JP3195902B2 - 搬送装置 - Google Patents

搬送装置

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JP3195902B2
JP3195902B2 JP08023696A JP8023696A JP3195902B2 JP 3195902 B2 JP3195902 B2 JP 3195902B2 JP 08023696 A JP08023696 A JP 08023696A JP 8023696 A JP8023696 A JP 8023696A JP 3195902 B2 JP3195902 B2 JP 3195902B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、搬送管内に配置
された搬送ベルトを断面湾曲状に弾性変形した状態でエ
アにより管内の底面から浮上させつつ走行させる搬送装
置に関し、特に搬送ベルトの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】搬送ベルトを用いて粉粒体等の被搬送物
を搬送する搬送装置の1つとして、例えば特開平4−3
17911号公報に記載されたものが知られている。こ
のものは、搬送路に沿って配置された例えば断面円形状
をなすリターン側搬送管としての外管の内部に、例えば
断面円形状をなしていて上記外管よりも小径であるキャ
リア側搬送管としての内管が配置されており、上記外管
の搬送方向後側の開口端近傍にはテールプーリが、また
搬送方向前側の開口端近傍にはヘッドプーリがそれぞれ
配置されている。そして、上記両プーリ間に搬送ベルト
が巻き掛けられていて、そのリターン側スパンである下
側スパンは外管の内部底面上に、またキャリア側スパン
である上側スパンは内管の内部底面上にそれぞれ配置さ
れている。さらに、上記外管及び内管の各内部底面から
各々のスパンに向けてエアを吹き出すエア供給手段と、
上記搬送ベルトの走行を許容しつつ外管及び内管の両開
口端を密閉するシール手段とを備えており、上記各管内
において搬送ベルトを断面円弧状に弾性変形させた状態
で内部底面からエアにより浮上させつつ走行させること
で、被搬送物を搬送するようになされている。
【0003】上記搬送装置には、次に示すような特長が
あるとされている。 省エネルギー搬送ベルトをエア
で浮上させて高速輸送できるので、ニューマチックコン
ベヤやチェーンコンベヤに比べて電力消費量を大幅に減
少させることができる。 省力・省メンテナンス外管
及び内管により構成される搬送路の中間部にローラが不
要であり、そのようなローラの使用に起因する搬送ベル
トの蛇行が生じないために、メンテナンスに要する人員
やコストを大幅に削減できる。 省スペース例えば、
ベルトコンベヤ(ダスト回収コンベヤ付)に比べて、約
1/6の断面スペースで済み、コンパクトである。
省工事外観的には1本のパイプ(外管)しか存在せず、
かつそのパイプは内管を含めても軽量であるので、配管
工事の感覚で据付けでき、工事費を大幅に節約すること
ができる。 良好な環境略完全に密閉されたパイプ構
造であるので、被搬送物の飛散や荷こぼれ、漏洩がな
く、また外部からの汚染もない。特に、ベルト浮上用の
エアにより管内が常時換気されるので、結露による被搬
送物の汚染がない。 高機能カーブ輸送や傾斜輸送も
可能である。 低騒音ローラレスであるために、パイ
プコンベヤに比べて低騒音である。
【0004】以上のような特長を持つ搬送装置におい
て、搬送ベルトとしては、少なくとも1プライ以上の布
層からなる心体の表裏両面にカバーゴムが設けられた一
般のコンベヤベルトが用いられている。その際に、上記
カバーゴムには、管内面に対する耐摩耗性を考慮して、
硬度がHS =60°程度のゴム種を用いるのが一般であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記搬送装
置においては、搬送ベルトの走行抵抗を少なくする上で
は、管内面との接触部分のできる限り少ない状態で搬送
ベルトを浮上させることが望ましく、そのためには、搬
送ベルトを管の内部底面形状に沿うようにスムーズに曲
げられるようにすることが求められる。
【0006】しかしながら、実際には、図14に示すよ
うに、管aの内部底面上に配置された搬送ベルトbは、
