JP3195599U - ワイヤーメッシュ編み機 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続して形成されたワイヤーメッシュを個々の製品に分断するに際し、切断に伴うU字状の金属の切れ端が発生せず、かつ、金属線の渡り線の切断作業をも不要としたワイヤーメッシュが得られるワイヤーメッシュ編み機を提供する。【解決手段】円周上に並んだ編み針の群と、金属線の供給部と、繊維糸の供給部と、編み針への供給対象を金属線と繊維糸とに切替可能な糸道切替装置と、編み上がったワイヤーメッシュの繊維網部分13における両側の金属網部分12を繋いでいる編まれていない金属線の渡り線3aを切断するカッター23からなり、所定寸法の金属網部分12と繊維網部分13とが交互となった金属線の渡り線3aが切断されたワイヤーメッシュ11を編むことを可能とした。【選択図】図15
Description
この考案は、金属線を筒状に編み立てたワイヤーメッシュの編み機に関し、さらに詳しくは、編み上げ後のワイヤーメッシュを分断して使用する際に、金属の切れ端が発生しないと共に、金属線の渡り線の切断作業も必要無いワイヤーメッシュが得られるワイヤーメッシュ編み機に関するものである。
繊維糸を自動的に筒状に編み上げ、靴下等を形成するために従来より用いられていた丸編機の動作原理を利用して、金属線を繊維糸のように筒状に編み上げるようにしたワイヤーメッシュ編み機が提案されており、得られた筒状のワイヤーメッシュは、例えば、「パッキン」、「排気ガス用触媒」、「その他自動車用部品」、「電線の電磁シールド材」、「フィルター」等の産業資材原料として幅広く使用されている。
パッキンとしての用途は、自動車の排気系の触媒コンバータにおいて、排気管と触媒コンバータの連結部分に設けられたフランジと触媒コンバータの端部に設けられたフランジの間で排気の漏洩を防止するためのパッキン(ガスケット)があるが、高温下で使用された場合でも、長期間にわたって良好なシール性を維持することができるパッキンとして、特にワイヤーメッシュを用いたものが使用されており(例えば、特許文献1参照)、特に高温下で使用される「排気ガス用触媒」の担体用として金属製のワイヤーメッシュが利用されている。
また、ワイヤーメッシュを所定の長さに切断して圧縮成形したワッシャは、表面の金属メッシュの跡による微小凹凸が振動吸収作用を有するため、自動車エンジン等の締め付け部材に使用される等、ワイヤーメッシュは自動車関連を始め種々の用途に利用され、従来は、その用途により、編み機のシリンダー径を数ミリから30インチ以上の大口径まで種々のサイズを揃えており、筒状の長尺体となったワイヤーメッシュは所定の工場等にて用途別に再加工されるが、その際、用途別に所定の寸法に切断されてから二次加工されている。
ところで、従来の丸編機を利用して金属線を編み込んだワイヤーメッシュ31は、図17(A)に示す部分拡大図のように、金属線が長さ方向前後で互いにからみあった形状であり、二次加工の際の切断工程では、図17(A)中で点線で示す幅方向に直線的に切断するため、ワイヤーメッシュ31の切断部において、図17(B)に示すように、必ずU字状の切れ端32が多数発生し、加工工程でこのU字状の切れ端32を内包したままの製品となると、切れ端の脱落により大きな故障・事故等のトラブルの原因となるので、ワイヤーメッシュ31の切断後、加工前にU次型の切れ端32の除去作業が必要であった。
そこで、本件出願人は、先に、金属線を筒状に編み上げるワイヤーメッシュ編み機において、金属線の供給部に隣接して繊維糸の供給部を加え、編み針への供給対象を金属線と繊維糸とに切替可能な糸道切替装置を設け、所定寸法の金属線からなる金属網部分と所定寸法の繊維糸からなら繊維網部分とが交互となったワイヤーメッシュを編む編み機を考案した(特許文献2参照)。
