JP3197428B2 - 充電装置 - Google Patents

充電装置

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JP3197428B2
JP3197428B2 JP07472694A JP7472694A JP3197428B2 JP 3197428 B2 JP3197428 B2 JP 3197428B2 JP 07472694 A JP07472694 A JP 07472694A JP 7472694 A JP7472694 A JP 7472694A JP 3197428 B2 JP3197428 B2 JP 3197428B2
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J7/00Circuit arrangements for charging or depolarising batteries or for supplying loads from batteries
    • H02J7/02Circuit arrangements for charging or depolarising batteries or for supplying loads from batteries for charging batteries from ac mains by converters
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J2207/00Indexing scheme relating to details of circuit arrangements for charging or depolarising batteries or for supplying loads from batteries
    • H02J2207/20Charging or discharging characterised by the power electronics converter

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  • Power Engineering (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は商用の交流電源を用いて
電池を充電する充電装置に関するものであり、特にマイ
クロコンピュータを備えており、そのマイクロコンピュ
ータに充電電流の電流値に相当する値を入力し、その入
力値に応じて、充電電流を位相制御して充電電流の電流
値を制御するサイリスタの点弧角を調整する充電装置に
関する。なおここでいうマイクロコンピュータとは、C
PUとROMとRAMとA/D変換器と入力ポートと出
力ポートが1チップ化されているコンピュータ装置のこ
とをいう。
【0002】
【従来の技術】充電装置、特に複数の電池セルが直列に
接続されている電池を充電する充電装置の場合、電池電
圧がマイクロコンピュータ用の電源電圧よりも高く、マ
イクロコンピュータの出力ポートとサイリスタのゲート
を直接接続することができない。サイリスタのゲートに
は電池電圧が印加されるところ、マイクロコンピュータ
の出力ポートはその電池電圧に耐えられないからであ
る。
【0003】そこで通常サイリスタのゲートに第1のト
ランジスタを接続し、そのトランジスタのベースに第2
のトランジスタを接続する方式がとられている。図10
はその一例を示すものであり、整流と位相制御のための
2つのサイリスタSCR1とSCR2のゲートをトラン
ジスタ86のコレクタに接続し、そのトランジスタ86
のエミッタを整流された充電電圧VSに接続し、そのト
ランジスタ86のベースをトランジスタ84のコレクタ
に接続している。なおここでトランジスタ86のエミッ
タに印加される電圧VSは、定電圧回路20で一定化さ
れる以前の電圧であり、充電電圧VS1,VS2に等し
い絶対値を持って脈動しており、その脈動のピーク電圧
は電池電圧VDよりも高い。トランジスタ84のベース
は第3のトランジスタ82のコレクタに接続され、トラ
ンジスタ84のエミッタは接地されている。第3のトラ