その底面形状に十分に沿った状態には曲がり難いという
問題がある。この問題は、管径が小さいときほど顕著で
あって、例えば内径が300mmの管内に、ベルト幅が
300〜400mmでありかつベルト総厚が5〜6mm
である従来の搬送ベルトを配置した場合では、10mm
以上の隙間sが生じるほどである。
【0007】この発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、搬送管内に配置した搬送ベル
トをエアにより浮上させつつ走行させる搬送装置におい
て、搬送ベルトの剛性を適正化することで、搬送ベルト
を管内の底面形状に十分に沿った形状に曲げることがで
きるようにし、搬送ベルトの走行抵抗を低く抑えられる
ようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、搬送ベルトの剛性を、従来の場合
に比べて低く設定することで、上記搬送ベルトを搬送管
内の底面形状に十分に沿った形状に曲げることができる
ようにした。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、搬送路
に沿って配置され、内部底面が断面湾曲状をなす搬送管
と、この搬送管の内部底面上に配置され、上面に被搬送
物を載置するための搬送ベルトとを備え、上記搬送管内
において搬送ベルトを断面湾曲状に弾性変形させた状態
で搬送管の内部底面からエアにより浮上させつつ走行さ
せることにより被搬送物を搬送するようにした搬送装置
が前提である。
【0010】そして、上記搬送ベルトが、少なくとも1
プライ以上の布層からなる心体と、この心体の表裏両面
に設けられていて、厚さが互いに略同じであるカバーゴ
ムとを有してなっている場合に、上記搬送管の内部底面
が断面円弧状をなしていてその曲率半径が略150mm
でありかつ上記搬送ベルトの各カバーゴムの厚さが略3
mmであるときの該各カバーゴムの硬度H S が、35°
≦H S ≦50°とされていることにより、上記搬送管の
内部底面上に載置された上記搬送ベルトが該内部底面に
沿った断面湾曲状に弾性変形するように該搬送ベルトの
少なくともベルト幅方向の剛性が低く設定されかつ該低
剛性化に伴う上記搬送ベルトの耐摩耗性の低下が抑えら
ているものとする。
【0011】上記の構成により、搬送管内で搬送ベルト
が走行する際に、その搬送ベルトは管内面形状に対しス
ムーズに曲がり、よって、搬送ベルトは管内面との接触
部分のできる限り少ない状態で浮上でき、そのような接
触部分が少なくなった分だけ走行抵抗はさらに低下す
る。
【0012】ところで、上記搬送ベルトの剛性に寄与す
る要因としては、カバーゴム厚、カバーゴム種(硬
度)、心体種、プライ数等が考えられるが、この発明で
は、それらのうちのカバーゴム種(硬度)に着目し、カ
バーゴムの硬度を低くすることで搬送ベルトの低剛性化
を図ることとした。尚、カバーゴム厚については、実際
にはベルト寿命との兼合いがあり、したがって、ベルト
の低剛性化を図る際に無造作に低下させることはできな
い。
【0013】また、各カバーゴムの厚さが、互いに略同
じであるので、搬送ベルトの表裏両面でカバーゴム厚の
異なることに起因するカーリングは抑えられ、外管内を
走行するときと内管内を走行するときとで搬送ベルトの
上下面が切り換わる際にも、同一なベルト浮上状態を得
ることができる。
【0014】また、搬送管の内部底面が、略150mm
の曲率半径を持つ断面円弧状をなしており、かつ搬送ベ
ルトの各カバーゴムの厚さが略3mmであるときの上記
カバーゴムの硬度 S 、HS ≦50°であるので、上
の作用は具体的に営まれる。
【0015】さらに、各カバーゴムの硬度 S 、35
°≦HS であるので、低剛性化に伴うカバーゴムの耐摩
耗性の大幅な低下は抑えられ、よって、低剛性化を図る
際に最小限の耐摩耗性が確保されるようになる。
【0016】請求項の発明では、上記請求項の発明
において、搬送ベルトの心体は、2プライの布層からな
るものとする。すなわち、この種の搬送装置において、
内部底面の曲率半径が略150mmである搬送管内で搬
送ベルトを走行させて被搬送物の搬送を行うのは、その
被搬送物がかなり軽量である場合であるので、搬送ベル
トには高張力は要求されない。したがって、上記構成に
より、搬送ベルトのベルト幅方向の低剛性化を損なうこ