この特許文献2は、ワイヤーメッシュ編み機に、金属線と繊維糸を供給可能としておき、糸道切替装置を取り付け、金属線と後工程で容易に取り去ることにできる糸とを交互に編み立てるようにしたもので、図18(A)に示すような、金属線からなる金属網部分12と繊維糸からなる繊維網部分13とか交互となった筒状のワイヤーメッシュ11が得られる。
上記金属網部分12を予め求められる寸法としておき、繊維網部分13を所定の方法、例えば、燃焼させたり、水溶性の糸では水に溶かしたり、その他薬品や熱等で除去すれば、図18(B)に示すように所定寸法の金属網部分12が得られ、従来のワイヤーメッシュの切断作業による図17(B)のようなU字状の切れ端32が発生せず、製品の不具合や、製品加工時の切れ端の除去に伴う手間やコストアップが生じなくなった。
以上のように、特許文献2の考案により図18(A)に示されるような所定寸法の金属網部分12とそれを区切る繊維網部分13とが交互になった筒状のワイヤーメッシュ11が得られ、その後の二次加工の際、繊維網部分13を容易に除去でき、図17のような刃物を使って切断する場合のようにU字状の切れ端32が発生することが無くなった。
ところで、それぞれの金属網部分12は、繊維糸の編み込み時に編み込まれなかった1本の金属線の渡り線3aにより繋がれ、また、繊維網部分13も金属線の編み込み時に編み込まれなかった1本の繊維糸の渡り線4aにより繋がれている。
当該ワイヤーメッシュ11は、水に漬ける等糸の特性に合わせた種々の工程により、繊維網部分13および繊維糸の渡り線4aが簡単に除去されるが、隣り合う金属網部分12は金属線の渡り線3aで接続されて連なっており、最終的にはこの金属線の渡り線3aも何らかの方法で切断して使用しなければならないという問題があった。
この考案は、上記のような課題を解決し、U字状の金属の切れ端が発生することがなく切れ端の除去作業を不要としたワイヤーメッシュが得られるワイヤーメッシュ編み機において、更にワイヤーメッシュ同士を接続している渡り線の切断作業も不要としたワイヤーメッシュを得られるワイヤーメッシュ編み機を提供することを課題とする。
上記のような課題を解決するため、請求項1の考案は、円周上に並んだ編み針の群と、金属線の供給部と、繊維糸の供給部とからなり、金属線と繊維糸の供給位置を、それぞれが編み針に引っ掛かる位置と引っ掛からない位置とに変更することで編み針への供給対象を金属線と繊維糸とに切替可能な糸道切替装置を設け、編み針の群と前記糸道切替装置の少なくとも一方を前記円周上に沿って移動させ、所定寸法の金属線からなる金属網部分と所定寸法の繊維糸からなら繊維網部分とが交互に連なったワイヤーメッシュを編むワイヤーメッシュ編み機において、編み上がったワイヤーメッシュの繊維網部分における両側の金属網部分を繋いでいる編まれていない金属線の渡り線を切断するカッターを備えた構成を採用したものである。
この考案は、ワイヤーメッシュ編み機に、金属線と繊維糸を供給可能としておき、糸道切替装置を取り付け、金属線と後工程で容易に取り去ることにできる(例えば、水溶性、熱溶融性、薬品溶融性等の)繊維糸とを交互に編み立てることで、後に繊維糸の除去することでワイヤーメッシュの分断工程を簡略化し、また、U字状の切れ端が発生しない。
更に、この考案では、金属網部分と繊維網部分とが交互になった筒状のメッシュ部分において、隣り合う金属網部分を繋ぐ編み込まれていない金属線の渡り線の部分が予め切断されているので、繊維糸の除去後、直ちに各分断されたワイヤーメッシュを次工程に送り加工等の利用をすることができる。
なお、本考案における糸道切替装置としては、相対的に移動する編み針の群に対し、編み針と引っ掛かる位置と引っ掛からない位置とに切替可能な手段を用いれば容易に構成でき、例えば、編み針群に隣接して2つ以上の揺動片を設け、それぞれの揺動片の先端にそれぞれ金属線と繊維糸を通しておき、揺動片の揺動により、揺動片先端から供給される金属線や繊維糸を、揺動する一方位置では編み針に引っ掛かり、他方位置では編み針に引っ掛からないようにしておき、揺動片を制御することで、容易に糸道切替を行うことができる。
