JP3197127U - ペレット燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料供給装置の管路内の木質ペレットに生じる逆火現象を確実且つ効果的に阻止することを可能としたペレット燃焼装置を提供する。【解決手段】燃焼室1a、燃料供給部2、開閉機構部3、及び点火装置5を備えている。燃焼室1aは内方で木質ペレットa1を燃焼させるものであり、燃料供給部2は燃焼室の外方から内方に渡って設けられた管路8を経て燃焼室の内方に木質ペレットを押し入れるように供給するものである。また開閉機構部3は管路の内方側の端部に形成されたペレット出口8a1を開閉するように作動するものであり、点火装置5は燃料供給部により供給され燃焼室内の火床7上に落下された木質ペレット群に向かう加熱状態の空気流を生成させ空気流の熱で木質ペレット群に点火するものである。【選択図】図2
Description
本考案は、木の皮、木屑、製材端材、木工端材、間伐材、建築廃材などの木質材料を固めてペレット化した木質ペレットを燃料とし、農業用ハウスなどの温風暖房装置や、住宅用のペレットストーブなどに使用されるペレット燃焼装置に関する。
農業用ハウスの温風暖房装置に使用されるペレット燃焼装置としては、例えば、特許文献1に開示されたようなものが存在している。
また家庭用ストーブなどに使用されるペレット燃焼装置としては、例えば特許文献2〜4に開示されたようなものが存在している。
また家庭用ストーブなどに使用されるペレット燃焼装置としては、例えば特許文献2〜4に開示されたようなものが存在している。
これら特許文献に開示されたペレット燃焼装置は、内方で木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、この燃焼室の外方から内方に渡って設けられた管路を経て該燃焼室の内方に木質ペレットを押し入れるように供給する燃料供給部と、この燃料供給部により供給され燃焼室内の火床上に落下された木質ペレット群にオイルバーナーの火炎に接触させることにより又は電気加熱器の加熱部を接触させることにより木質ペレット群に点火する点火装置とを備えた構造とされている。
この種の燃焼装置は次のような欠点を有している。
すなわち、燃焼室内の火床上での木質ペレットの燃焼を終了させ燃焼装置の作動を停止させたとき、燃料供給部の管路のペレット出口近傍に存在する木質ペレットが燃焼室内の熱で発火して燃焼し、この燃焼が管路のペレット出口側から管路の上流側へ向け漸次に進行する逆火現象が生じる虞がある。これを防止するため、従来では例えば電動ファンから送り出される大気の流れを利用して燃焼室内の熱気が管路内に侵入するのを抑制するようにしている。しかし、このような手段では停電により電動ファンが停止した場合には上記逆火現象を阻止できないのであり、また燃焼室内のペレット出口は常に開放された状態であるため、管路内のペレット出口近傍に存在する木質ペレットが燃焼室内に無駄に落下することもあり得る。
すなわち、燃焼室内の火床上での木質ペレットの燃焼を終了させ燃焼装置の作動を停止させたとき、燃料供給部の管路のペレット出口近傍に存在する木質ペレットが燃焼室内の熱で発火して燃焼し、この燃焼が管路のペレット出口側から管路の上流側へ向け漸次に進行する逆火現象が生じる虞がある。これを防止するため、従来では例えば電動ファンから送り出される大気の流れを利用して燃焼室内の熱気が管路内に侵入するのを抑制するようにしている。しかし、このような手段では停電により電動ファンが停止した場合には上記逆火現象を阻止できないのであり、また燃焼室内のペレット出口は常に開放された状態であるため、管路内のペレット出口近傍に存在する木質ペレットが燃焼室内に無駄に落下することもあり得る。
また燃焼装置の作動中、木質ペレットは管路のペレット出口から燃焼室内に供給されるが、このように供給される木質ペレットは燃焼したものから順に灰などとなって外方へ飛散され或いは火床の下方へ落下されて火床上から消失していく。しかし管路のペレット出口の直下近傍にはペレット出口から落下された木質ペレットが徐々に堆積していく傾向があり、この堆積が進行している状況下で比較的長い期間に亘って木質ペレットの燃焼が継続されることがある。この場合、クリンカーがペレット出口の直下近傍の火床上に固結状態になって蓄積され、燃焼室内の燃焼状態を悪化させると共に、上記逆火現象の火種になることも予想される。