となく、上記の場合に搬送ベルトに要求される程度の高
張力に十分に対応できるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0018】図2及び図3は、この発明の実施形態に係
る搬送装置の全体構成を示し、この搬送装置では、搬送
路は同各図の右側から左側に向かって延びるように設け
られており、上記搬送路に沿って配置された断面円形状
をなす両端開口の外管1と、この外管1内にその長さ方
向に延びるように配置されていて、上記外管1よりも小
径の断面円形状をなす搬送管としての両端開口の内管2
と、上記外管1の搬送方向後端側(同各図の右端側)に
配置されたテールプーリ3と、搬送方向前端側(同各図
の左端側)に配置されたヘッドプーリ4とを備えてい
る。
【0019】そして、上記テールプーリ3及びヘッドプ
ーリ4間には搬送ベルト5が巻き掛けられていて、図4
に拡大して示すように、その下側スパンは外管1の内部
底面上に、また上側スパンは内管2の内部底面上にそれ
ぞれ配置されている。この実施形態では、外管1内のス
パンが搬送方向と逆の方向に向かって走行する一方、内
管2内のスパンが搬送方向に向かって走行するようにな
されている。つまり、内管2内のスパンによりキャリア
側スパンが、また外管1内のスパンによりリターン側ス
パンがそれぞれ構成されている。
【0020】上記外管1の両側部には、図5に示すよう
に、複数の外管点検窓7,7,…が外管1の長さ方向に
並ぶように設けられている。各点検窓7は、外管1の側
部に側方に向かって突出するように設けられた断面矩形
状の角筒部からなっていて、蓋部材8により開閉可能に
閉じられている。一方、上記内管2の上部には、複数の
内管点検窓9,9,…が内管2の長さ方向に並ぶように
設けられている。各点検窓9は、内管2の上部に外管1
の上部を貫通し上方に向かって突出するように設けられ
た断面矩形状の角筒部からなっていて、上記外管点検窓
7,7,…の場合と同様に、蓋部材10により開閉可能
に閉じられている。そして、各内管点検窓9の角筒部が
外管1を貫通している部分において、内管2は外管1に
支持固定されている。さらに、内管2のテールプーリ3
側の端部には、被搬送物を内管2内の搬送ベルト5上に
投入するための投入ダクト11が上方に向けて突設され
ている。
【0021】上記外管1のテールプーリ3側の開口端に
は、テールプーリ3を覆った状態でそのプーリ3を回転
可能に支持するテールカバー12が接続されており、こ
のテールカバー12にも複数の内部点検用の点検窓と、
その点検窓を開閉可能な各蓋部材13とが配設されてい
る。また、外管1とテールプーリ3との間には、外管1
から導出されてテールプーリ3に巻き付けられる搬送ベ
ルト5の下面に転動可能に圧接する補助プーリ14が配
設されている。
【0022】一方、上記外管1のヘッドプーリ4側の開
口端には、ヘッドプーリ4を覆った状態でそのプーリ4
を回転可能に支持するヘッドカバー15が接続されてお
り、このヘッドカバー15にも複数の内部点検用の点検
窓と、その点検窓を開閉可能な各蓋部材16とが配設さ
れている。そして、ヘッドカバー15の下端には被搬送
物を排出するための排出口17が開設されている。ま
た、ヘッドプーリ4と外管1との間には、ヘッドプーリ
4から繰り出されて外管1内に導入される搬送ベルト5
の下面に転動可能に圧接する補助プーリ18が配設され
ている。さらに、ヘッドカバー15の外部側面には、上
記ヘッドプーリ4を図2の反時計回り方向に回転駆動す
る電動モータ19が設置されている。
【0023】上記搬送装置には、外管1及び内管2の各
内部にエアを供給するためのブロア20が配設されてい
る。このブロア20のエア吐出口には、1本の外管用給
気管21aと、2本の内管用給気管21b,21bとが
それぞれ接続されている。そして、上記外管用給気管2
1aの先端は、図6に示すように、外管1の外部底面に
外管1の長さ方向に延びるように設けられた外管用エア
ダクト22aに接続されており、そのエアダクト22a
の天板部、つまり外管1の底部に外管1の長さ方向に所
定ピッチ間隔をおいて設けられた複数のエア孔23a,
23a,…から外管1内にエアを吹き出すようになされ
ている。
【0024】一方、上記各内管用給気管21bの先端
は、同じく図6に示すように、内管2の下半部の外部周
面に周方向に延びるように設けられた円弧状の補助ダク