また、請求項2の考案は、前記請求項1に記載のワイヤーメッシュ編み機において、編み上がって所定位置に送られてくるワイヤーメッシュが金属網部分か繊維網部分かを検知するセンサーを設け、センサーの判定に基づいてカッターの切断動作タイミングを制御する構成を採用したものである。
上記請求項2の構成により、簡単に編み上がったワイヤーメッシュの金属網部分と繊維網部分とを識別して判断し、適宜制御によりカッターによる切断動作を自動化することができる。
以上のように、請求項1の考案のワイヤーメッシュ編み機を用いれば、金属線からなる金属網部分と繊維糸からなる繊維網部分とか交互となり、更に繊維網部分を挟んで隣り合う各金属網部分を繋ぐ編み込まれなかった金属線の渡り線が予め切断された筒状のワイヤーメッシュが得られるので、金属網部分を予め求められる寸法としておくことで、繊維糸部分を所定の方法、例えば、燃焼させたり、水溶性の糸では水に溶かしたり、その他薬品や熱等で除去するだけで、直ちに金属網部分からなる所定寸法のワイヤーメッシュが分断した状態で得られ、従来のワイヤーメッシュの切断作業におけるU字状の切れ端が発生せず、切れ端除去工程が必要無く、また、金属線の渡り線が予め切断されており、金属線の渡り線の切断工程に伴う手間やコストアップが生じない。
また、請求項2の考案のワイヤーメッシュ編み機によれば、編み上がって所定位置に送られてくるワイヤーメッシュが金属網部分か繊維網部分かを、編み機本体の編み込みプログラム等の設定に影響を受けずに自動的に位置判定できるので、本体側設定で繊維網部分の位置や寸法等が変わっても常に最適なタイミングで切断でき、また、特許文献2に示したようなワイヤーメッシュ編み機に対し、後付けでセンサーやカッターを設けることで、編み機本体の設定等に影響を与えずに本願考案の構成が得られる。
以下、この考案の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1はこの考案のワイヤーメッシュ編み機の編み針による金属線(又は繊維糸)の編み上げを示している。また、図2及び図3は、金属線及び繊維糸の供給部を示す側面図である。更に、図4乃至図13は、編み込みの様子を模式的に描く概略図であり、図14は、編み上がったワイヤーメッシュにおける金属線の渡り線の切断工程に使用するカッターの斜視図であり、図15及び図16は、金属線の渡り線の切断工程を示す。
図1はこの考案のワイヤーメッシュ編み機の編み針による金属線(又は繊維糸)の編み上げを示している。また、図2及び図3は、金属線及び繊維糸の供給部を示す側面図である。更に、図4乃至図13は、編み込みの様子を模式的に描く概略図であり、図14は、編み上がったワイヤーメッシュにおける金属線の渡り線の切断工程に使用するカッターの斜視図であり、図15及び図16は、金属線の渡り線の切断工程を示す。
まず、金属線3を編み込む編み針2としては、図1に示すような形状の既知のラッチニードルが用いられ、その編み方は、金属線3に対し円周上に並んだ編み針2を金属線3の供給源に対して相対的に回転させ、上昇した編み針2の先端フックに金属線3を引っ掛け、その後、下降したラッチニードルの動作原理を利用して編み込んでゆくものである。
図1(A)〜(F)は、既知のラッチニードル式の編み針2により金属線3を金属網(ワイヤーメッシュ)に編み込んでいく場合の編み針2付近の動作を順を追って示すもので、既に編まれて輪になって編み針2を囲んでいる金属線3′を下方にて掛けている編み針2が上昇位置から下降する際に、先端フックにて新たに供給された金属線3を引っ掛ける(図1(A))。
既に編まれた金属線3′がそのままの位置で、編み針2のみが下降すると(図1(B))、編み込み済みの金属線3′が編み針2のラッチに当接してラッチを上昇させ(図1(C))、そのまま編み針2の頂点部分まで達する(図1(D))。
