JP3197184B2 - 自動周波数制御回路 - Google Patents

自動周波数制御回路

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JP3197184B2
JP3197184B2 JP07263295A JP7263295A JP3197184B2 JP 3197184 B2 JP3197184 B2 JP 3197184B2 JP 07263295 A JP07263295 A JP 07263295A JP 7263295 A JP7263295 A JP 7263295A JP 3197184 B2 JP3197184 B2 JP 3197184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として衛星通信や
移動体衛星通信システムにおいて受信信号を復調する復
調装置に用いる周波数制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の初期の自動周波数制御(以下AF
Cと称する)回路としては、受信信号の電力スペクトル
を中心周波数の異なった復数個の相関器に通過させ、相
関器によって求まった復数個の相関器出力(以下、相関
値)を比較する方式が提案されている。図19は従来の
初期AFC回路の構成の例を示す図であり、例えば信学
技報、CS87−109(1987)、「PSK信号の
計算的復調法に関する検討」(本多他)に記載されてい
る。図19において、13は入力端子であり、14は時
間軸上で表現された受信信号を周波数軸上に変換する時
間軸−周波数軸変換部、15は受信信号のパワースペク
トルを求めるスペクトル演算部、10は受信信号のパワ
ースペクトルからオフセット周波数を推定する周波数推
定部である。
【0003】図20は従来の周波数推定部の構成の例を
示す図である。図20において、50は受信信号のパワ
ースペクトルとリファレンスとの相関値を求める相関
器、9は複数個の相関値の中から最大値を求め、さらに
最大値を出力した相関器に対応した周波数オフセット情
報を出力する最大値検出回路、10は相関器50、最大
値検出回路9から構成される周波数推定部である。
【0004】図21は従来のm番目の相関器(以下、相
関器(m)、−L≦m≦L)の構成の例を示す図であ
る。図21において、1は受信信号のパワースペクトル
の入力端子であり、2はm番目のリファレンス(以下、
相関係数(m))を記憶する記憶回路、4は受信信号の
パワースペクトルと相関係数(m)との相関値を求める
演算回路、50は記憶回路2および演算回路4で構成さ
れる相関器である。
【0005】受信信号に対して離散フーリエ変換等の時
間軸−周波数軸変換を行い、更に受信信号の電力スペク
トルを求め、この電力スペクトルを、中心周波数の異な
った複数個の相関器に通過させ、各々の相関器において
は、電力スペクトルと記憶回路から出力されたリファレ
ンスとの相関値を求める。相関器としては、SN比を最
大にするために一般には整合濾波器を用いる。ここで、
相関器の中心周波数がオフセット周波数と一致した場合
に相関値が最大となることが一般に知られているので、
これを用いて、従来は複数個の相関値の中から最大とな
るものを求め(以下、MAXサーチ)、最大値を出力し
た相関器の中心周波数をオフセット周波数(以下、Δ
f)と推定していた。
【0006】次に動作について、図19〜図24を参照
して説明する。以下の説明においては、説明を簡単にす
るために、受信信号は複素表示されたベースバンド信号
であるとし、また受信信号はA/D変換によって、量子
化された離散信号であるとする。入力端子13から入力
された時間軸上で表現された受信信号を、時間軸−周波
数軸変換部14に通すことにより周波数軸上で表現され
た受信信号を求める。さらに、この信号をスペクトル演
算部15に通すことにより、受信信号のパワースペクト
ルX1 (f)を求める。ここで、スペクトル演算部15
においては、量子化された離散信号に対して、FFT等
の時間軸−周波数軸変換を行うので、受信信号のパワー
スペクトルは離散信号である。受信信号のi番目のパワ
ースペクトルを Pi (−N≦i≦N) とする。
【0007】受信信号のパワースペクトルが図22のよ
うになっているとする。このパワースペクトルを複数個
の相関器に通し、その相関値を得る。相関器50は従来
は整合濾波器を用いていたので、相関器のリファレンス
としては、送信フィルタの伝達関数のパワースペクトル
を用いており、相関係数(m)は中心周波数をfmとす
る送信フィルタの伝達関数のパワースペクトルを係数に
持つように設定する。一例として、相関係数(−2)、
相関係数(0)、相関係数(2)を図23に示す。図2
0における相関器(m)は図21のように構成されてい
るので、相関器(m)においては、受信信号のパワース
ペクトルと相関係数(m)との相関を取る。m番目の相
関器から出力される相関値をPSmとすれば、PSmは
演算回路4により求まり、
【0008】
【数1】
【0009】となる。ここで、相関値が最大になるの
は、受信信号の中心周波数と相関器の中心周波数が一致
する場合であるので、(2L+1)の相関値に対してM
AXサーチを行い、PSmを最大にするmをmMAX とす
ればmMAX に対応する周波数がΔfである。よって、最
大値検出回路9では、(2L+1)の相関値に対してM
AXサーチを行い、mMAX に対応した周波数を出力す
る。一例として、雑音がなく、受信信号のオフセット周
波数を0 Hz、f0 =0 Hzとした場合のPSmを
図24に示す。図24の場合では、PS0 が最大となる
ので、最大値検出回路9は、Δf=0を出力する。
【0010】ここで、相関器を用いる方式では、乗算を