ト24の両端に外管1の側部を半径方向に貫通して接続
されている。そして、この補助ダクト24は、内管2の
外部底面に内管2の長さ方向に延びるように設けられた
内管用エアダクト22bに直交するように接続されてお
り、そのエアダクト22bの天板部である内管2の底部
に内管2の長さ方向に所定ピッチ間隔をおいて設けられ
た複数のエア孔23b,23b,…から内管2内にエア
を吹き出すようになされている。また、ヘッドカバー1
5と、内管2のテールプーリ3側の端部近傍位置とに
は、各々、外管1及び内管2の各内部に吹き出されたエ
アを外部に排気するための排気ダクト25が設けられて
いる。
【0025】上記搬送ベルト5は、図1に模式的に示す
ように、少なくとも1プライ以上の布層としての帆布3
1a,31a,…からなる心体31と、この心体31の
表裏両面(同図の上下両面)に設けられたカバーゴム3
2,32とを有してなっている。
【0026】そして、上記搬送ベルト5のベルト幅方向
の剛性は、搬送ベルト5が上記内管2の内部底面上に載
置された状態でその内部底面に沿った断面円弧状に弾性
変形するように低く設定されている。すなわち、搬送ベ
ルト5は、各カバーゴム32の硬度が低くなされること
で低剛性にされている。
【0027】具体的には、上記搬送ベルト5の表面側カ
バーゴム32(図1の上面側カバーゴム32)の厚さt
1と、裏面側カバーゴム32(同図の下面側カバーゴム
32)の厚さt2とは互いに同じ(t1=t2)になさ
れている。そして、内管2の内径が略300mm(つま
り、曲率半径としては略150mm)である一方、搬送
ベルト5のベルト幅が300〜400mmであり、かつ
各カバーゴム32の厚さが略3mmである場合に、上記
カバーゴム32の硬度HS は、35°≦HS ≦50°と
されている。また、その際に、上記心体31は2プライ
の帆布31a,31aからなっており、各帆布31aの
ベルト長さ方向の強度は、150kgf/cm以下とさ
れている。尚、この場合、外管1の内径は例えば400
mmである。
【0028】次に、上記搬送装置の作動を説明する。
【0029】電動モータ19によりヘッドプーリ4が回
転駆動されると、搬送ベルト5のキャリア側スパンは内
管2の内部底面上を搬送方向に向かって走行し、一方、
リターン側スパンは外管1の内部底面上を搬送方向と逆
の方向に向かって走行する。そして、投入口11から内
管2内に被搬送物が投入されると、その被搬送物は搬送
ベルト5の上面に載置された状態で搬送される。次い
で、ヘッドカバー15内で搬送ベルト5がヘッドプーリ
4に巻き付いてその表裏両面の上下位置が反転すると
き、上記被搬送物は搬送ベルト5から滑落して排出口1
7から外部に排出される。その後、搬送ベルト5は裏面
を上面側とした状態で外管1内に導入され、外管1の内
部底面上を走行してテールプーリ3の側にリターンす
る。
【0030】一方、上記のようにして循環走行する搬送
ベルト5に対し、ブロア20から外管1及び内管2の各
内部にエアが供給される。このエアは各エア孔23a,
23bから搬送ベルト5の各スパンに向けて吹き出さ
れ、このことで、上記各スパンは外管1及び内管2の各
内部底面から浮上する。これにより、外管1及び内管2
の各内部底面と、その上を走行する搬送ベルト5との間
の摺動摩擦が減ぜられるので、搬送ベルト5の走行抵抗
は低く抑えられる。そして、外管1及び内管2の各内部
に吹き出されたエアは、排気ダクト25,25から外部
に排気される。
【0031】したがって、この実施形態によれば、搬送
装置に使用される搬送ベルト5の剛性を、内管2の内部
底面上に載置された状態でその内部底面に十分に沿った
断面円弧状に弾性変形できるように低く設定しているの
で、内管2の内部を走行する際に、上記搬送ベルト5を
内管2の内部底面形状に対しスムーズに曲げることがで
き、よって、搬送ベルト5を管内面との接触部分のでき
る限り少ない状態で浮上させて走行抵抗を大幅に低下さ
せることができる。
【0032】尚、上記実施形態では、外管1及び内管2
の各内部底面形状は、共に断面円弧状をなしているが、
各内部底面は断面湾曲状であればよい。
【0033】また、上記実施形態では、搬送ベルト5の
キャリア側スパンのみによって被搬送物を搬送するよう
にしているが、リターン側スパンを利用して別の被搬送
物を上記の場合と逆の方向に搬送するようにしてもよ