金属線3′の輪は、ラッチの上昇により閉じられたフック部分を通過している新たな金属線3を囲んだまま、編み針2の頂点部分を通過して編み針2から外れ(図1(E))、供給された金属線3が、編み針2を囲んだ輪を形成する(図1(F))
その状態で、再度編み針2が上昇すると、新たな金属線3の輪は、ラッチを押し下げて編み針2の下付近に移動し、次の新たな金属線3の供給を受け、編み針2が下降すると、図1(A)の状態に戻り、金属線3を編み続ける。
図4乃至図13に示す概略図の編み機本体1は、従来からある金属線の編み上げに特化することで、ワイヤーメッシュを編み上げるようにした丸編機を用い、金属線の供給経路と共に、通常の繊維糸の供給経路を加えて構成される。
上記のワイヤーメッシュ編み機本1は、複数本の編み針2を上向きに円周上で、かつ編み針のフックが外向きになるようにして並んで配置され、編み針2が円周に沿って回転しながら所定位置でカム等の既知の作用により上下動することで、供給される金属線3や繊維糸4を編み込み可能となっている。その動作原理は、従来からある通常の繊維糸を編む丸編機と同様の動作原理であり、編み込まれる金属線の特性に合わせて編み込み時の速度、動作等がプログラムにより最適化されている。
ここで使用される金属線3としては、ワイヤーメッシュとして編み込むための、ある程度の柔軟性を有する材料であることが必要であり、その用途によりステンレス線、鉄線、銅線、真鍮線等が選ばれる。
また、金属線3とは別に供給される繊維糸4としては、特に限定されないが、本実施形態では、水に浸して溶けることで除去可能な水溶性の糸としている。しかし、糸の種類はこれに限定されずに、燃焼により除去可能なもの、薬品や熱等で溶融除去できる糸など種々の材料の糸が利用できる。
上記の金属線3の供給装置は、編み機本体1の上部から金属線3を供給し、経路が空中でずれないように適宜テンションをかけながら編み針2に供給されており、上昇位置にある編み針2に係止する直前の位置で、図2及び図3に示す糸道切替装置5を通じて編み針2に供給されるようになっている。
繊維糸4についても、金属線3と同様に、編み機本体1の上部から供給され、経路が空中でずれないように適宜テンションをかけながら編み針2に供給され、上昇位置にある編み針2に係止する直前の位置で、糸道切替装置5を通じて編み機本体1に供給されるようになっている。
糸道切替装置5は、図2、図3で示すように、2つの揺動片6、7からなり、それぞれの揺動片6、7は、編み針2の群からなる円周の外周方向から内側に向かって下向きに配置されており、各揺動片6、7はその先端部に周囲をフッ素樹脂加工等をして抵抗を少なくした貫通孔8、9を有しており、金属線3は揺動片6の貫通孔8を通じ、また繊維糸4は揺動片7の貫通孔9を通じて編み機本体1に供給されており、また各揺動片6,7は、支軸10を回転中心として制御されて任意に上下に揺動可能となっている。
図2で示す揺動片6が下の位置の場合、貫通孔8から出た金属線3は、上昇位置の編み針2が回転移動することにより編み針2に引っ掛かり、逆に図3の揺動片6が上の位置の場合は編み針2に引っ掛からないような位置関係になっており、同様に、揺動片7が図3の下の位置の場合、貫通孔9から出た繊維糸4は、上昇位置の編み針2が回転移動することにより編み針2に引っ掛かり、逆に図2の揺動片7が上の位置の場合は編み針2に掛からないようになっている。
なお、本実施形態では、編み針2の群が円周上に沿って回転し、金属線3や繊維糸4の供給部は固定したものであったが、編み針2と金属線3は相対的に移動して編み上がるので、金属線3等の供給部側を編み針2の外周に沿って移動させたり、或いは両方を移動させたりしても編み上げは可能である。
次に、金属線3と繊維糸4によるワイヤーメッシュを編み上げる動作を図4乃至図13に沿って説明する。
まず、図4のように、揺動片6が下降位置で金属線3を所定の動作により編み針2により編み込んで行くが、その際、揺動片7は上昇位置で、繊維糸4は編み込まれていない。最初の編み始めの際は、繊維糸4は、編み込まれた金属線(ワイヤーメッシュ)の先端部に取り付けておく等すればよいが、繊維糸4の編み込みが始まるまで、繊維糸4の先端を適宜方法で固定しておいてもよい。