行う必要があり、また、乗算に用いる係数を保存するメ
モリが必要である等の欠点があった。この欠点を改善す
るために、相関器のかわりに、設定された範囲内の電力
を求める電力抽出フィルタを用いた方式も提案されてい
る。この場合、式(1)において、相関器の係数の値は
全て1となるので、PSmは簡単に式(2)のようにな
る。
【0011】
【数2】
【0012】他の目的、構成のAFC回路として特開昭
61−163713に示される回路がある。この目的
は、AFCとしての引込み範囲の限界を取り除くため
に、フィルタバンク(中心周波数の異なる複数個の帯域
濾波器、つまり、BPFと呼ばれるものを並列に並べて
構成)を用いている。即ち、この先行例では、BPFと
しては何も記載されていないので、整合フィルタを用い
ていると思われるが、本願の演算フィルタのように、整
合フィルタの伝達関数を送信されるデータパターンに依
存して改良されたBPFを用いた構成とはなってない。
また、この先行例はパイロット信号を用いていて、周波
数差検出における方法が異なってもいる。また、復調回
路に用いたAFCとして、特開平5−83313に示さ
れる回路がある。この目的もAFC引込み範囲の限定を
広げるもので、構成としては、タンクを並列に並べるこ
とによってフィルタバンクを作っている。また、この先
行例においては、変調信号に逓倍を行うことで無変調信
号を作成している。また、他のAFC回路として、特開
平6−69974に示される回路がある。この先行例
は、変調信号に対して、+fと−fの周波数シフトを行
い、+fおよび−f周波数シフトされた変調信号の電力
から両者の電力差を求めその電力差を用いて周波数推定
をおこなっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のA
FC回路では、mMAX を求めるにあたり、PSmのMA
Xサーチを行うが、PSmは雑音よる影響を受け易いた
め、雑音が多い(S/N(信号電力対雑音電力比)が低
い)場合ではオフセット周波数の誤推定を生じ易いとい
う課題があった。また、受信信号を周波数軸上に変換す
るにあたっては、有限長の信号に対して変換を行うの
で、処理シンボル数が少ない場合では十分なスペクトル
の平均化が行えず、受信信号のパワースペクトルには送
信データのパターンに依存したゆらぎ(以下、パターン
依存性のスペクトルのゆらぎと呼ぶ)を生じるので、こ
のよらぎによるオフセット周波数の誤推定を生じ易いと
いう課題があった。さらに、相関器の中心周波数が離散
的であるので、推定されるオフセット周波数には推定誤
差が含まれるという課題もあった。
【0014】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、受信信号のパワースペクトルとリ
ファレンスとの相関を取る前に、パターン依存性のスペ
クトルのゆらぎを減少させるフィルタ(以下、演算フィ
ルタ)を用いることでパターン依存性のスペクトルのゆ
らぎの影響を小さくするか、または、PSmの尖頭率を
上げる演算フィルタを用いて、誤推定を減らすことを目
的とする。さらに周波数推定において補間を用いること
で推定誤差を小さくすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る自動周波
数制御回路は、時系列入力信号を周波数変換し、スペク
トル演算して得られるパワースペクトルを、複数の、そ
れぞれ中心周波数が異なる値により相関演算する相関器
を用いて周波数推定する自動周波数制御回路において、
t=0の近傍を通過させて他を遮断する特性を持つ演算
フィルタを設けて、上記相関器の一方の入力である、送
信フィルタの特性を持つリファレンスか、または上記相
関器の他方の入力である上記パワースペクトルの、いず
れか一方または両方に対して、上記演算フィルタを通過
させて、該通過後の信号を相関器に入力させる構成とし
たことを特徴とする。
【0016】または、演算フィルタは、注目周波数の近
傍の周波数における受信信号のパワースペクトルを加算
し、注目周波数から所定の周波数間隔をおいた周波数に
おける受信信号のパワースペクトルを減算して、該パワ
ースペクトルの相関値の尖頭率を高める特性とした。
【0017】また更に、リファレンスを記憶する記憶回
路を複数の相関器に対して共通に1つとし、中心周波数
がそれぞれ異なる上記複数の各相関器に対して、中心周
波数のシフト量に対応するシフトをリファレンスに与え
て後、入力するようにした。
【0018】更に、中心周波数が異なる複数の相関器に
換えて、相関器は1組として単一相関器とし、 入力のパ
ワースペクトルを周波数軸上でシフトするシフタと、上
記単一相関器の出力先を選択するセレクタとを備えて、
周波数を設定して、上記シフタ出力を上記単一相関器に
入力して相関演算し、該相関演算結果を上記セレクタで
選択して最大値検出する、これら一連の相関演算を、順
次、周波数をシフトして行う構成とした。
【0019】更に、複数の相関器の入力側か、または複
数の相関器の出力側に入出力信号の間引き回路を設け
て、上記複数の相関器のうち、少ない特定の相関器の出
力のみを使用する構成とした。
【0020】更に、複数の相関器出力から最大相関値
を、該最大相関値を出した特定相関器情報と共に出力す
る最大値検出回路と、 上記最大値検出回路が出力する最
大相関値と、上記特定相関器情報に隣接する複数の相関
器群が出力する相関値群とを入力として、周波数補間値
を得る周波数補間回路とを備えた。
【0021】また更に、演算フィルタは、ガウスフィル
タ、または送信フィルタの平方根特性を持たせた。
【0022】
【作用】この発明による自動周波数制御回路は、記憶回
路に記憶された送信フィルタの特性で定まるリファレン