ンジスタ82のエミッタはマイクロコンピュータ40用
の電源電圧であり定電圧回路20で一定化された電圧V
ccに接続されている。また第3のトランジスタ82のベ
ースはマイクロコンピュータ40の出力ポートPO5に
接続されている。ここで電池電圧VDはマイクロコンピ
ュータ用の電源電圧Vccよりも高い。また前述のよう
に、整流された充電電圧VSは商用周波数で脈動し、そ
のピーク電圧は電池電圧VDよりも高い。
【0004】この回路の場合、サイリスタSCR1,S
CR2のゲートに電池電圧VDが印加され、第1のトラ
ンジスタ86のベースに充電電圧VSが加わる。そのた
めに第1のトランジスタ86のベースを直接マイクロコ
ンピュータ40の出力ポートPO5に接続することがで
きず、第2のトランジスタ84を用いる必要がある。第
2のトランジスタ84のベースには電池電圧VDや充電
電圧VSが加わらないために、電圧の点ではそのベース
を出力ポートPO5に直接接続することが許される。し
かしながら通常マイクロコンピュータ40の出力ポート
PO5は初期化される前はハイを出力しており、第2の
トランジスタ84のベースを直接出力ポートPO5に接
続すると、電源投入直後にサイリスタSCR1,SCR
2が点弧されてしまい、充電電流を位相制御することが
できない。このためにハイ・ロウの論理を反転させる第
3のトランジスタ82が必要とされる。
【0005】なおトランジスタを多段に用いるかわり
に、トランスを用いて昇圧する回路も知られている。こ
の場合には、出力ポートPO5のハイ・ロウの変化で、
出力ポートにベースが接続されているトランジスタを用
いてマイクロコンピュータ用電源電圧Vccをオン・オフ
する。そしてこのオン・オフ時に生じる過渡現象を利用
してトランスで昇圧し、その昇圧された電圧をサイリス
タのゲートに印加する。この回路の場合、トランジスタ
を多段に用いる必要はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図10の方式、すなわ
ちトランジスタを多段に用いる方式によると、当然のこ
とながらトランジスタの必要個数が増大し、充電装置の
製作コストが増加する。またトランジスタの収容スペー
スが問題となり、小型の充電装置の場合にはその小型化
を困難とする。トランスを用いる方式によると、トラン
ジスタは1個ですむものの、かわってトランスを必要と
する。このためにやはり製造コストや収容スペースが問
題となる他、電磁ノイズの問題も生じてくる。本発明は
トランジスタの多段方式やトランス方式に代わる新たな
方式を実現することによって、製作コスト、収容スペー
スや電磁ノイズといった問題を克服しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、電池を充電
する電流の電流値に相当する値を入力し、その入力値に
応じて充電電流を位相制御するサイリスタの点弧角を調
整するマイクロコンピュータを備えた充電装置におい
て、そのサイリスタのゲートをコンデンサの一方の電極
に接続し、そのコンデンサの他方の電極をPNPトラン
ジスタのコレクタに接続し、そのトランジスタのベース
を前記マイクロコンピュータの出力ポートに接続し、そ
のトランジスタのエミッタをそのマイクロコンピュータ
用の電源電圧に接続する。
【0008】
【作用】このようにすると、サイリスタのゲートとマイ
クロコンピュータの出力ポート間にコンデンサが挿入さ
れているために、サイリスタのゲートに加わる電池電圧
や充電電圧がマイクロコンピュータの出力ポートに加わ
ることがない。またトランジスタがオンした瞬間に生じ
る過渡現象によってサイリスタのゲートには電池電圧以
上の電圧が加えられ、サイリスタが点弧される。このよ
うにして本発明によると、一つのトランジスタと一つの
コンデンサで実用的なサイリスタの点弧回路が得られ
る。
【0009】
【発明が解決しようとするもう一つの課題】さて請求項
1に示した方式ないしは従来技術の欄で説明したトラン
スを利用する方式等では、マイクロコンピュータの出力
ポートがハイ・ロウ間で切換えられるときに生じる過渡
現象を利用してマイクロコンピュータ用の電源電圧以上
の電圧を得、これをサイリスタのゲートに印加する。さ
て図10に関連して説明したように、サイリスタの一方