まず、図4のように、揺動片6が下降位置で金属線3を所定の動作により編み針2により編み込んで行くが、その際、揺動片7は上昇位置で、繊維糸4は編み込まれていない。最初の編み始めの際は、繊維糸4は、編み込まれた金属線(ワイヤーメッシュ)の先端部に取り付けておく等すればよいが、繊維糸4の編み込みが始まるまで、繊維糸4の先端を適宜方法で固定しておいてもよい。
金属線3を所定の長さ編み込み終了直前にて、編み機の編み速度を低下させる事が望ましい。これは金属線3から繊維糸4に糸道を切り替える時に、編み速度が早すぎると、糸道切替のタイミングによってはうまく切り替わらずに金属線3や繊維糸4が縺れたりするのを防止するためである。
図5のように、編み機の速度を低下させている最中に、糸道切替装置5における繊維糸4の供給用の揺動片7を上位置から下位置になるように支点10を中心に揺動させて下げ、金属線3の供給用の揺動片6と並ぶようにする。そして所定の針数分を編み針2により金属線3と繊維糸4を併せて編み込んでいく。
所定回数金属線3と繊維糸4を編み込んだ後、図6のように、金属線供給用の揺動片6を支点を中心に上昇させると、金属線3は編み機の編み針2に引っ掛かる位置から外れ、繊維糸4のみが編み針2に引っ掛かる位置となる(図3も同様)。
その後、図7、図8のように、編み機が連続作動して、回転移動する編み針2の群が次々に繊維糸4を引っ掛けて編んでゆき、揺動片6の上昇時点で編み針2に引っ掛かっていた金属線3も暫くは編み込まれるが、揺動片6の上昇後には金属線3は編み針2には引っ掛からない。
図9に示すように、繊維糸4の編み込み中は、金属線3は揺動片6の貫通孔8部分から編み込まれたワイヤーメッシュの金属線3の編み込み停止部分に繋がっているが、それ以上編み込みはされておらず、繊維糸4の編み込みが進むに従い、つられて引き込まれていく。
繊維糸4が所定の回数編み込まれた後、再度、編み機の編み速度を低下させる事が望ましい。これは、前述の金属線3から繊維糸4への切替時に金属線3や繊維糸4が縺れたりするのを防止するのと同じ目的である。
図10のように、編み機の速度を低下させている最中に、まず金属線供給用の揺動片6を上位置から下位置になるように支点10を中心に揺動させて下げ、繊維糸供給用の揺動片7と並ぶようにする。そして所定の針数分を編み針2により金属線3と繊維糸4を併せて編み込んでいく。
所定回数金属線3と繊維糸4を編み込んだ後、図11のように、繊維糸供給用の揺動片7を支点10を中心に上昇させると、繊維糸4は編み機の編み針2への引っ掛かり位置から外れ、金属線3のみが編み機の引っ掛かり位置となる。
図12、図13のように、編み機が連続作動して、回転移動する編み針2の群が次々に金属線3を引っ掛けて編んでゆき、揺動片7の上昇時点で編み針2に引っ掛かっていた繊維糸4も暫くは編み込まれるが、揺動片7の上昇後には繊維糸4は編み針2には引っ掛からず、金属線3の編み上げに従い直線状に供給され続ける。
更に、所定回数金属線3を編み上げた後、再度糸道切替装置5により金属線3から繊維糸4に一旦切り替えて編み込み、再度金属線3に戻すことを繰り返すことで、得られたワイヤーメッシュ11は、図18(A)で示したワイヤーメッシュ11と同様に、所定寸法の金属網部分12とそれを区切る繊維網部分13とが交互になった筒状の長尺体となり、また繊維網部分13を挟んで隣り合う金属網部分12は、繊維糸4の編み込み時に編み込まれなかった1本の金属線の渡り線3aにより繋がれ、また、繊維網部分13も金属線3の編み込み時に編み込まれなかった1本の繊維糸の渡り線4aにより繋がれている。
この金属網部分12と繊維網部分13とが交互に編み上がった筒状のワイヤーメッシュ11は編み込まれに従って下方に送られるが、この下方に送られるワイヤーメッシュ11を途中でローラー(図示しない)等適宜方法で平たく折り畳んでゆく。