また点火装置は例えば管路のペレット出口の直下近傍に堆積した木質ペレット群に電気加熱器の加熱部を接触させて点火する構成とされることが多いが、このような電気加熱器の存在は木質ペレットの燃焼により生じる灰やクリンカーの飛散を妨害し、これらの堆積を助長するように作用することがある。また電気加熱器は木質ペレットの燃焼炎に近い位置に配置せざるを得ないため、木質ペレットの燃焼炎により加熱されて故障し易くなるのである。
本考案は、上記のような実状に対処するために創案されたもので、主に、燃料供給装置の管路内の木質ペレットに生じる上記の逆火現象を確実且つ効果的に阻止することができ、しかも木質ペレットの点火が効果的に行えるペレット燃焼装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本考案に係るペレット燃焼装置は、
内方で木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、
該燃焼室の外方から内方に渡って設けられた管路を経て該燃焼室の内方に木質ペレットを押し入れるように供給する燃料供給部と、
前記管路の前記内方側の端部に形成されたペレット出口を開閉するように作動する開閉機構部と、
前記燃料供給部により供給され前記燃焼室内の火床上に落下された木質ペレット群に向かう加熱状態の空気流を生成させ該空気流の熱で該木質ペレット群に点火する点火装置と、
を備えた構成としている。
内方で木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、
該燃焼室の外方から内方に渡って設けられた管路を経て該燃焼室の内方に木質ペレットを押し入れるように供給する燃料供給部と、
前記管路の前記内方側の端部に形成されたペレット出口を開閉するように作動する開閉機構部と、
前記燃料供給部により供給され前記燃焼室内の火床上に落下された木質ペレット群に向かう加熱状態の空気流を生成させ該空気流の熱で該木質ペレット群に点火する点火装置と、
を備えた構成としている。
本考案において、前記開閉機構部は、前記燃料供給部による前記燃焼室内への木質ペレットの供給が実行されるとき前記ペレット出口を開放させ、一方、前記燃料供給部による前記燃焼室内への木質ペレットの供給が停止されたことに関連して前記ペレット出口を閉鎖させる構成とするのがよい。
さらに好ましくは、前記開閉機構部は、前記ペレット出口を覆う形態とされた蓋体と、前記ペレット出口に対応して装設され前記蓋体を回動自在に保持する横向き支点軸とを備えた構成とするのがよい。
また前記点火装置は、前記燃料供給部により供給され前記燃焼室内の火床上に落下された前記木質ペレット群に向かう空気流を生成させる空気案内管と、これの内方を流動する空気を加熱する電気加熱器とを備えた構成とするのがよい。
また前記燃焼室内の前記空気案内管は前記燃焼室内の前記管路部分の下側でしかも前記ペレット出口の直下位置を境界として前記燃焼室の中心から離れる側の領域内に設置されている構成とするのがよい。
さらには、前記燃焼室の外方の大気を前記燃焼室内に供給する空気供給部を備え、該空気供給部によって前記燃焼室内に供給され前記燃焼室内の燃焼炎に到達する前の空気を前記空気案内管の外周面に向け流動させ、その後、前記燃焼室の中心位置側へ向け流動させる空気案内手段を設けるのがよい。
本考案によれば、燃料供給部による燃焼室内への木質ペレットの供給が停止された状態において、開閉機構部の作動によりペレット出口を確実に閉鎖することが可能となる。ペレット出口が閉鎖された状態では、燃焼室内の熱気や酸素がペレット出口を経て燃料供給部の管路内に流入する現象が抑制されるため、管路内の木質ペレットの燃焼が管路の上流側へ向け進行する逆火現象が阻止されるものとなり、不用意な火災発生を防止することができる。しかも開閉機構部は電力を要することなく作動する構造とすることができるため停電時などにおいても同様の効用が得られるようになる。
また管路のペレット出口から燃焼室内に押し入れられた木質ペレットはペレット出口の直下の燃焼室内に堆積する傾向となるが、点火装置は空気流の熱により木質ペレットに点火するため、木質ペレットから離れて位置させることができる。その結果、点火装置の存在に起因した灰分やクリンカーの堆積の成長が回避されるものとなり、該堆積が上記逆火現象の火種となる現象や、開閉機構部の作動の障害となる現象を回避することができる。また点火装置が木質ペレットの燃焼炎の近くで高熱に曝されるのを回避でき、熱による点火装置の故障を減少させることができる。