(カソード側)には電池電圧VDが加わっており、他方
(アノード側)には整流された充電電圧が加わってい
る。ここで充電電圧のピーク値は電池電圧以上であるも
のの、商用周波数で脈動しており、充電電圧<電池電圧
であるタイミングが存在している。
【0010】出力ポートPO5から出力される点弧信号
が、たまたま充電電圧<電池電圧のタイミングで出力さ
れた場合、過渡現象を利用してマイクロコンピュータ用
の電源電圧以上の電圧を得、これをサイリスタのゲート
に印加する方式の場合、サイリスタのゲートに点弧用電
圧が印加されたときには充電電圧<電池電圧であり、結
局サイリスタが点弧されないといったことが生じる。請
求項1の方式は製造コストや収容スペースの点で大変に
優れているものの、この問題を解決しないと、サイリス
タの点弧ミスが発生するおそれがある。
【0011】
【もう一つの課題を解決するための手段】この発明で
は、請求項1の充電装置において、前記マイクロコンピ
ュータに、その出力ポートに最初の点弧信号を出力した
後に点弧信号を繰返して出力するプログラムを用意して
おく。あるいは、請求項1の充電装置において、前記マ
イクロコンピュータに、その出力ポートに最初に出力す
る点弧信号の位相が所定位相以下であるときに、その最
初の点弧信号を出力した後に点弧信号を繰返して出力す
るプログラムを用意しておいてもよい。
【0012】より一般的には、電池を充電する電流の電
流値に相当する値を入力し、その入力値に応じて充電電
流を位相制御するサイリスタの点弧角を調整するマイク
ロコンピュータと、そのマイクロコンピュータの出力ポ
ートにベースが接続されていてその出力ポートのハイ・
ロウの変化でそのマイクロコンピュータ用の電源電圧を
オン・オフするトランジスタと、そのトランジスタのオ
ン・オフ時に生じる過渡現象を利用してそのマイクロコ
ンピュータ用の電源電圧以上の電圧に増圧する増圧回路
と、その増圧された電圧を前記サイリスタのゲートに印
加する手段とを備えており、そのマイクロコンピュータ
に、その出力ポートに最初に出力する点弧信号の位相が
所定位相以下であるときに、その最初の点弧信号を出力
した後に点弧信号を繰返して出力するプログラムを用意
しておく。
【0013】
【作用】位相制御のために必要な最初の点弧信号が出力
された後にその点弧信号を繰返して出力するプログラム
が用意されていると、最初の点弧信号のタイミングでは
充電電圧<電池電圧であっても、充電電圧が脈動する結
果、いずれ充電電圧>電池電圧となり、その時点以後の
点弧信号によってサイリスタが点弧される。なおもとも
と充電電圧<電池電圧の間はサイリスタが点弧しても無
意味であり、この方式に問題はない。
【0014】なおむやみと点弧信号を繰返し発生してい
ると、充電電圧の脈動が次の周期に移行したときの位相
制御に悪影響を及ぼすおそれがある。この場合、その出
力ポートに最初に出力する点弧信号の位相が所定位相以
下であるときにのみ点弧信号が繰返されるようにしてお
くことで、次の周期における悪影響の発生を防止でき
る。なおこの方式は、請求項1の方式のみならず、トラ
ンスを利用した方式にも有効であり、一般的にマイクロ
コンピュータの出力ポートのハイ・ロウの切換時に生じ
る過渡現象を利用してマイクロコンピュータの電源用電
圧以上の電圧を得、これをサイリスタのゲートに加えて
サイリスタを点弧させる方式について一般的に有用であ
る。
【0015】
【実施例】図1は本発明を組込んだ充電装置の一例を示
しており、この実施例は3種類の定格電圧を持つ電池の
充電が可能とされている。図中2は100ボルトの商用
交流電源であり、それがトランス4で降圧され、ダイオ
ード6,8とサイリスタ14,16からなるブリッジ1
5で整流される。ブリッジ15で整流され、かつサイリ
スタ14,16で点弧角が調整された充電電流Iが充電
用電池BPに通電されて電池BPが充電される。充電電
流Iの大きさはシャント抵抗60で検出され、電圧VI
に変換された充電電流Iはオペアンプ72を主体として
構成されている電圧増幅回路70で増幅され、マイクロ
コンピュータ40に入力される。サイリスタ14,16
の点弧角は充電電流Iの大小によってマイクロコンピュ
ータ40で制御され、充電中の充電電流Iの値が一定に