い。
【0034】さらに、上記実施形態では、搬送ベルト5
のカバーゴム32の硬度や厚さについて具体的な数値を
挙げているが、条件が異なればその数値も変更されるの
は勿論である。
【0035】−具体例− ここで、搬送ベルトの剛性に寄与すると考えられる3つ
の要因をそれぞれ変量させて得た複数種類の搬送ベルト
の物性について説明する。
【0036】先ず、搬送ベルトの構成要素の1つである
カバーゴムについては、そのゴム種(硬度)及び厚さの
2つがそれぞれ剛性値に大きく影響する要因と考えられ
る。そこで、次表1に示すように、各々、硬度及び厚さ
を3通りに振り分け、併せて9種類のシート状ゴムサン
プルを作製した。尚、表中の数値は共に目標値であっ
て、実際の値とは異なる。
【0037】
【表1】
【0038】そして、上記各サンプルの基本物性を測定
した。この基本物性では、JISK 6301の「加硫
ゴム物理試験方法」により、引張強度(TB )、切断時
伸び(EB )、引裂強度(TR )及び硬度(HS )を、
またJIS K 6264の「加硫ゴムの摩耗試験方
法」によりDIN摩耗(摩耗し易さ)をそれぞれ測定し
た。その結果、上記硬度の実測値については、目標値が
S =40°のゴム種ではHS =38°、目標値がHS
=50°のゴム種ではHS =46°、目標値がHS =6
0°のゴム種ではHS =58°であった。その他の測定
結果を含めて、図7に併せて示しておく。尚、同図で
は、HS =38°のものを100とする指数で、それぞ
れHS =46°のもの及びHS =58°のものの各物性
を表している。また、同図において、「□」は引張強度
を、「+」は切断時伸びを、「◇」は引裂強度を、
「△」はDIN摩耗をそれぞれ表している。
【0039】また、上記各ゴム種のサンプルについて、
ゴム種毎にその剛性(以下、EIという)を求めた。具
体的には、幅が50mmであるサンプルシートをそれぞ
れ作製し、図8に概略的に示すように、その長さ方向の
一端側が片持ち状態となるように支持台上に載置して自
重による撓み量を測定した後、下記の式によりEIを算
出した。
【0040】 EI=(w・l4 )/(8y)[N・m2 ] w:長さ1m当たりのシートの自重[N/m] l:スパン長さ[m] y:撓み量[m] さらに、上記各ゴム種のサンプルシートについて、3%
歪時及び5%歪時の各ヤング率[MPa]も測定した。
それらの結果を、次表2に併せて示す。尚、上記EIに
ついては、上記の式により算出した[N・m2 ]もの
と、これをkgf,mm単位に変化した後にサンプル幅
(50mm)で除した[kgf・mm2 /mm]で表さ
れる幅1mm当たりのEI値とを併せて示している。
【0041】
【表2】
【0042】また、上記各ゴム種におけるゴム厚とEI
との関係については、図9にも示しておく。尚、同図に
おいて、「▲」はHS =38°のものを、「■」はHS
=46°のものを、「★」はHS =58°のものをそれ
ぞれ表わしている。
【0043】次に、搬送ベルトのもう1つの構成要素で
ある心体については、ベルト長さ方向の強度により、ま
た同強度のものであっても糸の構造により、搬送ベルト
の剛性に対し大きく影響するものと考えられることか
ら、その帆布種を、次表3に示す3種とした。尚、表中
の数値は各帆布のベルト長さ方向の強度を示している
が、数値の末尾にBの付いた「150B」では、ベルト
長さ方向の強度が150kgf/cmである帆布のなか
でも、ベルト幅方向の剛性の高い構造となっているもの
を示す。また、帆布においては、当然ながらプライ数も
剛性に大きく影響する要因となるが、ここでは、全て2
プライの加硫品に限定した。
【0044】
【表3】
【0045】そして、上記3種類の硬度のゴム種を用い
て、目標カバーゴム厚(表×裏[何れも単位はmm])
が1.5×1.5、3.0×3.0及び4.5×4.5
の3通りに、また帆布種が「50」、「120」及び
「150B」の3通りにそれぞれ振り分けられた併せて
27種類の搬送ベルトを作製し、その各総厚、心体厚及
びベルト自重をそれぞれ測定して各カバーゴム厚及びE
Iをそれぞれ演算した。その結果を、次表4に併せて示
す。尚、上記カバーゴム厚は、総厚から心体厚を減算し
た後に2で除して算出した。また、ベルト幅は400m
mとした。
【0046】
【表4】
【0047】さらに、上記各ゴム種における帆布種毎の