また開閉機構部の存在により、ペレット出口から押し出される木質ペレットを拡散させることなくペレット出口の直下へ向かわせる案内作用を生じさせることができる。その結果、ペレット出口から落下した木質ペレットの点火時の堆積形状を底面に対する高さの割合が大となる山高状態にすることができ、点火装置による木質ペレットへの点火が一層、良好に行えるようになる。さらには、燃料供給部の作動停止時において、管路内のペレット出口近傍に存在する木質ペレットが燃焼室内に無駄に落下するのを電力の有無とは無関係に防止することができるようになる。
以下、本考案に係るペレット燃焼装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本考案の一実施例であるペレット燃焼装置(以下、本例装置と称す。)を示す斜視図、図2は本例装置の断面視説明図である。
図1は本考案の一実施例であるペレット燃焼装置(以下、本例装置と称す。)を示す斜視図、図2は本例装置の断面視説明図である。
図1及び図2に示すように、本例装置100は、内方を燃焼室1aとされた燃焼室部1、燃焼室1a内に木質ペレットa1を供給する燃料供給部2、この燃料供給部2に関連して形成された開閉機構部3、燃焼室1a内に大気を供給する空気供給部4、及び燃焼室1a内の木質ペレットa1に点火する点火装置5を備えている。
各部について詳細に説明する。
燃焼室部1は外筒6と内筒7とを備えている。外筒6は内方領域が燃焼室1aとされる円筒部材6aを具備し、これの前後方向b1の各端部にフランジ部材6b、6cを固着された構造とされている。フランジ部材6bは円筒部材6aの外周面上に固着されており、またフランジ部材6cは円筒部材6aの後端面に固着されると共に、中心部に円形透孔c1を形成されている。
燃焼室部1は外筒6と内筒7とを備えている。外筒6は内方領域が燃焼室1aとされる円筒部材6aを具備し、これの前後方向b1の各端部にフランジ部材6b、6cを固着された構造とされている。フランジ部材6bは円筒部材6aの外周面上に固着されており、またフランジ部材6cは円筒部材6aの後端面に固着されると共に、中心部に円形透孔c1を形成されている。
図3は正規姿勢から前後方向線回りへ90度姿勢変更された状態の内筒6の斜視図である。内筒7は先の円筒部材6aよりも小径とされた円筒部材7aを具備し、これの外周面の前端にフランジ部材7bを固着され、後端面にこれの内孔を覆うための端面板7cを固着された構造とされている。フランジ部材7bには火口として機能する透孔c2が円筒部材7aと同心に形成されている。本例では透孔c2の直径は凡そ90mm程度としている。そして円筒部材7aの外周面の後端部の上下左右の各位置には位置決め用の比較的短い丸棒部材7dが固着されており、端面板7bには燃料供給部2に対応する透孔c3と、点火装置5に対応する透孔c4が形成されている。
円筒部材7aの外周壁7a1の下半分範囲には多数の透孔c5が規則的な配列で形成されている。本例では各透孔c5は直径を4mm程度とされ、前後方向b1の基本配列ピッチd1と、周方向の基本配列ピッチd2は何れも凡そ15mm程度とされている。また外周壁7a1の最上部の前後方向箇所にも直径4mm程度の透孔c5(図2参照)が凡そ30mmピッチで列設されている。さらに外周壁7a1のうち点火装置5の左右外側に位置する領域e1、e2にも複数の透孔c6が形成されている。図3中、符号b2は周方向を示す。
内筒7は外筒6の内方に同心状に挿設されており、これら外筒6と内筒7の相対配置はフランジ部材6bとフランジ部材7bをボルトで結合することにより固定化される。そして外筒6の円筒部材6aの後部と、内筒7の円筒部材7aの後部との相対配置はこれらの間に位置される4つの丸棒部材d1により安定的に保持される。
外筒6は燃焼室1aの囲壁であり、また内筒7は火床として機能する。また外筒6及び内筒7は空気案内手段としても重要な機能を奏する。外筒6と内筒7の間の環状領域e3にはこれの後側から空気供給部4の作用により大気の昇圧された空気を供給され、このように供給された空気は円筒部材7aの透孔c5、c6を通じてその内方に流動され、その後、火口c2を通じて燃焼室部1の前外方へ流出される。このとき、透孔c6を通じて円筒部材7a内に流入した空気は点火装置5に向け流動した後に燃焼室1aの中心点f1側へ向かい、透孔c5を経て円筒部材7aの内方に流入した空気に合流し、その後、火口c2を通じ燃焼室部1の前外方へ流出される。