保たれる。
【0016】図中10と12はダイオードであり、ダイ
オード6,8とともにブリッジを構成し、制御用の電圧
を取出す。ダイオード6,8,10,12のブリッジで
整流された電圧はコンデンサ22,26とボルテッジレ
ギュレータ24からなる定電圧回路20で一定電圧Vcc
とされる。この一定電圧Vccは後述のトランジスタ32
とトランジスタQとマイクロコンピュータ40とオペア
ンプ72の電源電圧とされる。
【0017】図中40は、CPUとROMとRAMと入
力ポートと出力ポートとA/D変換器がワンチップ化さ
れたワンチップマイクロコンピュータであり、入力ポー
トPIADに電池BPの電池電圧VDに相当する電圧V
Cが入力される。また前記したように、入力ポートPI
1に電圧に変換された充電電流Iに相当する値が入力さ
れる。図中76はダイオード6,8,10,12のブリ
ッジで整流された電圧VSがほぼゼロとなったときにハ
イ出力からロウ出力に変化する電圧を出力するゼロタイ
ミング検出回路であり、このタイミング信号が入力ポー
トPI2に入力される。ゼロタイミング検出回路76は
コンパレータ77を主体に構成され、一方の端子にはダ
イオード6,8,10,12で整流された電圧VSが抵
抗79とコンデンサ80で平滑化された電圧VSSが入
力されている。他方の端子にはゼロに近い一定の参照用
電圧VRが入力されている。コンパレータ77はVSS
>VRのときハイを出力し、VSS<VRのときロウを
出力する。
【0018】マイクロコンピュータ40の出力ポートP
O5はPNPトランジスタ32を主体とする点弧信号回
路30に接続されている。すなわち出力ポートPO5は
PNPトランジスタ32のベース32bに接続されてお
り、トランジスタ32のエミッタ32aはマイクロコン
ピュータ用の電源電圧Vccに接続され、トランジスタ3
2のコレクタ32cはコンデンサ36を介してサイリス
タ14,16のゲート14a,16aに接続されてい
る。出力ポートPO5は通常ハイを出力しており、サイ
リスタ14,16を点弧させるときに短時間ロウに切換
えられる。なおサイリスタ14のゲート14aは抵抗9
を介してコンデンサ36の一方の電極36aに接続さ
れ、サイリスタ16のゲート16aは抵抗13を介して
同じくコンデンサ36の一方の電極36aに接続されて
いる。またサイリスタ14のゲート14aは抵抗7を介
してカソードに接続され、サイリスタ16のゲート16
aも抵抗11を介してカソードに接続されている。なお
抵抗7と11,抵抗9と13を両サイリスタ14,16
が共有するようにしてもよい。コンデンサ36の他方の
電極36bはトランジスタ32のコレクタ32cに接続
される他、抵抗34を介して接地されている。
【0019】マイコン40には充電電流Iの位相制御プ
ログラムが記憶されており、このプログラムに従って次
の処理を実行する。 (1) 入力ポートPI1から充電電流Iに相当する値を
入力する。 (2) 入力ポートPI2からゼロタイミングを検出す
る。 (3) 入力された充電電流が所定値より大きければ、入
力されたゼロタイミングから出力ポートPO5を一瞬ロ
ウに切換えるまでの時間を長くし、逆に入力された充電
電流が所定値より小さければ、入力されたゼロタイミン
グから出力ポートPO5を一瞬ロウに切換えるまでの時
間を短くする。この実施例の場合、出力ポートPO5を
一瞬ロウに切換えることが点弧信号となっており、この
点弧信号のタイミングでサイリスタの点弧角を調整して
充電電流を位相制御する。なお後記のように、本実施例
の場合、前記(3) の処理で点弧信号を出力した後も出力
ポートPO5を一瞬ロウとする動作を繰返す。すなわち
(3) の動作で最初の点弧信号が出力され、その後点弧信
号が繰返して出力される。
【0020】出力ポートPO5がハイの間、トランジス
タ32はオフであり、サイリスタ14,16のゲート1
4a,16aの電圧VGは電池電圧VDに等しい(図2
参照)。出力ポートPO5がロウに切換えられたときに
トランジスタ32はオンし、コンデンサ36に充電電流
が突入する。この結果過渡的にコンデンサ36の一方の
電極36aの電位がそれまでの電池電圧VDよりもほぼ
制御用の電源電圧Vccだけ高くなり、サイリスタ14,