ベルト総厚に対するEIの関係を、図10〜図12に示
す。すなわち、HS =38°のものについては図10
に、HS =46°のものについては図11に、HS =5
8°のものについては図12にそれぞれ示されるとおり
である。尚、同各図において、「○」は帆布種が「5
0」のものを、「◎」は帆布種が「120」のものを、
「●」は帆布種が「150B」のものをそれぞれ表わし
ている。また、心体無しでゴムのみのもの「▲」につい
ても同各図に併せて示しておく。
【0048】そして、各カバーゴム厚(目標値)が3m
mである搬送ベルトを、内径が300mmの円管内にそ
れぞれ載置したところ、EIの値が15kgf・mm2
/mm以下のものであれば、円管の内面との間に隙間の
殆ど生じないことが判った。つまり、この場合には、カ
バーゴムの硬度がHS ≦50°であればよいことにな
る。
【0049】最後に、上記硬度の目標値がHS =40°
であるゴム種(柔硬度普通ゴム)、及び硬度の目標値が
S =60°であるゴム種(超耐摩耗ゴム)をそれぞれ
用いた搬送ベルトについて、管内面に対する接触圧(荷
重)と摩耗量との関係を測定した。その評価方法として
は上記DIN摩耗試験に則った。また、上記荷重は、
0.5kgf、1.0kgf及び1.5kgf(DIN
摩耗値測定時の通常の荷重は1.0kgf)に変量し
た。その際に、上記柔硬度普通ゴムの改良品として、耐
摩耗性を向上させた柔硬度耐摩耗ゴムを作製し、このゴ
ム(硬度の目標値はHS =40°)を用いた搬送ベルト
についても上記と同じ測定を行った。以上の結果を、図
13に併せて示す。尚、同図において、縦軸は、従来の
搬送ベルト(カバーゴムの硬度の目標値はHS =60
°)に1.0kgfの荷重を加えたときの摩耗量を1.
0とする指数表示としている。また、「△」は柔硬度普
通ゴムのものを、「+」は超耐摩耗ゴムのものを、
「×」は柔硬度耐摩耗のものを、そして、「□」は従来
のものをそれぞれ表わしている。
【0050】図13から、柔硬度普通ゴムのものでは、
軽荷重の場合であれば、従来の搬送ベルトと同じ程度の
耐摩耗性が得られ、よって、十分に実用に供し得るもの
であることが判る。その際に、上記柔硬度普通ゴムの硬
度の目標値がHS =40°であることから推測して、少
なくとも35°≦HS であればよいことが判る。さら
に、柔硬度耐摩耗ゴムのものでは、通常の荷重の場合で
も従来のものよりも優れた耐摩耗性を発揮していること
から、ゴム種の柔硬度化により搬送ベルトの低剛性化を
図るときでも、耐摩耗性を高められることが判る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、搬送路に沿って配置され、内部底面が断面湾曲
状をなす搬送管と、この搬送管の内部底面上に載置さ
れ、上面に被搬送物を載置するための搬送ベルトとを備
え、搬送管内において搬送ベルトを断面湾曲状に弾性変
形させた状態で搬送管の内部底面からエアにより浮上さ
せつつ走行させることにより被搬送物を搬送するように
した搬送装置において、上記搬送ベルトの少なくともベ
ルト幅方向の剛性を、上記搬送管の内部底面上に載置さ
れた状態で該内部底面に沿った断面湾曲状に弾性変形す
るように低く設定することとしたので、上記搬送ベルト
を搬送管の内部底面に十分に沿った形状に曲げることが
でき、管内面との接触部分のできる限り少ない状態で浮
上させることができる結果、そのような接触部分が少な
くなった分だけ走行抵抗をさらに低下させることができ
る。
【0052】その際に、上記搬送ベルトが、少なくとも
1プライ以上の布層からなる心体と、この心体の表裏両
面に設けられたカバーゴムとを有してなるものである場
合に、上記各カバーゴムの硬度を低くすることで搬送ベ
ルトの低剛性化を図るようにしたので、例えばベルト寿
命に大きく影響するカバーゴム厚を薄くすることで低剛
性化を図る場合と異なり、そのような低剛性化に伴って
別の不具合が発生するのを抑えつつ効率よく低剛性化を
図ることができる。
【0053】また、上記搬送ベルトの各カバーゴムの厚
さを互いに略同じとしたので、キャリア側スパンと同様
にリターン側スパンを搬送管内で断面湾曲状に弾性変形
させて走行させる場合に、搬送ベルトの表裏両面でカバ
ーゴム厚の異なることに起因するカーリングを抑えるこ
とができ、よって、外管内を走行するときと内管内を走