燃料供給部2は図2に示すように前後向き管8aと上下向き管8bとを結合したT字形の管路8と、前後向き管8aの後端の開口からこれの内方に挿入された搬送部材であるスクリュー軸体9と、このスクリュー軸体9を支持し回転させる駆動部10とを備えている。上下向き管8bよりも前側範囲となる前後向き管8bの外周面には結合フランジ11が固着されており、この結合フランジ11は前後向き管8aの前部が前面板12aの透孔c7に挿通されることにより前面板12aの前面に接合された状態となる。図4は前面板12aを前側から見た図である。前面板12aと前後向き管8aは前面板12aのボルト孔12a1及び結合フランジ11のボルト孔の双方に挿通されたボルトにより一体状に結合されるのであり、これにより管路8は燃焼室部1と一体状に結合された状態となる。
前後向き管8aは内筒7の第1透孔c3を通じ前部が燃焼室1aの中心位置f1へ向かうように挿入されており、本例では燃焼室1a内における長さを凡そ50mm程度とされ、内筒7内における長さを凡そ30mm程度とされている。この前後向き管8aの前端開口8a1がペレット出口とされている。前後向き管8aの後側にはスクリュー軸体9を挿通される透孔c8を有する後面板12bが配置されており、この後面板12bと前面板12aとは前後向き管8aの上下側に配置された上面板12c及び下面板12dと、前後向き管8aの左右側に配置された一対の側面板12e、12fと、これらに固着されたフランジ部材12gとにより一体状に結合されている。
後面板12bの後側には駆動部10が配置され後面板12bに同体状に固定されている。駆動部10は変速制御可能な電動モータ10aと、これの回転を減速しスクリュー軸体9に伝達する減速装置10bとを備えており、減速装置10bはスクリュー軸体9の後端部を回転自在に保持する軸保持部10b1、10b2を備えた構成とされている。
そして上面板12cにおける上下向き管8bの真上位置には上面板12cを貫くように配置された結合管13が固着されている。この結合管13は下端開口に上下向き管8bの上端部を結合され、一方、上端開口に木質ペレットa1を落下させる折れ曲がり状の燃料落下管14を結合されている。
そして上面板12cにおける上下向き管8bの真上位置には上面板12cを貫くように配置された結合管13が固着されている。この結合管13は下端開口に上下向き管8bの上端部を結合され、一方、上端開口に木質ペレットa1を落下させる折れ曲がり状の燃料落下管14を結合されている。
燃料落下管14を通じ上方から落下する木質ペレットa1は上下向き管8b内に供給され蓄積される。上下向き管8b内に蓄積された木質ペレットa1は、駆動部10に駆動されて回転するスクリュー軸体9のスクリュー部9aとの相互作用により前方b01へ向かう押力を付与され、前後向き管8aのペレット出口8a1へ向け移動され、前後向き管8a内からペレット出口8a1を通じて内筒7内に押し入れられ落下される。
開閉機構部3はペレット出口8a1を開閉するためのもので、図1及び図2に示すように、ペレット出口8a1を前側から覆う形態とされた蓋体3aと、この蓋体3aをペレット出口8a1の開閉可能にように保持する横向き支点軸3b、3bを備えている。蓋体3aはペレット出口8a1を前側から覆うことのできる円板15と、この円板15の前面から前方b01へ突出された案内棒16と、この案内棒16に前後方向b1の位置変更可能に装着される重り17とを備えている。
横向き支点軸3bは前後向き管8aの外周面の前端上部に固着された左右一対の支持片18a、18bにより左右方向b2に沿って保持されており、一方、円板15の前面上部の左右箇所には一対の鈎状係着片19a、19bが固着されていて、それぞれの先部を横向き支点軸3bに回動自在に係着されている。
このような開閉機構部3において蓋体3aは自重作用により横向き支点軸3b回りの矢印方向g1へ向かう揺動力を付与されるため、外力の付与されない自由状態ではペレット出口8a1を閉鎖した状態で安定する。蓋体3aの矢印方向g1の揺動力が不足してペレット出口8a1が十分に閉鎖されないときは蓋体3a上の重り17の位置を前方b01へ変更して矢印方向g1へ向かう揺動力を増大させるのであり、これによりペレット出口8a1は的確に閉鎖されるようになる。逆に蓋体3aの矢印方向g1の揺動力が過大となって前後向き管8a内の木質ペレットa1がその移動力で蓋体3aを矢印方向g1の逆へ円滑に変位させることができずペレット出口8a1内から内筒7内へ円滑に供給されないときには、蓋体3aの重り17の位置を後方へ変更する。これにより矢印方向g1の揺動力が減少されペレット出口8a1から燃焼室1a内への木質ペレットa1の押し出しが少ない電力消費で円滑に行われるようになる。