16のゲートに点弧用の電圧が印加される。
【0021】なおサイリスタ14,16のゲート電圧V
Gは抵抗7,11を介してすみやかに放電され、電池電
圧VDに復帰する。一方出力ポートPO5がロウからハ
イに切替わったときにトランジスタ32はオフし、コン
デンサ36の他方の電極36bの電荷が放電され、ゲー
ト電圧VGは一瞬低下する。このときは抵抗34を介し
てゆるやかに放電されるために、負側のピーク電圧は小
さく押えられる。
【0022】さて検出された充電電流Iが非常に低く、
マイクロコンピュータ40がサイリスタ14,16の点
弧角を極めてはやくしてゆくと、サイリスタ14,16
に点弧信号を送ってもそのときには充電電圧<電池電圧
であり、結局サイリスタ14,16がオンしないという
問題が生じてくる。
【0023】図10に示した従来技術の場合にも、サイ
リスタSCR1,SCR2に点弧信号を送ったとき、す
なわち出力ポートPO5の出力をハイからロウに切換え
たとき、図3に示すように、充電用電圧の瞬時値が電池
電圧VD以下であることがある。なお図3中VS1はサ
イリスタSCR1のアノード側の電位のうちプラス側に
なったときの電圧を示し(マイナス側のときはサイリス
タSCR1が導通しないため考える必要がない)、VS
2はサイリスタSCR2のアノード側の電位のうちのプ
ラス側になったときの電圧を示している。またVSは全
波整流後の電圧であるため、常時プラス側にある。
【0024】さてこの場合、図3のタイミングT1で出
力ポートPO5がハイからロウに切換えられても、サイ
リスタSCR1,SCR2は点弧されない。そのときは
VS1やVS2が電池電圧VD以下であるからである。
しかし出力ポートPO5がロウに維持されていると、図
10のトランジスタ86を介してサイリスタSCR1,
SCR2のゲートに全波整流された電圧VSが印加され
るため、VS>VDとなったとき、正確にはVS>VD
+VGK(ここでVGKはサイリスタSCR1,SCR
2のゲート・カソード間の電圧降下)となったときに、
サイリスタSCR1,SCR2のうちのいずれかが点弧
される。すなわち図3のタイミングT2で充電電流Iが
流れ始める。なおタイミングT2以前では点弧されない
が、この間は点弧されても意味がないため問題はない。
【0025】ところが図1の場合やあるいはトランスを
用いて昇圧する方式の場合、図2に示した過渡現象によ
ってサイリスタを点弧する。このため、図4に示すよう
に、点弧信号を加えたタイミング(T1)において充電
用電圧VS1もしくはVS2が電池電圧VD以下である
と、サイリスタのゲートに点弧させるに必要な電圧が加
えられても、そのときはVS1やVS2がVDよりも低
くて点弧せず、一方VS1やVS2がVDよりも大きく
なったときにはすでにゲート電圧が低くなっていてやは
りサイリスタが点弧されないといったことが生じる。す
なわちこの場合、充電電流が全く流されないことにな
る。
【0026】この問題は、充電電流Iの値に応じたタイ
ミングで最初に点弧信号を出力したあと、繰返して点弧
信号を送ることで解決される。すなわち最初に点弧信号
を送ったあとも点弧信号を繰返して送り続ければ、充電
電圧が電池電圧以上となったときにサイリスタは点弧さ
れる。
【0027】この方式はサイリスタを点弧させるものの
新たな問題を引起す。図5は最初に点弧信号を送った後
(タイミングT3)、さらに2回点弧信号を繰返して出
力するようにした場合を示している。この場合最後の点
弧信号の発生タイミングT5が充電電圧VS1,VS2
の次の周期に入りこみ、意図しないタイミングで(この
場合タイミングT5)でサイリスタを点弧させてしま
う。
【0028】そこで次に、ゼロタイミング検出回路76
でゼロタイミングが検出されたら、点弧信号の繰返しを
中断させる方式が考えられる。しかしこれもうまくゆか
ない。図6はそれを示すものである。前述のようにゼロ
タイミング検出回路76には平滑用の抵抗79とコンデ
ンサ80が挿入されており、コンパレータ77に入力さ
れる電圧VSSは電圧VS,VS1,VS2の位相より
もずれている。そこで検出されるゼロタイミング(T1
1)は実際のゼロタイミング(T13)よりも遅れる。
【0029】このため、検出されたゼロタイミングT1
