JP2018091593A - ペレット燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エリアンサスのように糖質の多い草本系資源植物を原料とした難燃性の燃料ペレットを効率的且つ連続的に燃焼させることのできるペレット燃焼装置100を提供する。【解決手段】 燃料ペレットa1より小さな多数の透孔を形成され中心線が横向きとなるように配置された周壁面部7aを有し該周壁面部7aの外方からこれの内方空間内の一端側に供給された燃料ペレットが該内方空間内で燃焼されるものとした筒体7と、該筒体7の外方から前記透孔を通じて前記内方空間内に空気を圧送し前記内方空間内の前記一端側から他端側へ向け流動させる空気供給部4と、前記燃料ペレットの燃焼により前記内方空間内に生成される燃え滓を前記筒体7内で撹拌する燃え滓処理部3を備えたペレット燃焼装置100としている。【選択図】図2
Description
本発明は、草本系及び又は木本系のバイオマスを原料とした燃料ペレットを支障なく燃焼させることのでき、農業用ハウスなどの温風暖房装置、住宅用のペレットストーブ又はボイラーなどに使用されるペレット燃焼装置に関する。
近年、林業の活性化に加えて雇用を生むなどの有利性から、太陽光発電からバイオマス発電への移行が進行している。このため、国内のバイオマスを原料とする燃料の供給見込みを超えるバイオ発電所が建設されることが予見されており、これによるバイオマス燃料の不足が顕在化している。
この事情に対処するため、経済性において木本系資源植物より有利であり、しかも全国的に増大しつつある耕作放棄地など未利用地の活用を促進させるものとなる草本系資源植物であるエリアンサス、ススキ、ミスカンサス、ネピアグラスなどが注目されている。
これら草本資源植物を耕作放棄地や、原発事故に起因した放射能汚染地などにおいて省力栽培しバイオマス燃料の原料として低コストで供給することは、温室効果ガスの排出量削減及びバイオマス燃料の不足の解消を図る上で大いに有効であると共に、農地維持や放射能汚染地域の復興にも役立つものである。
しかしながら、こうして供給されるエリアンサスなどの草本系資源植物には木本系資源植物に較べ糖質が多く含まれるものが存在するのであり、このため木本系資源植物を燃焼させるための既存のペレット燃焼装置により草本系資源植物を燃焼させた場合、燃焼室内に多くのクリンカーが生成され蓄積され、効率的な燃焼を継続させることができないという問題がある。
公知のペレット燃焼装置のうち、農業用ハウスの温風暖房装置に使用されるものとしては、例えば、特許文献1及び2に開示されたようなものが存在しており、また家庭用ストーブなどに使用されるものとしては、例えば特許文献3及び4に開示されたようなものが存在している。
これら特許文献1〜4に開示されたペレット燃焼装置は、内方で木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、この燃焼室の外方から内方に渡って設けられた管路を経て該燃焼室の内方に木質ペレットを押し入れる燃料供給部を備えている。また特許文献1及び2に記載されたペレット燃焼装置の燃焼室は周壁部に燃料ペレットより小さい多数の透孔を形成された筒体を有し、この筒体の外方からこの透孔を経て該筒体の内方空間内に空気を圧送されると共に該内方空間内にてこれの一側に供給された燃料ペレットが燃焼されるものとされている。
なお、特許文献1のペレット燃焼装置の基本構成は本出願人が創案したもので、実際に製作し大いに好評を得ているものである。
本発明は、例えばエリアンサスのような草本系資源植物を原料とした難燃性の燃料ペレットを燃焼させる場合であっても燃焼室内にクリンカーが生成され蓄積されるのを阻止して効率的に連続燃焼させることのできるペレット燃焼装置を提供することを直接的な目的としており、ひいては耕作放棄地や放射能汚染地などの未利用地を有効活用して効果的に燃料不足を解消する上に温室効果ガスの排出削減をも実現させようとするものである。
上記目的を達成するため、本発明に係るペレット燃焼装置は、