この折り畳みの際、次工程で切断すべき金属線の渡り線3aが中央に来るようにするが、例えば上記編み機本体1での糸道切替装置5付近でのワイヤーメッシュが折り畳み平面の中央に来る状態となるように折り畳み用のローラー等を配置しておくと、金属線の渡り線3aが折り畳んだワイヤーメッシュ11の中央部に位置するようになる。
図14は、金属線の渡り線3aを切断する工程で使用されるカッターを示すもので、折り畳んだワイヤーメッシュ11(図14では図示せず)とほぼ同じ幅の水平な平板状のカッター基板21と、ワイヤーメッシュ11の前方にあり同じくワイヤーメッシュ11とほぼ同じ幅の平板状のカッター基板22とからなり、カッター基板21とカッター基板22の間にワイヤーメッシュ11を挟むように配置される。
カッター基板21には、ワイヤーメッシュ11に対面する前方中央部に、下面がカッター基板21の下面と同一平面で、上面が先端部から上向きに傾斜することで刃先を形成したカッター23が突設されており、図示しない制御された適宜な駆動手段(例えば、モーター駆動、エア駆動)により、カッター基板21は水平方向前方に進退動できるようになっている。
カッター基板22は、カッター基板21のワイヤーメッシュ11を挟んだ前方位置にて、カッター基板21の下面と略同一平面が上面となるように固定して設置されており、このカッター基板22の上面のうち、カッター23に相対する辺の辺縁から下方に続く背面とは、鋭角をなして形成されている。
そして、前述の駆動手段でカッター基板21が前進動し、前進停止した位置では、カッター23の先端部がカッター基板22の上面と少し重なる位置となることで、カッター23とカッター基板22との間に挟み込まれた金属線(金属線の渡り線3a)が切断されることになる。
なお、この考案でのカッターは図示実施形態のものに限定されるものではなく、種々の形態、作用のものを用いることができ、要するに編み上がったワイヤーメッシュの繊維網部分における金属線の渡り線を適宜制御手段にて切断可能なカッターであればよい。
図15(A)〜(C)は、前述の図示しないローラー等により平たく折り畳まれたワイヤーメッシュ11に対して、金属線の渡り線3aを切断する工程を示す正面図である。
平たく折り畳まれたワイヤーメッシュ11は、編み機本体1により編み込まれると共に順次下方に送られ続けるが、その経路途中でワイヤーメッシュ表面に接するように配置された金属片20からなるセンサーが設けられ、グランド電圧に対して金属片20に電圧をかけておけば、金属片20が金属網部分12に接している場合は通電し、繊維糸部分13に接した場合(図15(A)参照)は、通電しないことで、ワイヤーメッシュの金属網部分12や繊維網部分13がどの位置にあるか判定できる。
この判定に基づき、繊維網部分13での金属線の渡り線3aの切断タイミングを図る。その方法は、金属片20のセンサーにより繊維網部分13の位置を検知してから、検知した繊維網部分13の中央部がその下方にあるカッターによる金属線の渡り線3aの切断位置(図15(B)の位置)に来るまでに必要な所定回数編み込まれるタイミングを待ってから、切断作業を行う。
なお、この実施形態の金属片20などによるセンサーは必須のものではなく、編み機本体1の編み込みのプログラミング(ソフトウエアの設定)から繊維網部分13の位置を推定して切断することも可能である。しかし、実施形態のように別途センサーによって繊維網部分13の位置を判定すれば、本体の設定に影響を受けずに最適なタイミングで位置判定できるので、本体側設定で金属網部分13の編み込み寸法等を変えても最適なタイミングで切断できると共に、特許文献2に示したようなワイヤーメッシュ編み機に後付けでセンサやカッターを設けて、本体プログラミング等に影響を与えずに本願考案のような構成にすることもできる。