1以後、点弧信号の出力を停止しても、その直前に出力
した点弧信号(図6の場合、タイミングT10のそれ)
が電圧VS1,VS2の次の周期にさしかかっているこ
とがある。このときに充電電圧VS1,VS2が電池電
圧VD以上となっていることがあり、このようなことが
発生すると、次の位相ではほぼ全相通電されてしまう。
【0030】特にマイクロコンピュータ40に4ビット
程度の安価なものを用いると、処理速度が遅く、上記の
問題が顕著になる。またマイクロコンピュータ40に例
えば電池電圧VDの入力処理等のために割込み処理を実
行させると、図5の2発目、3発目の点弧信号の出力タ
イミングが大幅に遅れるといった問題が深刻になる。
【0031】図7と図8はこれを対策したものであり、
充電電流の位相制御のための点弧タイミングT21が、
検出されたゼロタイミングから一定位相T20以下であ
ると、点弧信号を繰返して出力させる(図7)。ゼロタ
イミングの直後には充電電圧<電池電圧となる可能性が
あるところ、この場合には点弧信号を繰返すのでサイリ
スタは必ず点弧する。なお点弧信号の繰返し回数は、前
記一定位相T20から真のゼロタイミングT20aまで
の間に出力を終了する回数とする。このとき、割込み処
理に要する時間を加味したうえでその繰返し回数をセッ
トしておく。このようにすると、点弧信号が繰返し出力
されているうちに点弧信号が次の周期に入りこむことが
防止される。
【0032】また最初に出力する点弧信号が一定位相
(タイミングT20)以上であれば、図8に示すよう
に、点弧信号の繰返し出力をしない。この場合には充電
電圧>電池電圧のときに最初の点弧信号が出力されるこ
とから点弧信号の出力を繰返す必要がない。ここで一定
位相T20は90゜前後が好ましい。なお以上の処理は
マイクロコンピュータ40のROMに予めその処理用の
プログラムを記憶させておくことで実現する。
【0033】さて図1において図中50は電池電圧VD
をマイクロコンピュータ40に入力する分圧電圧VCに
変換する電池電圧検出回路であり、一方の分圧用抵抗R
Eが1種類であり、他方の分圧用抵抗がRC1,RC
2,RC3の3種用意されている。一方の分圧用抵抗R
Eと他方の分圧用抵抗RC1〜3の間にはトランジスタ
Qが挿入されており、そのベースには一定の電圧Vccが
印加されている。トランジスタQと一方の分圧用抵抗R
Eの接続点51と接地線53,55間にはこの場合3種
類のバイパス用抵抗RA1,RA2,RA3が並列に用
意されている。一つの分圧用抵抗RC2は出力ポートP
O1に、もう一つの分圧用抵抗RC3は出力ポートPO
2に、一つのバイパス用抵抗RA2は出力ポートPO3
に、もう一つのバイパス用抵抗RA3は出力ポートPO
4に接続されている。出力ポートPO1〜PO4は、通
常ポートと接地線55間がオフされており、マイクロコ
ンピュータ40の処理によって各ポートと接地線55間
が導通する。すなわち出力ポートPO1〜PO4はポー
トと接地線55間のスイッチであり、そのスイッチがオ
フの間は分圧用抵抗RC2,RC3の分圧作用ないしバ
イパス用抵抗RA2,RA3のバイパス作用が禁止さ
れ、オンされると各作用が得られることになる。なお他
方の分圧用抵抗がRC1〜RC3の3種用意されてお
り、バイパス用抵抗がRA1〜RA3の3種用意されて
いるのは、この充電装置で3種類の定格電圧を持つ電池
BPを充電可能としているためである。
【0034】図9のAの特性は、出力ポートPO1〜P
O4の全部がオフであるときに実現される特性であり、
分圧電圧VCがゼロでなくなるときの電池電圧(ポイン
トA1の電池電圧)は、トランジスタQのベース電圧V
ccにベース・エミッタ間の電圧降下圧VBEを加えた値
に(1+RE/RA1)倍した値である。またその傾き
はRC1/REとなっている。
【0035】図4のBの特性はポートPO1とPO3を
オンとし、ポートPO2とPO4をオフとしたときの特
性を示しており、他方の分圧用抵抗はRC1とRC2を
並列に接続した抵抗の合成抵抗となる。この合成抵抗は
RC1より低くなり、傾きがゆるやかになっている。ま
たバイス用抵抗はRA1とRA2を並列に接続した抵
抗の合成抵抗となり、RA1よりも小さくなっている。
これに対応して分圧電圧VCがゼロでなくなる電池電圧