スと受信信号のパワースペクトルとの相関演算が周波数
シフトに対応して複数組で相関演算され、その相関値の
最大値より受信信号のオフセット周波数が推定される。
【0023】または、受信信号のパワースペクトルとリ
ファレンスとに対して、それぞれ演算フィルタで送信フ
ィルタの特性から定まる一定周波数幅のみ通過する特性
を与えてパターン依存性のスペクトルの揺らぎをなくし
た後、相関演算がされ、オフセット周波数が推定され
る。
【0024】また更に、送信フィルタの特性を持つリフ
ァレンスは共通の記憶回路から各相関器に供給され、相
関演算がされ、オフセット周波数が推定される。
【0025】更に、相関器は1組であり、受信信号のパ
ワースペクトルの相関演算をこの1組の相関器で繰り返
し演算し、その際に相関演算するリファレンスに対して
順次周波数値をシフトして演算し、シフトしたリファレ
ンス値に対する相関演算結果の最大値からオフッセット
周波数が推定される。
【0026】更に、相関演算に際して、または相関器出
力中から最大相関値を得るに際して間引き回路により、
相関演算または最大値検出が少ない値で行われる。
【0027】更に、複数の相関演算結果から周波数補間
がされ、その中間の値も含めてより精密なオフセット周
波数が推定される。
【0028】また更に、リファレンスまたは演算フィル
タには送信フィルタの平方根の特性が与えられ、一定周
波数幅のみ通過する特性として設定が容易でかつパター
ン依存性のスペクトルの揺らぎの少ない特性となる。
【0029】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の実施例1の相関値演算回路
を示すブロック図である。図1において、1は受信信号
のパワースペクトルの入力端子、2はm番目の相関器の
リファレンス(相関係数(m))を記憶する記憶回路で
ある。3は受信信号のパワースペクトルとリファレンス
との相関を求めるにあたり、パターン依存性のスペクト
ルのゆらぎの影響を小さくするための演算フィルタで、
4は2つの演算フィルタから出力される信号の相関を求
める演算回路である。5は記憶回路2、演算フィルタ3
および演算回路4で構成され、PSSmを出力する相関
器である。6は複数個の相関器で構成される相関値演算
回路である。即ち、従来例の図20の相関器50に対応
して、新規な相関器5が設けられている。
【0030】動作原理について説明する。周波数軸上で
表現された受信信号のパワースペクトル、リファレンス
(相関器の係数)、実施例1で用いる演算フィルタの伝
達関数、比較のため、従来方式の相関器出力、本願での
相関器出力を各々以下のシンボルで表現する。 X1 (f) :受信信号のパワースペクトル X2 (f) :リファレンス(送信フィルタ) H(f) :演算フィルタの伝達関数 W(f) :従来方式の相関器出力 WW(f) :本願の相関器出力 ここで、X1 (f)、X2 (f)、H(f)、W
(f)、WW(f)は実数関数である。本来、以下で述
べる方式においては離散信号を扱うが、以下の説明にお
いては、説明を簡単にするために、連続信号で表現す
る。即ち、入力端子1にはX1 (f)をサンプリングし
た離散値Piが入力され、相関器5および相関器50の
リファレンスはX2 (f)をサンプリングした離散値と
し、PSm、PSSmは各々W(f)、WW(f)をサ
ンプリングした離散値とする。また、送信信号はナイキ
スト波形であるとする。従来方式は図21のように動作
するので、従来方式における相関器出力W(f)は次の
式(3)で表すことができる。
【0031】
【数3】
【0032】ここで受信信号X1 (f)について考え
る。雑音がなく、送信信号を十分長い時間平均化した場
合には、パターン依存性のスペクトルのゆらぎは無いの
で、受信信号X1 (f)のパワースペクトルはX
2 (f)と同一になるはずであるが、復調時には有限長
のデータを用いるため、十分なスペクトルの平均化を行
うことができないので、パターン依存性のゆらぎを生じ
ることになる。本願の目的は、このパターンによるゆら
ぎの影響をなくすことにある。パターン依存性のスペク
トルのゆらぎをY(f)とおけば、Y(f)は、次の式
(4)で表すことができる。 Y(f)=X1 (f)−X2 (f) (4) ここで、パターン依存性のスペクトルのゆらぎY
(f)、リファレンスX2 (f)をフーリエ変換するこ
とにより、その特性を調べる。オーバーサンプル4の場
合について、Y(f)にフーリエ逆変換を行い、フーリ
エ逆変換結果のy(t)を求める。図2にy(t)の電
力の平均値を示す。図よりパターン依存性のスペクトル
のゆらぎの電力は、平均的にt=0近傍で0になるが、
その他の部分ではほぼ一定であることがわかる。 また、X2 (f)のフーリエ逆変換結果x2 (t) の電力は平均的に図3のようになる。従って、図2およ
び図3より、パターン依存性のスペクトルのゆらぎの影
響を抑えるためには、つまり、y(t)を0、x
2 (t)を1とするためには、t=0近傍を通過させ、
その他の部分を遮断するようなフィルタを用いれば良い
ことになる。
【0033】一方、提案方式は図1のように動作するの
で、演算フィルタを含めた図1の構成の提案方式におけ
る相関器出力WW(f)は式(5)で表せる。
【0034】
【数4】
【0035】式(5)より、相関器5からは、演算フィ
ルタに通された受信信号と演算フィルタに通されたリフ
ァレンスとの相関値が出力される。式(3)と式(5)
とを比較するために、式(5)において右辺をX
1 (f)とそれ以外の部分の相関になるように変形して
いくと、式(6)を得る。ここでM(f)は式(7)で
表される。更に、WW(f)をフーリエ変換した結果を
RR(t)とすれば、式(6)より式(8)を得る。