ペレット出口8a1を閉鎖した状態の蓋体3aは燃焼室1a内で木質ペレットa1が燃焼したときの熱気がペレット出口8a1を通じて管路8内に侵入するのを抑制する。これにより、管路8内の木質ペレットa1が意図しない燃焼を発生し、この燃焼が管路8内の上流側へ進行していく逆火現象が防止され、意図しない管路周辺の焼損が防止される。またペレット出口8a1を閉鎖した状態の蓋体3aは本例装置100の使用時或いは不使用時における管路8内の木質ペレットa1が無駄に燃焼室1a内に落下するのを防止する。このような蓋体3aの作用は開閉機構3の作動に電気を必要としないため、本例装置100の電源スイッチのオフ状態時や停電時であっても支障なく得られる。
また蓋体3aを形成した円板15は前後向き管8a内を押し移動される木質ペレットa1に後面を押されて下部が前方b01へ変位した傾斜姿勢となり、燃料供給部2による木質ペレットa1の移動流量に応じた開度で開放されたペレット出口8a1から木質ペレットa1が落下する。傾斜姿勢となった円板15の後面は、ペレット出口8a1から落下しようとする木質ペレットa1に対しその移動方向を下向きへ変化させる案内面として作用し、この作用により木質ペレットa1はペレット出口8a1の直下へ向かうように落下され、内筒7の内周面上の比較的狭い範囲に比較的高い山状に堆積されるようになる。
空気供給部4は大気を吸引し送り出す給気ファン20と、この給気ファン20から大気を供給される空気室12を備えている。空気室12は前面板12a、後面板12b、上面板12c、下面板12d、左右の側面板12e、12f及びフランジ部材12gで覆われた領域からなっており、給気ファン20は下面板12dに形成された図示しない透孔を通じて空気室12内に大気を供給するものである。空気室12内の大気を燃焼室1aに供給するための主要な空気路c9は図4に示すように前面板12aの透孔c7と同心の円周c01上に形成された4つの円弧状透孔c09からなっている。空気室12内の大気がこの4つの円弧状透孔c09から流出することにより、外筒6と内筒7の間の環状領域e3内に十分な量の大気が全周囲に渡って均等に供給される。
点火装置5は図2に示すように、空気案内管21とこれの内方に配設される棒状の電気加熱器22とを備えている。図5は前面板12aの中央を縦断した部分断面図である。空気案内管21は燃焼室1a内の火床として機能する内筒7の内周面上に落下した木質ペレットa1群に向かう空気流を生成させるものである。本例の空気案内管21は内径が凡そ15mm程度で長さが凡そ100mm程度とされた直状の管部材21aを備え、後端部の管壁の対向した左右箇所に細長い透孔c10を形成されると共に、透孔c10よりも後側に細径の管部材21bを延長状に固着された構造とされている。この空気案内管21は前面板12aの透孔c04に挿通されて前面板12aに固着されており、前部が燃焼室1a内へ凡そ50mm程度張り出され、透孔c10を含む後部が空気室12内に配置されている。
そして図2などに示すように、燃焼室1a内における空気案内管21は管路8の下側でしかもペレット出口8a1の直下位置を境界として燃焼室1aの中心位置f1から離れる側の領域内に配置されている。このようにするとペレット出口8a1から落下した木質ペレットa1が空気案内管21に接触し難くなることから、木質ペレット1aの燃焼により生成される灰やクリンカー成分の滞留が防止されて効率的な燃焼が得られると共に、木質ペレット1aの燃焼炎による空気案内管21の加熱が抑制される。
電気加熱器22は空気案内管21の内方に同心配置となるように設けるのであり、本例では電気加熱器22の後端部が空気案内管21の管部材21aに内挿されボルト23で締結されることにより空気案内管21と一体化されている。電気加熱器22の加熱部22aは空気案内管21の前端から数十mm程度後側に位置させるのがよいのであり、これにより加熱部22aに他物(木質ペレット、灰、及びクリンカー成分など)が接触し付着するのを防止することができる。電気加熱器22の電力供給線22bは空気室12側からその外方へ導かれて電源に接続される。