(ポイントB1の電池電圧)はAの場合よりも大きくな
っている。
【0036】図4のCの特性は、ポートPO1とPO3
がオフで、ポートPO2とPO4がオンであるときの特
性を示しており、分圧用抵抗がRC1とRC3の並列と
なり、バイパス用抵抗がRA1とRA3の並列となる結
果、図4(C) の特性が得られる。なおこの場合、ポート
PO1〜PO4の全部をオンすることによって、第4の
特性を実現することもできる。
【0037】さて図9において、特性AのポイントA1
は定格電圧の低い電池の最低電圧VLB、ポイントA2
は定格電圧の低い電池の最高電圧VLPに調整されてい
る。また特性BのポイントB1は定格電圧が中間の電池
の最低電圧VMB、ポイントB2は定格電圧の中間の電
池の最高電圧VMPに調整されている。さらに特性Cの
ポイントC1は定格電圧の高い電池の最低電圧HB、
ポイントC2は定格電圧の高い電池の最高電圧HPに
調整されている。すなわち特性Aは定格電圧の低い電池
に適した特性であり、特性Bは定格電圧が中間の電池に
適した特性であり、特性Cは定格電圧が高い電池に適し
た特性とされている。さらに、ポイントB1はポイント
A1とA2の平均値、ポイントC1はポイントB1とB
2の平均値に設定されている。
【0038】ワンチップマイクロコンピュータ40には
次の処理を実行するプログラムが記憶されている。 (1) まず充電の開始時、出力ポートPO1,PO2,P
O3,PO4の全部をオフとする。 (2) 充電中は前述した充電電流制御処理を実行し、充電
電流Iの値をほぼ一定に保つ。 (3) 充電開始後所定時間経過したときに、入力ポートP
IADから電池電圧VDに関する信号を入力する。 (4) この場合、(1) で出力ポートPO1〜PO4がオフ
されているために、図9のAの特性で変換された分圧電
圧VCが検出される。 (5) 検出された分圧電圧VCが図4のVBの1/2以下
であれば、出力ポートPO1〜PO4をオフにしたまま
充電を続け、特性Aを利用して電池電圧をモニタする。
これは定格電圧の低い電池が充電されている場合に相当
する。 (6) 一方(4) で検出された分圧電圧VCが図4のVBの
1/2以上であれば、出力ポートPO1とPO3をオン
にし、PO2とPO4をオフとする。この結果図9のB
の特性に切換えられる。 (7) 特性Bに切換えたあとに検出される分圧電圧VCが
図9のVBの1/2以下であれば、特性Bを選択した状
態で充電を続け、電池電圧をモニタする。これは定格電
圧が中間の電池が充電されている場合に相当する。 (8) 前記の(6) で特性Bに切換えられたときに検出され
る分圧電圧VCが図9のVBの1/2以上であれば、ポ
ートPO1とPO3をオフとし、ポートPO2とPO4
をオンとして図9のCの特性に切換える。これは定格電
圧の高い電圧が充電されている場合に相当する。 (9) この場合充電中特性Cに従って電池電圧をモニタす
る。 (10)前記の(5),(7),(9) でモニタされる電池電圧がピー
クとなったあと、−ΔVだけ変化したタイミングを検出
し、これ以後サイリスタ14,16の点弧処理を中止す
る。これによって充電は停止される。
【0039】前記(5),(7),(9) において、定格電圧の低
い電池は特性Aで、定格電圧の中間の電池は特性Bで、
定格電圧の高い電池は特性Cでモニタされるために、検
出される分圧電圧VCの値は定格電圧の高低にかかわら
ず、ほぼ同一の値となり、−ΔVの値を一定の値とする
ことができる。このようにすると、定格電圧の高低にか
かわらず、満充電直後のタイミングが検出される。
【0040】またこのマイクロコンピュータ40には、
充電用電池BPがセットされているにもかかわらず、分
圧電圧VCがゼロになっていることを判別するプログラ
ムが用意されている。この場合、特性A,B,Cのいず
れの場合でも、セル短絡の生じた電池を充電する場合に
は分圧電圧VCがゼロとなり、セル短絡している電池へ
の充電を禁止することができる。
【0041】
【発明の効果】この発明によると、マイクロコンピュー
タの出力ポートとサイリスタのゲート間にコンデンサが
挿入されているために、サイリスタのゲートに加わる電
池電圧が出力ポートに加わることがなく、しかも出力ポ