燃料ペレットより小さな多数の透孔を形成され中心線が横向きとなるように配置された周壁面部を有し該周壁面部の外方からこれの内方空間内の一端側に供給された燃料ペレットが該内方空間内で燃焼される筒体と、
該筒体の外方から前記透孔を通じて前記内方空間内に空気を圧送し前記内方空間内の前記一端側から他端側へ向け流動させる空気供給部と、
前記燃料ペレットの燃焼により前記内方空間内に生成される燃え滓を前記筒体内で撹拌する燃え滓処理部を備えた構成としている。
燃料ペレットより小さな多数の透孔を形成され中心線が横向きとなるように配置された周壁面部を有し該周壁面部の外方からこれの内方空間内の一端側に供給された燃料ペレットが該内方空間内で燃焼される筒体と、
該筒体の外方から前記透孔を通じて前記内方空間内に空気を圧送し前記内方空間内の前記一端側から他端側へ向け流動させる空気供給部と、
前記燃料ペレットの燃焼により前記内方空間内に生成される燃え滓を前記筒体内で撹拌する燃え滓処理部を備えた構成としている。
このさい、前記燃え滓処理部が前記筒体内の前記燃え滓に接触し撹拌する板状及び又は棒状の攪拌部材を備えた構成とするのが好ましい。
また前記一端側に前記燃料ペレットを供給する燃料供給部を備えており、前記燃え滓処理部が該燃料供給部の燃料送り軸に連動して回転されることにより前記燃え滓を撹拌する攪拌部材を備えた構成とするのが好ましい。
本発明によれば、前記筒体内で燃料ペレットが連続的に燃焼されて燃え滓がクリンカーに変化し成長しようとしても、前記燃え滓処理部が前記筒体内に漸次発生する燃え滓を撹拌し細分化し離散化させるためクリンカーは成長を抑制され微細化されると共にこのように微細化されたクリンカーは燃焼熱で効果的に加熱されて完全燃焼され灰質化し軽量となって空気流により前記筒体の出口側の開口から順次に外方へ流出するものとなる。したがって、たとえエリアンサスのような糖質の多い難燃性の燃料ペレットであっても効率的且つ連続的に燃焼させることができるのである。
こうして草本系資源植物をペレット燃焼装置の燃料として有効活用することが可能となれば、耕作放棄地や放射能汚染地などといった未利用地の有効利用が促進されるのであり、また予測されている近年の燃料不足の解消や温室効果ガスの排出削減をも実現させ得るものとなる。
また前記燃え滓処理部が前記筒体内の前記燃え滓に接触し撹拌する板状及び又は棒状の攪拌部材を備えた構成とすれば、故障少なく、安価且つ簡易に上記効果を得ることができるものとなる。
さらには、前記一端側に前記燃料ペレットを供給する燃料供給部を備えており、前記燃え滓処理部が該燃料供給部の燃料送り軸に連動して回転されることにより前記燃え滓を撹拌する攪拌部材を備えた構成とすれば、既存のペレット燃焼装置の少ない変更により手間少なく上記した効果を得ることが可能となるのである。
以下、本発明に係るペレット燃焼装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例であるペレット燃焼装置(以下、本例装置と称す。)を示す斜視図、図2は本例装置の側面視断面図、図3は上方視説明図、そして図4は燃焼室部の前方から見た図である。
図1は本発明の一実施例であるペレット燃焼装置(以下、本例装置と称す。)を示す斜視図、図2は本例装置の側面視断面図、図3は上方視説明図、そして図4は燃焼室部の前方から見た図である。
図1〜図3に示すように、本例装置100は、内方を燃焼室1aとされた燃焼室部1、前記燃焼室1a内に燃料ペレットa1を供給する燃料供給部2、この燃料供給部2に関連して形成された燃え滓処理部3、燃焼室1a内に大気を供給する空気供給部4、及び燃焼室1a内の燃料ペレットa1に点火する点火装置5を備えている。
各部について詳細に説明する。
燃焼室部1は外側の筒体6と内側の筒体7とを備えている。筒体6は内方領域が燃焼室1aとされる円筒部材6aを具備し、これの前後方向b1の各端部にフランジ部材6b、6cを固着された構造とされている。フランジ部材6bは円筒部材6aの外周面上に固着されており、またフランジ部材6cは円筒部材6aの後端面に固着されると共に、中心部に円形の透孔c1を形成されている。