【0036】
【数5】
【0037】ここで、先に検討したように、「パターン
依存性のスペクトルのゆらぎの影響を抑えるためには、
t=0近傍を通過させ、その他の部分を遮断するような
一定周波数幅のみ通過するバンドパスフィルタを用いれ
ば良い」ことがわかっているので、式(8)より、「t
=0近傍を通過させ、その他の部分を遮断する」ような
m(t)を求めれば、パターン依存性のスペクトルのゆ
らぎの影響を抑えることができる。よって、上記の条件
を満たすm(t)が決定されたら、式(7)の関係を満
たすようにH(f)を求め、それを伝達関数とする演算
フィルタを用いる。「t=0近傍を通過させ、それ以外
の部分を遮断する」フィルタの一例として、ガウスフィ
ルタが良く知られている。m(t)がガウスフィルタの
場合、M(f)の形状もガウス関数の形状になるので、
ここでは一例として、M(f)としてガウスフィルタを
用いる。ガウスフィルタの伝達関数M(f)は式(9)
で表せる。ここで、BbTはガウスフィルタの片側3d
B帯域幅である。
【0038】
【数6】
【0039】さて、上記構成の相関器の動作について図
1に従い説明する。入力端子1から入力される受信信号
のスペクトルと記憶回路2から出力される相関係数
(m)各々を演算フィルタ3に通す。演算フィルタの伝
達関数H(f)は、式(7)を満たすようにする。演算
回路4では、2つの演算フィルタ出力信号の相関値を求
め、出力する。演算フィルタを用いることで、パターン
依存性のスペクトルのゆらぎによる影響を抑えることが
できるので、PSSmのMAXサーチにおける誤推定を
減少させることができる。
【0040】実施例2.演算フィルタの一例として、M
(f)としてX2 (f)を変形したフィルタを用いるこ
とを考える。式(6)において、次の式(10)、式
(11)の2種類のフィルタを用いることにする。
【0041】
【数7】
【0042】この場合も、演算フィルタの伝達関数H
(f)は、式(7)を満たすように設定し、実施例1と
同様の処理を行う。実施例2においても、演算フィルタ
を用いることで、パターン依存性のスペクトルのゆらぎ
による影響を抑えることができるので、PSSmのMA
Xサーチにおける誤推定を減少させることができる。
【0043】実施例3.実施例1、実施例2の演算フィ
ルタはパターン依存性のスペクトルのゆらぎを抑えるこ
とによって周波数推定特性を向上させる方式についての
例であった。ここでは、図24におけるPSmの尖頭率
を上げ、誤推定を減らすような演算フィルタの一例を示
す。経験的に、例えば、演算フィルタの伝達関数H
(f)を次の式(12)のように設定し、実施例1と同
様の処理を行う。 H(f)=X(f−0.25)−X(f−0.75) +X(f+0.25)−X(f+0.75) (12) この場合のPSSmを図4に示す。ただし、従来方式と
の比較のため、条件は従来方式の場合と同じ(雑音な
し、受信信号のオフセット周波数を0、f0 =0Hz)
とする。図24と図4とを比較すると、図4の方がPS
Smの尖頭率は大きくなっているのがわかる。これによ
り、PSSmのMAXサーチにおける誤推定を減少させ
ることができる。
【0044】実施例4.図5はこの発明の実施例4の構
成を示す相関値演算回路のブロック図である。図5にお
いて、2は各相関器に対応するように共通化された相関
係数を記憶する記憶回路、5は演算フィルタ3および演
算回路4で構成され、PSSmを出力する相関器であ
り、6は1つの記憶回路と複数個の相関器で構成される
相関値演算回路であり、入力端子1、演算フィルタ3、
演算回路4は実施例1〜実施例3に記載されたものと同
じである。実施例1〜実施例3の相関器においては、図
1の相関器のように各相関器毎にリファレンス用の記憶
回路を設けていたが、従来例の図23において示したよ
うに、m番目の記憶回路に記憶された相関係数(m)
は、周波数オフセットの無い場合の相関係数(相関係数
(0))をmに対応する周波数分だけ周波数軸上をシフ
トしたものであるから、図5のように1つの記憶回路に
図6のように相関係数を記憶しておき、相関器にあわせ
て相関係数を出力してやることでも、同様の処理を行う
ことができる。
【0045】図5に従い、相関値演算回路の動作を説明
する。従来、m番目の相関器におけるリファレンスは、
記憶回路に記憶された相関係数(m)を用いていたが、
ここでは、1つの記憶回路に記憶された相関係数(0)
をmに対応する周波数分だけ周波数軸上をシフトしたも
のを用いる。よって記憶回路は各相関器に対応するよう
に、相関係数(0)をシフトしながら相関器に対して出
力する。あるいは、各相関器のリファレンス側演算フィ
ルタは、それぞれ異なるシフト量で記憶回路出力を入力
する。相関器では、従来と同様に入力端子1から入力さ
れる受信信号のパワースペクトルと、記憶回路2から出
力されたリファレンス各々を演算フィルタ3に通す。演
算フィルタの伝達関数H(f)は、式(7)を満たすよ
うにする。演算回路4では、2つの演算フィルタ出力信
号の相関値を求め、出力する。
【0046】実施例5.相関器の数を1つとし、そのか
わりに相関演算を並列でなく、繰り返しおこなう装置を
説明する。図7はこの発明の実施例5の構成を示す周波
数推定部のブロック図である。図7において、7は入力
された受信信号のパワースペクトルを周波数軸上でシフ
トするシフタ、8はシフタの動作に合わせて相関値の出
力先を選択し、出力するセレクタ、9はセレクタから出
力された複数個の相関値の中から最大値を求め、さらに
最大値を出力した相関値に対応する周波数オフセット情
報を出力する最大値検出回路であり、6は1個の相関器
5、シフタ7およびセレクタ8で構成される相関値演算
回路であり、10は相関値演算回路6および最大値検出