また、金属網部分12と繊維網部分13を認識するセンサーにしても、この実施形態のような金属片20への通電によるものに限られず、例えばカメラを用いて画像処理により金属網部分12と繊維網部分13を判別したりする等、この考案の目的の範囲内で、既知の技術による種々のセンサー、検知方法を採用することができる。
図15(A)にて繊維網部分13が認識され、編み込みによる所定のタイミングの経過後、繊維網部分13が図15(B)の位置まで下りて来ると、前記カッター基板21を駆動し、切断作業が行われる。
図16(A)(B)(C)は、図15(B)におけるカッター23付近のx−x線矢視図である。
まず、筒状で平たく折り畳まれた状態の繊維網部分13の内側には、上下の金属網部分12、12の間で編み込まれなかった金属線の渡り線3aが存在している(図16(A)参照)。
まず、筒状で平たく折り畳まれた状態の繊維網部分13の内側には、上下の金属網部分12、12の間で編み込まれなかった金属線の渡り線3aが存在している(図16(A)参照)。
ここで、前述の制御された駆動手段によりカッター基板21が前進動することでカッター23が対向位置のカッター基板22の鋭角の辺縁とハサミのように重なり、前後の繊維網部分13、13を切断し、同時に金属線の渡り線3aも切断する(図16(B)参照)。
切断後直ちにカッター基板21は後退動し元の位置に待機する。そして金属線の渡り線3aは完全に切断されることになる(図16(C)参照)。
図15(C)に示すように、切断作業後、更に編み込み作業によりワイヤーメッシュ11は下方に送られていくが、カッター23による切断部24は繊維網部分13の中央のカッター23の幅部分のみで他の部分は切断されておらず、この状態ではワイヤーメッシュ11は分断されておらず長尺状のまま下方に送られる。
その後、編み込み作業に従いワイヤーメッシュ11は下方に順次送られていき、次の繊維網部分13が金属片20によるセンサーにより位置を検出されれば、再び図15(A)(B)(C)のように、金属線の渡り線3aの切断作業を繰り返してゆく。
当該ワイヤーメッシュ11は、長尺状のまま次加工場所まで搬送や納品がされ、加工直前に水に漬けられ、水溶性の繊維糸4からなる繊維網部分13および繊維糸の渡り線4aを水に溶かして取り去れば、金属線3からなる金属網部分12のみのワイヤーメッシュとなると共に、各金属網部分12を繋いでいた金属線の渡り線3aが予め切断されているので、直接所定寸法に分断済みのワイヤーメッシュが得られ、直ちに次工程で種々の部品に加工される。
なお、この考案のワイヤーメッシュ編み機は、上記実施形態に限られること無く、例えば、金属線や繊維糸の供給部分は1箇所としたが、大径のワイヤーメッシュを得る編み機等では、編み針群の円周上に2箇所以上の供給部分を設けて編み込みを行ってもよい。
また、編み針の形状、または糸道切替装置の態様も、本実施形態に限定されることなく、本考案の目的の範囲内で適宜設計変更して実施できることは言うまでも無い。
更に、本実施形態では、各糸道切替装置5における金属線3用の揺動片6、繊維糸4用の揺動片7は一本ずつとしたが、金属線を2種類以上供給し、各金属線を別々の揺動片6にて供給し、複数の揺動片6を別個に制御できるようにすれば、金属線の種類が途中で変化したワイヤーメッシュとしたり、または一本の金属線のみ編み込んだ部分と複数本の金属線を編み込んだ部分とを有するワイヤーメッシュとしたり種々の形態のワイヤーメッシュが得られ、得られるワイヤーメッシュの用途が広がることになる。
例えば、切替用の揺動片を3つ用意し、2種類の金属線と繊維糸を通し、1種類目の金属線、2種類目の金属線、繊維糸の順に編み込んでいけば、1種類目の金属線からなる第1金属網部分と2種類目の金属線からなる第2金属網部分とが交互になった所定寸法のメッシュ状の筒状体が、後処理で除去可能な繊維網部分で区切られたワイヤーメッシュが得られる。即ち、金属線と繊維糸の種類やその数は適宜変えることができ、ワイヤーメッシュの用途により種々の要求に応えることができる。
もちろん、切替用の動作片を3つ以上用意し、より多種の金属線からなるワイヤーメッシュを構成することも可能である。