燃焼室部1は外側の筒体6と内側の筒体7とを備えている。筒体6は内方領域が燃焼室1aとされる円筒部材6aを具備し、これの前後方向b1の各端部にフランジ部材6b、6cを固着された構造とされている。フランジ部材6bは円筒部材6aの外周面上に固着されており、またフランジ部材6cは円筒部材6aの後端面に固着されると共に、中心部に円形の透孔c1を形成されている。
図5は正規姿勢から前後方向線b1回りへ90度姿勢変更された状態の筒体7の斜視図である。この筒体7は先の円筒部材6aよりも小径とされた円筒部材7aを具備し、これの外周面の前端にフランジ部材7bを固着され、後端面にこれの内孔を覆うための端面板7cを固着された構造とされている。フランジ部材7bには図2に示す火口c2として機能する透孔が円筒部材7aと同心に形成されている。本例では透孔c2の直径は凡そ90mm程度としている。円筒部材7aの外周面の後端部の上下左右の各位置には位置決め用の比較的短い丸棒部材7dが固着されており、端面板7cには燃料供給部2に対応する透孔c3と、点火装置5に対応する透孔c4が形成されている。
円筒部材7aの外周壁7a1の下半分範囲には多数の透孔c5が規則的な配列で形成されている。本例では各透孔c5は直径を燃料ペレットa1の通過しない大きさ(凡そ3mm程度)とされ、前後方向b1の基本配列ピッチd1と、周方向の基本配列ピッチd2は何れも凡そ15mm〜30mm程度とされている。また円筒部材7aの外周壁の最上部の前後方向b1箇所にも直径3mm程度の透孔が凡そ30mmピッチで列設されている。さらに円筒部材7aの外周壁のうち点火装置5の左右外側に位置する領域e1、e2にも複数の透孔c6が形成されている。
図1および図2に示すように、筒体7は他方の筒体6の内方に同心状に挿設されており、これら筒体6と筒体7の相対配置はフランジ部材6bとフランジ部材7bをボルトで結合することにより固定化される。そして筒体6の円筒部材6aの後部と、筒体7の円筒部材7aの後部との相対配置はこれらの間に位置される4つの丸棒部材7dにより安定的に保持される。
筒体6は燃焼室1aの囲壁であって火床として機能し得るものとする。また筒体6及び筒体7は空気案内手段としても重要な機能を奏する。筒体6と筒体7の間の環状領域e3にはこれの後側から空気供給部4の作用により大気の昇圧された空気を供給され、このように供給された空気は円筒部材7aの透孔c5、c6を通じてその内方に流入され、その後、火口c2を通じて燃焼室部1の前外方へ流出される。このとき、透孔c6を通じて円筒部材7a内に流入した空気は点火装置5に向け流動した後に燃焼室1aの中心点側へ向かい、透孔c5を経て円筒部材7aの内方に流入した空気に合流する。
燃料供給部2は図2などに示すように前後向き管8aとこれよりも大きな通路断面の四角筒とされた上下向き管8bとをT字状に結合した管路8と、前後向き管8aの後端の開口からこれの内方に挿入された燃料送り軸であるスクリュー軸体9と、このスクリュー軸体9を支持し回転させる駆動部10とを備えている。図6は図2のx1―x1部を示す断面視説明図である。前後向き管8aと上下向き管8bは図6に示す下細り状の漏斗部8cを経て連通され、上下向き管8b内の燃料ペレットa1が前後向き管8a内へ流れ込み易くされている。上下向き管8bよりも前側範囲となる前後向き管8aの外周面には結合フランジ11が外嵌され固着されている。図7は箱状部12の一部を前方から見た図である。結合フランジ11は前後向き管8aの前部が箱状部12の前面板12aの透孔c7に挿通されることにより前面板12aの前面に接合された状態となる。前面板12aと前後向き管8aは前面板12aのボルト孔12a1及び結合フランジ11のボルト孔の双方に挿通されたボルトにより一体状に結合されるのであり、これにより管路8は燃焼室部1と一体状に結合された状態となる。
前後向き管8aは図5に示す前面板7cの第1透孔c3を通じ前部が燃焼室1aの中心側へ向かうように挿入されており、本例では燃焼室1a内における長さを凡そ50mm程度とされ、筒体7内における長さを凡そ30mm程度とされている。この前後向き管8aの前端開口8a1がペレット出口とされている。図2および図3などに示すように前後向き管8aの後側にはスクリュー軸体9を挿通される透孔c8を有する後面板12bが配置されており、この後面板12bと前面板12aとは前後向き管8aの上下側に配置された上面板12c、12c1及び下面板12dと、前後向き管8aの左右側に配置された一対の側面板12e、12fと、これらに固着されたフランジ部材12gにより一体状に結合されている。