この点火装置5により木質ペレットa1に点火する時、まず電気加熱器22に通電されてその加熱部22aが加熱され、その後に給気ファン20が給気能力を制限された状態で作動される。これにより給気ファン20は空気室12内に大気を送り、空気室12内の空気圧を上昇させる。これにより燃焼室1aは空気路c9を通じて内方に燃焼用の空気を供給される。また空気案内管22は空気室12内の空気を後部の透孔c10から流入され、この空気を前方へ案内し、電気加熱器21の外周囲を経て前外方へ流出させる。これにより空気案内管22内を流動する空気は木質ペレットa1の発火点以上の温度に加熱された状態となり、これに先行する燃料供給部2の作動により燃焼室12の内筒7内に既に堆積されている木質ペレットa1に接触しこれを発火させ燃焼させる。電気加熱器21は確実な燃焼が得られるように実験で定めた時間だけ通電を継続された後に停止されるのであり、この後は、給気ファン20が給気能力を増大されて通常運転状態となる。
次に木質ペレットが点火されて燃焼を開始した後の通常運転状態における空気の流れなどについて説明する。
燃焼室1a内における木質ペレットa1の燃焼に必要な空気は給気ファン20が必要な給気能力で運転されることにより空気室12内から4つの円弧状透孔c09を通じて環状領域e3内に適当流量で供給される。一方、空気案内管21内には空気室12内の空気が点火時よりも大きな流量で流入するため、空気案内管21内に生じる空気流動は点火時よりも強くなって電気加熱器21を効果的に冷却すると共に点火時よりも強い勢いで空気案内管21の前端開口から前方へ流出する。この流出は空気案内管21の前方b01近くに存在する微細な木質ペレットa1、灰、クリンカー成分などを前方b01へ飛散させるのであり、これにより、木質ペレットa1、灰、クリンカー成分などが開閉機構部3の作動を妨げるような弊害は回避される。
燃焼室1a内における木質ペレットa1の燃焼に必要な空気は給気ファン20が必要な給気能力で運転されることにより空気室12内から4つの円弧状透孔c09を通じて環状領域e3内に適当流量で供給される。一方、空気案内管21内には空気室12内の空気が点火時よりも大きな流量で流入するため、空気案内管21内に生じる空気流動は点火時よりも強くなって電気加熱器21を効果的に冷却すると共に点火時よりも強い勢いで空気案内管21の前端開口から前方へ流出する。この流出は空気案内管21の前方b01近くに存在する微細な木質ペレットa1、灰、クリンカー成分などを前方b01へ飛散させるのであり、これにより、木質ペレットa1、灰、クリンカー成分などが開閉機構部3の作動を妨げるような弊害は回避される。
また空気室12から燃焼室1a内に流入する空気は4つの円弧状透孔c09を通じることにより環状領域e3の全周囲に渡って均等化される。こうして流入した環状領域e3内の空気は透孔c5及び透孔c6を通過して内筒7内に流入する。透孔c5から内筒7内に流入した空気は内筒7内の木質燃料a1へ向けその半径方向へ流動し、その後、前方b01の火口c1へ向け流動するのであり、木質燃料a1が内筒7内で燃焼して生成される燃焼炎はこの空気の流動により火口c1を通じて前方b01へ噴射される状態となる。
一方、透孔c6から内筒7内に流入した空気はその半径方向へ流動して空気案内管21の外周面に向かい、その後、前方b01の火口c1へ向け流動する。これにより空気案内管21は内筒7内の木質燃料a1が燃焼することにより生成される熱気に曝され難くなる。
次に上記した本例装置100を農業用ハウスの暖房に使用する場合について図6などを参照して説明する。図6は農業用ハウスh1に本例装置100を設置した状態を示す説明図である。
まず図2に示すように、燃料貯蔵搬送装置101及び温風発生装置102などからなる関連装置を形成する。燃料貯蔵搬送装置101はホッパー状のタンク24a内に収容され貯蔵されている木質ペレットa1を、スクリューコンベア24b1などの搬送路24bを経て本例装置100の燃料落下管14内に供給するものである。
温風発生装置102は箱形の囲壁102aで包囲された通風用の空間i1を形成され、この空間i1内に二次燃焼室25及び熱交換部26を形成されている。二次燃焼室25は内方の下部にロストル25aを設けられ、側面壁25bの高さ中央寄り位置に本例装置100の火口c2より大きい径の透孔c11を形成されており、また給気ファン20などから送られる大気を二次空気として内方に供給されるようになっている。熱交換部26は下端開口を二次燃焼室25内に連通された複数の伝熱用排気管27と、これら伝熱用排気管27の上端開口を内方に連通された排気集合室28と、排気集合室28内の排気を外方へ流出させる排気流出管29とを有している。そして囲壁102aの側面下部に送風ファン30が設けられ、囲壁102aの上面に温風吹き出し口31が設けられ、囲壁102aの側面で透孔c11に対応する位置には本例装置100の燃焼室部1を挿通させるための透孔c12が形成されている。排気流出管29には図示しないサイクロン集塵装置32aなどの煤塵除去手段を具備した排気路32が接続されており、この排気路32の先部は農業用ハウスh1の外方に導かれている。