ートのオン・オフ時にコンデンサに生じる過渡現象を利
用してゲートに電池電圧以上の点弧電圧を加えることが
できる。すなわち1つのトランジスタと1つのコンデン
サで実際的な点弧回路が実現され、製造コストの低減と
小型化が可能となる。この場合、点弧ミスの発生が懸念
されるが、この問題はマイクロコンピュータのプログラ
ムの改良によって対処することが可能であり、信頼性に
も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の回路図
【図2】点弧信号とゲート電圧の変化の様子を示す図
【図3】充電電圧VS1,VS2,VSと電池電圧VD
の関係を示す図に、点弧タイミングとゲート電圧の変化
の様子を加えた図(従来技術)
【図4】充電電圧VS1,VS2,VSと電池電圧VD
の関係を示す図に、点弧タイミングとゲート電圧の変化
の様子を加えた図(実施例)
【図5】点弧信号の繰返し処理で生じる問題を説明する
【図6】点弧信号の繰返し処理で生じる他の問題を説明
する図
【図7】本実施例での点弧信号
【図8】本実施例での点弧信号
【図9】分圧電圧VCと電池電圧VDの特性図
【図10】従来の回路
【符号の説明】
14a,16b サイリスタのゲート 32 トランジスタ 36 コンデンサ 36a コンデンサの一方の電極 36b コンデンサの他方の電極 PO5 マイクロコンピュータの出力ポート Vcc マイクロコンピュータ用電源電圧
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 7/00 - 7/12 H02J 7/34 - 7/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池を充電する電流の電流値に相当する
    値を入力し、その入力値に応じて充電電流を位相制御す
    るサイリスタの点弧角を調整するマイクロコンピュータ
    を備えた充電装置において、そのサイリスタのゲートを
    コンデンサの一方の電極に接続し、そのコンデンサの他
    方の電極をPNPトランジスタのコレクタに接続し、そ
    のトランジスタのベースを前記マイクロコンピュータの
    出力ポートに接続し、そのトランジスタのエミッタをそ
    のマイクロコンピュータ用の電源電圧に接続したことを
    特徴とする充電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の充電装置において、前記マイ
    クロコンピュータには、その出力ポートに最初の点弧信
    号を出力した後に点弧信号を繰返して出力するプログラ
    ムが用意されていることを特徴とする充電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の充電装置において、前記マイ
    クロコンピュータには、その出力ポートに最初に出力す
    る点弧信号の位相が所定位相以下であるときに、その最
    初の点弧信号を出力した後に点弧信号を繰返して出力す
    るプログラムが用意されていることを特徴とする充電装
    置。
  4. 【請求項4】 電池を充電する電流の電流値に相当する
    値を入力し、その入力値に応じて充電電流を位相制御す
    るサイリスタの点弧角を調整するマイクロコンピュータ
    と、そのマイクロコンピュータの出力ポートにベースが
    接続されていてその出力ポートのハイ・ロウの変化でそ
    のマイクロコンピュータ用の電源電圧をオン・オフする
    トランジスタと、そのトランジスタのオン・オフ時に生
    じる過渡現象を利用してそのマイクロコンピュータ用の
    電源電圧以上の電圧に増圧する増圧回路と、その増圧さ
    れた電圧を前記サイリスタのゲートに印加する手段とを
    備えており、そのマイクロコンピュータには、その出力
    ポートに最初に出力する点弧信号の位相が所定位相以下
    であるときに、その最初の点弧信号を出力した後に点弧
    信号を繰返して出力するプログラムが用意されているこ
    とを特徴とする充電装置。
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