後面板12bの後側には駆動部10が配置され後面板12bに同体状に固定されている。駆動部10は変速制御可能な電動モータ10aと、これの回転を減速しスクリュー軸体9に伝達する減速装置10bとを備えており、減速装置10bはスクリュー軸体9の後端部を形成した軸部材9aを回転自在に保持する軸保持部10b1、10b2を備えた構成とされている。スクリュウ軸体9は軸部材9aの前部外周面にコイル9bの後端部を外嵌され溶接により止着したものとされており、コイル9bは前後向き管8a内において上下向き管8bの結合位置よりも後側から前後向き管8aの前端までの領域に存在するように設けられている。なおスクリュー軸体9は変形することも差し支えないのであって、例えば、コイル9bの全長に渡る中心棒部材を有し、これの外周面のほぼ全長範囲に帯板を螺旋状に成形した螺旋羽根を止着したものなどとしてもよい。
上面板12cの上方は図1などに示すように前面板12a、後面板12b及び左右の側面板12e、12fの各上方延長箇所とこれらで囲まれた領域の上方を覆う付加的な上面板12dとで包囲されており、また上下向き管8bは上面板12cを気密状に貫通され、さらに付加的な上面板12c1の透孔を経てその上方まで延長されている。この上下向き管8bの上端開口にはこれの内方に燃料ペレットa1を落下させるための燃料落下管14が連通されている。
燃料落下管14を通じ上方から落下される燃料ペレットa1は上下向き管8b内に蓄積される。上下向き管8b内に蓄積された燃料ペレットa1は、駆動部10に駆動されて回転するスクリュー軸体9のコイル9bとの相互作用により前方b01へ向かう押力を付与され、前後向き管8aのペレット出口8a1へ向け移動され、ペレット出口8a1を通じ内側の筒体7の内方空間内に押し入れられ、筒体7の内面上の後側箇所に漸次に落下され支持されるようになる。
前記燃え滓処理部3は燃料ペレットa1の燃焼により筒体7の内方空間内に生成される燃え滓を筒体7内に存在させた媒体を介して筒体7内にて撹拌し細分化し離散化させる作用を奏するものであり、本例ではスクリュー軸体9の軸部材9aをコイル9b内にて前方b01に延長するものとした延長軸部15と、この延長軸部15の先端部にネジ構造部15aを介して螺着され筒体7の内方空間内のほぼ全長に及ぶ大きさとされた撹拌体16とを備えた構成とされている。延長軸部15は単なる丸棒部材で軸部材9aと同一部材に形成したものであってもよいが、本例のようにネジ構造部15aを設けておれば使用される燃料ペレットa1の種類によっては攪拌体16を取り外した状態で使用することもできて合理的である。撹拌体16は上記した作用を奏するものであれば任意に形成して差し支えないものである。
図8は本例の攪拌体16の側面図及び前面図を示し、図9はこの撹拌体16の斜視図を示している。本例の撹拌体16は図1〜図3などにも示すように、延長軸部15をさらに前方へ延長するように取り付けられる回転中心軸17とこれの外周面から放射状に張り出した状態とされた撹拌部材である複数の棒部材18からなっている。回転中心軸17は本例では長さが230mm程度で直径が20mm程度とされていて、長さ方向上の30mmピッチとなる8箇所の各直径位置に直線状の透孔17aを形成されており、後端には延長軸部15の前端面に形成されたネジ構造部15aである雌ネジ部に螺合される雄ネジ部17bを形成されている。
各透孔17aは前後方向b1で隣接するもの同士の中心線が直交するように配置されており、各棒部材18は直径が5mm程度で全長が100mm程度の大きさとされ、各透孔17aに挿通された状態で各端部が回転中心軸17の外周面から片持ち状に40mm程度張り出した状態とされている。回転中心軸17及び棒部材18は高熱に曝されるため耐熱性及び耐食性に優れた材料(例えばステンレス材)を用いるのがよい。ここで棒部材18の数が多過ぎると、燃焼室1a内での燃料ペレットa1の燃焼が妨げられると共に攪拌体16を回転させるための動力が増大するため、これらに配慮した構造とするのがよい。