回路9で構成される周波数推定部である。また、入力端
子1、相関器5は実施例1〜実施例3に記載されたもの
と同じである。実施例4の相関値演算回路においては、
実施例1〜実施例3と同様の処理を行うのに、図5のよ
うに1つの記憶回路に相関係数を記憶しておき、相関器
にあわせてそれぞれシフト量の異なるリファレンスを相
関係数として出力していた。ここでは、それとは逆に、
相関係数を1つに固定し(例えば相関係数(0))、受
信信号のパワースペクトルをシフトし、かつシフト毎に
相関演算を繰り返すことで、同様の処理を行う。
【0047】周波数推定部の動作について、図7に従い
説明する。入力端子1から図22に示されるような受信
信号のパワースペクトルが入力される。シフタでは、こ
のパワースペクトルをmステップシフトし出力する。相
関器5では、このシフトされたパワースペクトルとリフ
ァレンスとの相関値を求めるが、実施例4とは異なり、
パワースペクトルをシフトしているので、この場合のリ
ファレンスは、1つの相関係数(例えば、図7では相関
係数(0))のみ用いれば良い。よって相関値演算回路
6は1個の相関器で構成される。セレクタ8では、相関
値演算回路6から出力された相関値を、相関演算が終る
毎に、シフト量に合せて出力先を選択し、相関値を出力
する。そして選択後次の相関演算に合わせて次の出力先
に切り替わる。最大値検出回路9はセレクタから出力さ
れた複数個の相関値の中から最大値を求め、さらに最大
値を出力した相関値に対応する周波数オフセット情報を
出力する。
【0048】実施例6.最も汎用的で簡易な実施例を説
明する。実施例1〜実施例3においては、入力端子1か
ら入力される受信信号のスペクトルと記憶回路2から出
力されるm番目のリファレンス各々を演算フィルタ3に
通していた。だが、基本的には系全体として式(6)の
関係を満たせば、演算フィルタ、演算回路(相関器)
は、順序を入れ替える等の操作を行っても良い。例え
ば、式(6)で示されたように、M(f)をリファレン
スと考えれば、WW(f)はX1 (f)とM(f)との
相関を取ることにより求まるので、記憶回路3にM
(f)を記憶することで、図1は図21のように従来方
式と同様に構成することもできる。但し、構成は同じで
もリファレンスは上記のように従来とは異なるものであ
る。
【0049】実施例7.各シフトしたリファレンスに対
して相関演算した結果から最大値を検索する動作を繰り
返す量を減らせば、オフセット推定演算が減る。図8は
この発明の実施例7の構成を示すAFC回路の周波数推
定部のブロック図である。図8において、6は実施例1
〜実施例6に記載された相関値演算回路、11は相関値
演算回路6から出力された複数個の相関値の中から後段
の最大値検出回路へ出力する相関値を間引く間引き回
路、12は間引き回路11を動作させるかどうかを選択
し、間引き回路11に制御信号を出力する間引き回路制
御部、9は間引き回路11から出力された複数個の相関
値の中から最大値を求め、さらに最大値を出力した相関
値に対応する周波数オフセット情報を出力する最大値検
出回路であり、10は相関値演算回路6、間引き回路1
1、間引き回路制御部12および最大値検出回路9で構
成される周波数推定部である。
【0050】上記構成の装置の動作を説明する。上記実
施例では、演算が施された受信信号の電力スペクトルと
リファレンスとの相関値を求め、複数個の相関値の中か
ら最大となるものを求め、最大値を出力した相関器の中
心周波数をオフセット周波数と推定していた。この方式
において観測できる周波数解像度は、フーリエ変換等の
時間軸−周波数軸変換時に一意に決定されてしまうの
で、このAFC回路の推定精度も一意に決定されてしま
う。しかし、AFC回路に要求される推定精度や処理時
間や観測したい周波数範囲はいつも同じとは限らず、例
えば初期捕捉時とトラッキング時では要求される精度や
処理時間は異なる。このように、要求される精度や処理
時間や観測したい周波数範囲が動作中に変化する場合に
は、それらの要求に合わせて間引き回路を動作させるこ
とによって、無駄な演算や最大値検出回路の演算量を減
らすことができる。
【0051】例えば、要求される推定精度から考えて、
全ての相関器を用いる必要が無い場合や、全ての相関値
に対して最大値検出を行う処理時間が無い場合では、間
引き回路を動作させ、2つから1つ間引く場合では、間
引き回路では入力、 PSS-L,・・・,PSS-2,PSS-1,PSS0 ,P
SS1 ,PSS2 ,・・・,PSSL に対して、 PSS-L,・・・,PSS-2,PSS0 ,PSS2 ,・
・・,PSSL を出力する。また、例えば動作中に観測したい周波数範
囲が狭くなった場合には、間引き回路を動作させ、間引
き回路では、入力、 PSS-L,・・・,PSS-2,PSS-1,PSS0 ,P
SS1 ,PSS2 ,・・・,PSSL に対して、 PSS-K,・・・,PSS-2,PSS-1,PSS0 ,P
SS1 ,PSS2 ,・・・,PSSK (L>K) を出力する。間引きを行わない場合では、間引き回路を
動作させず、最大値検出回路は全ての相関値に対して処
理を行う。間引きを行うかどうかは間引き回路制御部か
らの制御信号に従う。
【0052】本実施例においては相関器の後段に間引き
回路を置いているが、間引き回路と等価な操作(周波数
解像度や周波数範囲の変更)を行うことができれば間引
き回路の位置を変えたり、間引き回路を取り除きこれに
変わる演算回路を用いても良い。例えば、図9のように
スペクトル演算部の後段に間引き回路を置いたり、図1
0のようにスペクトル演算部の前段に間引き回路を置く
ことも等価である。また、時間軸−周波数軸変換部にお
いて離散フーリエ変換を行っている場合では、離散フー