本例装置100は囲壁102aの透孔c12に内挿された燃焼室部1の前端のフランジ部材7bを二次燃焼室25の側面壁の外面に当接させ、火口c2を透孔c11に連通させた状態として、外筒7のフランジ部材6bと共にボルトにより二次燃焼室25の側面壁25bに固定されている。この状態において透孔c12と燃焼室部1との間に形成される隙間は気密状熊に閉鎖される。
本例装置100及び関連装置を制御するための制御装置33は本例装置100の近傍などに設置するのであり、また農業用ハウスh1内の大気温度を検出するための温度センサは農業用ハウスh1内の中央位置などに設置する。
このような設備の下で、農業用ハウスh1内を本例装置100で暖房するときの各部の作動などについて説明する。
作業者が制御装置33の始動スイッチを入り操作すると、燃料貯蔵搬送装置101及び駆動部10が作動状態となり、燃料供給部2が木質ペレットa1を燃焼室1a内に向け押し移動させる。この押し移動により開閉機構部3の蓋体3aが押し開かれ、管路8内の木質ペレットa1が燃焼室1a内に供給される。点火に必要な一定量の木質ペレットa1を内筒7内に供給するために必要な予め定めた時間が経過したとき、駆動部10が一時停止され、この木質ペレットa1の供給は停止される。
作業者が制御装置33の始動スイッチを入り操作すると、燃料貯蔵搬送装置101及び駆動部10が作動状態となり、燃料供給部2が木質ペレットa1を燃焼室1a内に向け押し移動させる。この押し移動により開閉機構部3の蓋体3aが押し開かれ、管路8内の木質ペレットa1が燃焼室1a内に供給される。点火に必要な一定量の木質ペレットa1を内筒7内に供給するために必要な予め定めた時間が経過したとき、駆動部10が一時停止され、この木質ペレットa1の供給は停止される。
この燃料供給部2の作動の一方では、点火装置5及び空気供給部4が作動して内筒7内に供給された木質ペレットa1群に点火し、それを燃焼させる。この後、本例装置100は通常運転状態となる。
通常運転状態では、制御装置33は燃料供給部2の駆動部10を連続運転状態に保持し、農業用ハウスh1内の気温を検出する温度センサの検出信号に関連して燃料供給部2を制御する。この制御は農業用ハウスh1内の温度が制御装置33で設定された設定値より低いとき燃料供給部2による燃料供給速度を増大させ、逆に農業用ハウスh1内の温度が設定値より高いとき燃料供給部2による燃料供給速度を減少させるように実行される。
燃焼室1a内で生成される燃焼ガスや、燃焼室1a内で発生した灰及びクリンカー成分は火口c2を通じて二次燃焼室25内に噴出される。二次燃焼室25内では、燃焼ガスは、その未燃分が二次空気の供給により完全燃焼されながら伝熱排気管27内に移行するのであり、また灰やクリンカー成分は落下してロストル25aの下側に堆積される。ロストル25aの下側に堆積した灰などは図示しない開閉口を通じ適時に取り出される。そして伝熱排気管27内を上方へ通り抜けた熱気は排気集合室28、排気流出管29及び排気路32を経て農業用ハウスh1の外方へ放出される。
一方では、送気ファン30が作動され囲壁102a内に大気を流入させる。囲壁102a内に流入した大気は二次燃焼室25、伝熱排気管27及び排気集合室28などの外面に接する状態で流動し、この流動中に木質ペレットa1の燃焼熱を伝達され温度上昇され吹き出し口31を通じ農業用ハウスh1内に流出される。
農業用ハウスh1内の暖房を終了させるときは作業者が制御装置33の停止スイッチを操作する。これにより制御部33は燃料供給部2の駆動部10の作動を停止させるのであり、これに関連して開閉機構部5の蓋体3aがペレット出口8a1を閉鎖する。また制御部33は燃焼室1a内の木質ペレットa1が燃え尽きるために必要な予め定めた一定時間が経過した後に給気ファン20を停止させる。
なお、本例装置100は上述した使用例に限らず、種々の器機の燃焼装置として使用できるものであり、この場合、必要に応じ外筒6や内筒7は適宜に変更する。
1a 燃焼室
2 燃料供給部
3 開閉機構部