図10は攪拌体16の変形例を示す斜視図である。この変形した攪拌体16は棒部材18に代えて、扁平な板部材19を取り付けるのであり、板部材19の数は例えば4枚〜7枚程度とし、各板部材19の回転中心軸17の外周面上の周方向の位置は前後方向b1上で隣接するものに対しほぼ同じ角度ずつ周方向へ偏倚させたものとしている。これによっても図9の撹拌体16と同様な作用を得ることができる。
図1〜図3などに示すように、空気供給部4は大気を吸引し送り出す給気ファン20と、この給気ファン20から大気を供給される箱状部12の内方空間である空気室k1を備えている。空気室k1は前面板12a、後面板12b、上面板12c、下面板12d及び左右の側面板12e、12fで覆われた領域からなっており、また給気ファン20は左側の側面板12eに形成された透孔12e1を通じて空気室12内に大気を供給するものである。空気室12内の大気を燃焼室1aに供給するための図7に示す主要な空気路c9は前面板12aの透孔c7と同心の円周c01上に形成された4つの円弧状透孔c09からなっている。空気室k1内の大気がこの4つの円弧状透孔c09から流出することにより、外筒6と内筒7の間の環状領域e3内に十分な量の大気が全範囲へ均等に及ぶように供給される。
図2などに示す点火装置5は、空気案内管21とこれの内方に配設される棒状の電気加熱器22とを備えている。図2は前面板12aの中央を縦断した部分断面図である。空気案内管21は燃焼室1a内の火床として機能する筒体7の内周面上に落下した燃料ペレットa1群に向かう比較的少ない流量の空気流を生成させるものである。本例の空気案内管21は内径が凡そ15mm程度で長さが凡そ100mm程度とされた直状の管部材21aを具備し、後端部の管壁の内方に空気流入用の環状透孔c10を形成されると共に、この透孔c10よりも後側に細径の管部材21bを延長状に固着された構造とされている。この空気案内管21は図4に示す前面板12aの透孔c4に挿通されており、前部が燃焼室1a内へ凡そ70mm程度張り出され、透孔c10を含む後部が空気室k1内に配置されている。
そして図2などに示すように、燃焼室1a内における空気案内管21は管路8の下側にあってペレット出口8a1の直下位置よりも燃焼室1aの中心位置側となる領域に配置されている。このようにするとペレット出口8a1から落下した燃料ペレットa1の燃焼が良くなり、また燃料ペレット1aの燃焼により生成される灰分やクリンカー成分を空気案内管21から流出する空気流で前方へ吹き飛ばす作用を強くすることができる。
電気加熱器22は空気案内管21の内方に同心配置となるように設けるのであり、本例では電気加熱器22の後端部が空気案内管21の管部材に内挿されボルト23で締結されることにより空気案内管21と一体化されている。電気加熱器22の先部の加熱部は空気案内管21の前端から数十mm程度後側に位置させるのがよいのであり、これにより加熱部に他物(燃料ペレット、灰分、及びクリンカー成分など)が接触し付着するのを防止することができる。電気加熱器22の電力供給線22bは空気室12側からその外方へ導かれて電源に接続される。
この点火装置5により燃料ペレットa1に点火する時には図示しない制御部の作動により次のような動作が自動的に行われる構成とされている。即ち、燃料供給用の管路8内に燃料ペレットa1が満たされた状態にて、電動モータ10aが予め定めた設定時間だけ作動することで、スクリュウ軸体9が回転し図1に示すように前後向き管路8a内の燃料ペレットa1を点火時の初期燃焼に必要な量だけ筒体7の内面上の後側箇所に落下させ山状に蓄積させる。次に電気加熱器22に通電されてその加熱部22aが加熱され、その後に給気ファン20が給気能力を制限された状態で作動される。これにより給気ファン20は空気室k1内に大気を送り、空気室k1内の空気圧を上昇させる。これにより燃焼室1aは空気路c9を通じて内方に燃焼用の空気を供給される。また空気案内管22は空気室k1内の空気を後部の透孔c10から流入され、この空気を前方へ案内し、電気加熱器21の外周囲を経て前外方へ流出させる。