リエ変換に用いる受信信号のオーバーサンプル数や処理
シンボル数を変えることでも等価な操作を行うことがで
きる。さらに、図8における相関器の相関係数を変える
ことでも等価な操作を行うことができる。
【0053】実施例8.見かけの最大値間の中間の値に
真の最大値を推定し、精密なオフセット周波数を推定す
る装置を説明する。図11はこの発明の実施例を示すA
FC回路の周波数推定部のブロック図である。図11に
おいて、6は実施例1〜実施例6に記載された相関値演
算回路、16は相関値演算回路6から出力される複数個
の相関値の中から最大値を検出し、最大値を出力した相
関器を示す情報を出力する最大値検出回路、17は最大
値検出回路16から出力された相関器を示す情報と相関
値演算回路6から出力される複数個の相関値を用いてオ
フセット周波数を推定し、出力する周波数補間回路、1
0は相関値演算回路6、最大値検出回路16および周波
数補間回路17で構成される周波数推定部である。
【0054】実施例1〜実施例6の場合、各相関器の中
心周波数は離散的に配置されているので、推定される周
波数も離散的にしか求まらず、これによってオフセット
周波数には推定誤差が含まれるという欠点がある。この
欠点を解決するために、推定された周波数に補間を行
う。ここでの補間は例えば、最大値検出回路16で検出
されたmMAX に対応するPSSmおよびmMAX に隣接す
る前または後ろの複数個のPSSmを用いて周波数を補
間する。補間動作を図11に従い説明する。最大値検出
回路16では、相関値演算回路6から出力される複数個
の相関値の中から最大値を検出し、mMAX を出力する。
周波数補間回路17では、最大値検出回路16から出力
されるmMAX に対応する相関値PSSmMAX およびm
MAX に隣接する前または後ろの複数個のPSSmを相関
値演算回路6から読み込み、これら複数個の相関値に対
して、例えばラグランジェの補間公式等により例えば2
次関数または3次関数形で波形補間をし、周波数補間を
行う。そして、mMAX および補間値も用いてΔfを推定
し、出力する。これにより精度の良い周波数推定を行う
ことができる。
【0055】実施例9.本実施例では、実施例7と実施
例8を併せた例を説明する。図12はこの発明の実施例
を示すAFC回路の周波数推定部のブロック図である。
図12において、相関値演算回路6、最大値検出回路1
6、周波数補間回路17は実施例8に記載されたものと
同じであり、間引き回路11、間引き回路制御部12は
実施例7に記載されたものと同じである。また、10は
相関値演算回路6、間引き回路11、間引き回路制御部
12、最大値検出回路16、周波数補間回路17で構成
される周波数推定部である。実施例7の場合も、実施例
1〜実施例6の場合と同様に、各相関器の中心周波数は
離散的に配置されているので、オフセット周波数には推
定誤差が含まれるという欠点を解決するために、実施例
8と同様に推定された周波数に補間を行う。実施例7に
おいては、間引き回路を使用するため、最大値検出回路
16で検出されたmMAX の隣接点の相関値が間引き回路
出力に必ずあるとは限らない。この場合には、最近の点
の相関値を用いて周波数補間を行う。また、図12にお
いては、間引き回路出力を周波数補間回路に入力してい
るが、周波数補間時に全ての相関値が使用できるよう
に、相関値演算回路の出力を周波数補間回路に入力して
も良い。
【0056】実施例10.式5においては、X
1 (f)、X2 (f)、H(f)は実数関数としてい
た。ここで、2つの実数関数A(f)、B(f)の相関
値R(f)およびたたみ込み結果C(f)について考え
ると、R(f)、C(f)は各々次の式(13)、式
(14)で表わされる。更に、式(13)において、A
(f)が偶関数であるとし、式(15)のように変数変
換を行えば、式(13)は式(16)のようになる。
【0057】
【数8】
【0058】すなわち、A(f)が偶関数であれば、A
(f)、B(f)の相関値およびたたみ込み結果は一致
する。この結果を用いてX2 (f)、H(f)、M
(f)が偶関数の場合のWW(f)を求める。
【0059】(1)X2 (f)が偶関数の場合 WW(f)は式(17)のように変形できるので、図1
における相関器5は図13、図14のように構成するこ
ともできる。
【0060】
【数9】
【0061】図13はこの発明の実施例10の相関器の
ブロック図である。図13において、記憶回路2、演算
回路4は実施例1に記載されたものと同じである。ま
た、18は2つの入力信号に対してたたみ込みを行う演
算回路1、19はH(f)の伝達関数が記憶された記憶
回路1である。演算回路1(18)においてX1 (f)
とX2 (f)とのたたみ込みを行い、後段に接続された
演算回路1(18)の入力信1とする。また演算回路4
においてH(f)同士の相関値を求め、後段に接続され
た演算回路1(18)の入力信号とする。演算回路1
(18)では前記2つの入力信号の畳込みを行うことで
WW(f)を得る。また図13においては、記憶回路1
(19)を2つ用いているが、両者は同じものであるの
で、1つに共通化しても良い。図14はこの発明の実施
例10の他の相関器のブロック図である。図14におい
て、記憶回路2、演算回路1(18)は図13に記載さ
れたものと同じである。また、20は入力信号と次の式
(18)で示される伝達関数とのたたみ込みを行う演算
フィルタ1である。
【0062】
【数10】
【0063】演算回路1(18)においてX1 (f)と
2 (f)とのたたみ込みを行い、後段に接続された演
算フィルタ1(20)の入力信号とする。図13におい
ては、演算回路4においてH(f)同士の相関値を求め
ていたが、H(f)は既知であるので、H(f)同士の