行するときとで搬送ベルトの上下面が切り換わる際に
も、管内面に対するベルト耳部の接触圧が増してベルト
走行抵抗が増大するという事態を招かず、表裏両面で互
いに略同じベルト浮上状態を得ることができる。
【0054】また、上記搬送管の内部底面が略150m
mの曲率半径の断面円弧状をなしており、かつ搬送ベル
トの各カバーゴムの厚さが略3mmである場合に、上記
各カバーゴムの硬度をHS ≦50°とするようにしたの
で、上記請求項1の発明による効果を具体的に得ること
ができる。
【0055】さらに、上記各カバーゴムの硬度を35°
≦HS とするようにしたので、低剛性化に伴う耐摩耗性
の大幅な低下を抑えることができ、低剛性化を図る際に
最小限の耐摩耗性を確保できるようになる。
【0056】請求項の発明によれば、上記搬送ベルト
の心体を2プライの布層で構成するようにしたので、被
搬送物が軽量である場合に、搬送ベルトのベルト幅方向
の低剛性化を損なうことなく、搬送ベルトに要求される
程度の高張力に対し十分に対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る搬送装置における搬
送ベルトの構成を示す断面図である。
【図2】搬送装置の全体構成を示す側面図である。
【図3】搬送装置の全体構成を示す平面図である。
【図4】外管及び内管をそれぞれ直径方向に断面して部
分的に示す斜視図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】具体例における各搬送ベルトのカバーゴム用サ
ンプルでの引張強度、切断時伸び、引裂強度及びDIN
摩耗と、硬度との関係を示す特性図である。
【図8】サンプルシートのEIを求めるための測定要領
を示す説明図である。
【図9】各ゴム種におけるゴム厚とEIとの関係を示す
特性図である。
【図10】HS =38°のゴム種における帆布毎のベル
ト総厚に対するEIの関係を併せて示す特性図である。
【図11】HS =46°のゴム種における帆布毎のベル
ト総厚に対するEIの関係を併せて示す特性図である。
【図12】HS =58°のゴム種における帆布毎のベル
ト総厚に対するEIの関係を併せて示す特性図である。
【図13】柔硬度普通ゴム、超耐摩耗ゴム及び柔硬度耐
摩耗ゴムをそれぞれゴム種とした各搬送ベルトにおける
接触圧と摩耗量との関係を併せて示す特性図である。
【図14】従来の搬送ベルトが搬送管内に載置された状
態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
2 内管(搬送管) 5 搬送ベルト 31 心体 31a 帆布(布層) 32 カバーゴム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送路に沿って配置され、内部底面が断
    面湾曲状をなす搬送管と、該搬送管の内部底面上に配置
    され、上面に被搬送物を載置するための搬送ベルトとを
    備え、上記搬送管内において搬送ベルトを断面湾曲状に
    弾性変形させた状態で搬送管の内部底面からエアにより
    浮上させつつ走行させることにより被搬送物を搬送する
    ようにした搬送装置において、 上記搬送ベルトは、 少なくとも1プライ以上の布層からなる心体と、 上記心体の表裏両面に設けられ、厚さが互いに略同じで
    あるカバーゴムとを有してなり、上記搬送管の内部底面が断面円弧状をなしていてその曲
    率半径が略150mmでありかつ上記搬送ベルトの各カ
    バーゴムの厚さが略3mmであるときの該各カバーゴム
    の硬度H S が、35°≦H S ≦50°とされていること
    により、 上記搬送管の内部底面上に載置された上記搬送
    ベルトが該内部底面に沿った断面湾曲状に弾性変形する
    ように該搬送ベルトの少なくともベルト幅方向の剛性が
    低く設定されかつ該低剛性化に伴う上記各カバーゴムの
    耐摩耗性の低下が抑えられていることを特徴とする搬送
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項記載の搬送装置において、 搬送ベルトの心体は、2プライの布層からなることを特
    徴とする搬送装置。
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