これにより空気案内管22内を流動する空気は燃料ペレットa1の発火点以上の温度に加熱された状態となり、筒体7内に山状に蓄積されている燃料ペレットa1に接触しこれを発火させ燃焼させる。電気加熱器22は確実な燃焼が得られるように実験で予め定めた時間だけ通電を継続された後に停止され、この後は、給気ファン20が給気能力を増大されて通常運転状態となる。この点火時の燃焼において撹拌体16はスクリュウ軸体9の回転時にこれと同体状に回転されるが、この時点では筒体7内の燃料ペレットa1が少ないため、撹拌体16は燃料ペレットa1に対し撹拌作用を殆ど付与するものとならず初期燃焼が確実に進行するものとなる。
次に燃料ペレットa1が点火されて燃焼を開始した後の図示しない制御部による通常運転状態における作動について説明する。
燃焼室1a内における燃料ペレットa1の燃焼に必要な空気は給気ファン20が必要な給気能力で運転されることにより空気室12内から4つの円弧状透孔c09を通じて環状領域e3内に適当流量で供給される。一方、空気案内管21内には空気室k1内の空気が点火時よりも大きな流量で流入するため、空気案内管21内に生じる空気流動は点火時よりも強くなって電気加熱器22を効果的に冷却すると共に点火時よりも強い勢いで空気案内管21の前端開口から前方へ流出する。この流出は空気案内管21の前方b01近くに存在する微細な燃料ペレットa1、灰分、クリンカー成分などを前方b01へ飛散させる。
燃焼室1a内における燃料ペレットa1の燃焼に必要な空気は給気ファン20が必要な給気能力で運転されることにより空気室12内から4つの円弧状透孔c09を通じて環状領域e3内に適当流量で供給される。一方、空気案内管21内には空気室k1内の空気が点火時よりも大きな流量で流入するため、空気案内管21内に生じる空気流動は点火時よりも強くなって電気加熱器22を効果的に冷却すると共に点火時よりも強い勢いで空気案内管21の前端開口から前方へ流出する。この流出は空気案内管21の前方b01近くに存在する微細な燃料ペレットa1、灰分、クリンカー成分などを前方b01へ飛散させる。
また空気室k1から燃焼室1a内に流入する空気は4つの円弧状透孔c09を通じることにより環状領域e3の全周囲に渡って効果的に均等化される。こうして流入した環状領域e3内の空気は透孔c5及び透孔c6を通過して筒体7内に流入する。透孔c5から筒体7内に流入した空気は筒体7の半径方向へ流動し燃料ペレットa1をこれの厚さ方向に通り抜けようとすることで燃料ペレットa1に効果的に接触するのであり、その後、前方b01の火口c2へ向け流動する。その結果、燃料ペレットa1が内側の筒体7内で燃焼して生成される燃焼炎はこの空気の流動に誘導されて火口c2を通じ前方b01へ勢いよく噴射される状態となる。
この通常運転状態で燃料供給部2により燃料ペレットa1が比較的大きな流量で筒体7に供給されるようになると、筒体7内には燃料ペレットa1の燃え滓が図2に示すように次第に多く堆積する状態となって、筒体7内において灰分の増加に加えクリンカーが成長しようとする。このように燃料ペレットa1の流量が大きくなることに関連してスクリュウ軸体9及び撹拌体16の回転速度も同様に大きくなり、しかも燃え滓の量も多くなることから攪拌体16による燃え滓の攪拌作用が増大されるようになる。その結果、成長しようとするクリンカーは棒部材18により攪拌されて微細化され離散化される傾向が強くなり、著しく大きくなった外表面を経て多くの酸素を供給され、完全燃焼化を促進され軽い灰分に変化される。こうして筒体7内に生じた灰分は空気供給部4から筒体7内に供給される空気の流動により火炎に混じった状態で火口c2を通じて燃焼室1aの外方へ漸次に流出し燃焼室1a内に残留しなくなる。したがって筒体7内に供給される燃料ペレットa1は常に十分な酸素を供給され効率的な燃焼を継続し得るものとなる。
なお図2、図3および図6中の符号k2は箱状部12、駆動部10及び給気ファン20の外方を覆うカバー体k2を示している。
なお図2、図3および図6中の符号k2は箱状部12、駆動部10及び給気ファン20の外方を覆うカバー体k2を示している。