相関値を伝達関数とする演算フィルタ1(20)に演算
回路1(18)の出力信号を通すことでWW(f)を得
る。
【0064】(2)H(f)が偶関数の場合 WW(f)は式(19)のように変形できるので、図1
における相関器5は図15、図16のように構成するこ
ともできる。
【0065】
【数11】
【0066】図15はこの発明の実施例10の他の相関
器のブロック図である。図15において、記憶回路2、
演算フィルタ3、演算回路4は実施例1に記載されたも
のと同じである。X1 (f)を演算フィルタ3に入力
し、このフィルタ出力信号をさらに後段に接続された演
算フィルタ3に入力し、このフィルタ出力を後段に接続
された演算回路4の入力信号とする。演算回路4におい
ては、演算フィルタ3から出力された信号と、記憶回路
から出力された信号の相関を求めることでWW(f)を
得る。図16はこの発明の実施例10の他の相関器のブ
ロック図である。図16において、記憶回路2、演算回
路4は図15に記載されたものと同じである。また、2
1は入力信号と、次の式(20)で示される伝達関数と
のたたみ込みを行う演算フィルタ2である。
【0067】
【数12】
【0068】図15においてはX1 (f)を2回演算フ
ィルタ3に通していたが、H(f)は既知であるので、
H(f)を2回演算フィルタに通すのと等価な伝達関数
を持つ演算フィルタ2(21)を用いることで、図15
の場合と同様にWW(f)を得る。
【0069】(3)X2 (f)、H(f)共に偶関数の
場合 WW(f)は式21のように変形できるので、図1にお
ける相関器5は図17、図18のように構成することも
できる。
【0070】
【数13】
【0071】図17はこの発明の実施例10の他の相関
器のブロック図である。図17において、記憶回路2、
演算フィルタ3は実施例1に記載されたものと同じであ
り、演算回路1(18)は図13に記載されたものと同
じである。記憶回路2から出力されるX2 (f)を演算
フィルタ3に入力し、このフィルタ出力信号をさらに後
段に接続された演算フィルタ3に入力し、このフィルタ
出力を後段に接続された演算回路1(18)の入力信号
とする。演算回路1(18)においては、演算フィルタ
3から出力された信号とX1 (f)をたたみ込むことで
WW(f)を得る。図18はこの発明の実施例10の他
の相関器のブロック図である。図18において、記憶回
路2、演算回路1(18)は図13に記載されたものと
同じであり、演算フィルタ2(21)は図16に記載さ
れたものと同じである。図17においてはX2(f)を
2回演算フィルタ3に通していたが、H(f)は既知で
あるので、図16の場合と同様にH(f)を2回演算フ
ィルタに通すのと等価な伝達関数を持つ演算フィルタ2
(21)を用いることで、図17の場合と同様にWW
(f)を得る。
【0072】(4)M(f)が偶関数の場合 WW(f)は式(22)のように変形できるので、図2
1に示す相関器5のように構成することもできる。この
場合には、記憶回路に記憶されるリファレンスは式
(7)を満たす伝達関数とする。
【0073】
【数14】
【0074】このように、X2 (f)、H(f)、M
(f)が偶関数の場合では、それに対応した式を選ぶこ
とによって図1に示された構成を変えることができ、さ
らに、対応した式の関係を満たせば、演算フィルタ、演
算回路(相関器)は、順序を入れ替える等の操作を行っ
ても良い。また、記憶回路、記憶回路1および記憶回路
2は、実施例4の図5のように共通化することも可能で
ある。
【0075】実施例11.実施例1〜実施例10におい
ては、受信信号のパワースペクトルを用いて周波数推定
を行っているが、受信信号の振幅スペクトル等で処理を
行っても良い。この場合、リファレンスはそれに対応し
て変更する。
【0076】実施例12.実施例1〜実施例11におい
ては、H/Wを用いたAFCの構成例を示しているが、
これらをS/Wで構成しても良い。その場合、例えば、
第2の発明のリファレンス出力や第3の発明のパワース
ペクトルのシフトはメモリのアドレスをずらしていくこ
とで簡単に構成できる。また、間引き回路もアドレス操
作のみで簡単に構成することができる。
【0077】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、送信
フィルタに対応するバンドパス特性を持つリファレンス
と、受信信号のパワースペクトルとの相関値を用いて周
波数を推定するので、スペクトルのゆらぎの影響のない
良好なオフセット周波数の推定ができる効果がある。
【0078】またこの発明によれば、相関を取る前に送
信フィルタに対応するバンドパス特性を持つ演算フィル
タを経由させる構成としたので、パターン依存性のスペ
クトルのゆらぎを抑え、十分なスペクトルの平均化を行
えない場合でも精度良くオフセット周波数を推定できる
効果がある。
【0079】またさらに、記憶回路を共用するようにし
たので、同じ効果を得て回路構成が更に簡単になる効果
がある。
【0080】またさらに、シフタを用いることで相関器
を1つに減す構成としたので同じ効果を得て回路構成が
更に簡単になる効果がある。
【0081】またさらに、間引き回路を用いるので、演
算量を削減することができ、処理速度を向上させる効果
がある。
【0082】またさらに、周波数補間回路を用いるの
で、周波数推定精度を向上させる効果がある。
【0083】また更に、送信フィルタに対応するバンド
パス特性を持つ演算フィルタとして送信フィルタの平方
根特性を与えたので、フィルタの構成が容易で良好な通
過特性が得られ、オフセット周波数の推定がより容易に
なる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1の相関値演算回路を示す