1 編み機本体
2 編み針
3、3′ 金属線
3a 金属線の渡り線
4 繊維糸
4a 繊維糸の渡り線
5 糸道切替装置
6、7 揺動片
8、9 貫通孔
10 支軸
11 ワイヤーメッシュ
12 金属網部分
13 繊維網部分
20 金属片
21、22 カッター基板
23 カッター
24 切断部
31 ワイヤーメッシュ
32 U字状の切れ端
2 編み針
3、3′ 金属線
3a 金属線の渡り線
4 繊維糸
4a 繊維糸の渡り線
5 糸道切替装置
6、7 揺動片
8、9 貫通孔
10 支軸
11 ワイヤーメッシュ
12 金属網部分
13 繊維網部分
20 金属片
21、22 カッター基板
23 カッター
24 切断部
31 ワイヤーメッシュ
32 U字状の切れ端
Claims (2)
- 円周上に並んだ編み針の群と、金属線の供給部と、繊維糸の供給部とからなり、金属線と繊維糸の供給位置を、それぞれが編み針に引っ掛かる位置と引っ掛からない位置とに変更することで編み針への供給対象を金属線と繊維糸とに切替可能な糸道切替装置を設け、編み針の群と前記糸道切替装置の少なくとも一方を前記円周上に沿って移動させ、所定寸法の金属線からなる金属網部分と所定寸法の繊維糸からなら繊維網部分とが交互に連なったワイヤーメッシュを編むワイヤーメッシュ編み機において、
編み上がったワイヤーメッシュの繊維網部分における両側の金属網部分を繋いでいる編まれていない金属線の渡り線を切断するカッターを備えたことを特徴とするワイヤーメッシュ編み機。 - 編み上がって所定位置に送られてくるワイヤーメッシュが金属網部分か繊維網部分かを検知するセンサーを設け、センサーの判定に基づいてカッターの切断動作タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載のワイヤーメッシュ編み機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005948U JP3195599U (ja) | 2014-11-10 | 2014-11-10 | ワイヤーメッシュ編み機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005948U JP3195599U (ja) | 2014-11-10 | 2014-11-10 | ワイヤーメッシュ編み機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3195599U true JP3195599U (ja) | 2015-01-29 |
Family
ID=52685285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014005948U Active JP3195599U (ja) | 2014-11-10 | 2014-11-10 | ワイヤーメッシュ編み機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3195599U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108978026A (zh) * | 2017-10-18 | 2018-12-11 | 上海钜荷热力技术有限公司 | 一种用于全预混燃烧器的金属纤维织物的编织设备 |
-
2014
- 2014-11-10 JP JP2014005948U patent/JP3195599U/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108978026A (zh) * | 2017-10-18 | 2018-12-11 | 上海钜荷热力技术有限公司 | 一种用于全预混燃烧器的金属纤维织物的编织设备 |
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