上記した本例装置100はボイラーやストーブなどの燃焼装置として使用することができるものであるが、ここでは農業用ハウスの暖房に利用する場合の例について説明する。
図11は農業用ハウスh1に本例装置100を設置した状態を示す図である。この図11に示すように、燃料貯蔵搬送装置101及び温風発生装置102などからなる関連装置を形成する。ここに燃料貯蔵搬送装置101はホッパー状のタンク24a内に収容され貯蔵されている燃料ペレットa1を、スクリューコンベア24b1などの搬送路24bを経て本例装置100の燃料落下管14内に供給するものである。
図11は農業用ハウスh1に本例装置100を設置した状態を示す図である。この図11に示すように、燃料貯蔵搬送装置101及び温風発生装置102などからなる関連装置を形成する。ここに燃料貯蔵搬送装置101はホッパー状のタンク24a内に収容され貯蔵されている燃料ペレットa1を、スクリューコンベア24b1などの搬送路24bを経て本例装置100の燃料落下管14内に供給するものである。
温風発生装置102は箱形の囲壁102aで包囲された通風用の空間i1を形成され、この空間i1内に二次燃焼室25及び熱交換部26を形成されている。二次燃焼室25は内方の下部にロストル25aを設けられ、側面壁25bの高さ中央寄り位置に本例装置100の火口c2より大きい径の透孔c11を形成されており、また給気ファン20などから送られる大気を二次空気として内方に供給されるようになっている。熱交換部26は下端開口を二次燃焼室25内に連通された複数の伝熱用排気管27と、これら伝熱用排気管27の上端開口を連通された排気集合室28と、排気集合室28内の排気を外方へ流出させる排気流出管29とを有している。そして囲壁102aの側面下部に送風ファン30が設けられ、囲壁102aの上面に温風吹き出し口31が設けられ、囲壁102aの側面で透孔c11に対応する位置には本例装置100の燃焼室部1を挿通させるための透孔c12が形成されている。排気流出管29には図示しないサイクロン集塵装置32aなどの煤塵除去手段を具備した排気路32が接続されており、この排気路32の先部は農業用ハウスh1の外方に導かれている。
本例装置100は囲壁102aの透孔c12に内挿された燃焼室部1aの前端のフランジ部材7bを二次燃焼室25の側面壁の外面に当接させ、火口c2を二次燃焼室内に連通させた状態として、筒体6のフランジ部材6bと共にボルトにより二次燃焼室25の側面壁25bに固定されている。
本例装置100及び関連装置を制御するための制御装置33は本例装置100の近傍などに設置するのであり、また農業用ハウスh1内の大気温度を検出するための温度センサは農業用ハウスh1内の中央位置などに設置する。
このような設備の下で、農業用ハウスh1内を本例装置100で暖房するときの各部の作動などについて説明する。
作業者が制御装置33を始動操作すると、燃料貯蔵搬送装置101及び駆動部10が作動状態となり、燃料供給部2が燃料ペレットa1を燃焼室1a内に向け押し移動させる。この押し移動により、管路8内の燃料ペレットa1が燃焼室1a内に供給される。これに関連してその点火が実施され、その後、通常使用状態に移行される。
作業者が制御装置33を始動操作すると、燃料貯蔵搬送装置101及び駆動部10が作動状態となり、燃料供給部2が燃料ペレットa1を燃焼室1a内に向け押し移動させる。この押し移動により、管路8内の燃料ペレットa1が燃焼室1a内に供給される。これに関連してその点火が実施され、その後、通常使用状態に移行される。
通常運転状態では、制御装置33は燃料供給部2を連続運転状態に保持し、業用ハウスh1内の気温を検出する温度センサの検出信号に関連して燃料供給部2を制御する。
燃焼室1a内で生成される燃焼ガスや、燃焼室1a内で発生した灰分などは火口c2を通じて二次燃焼室25内に噴出される。二次燃焼室25内では、燃焼ガスの未燃分が二次空気の供給により完全燃焼されながら伝熱排気管27内に移行するのであり、また灰分は落下してロストル25aの下側に堆積される。伝熱排気管27内を上方へ通り抜ける熱気は排気集合室28、排気流出管29及び排気路32を経て農業用ハウスh1の外方へ放出される。