ブロック図である。
【図2】 正規化時間に対するパターン依存性のスペク
トルのゆらぎの電力平均値を示す図である。
【図3】 正規化時間に対するリファレンスの電力の平
均値を示す図である。
【図4】 実施例3で設定された伝達関数により得られ
るPSSmの一例を示す図である。
【図5】 この発明の実施例4の相関値演算回路を示す
ブロック図である。
【図6】 実施例4の記憶回路に記憶されたリファレン
スの特性を示す図である。
【図7】 この発明の実施例5の装置の周波数推定部の
ブロック図である。
【図8】 この発明の実施例7の装置の周波数推定部の
ブロック図である。
【図9】 この発明の実施例7と等価な他のAFCの構
成を示す図である。
【図10】 この発明の実施例7と等価な更に他のAF
Cの構成を示す図である。
【図11】 この発明の実施例8の装置の周波数推定部
のブロック図である。
【図12】 この発明の実施例9の装置の周波数推定部
のブロック図である。
【図13】 この発明の実施例10の相関器の構成を示
す図である。
【図14】 この発明の実施例10の他の相関器の構成
を示す図である。
【図15】 この発明の実施例10の他の相関器の構成
を示す図である。
【図16】 この発明の実施例10の他の相関器の構成
を示す図である。
【図17】 この発明の実施例10の他の相関器の構成
を示す図である。
【図18】 この発明の実施例10の他の相関器の構成
を示す図である。
【図19】 従来のAFC回路のブロック図である。
【図20】 従来の周波数推定部のブロック図である。
【図21】 従来の相関器の構成を示す図である。
【図22】 受信信号のパワースペクトルの一例を示す
図である。
【図23】 中心周波数の相関器を説明する図である。
【図24】 受信信号のオフセット周波数を0とした場
合のPSmの形状を示す図である。
【符号の説明】
1 受信信号のパワースペクトルの入力端子、2 リフ
ァレンスを記憶する記憶回路、3 演算フィルタ、4
演算回路、5 相関器、6 相関値演算回路、7 シフ
タ、8 セレクタ、9 最大値検出回路、10 周波数
推定部、11間引き回路、12 間引き回路制御部、1
3 受信信号の入力端子、14 時間軸−周波数軸変換
部、15 スペクトル演算部、16 最大値検出回路、
17周波数補間回路、18 演算回路1、19 記憶回
路1、20 演算フィルタ1、21 演算フィルタ2、
50 相関器。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時系列入力信号を周波数変換し、スペク
    トル演算して得られるパワースペクトルを、複数の、そ
    れぞれ中心周波数が異なる値により相関演算する相関器
    を用いて周波数推定する自動周波数制御回路において、 t=0の近傍を通過させて他を遮断する特性を持つ演算
    フィルタを設けて、上記相関器の一方の入力である、送
    信フィルタの特性を持つリファレンスか、または上記相
    関器の他方の入力である上記パワースペクトルの、いず
    れか一方または両方に対して、上記演算フィルタを通過
    させて、該通過後の信号を相関器に入力させる構成とし
    たことを特徴とする 自動周波数制御回路。
  2. 【請求項2】 演算フィルタは、注目周波数の近傍の周
    波数における受信信号のパワースペクトルを加算し、注
    目周波数から所定の周波数間隔をおいた周波数における
    受信信号のパワースペクトルを減算して、該パワースペ
    クトルの相関値の尖頭率を高める特性としたことを特徴
    とする請求項1記載の自動周波数制御回路。
  3. 【請求項3】 リファレンスを記憶する記憶回路を複数
    の相関器に対して共通に1つとし、中心周波数がそれぞ
    れ異なる上記複数の各相関器に対して、中心周波数のシ
    フト量に対応するシフトをリファレンスに与えて後、入
    力するようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動
    周波数制御回路。
  4. 【請求項4】 中心周波数が異なる複数の相関器に換え
    て、相関器は1組として単一相関器とし、 入力のパワースペクトルを周波数軸上でシフトするシフ
    タと、上記単一相関器の出力先を選択するセレクタとを
    備えて、 周波数を設定して、上記シフタ出力を上記単一相関器に
    入力して相関演算し、該相関演算結果を上記セレクタで
    選択して最大値検出する、これら一連の相関演算を、順
    次、周波数をシフトして行う構成としたことを特徴とす
    る請求項1記載 の自動周波数制御回路。
  5. 【請求項5】 複数の相関器の入力側か、または複数の
    相関器の出力側に入出力信号の間引き回路を設けて、上
    記複数の相関器のうち、少ない特定の相関器の出力のみ
    を使用する構成としたことを特徴とする請求項1記載
    自動周波数制御回路。
  6. 【請求項6】 複数の相関器出力から最大相関値を、該
    最大相関値を出した特定相関器情報と共に出力する最大
    値検出回路と、 上記最大値検出回路が出力する最大相関値と、上記特定
    相関器情報に隣接する複数の相関器群が出力する相関値
    群とを入力として、周波数補間値を得る周波数補間回路
    とを備えたことを特徴とする請求項1記載 の自動周波数
    制御回路。
  7. 【請求項7】 演算フィルタは、ガウスフィルタ、また
    は送信フィルタの平方根特性を持たせたことを特徴とす
    る請求項1記載の自動周波数制御回路。
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