体 19・・・・内周側突端部 20・・・・突端シール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 田 秀 和 大阪府大阪市東淀川区北江口1丁目1番 1号 太陽鉄工株式会社 技術開発部内 (72)発明者 高牟礼 辰 雄 大阪府八尾市安中町五丁目5番5号 日 本バルカー工業株式会社 機器部品事業 部研究開発部内 (72)発明者 宮 脇 雄 一 大阪府八尾市安中町五丁目5番5号 日 本バルカー工業株式会社 機器部品事業 部研究開発部内 (56)参考文献 特開 昭59−26669(JP,A) 特開 平6−117546(JP,A) 特開 平9−133219(JP,A) 実開 平1−109660(JP,U) 実開 平2−36658(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/32 F15B 15/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧シリンダのハウジングとロッドと
    の間に装着されるシール材であって、流体圧シリンダのハウジングのロッド挿通孔の軸方向外
    方側端部に設けられた、 断面略矩形状の第1シール部材
    本体と、前記第1シール部材本体の内周側に延設され
    て、前記ロッド表面にその内周側突端部で周方向に線接
    触で摺接するシールリップ部とを備えたゴム状弾性体か
    らなる環状の第1シール部材と、 前記第1シール部材本体の内周側にシリンダの軸方向
    方側に嵌着された合成樹脂からなる環状の第2シール部
    材とを備え、前記第2シール部材が、第1シール部材の弾性力により
    ロッド表面に押圧されており、 前記第2シール部材が、断面略矩形状の第2シール部材
    本体と、前記第2シール部材本体の内周側に突設され
    て、前記ロッド表面にその内周側突端部で周方向に線接
    触で摺接する突端シール部とを備えることを特徴とする
    シリンダ用シール材。
  2. 【請求項2】 前記第2シール部材の突端シール部の内
    周側突端部のロッドへの接触角θが鋭角であることを特
    徴とする請求項1に記載のシリンダ用シール材。
  3. 【請求項3】 前記第1シール部材のシールリップ部の
    内周側突端部の内径が、前記第2シール部材の突端シー
    ル部の内周側突端部の内径よりも小さくなるように構成
    されていることを特徴とする請求項1から2のいずれか
    に記載のシリンダ用シール材。
  4. 【請求項4】 前記第2シール部材の突端シール部の内
    周側突端部が、複数個離間して形成されていることを特
    徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシリンダ用
    シール材。
  5. 【請求項5】 前記第2シール部材の突端シール部の内
    周側突端部が、シリンダの内方側に傾斜して形成されて
    いることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載
    のシリンダ用シール材。
  6. 【請求項6】 前記第1シール部材の外周側に、外周面
    がハウジングに当接する金属製の補強環が、さらに設け
    られていることを特徴とする請求項1から5のいずれか
    に記載のシリンダ用シール材。
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