一方、送気ファン30は囲壁102a内に大気を流入させる。囲壁102a内に流入した大気は二次燃焼室25、伝熱排気管27及び排気集合室28などの外面に接する状態で流動し、この流動中に温度上昇され吹き出し口31を通じ農業用ハウスh1内に流出される。制御部33が以上のような作動が得られるように各部を制御することで農業用ハウスh1内の気温が設定温度に維持される。
本例装置100は木本系資源植物を原料とした燃料ペレットa1のほか、草本系資源植物(エリアンサス、ミスカンサス、ススキ、ネピアグラスなど)を原料とした燃料ペレットa1であっても効率的且つ連続的に燃焼させることができる。特に糖質の多いエリアンサスを原料とした燃料ペレットa1を効率的に燃焼させ得る点は出願人の知る限りにおいて他に類例のないものであり、また燃焼時に大量の灰分が生成されるバークを原料とした燃料ペレットa1であっても効率的に連続燃焼させることのできるものである。
100 ペレット燃焼装置
2 燃料供給部
3 燃え滓処理部
4 空気供給部
7 筒体
7a 周壁面部
9 スクリュー軸体(燃料送り軸)
18 棒部材(撹拌部材)
19 板部材(撹拌部材)
a1 燃料ペレット
c5 透孔
c6 透孔
2 燃料供給部
3 燃え滓処理部
4 空気供給部
7 筒体
7a 周壁面部
9 スクリュー軸体(燃料送り軸)
18 棒部材(撹拌部材)
19 板部材(撹拌部材)
a1 燃料ペレット
c5 透孔
c6 透孔
Claims (3)
- 燃料ペレットより小さな多数の透孔を形成され中心線が横向きとなるように配置された周壁面部を有し該周壁面部の外方からこれの内方空間内の一端側に供給された難燃性の燃料ペレットが該内方空間内で燃焼される筒体と、
該筒体の外方から前記透孔を通じて前記内方空間内に空気を圧送し前記内方空間内の前記一端側から他端側へ向け流動させる空気供給部と、
前記燃料ペレットの燃焼により前記内方空間内に生成される燃え滓を前記筒体内で撹拌する燃え滓処理部を備えたことを特徴とするペレット燃焼装置。 - 前記燃え滓処理部が前記筒体内の前記燃え滓に接触し撹拌する板状及び又は棒状の攪拌部材を備えたものであることを特徴とする請求項1記載のペレット燃焼装置。
- 前記一端側に前記燃料ペレットを供給する燃料供給部を備えており、前記燃え滓処理部が該燃料供給部の燃料送り軸に連動して回転され前記燃え滓を撹拌する攪拌部材を備えていることを特徴とする請求項1記載のペレット燃焼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016245923A JP2018091593A (ja) | 2016-11-30 | 2016-11-30 | ペレット燃焼装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2022185392A1 (ja) * | 2021-03-01 | 2022-09-09 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH09310829A (ja) * | 1996-03-19 | 1997-12-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 廃棄物処理装置における熱分解反応器 |
US7004084B1 (en) * | 2002-08-05 | 2006-02-28 | Anderson C Merton | Corn burner |
JP3197127U (ja) * | 2015-01-29 | 2015-04-23 | 有限会社テクノクラフト | ペレット燃焼装置 |
-
2016
- 2016-11-30 JP JP2016245923A patent/JP2018091593A/ja active Pending
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JP7256577B2 (ja) | 2021-03-01 | 2023-04-12 | 株式会社イクロス | 固形燃料の燃焼装置 |
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