3a 蓋体
3b 横向き支点軸
4 空気供給手段
5 点火装置
6 外筒(空気案内手段)
7 内筒(火床、空気案内手段)
8 管路
8a1 ペレット出口
21 空気案内管
22 電気加熱器
a1 木質ペレット
f1 燃焼室1aの中心位置
2 燃料供給部
3 開閉機構部
3a 蓋体
3b 横向き支点軸
4 空気供給手段
5 点火装置
6 外筒(空気案内手段)
7 内筒(火床、空気案内手段)
8 管路
8a1 ペレット出口
21 空気案内管
22 電気加熱器
a1 木質ペレット
f1 燃焼室1aの中心位置
Claims (8)
- 内方で木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、
該燃焼室の外方から内方に渡って設けられた管路を経て該燃焼室の内方に木質ペレットを押し入れるように供給する燃料供給部と、
前記管路の前記内方側の端部に形成されたペレット出口を開閉するように作動する開閉機構部と、
前記燃料供給部により供給され前記燃焼室内の火床上に落下された木質ペレット群に向かう加熱状態の空気流を生成させ該空気流の熱で該木質ペレット群に点火する点火装置と、
を備えたことを特徴とするペレット燃焼装置。 - 内方で木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、
該燃焼室の外方から内方に渡って設けられた管路を経て該燃焼室の内方に木質ペレットを押し入れるように供給する燃料供給部と、
前記管路の前記内方側の端部に形成されたペレット出口を開閉するように作動する開閉機構部と、
を備えたことを特徴とするペレット燃焼装置。 - 前記開閉機構部が、前記燃料供給部による前記燃焼室内への木質ペレットの供給が実行されるとき前記ペレット出口を開放させ、一方、前記燃料供給部による前記燃焼室内への木質ペレットの供給が停止されたことに関連して前記ペレット出口を閉鎖させることを特徴とする請求項1又は2記載のペレット燃焼装置。
- 前記開閉機構部が前記ペレット出口を覆う形態とされた蓋体と、前記ペレット出口に対応して装設され前記蓋体を回動自在に保持する横向き支点軸とを備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のペレット燃焼装置。
- 内方で木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、
該燃焼室の外方から内方に渡って設けられた管路を経て該燃焼室の内方に木質ペレットを押し入れるように供給する燃料供給部と、
前記燃料供給部により供給され前記燃焼室内の火床上に落下された木質ペレット群に向かう加熱状態の空気流を生成させ該空気流の熱で該木質ペレット群に点火する点火装置と、
を備えたことを特徴とするペレット燃焼装置。 - 前記点火装置が、前記燃料供給部により供給され前記燃焼室内の火床上に落下された前記木質ペレット群に向かう空気流を生成させる空気案内管と、これの内方を流動する空気を加熱する電気加熱器とを備えたことを特徴とする請求項1又は5記載のペレット燃焼装置。
- 前記燃焼室内の前記空気案内管が前記燃焼室内の前記管路部分の下側で、しかも前記ペレット出口の直下位置を境界として前記燃焼室の中心位置から離れる側の領域内に設置されていることを特徴とする請求項6記載のペレット燃焼装置。
- 前記燃焼室の外方の大気を前記燃焼室内に供給する空気供給部を備え、該空気供給部によって前記燃焼室内に供給され前記燃焼室内の燃焼炎に到達する前の空気を前記空気案内管の外周面に向け流動させ、その後、前記燃焼室の中心位置側へ向け流動させる空気案内手段を設けたことを特徴とする請求項6又は7記載のペレット燃焼装置。
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JP2018091593A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-14 | 有限会社テクノクラフト | ペレット燃焼装置 |
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- 2015-01-29 JP JP2015000756U patent/JP3197127U/ja not_active Expired - Fee Related
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