JP3195346U - 缶用トレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて簡単な構成でありながら、小さなスペースを有効に活用して即席の商品棚を形成でき、缶を安定して載置できるだけでなく、美しい外観を保って消費者の購買意欲を高め、かつ、不要時には重ね合わせて小さく保管できる缶用トレイを提供する。【解決手段】複数の缶2を縦横に並べた状態でこれらを載置する底面部3と、この底面部3に連接され縦方向と横方向の両側面に立設させた壁面部4と、この壁面部4の四隅の上端に連接すると共に壁面部4の厚さの半分以下の厚さを有する縁部5と、この縁部5に対応する壁面部4の下端に連接すると共に壁面部4の厚さの半分以下の厚さを有し、かつ、縁部5と重なるように配置された袖部6とを備える。【選択図】図4
Description
本考案は、缶用トレイに関するものであり、より詳細には、飲料品などの缶を段ボールケースに入れられた状態、6缶パックにしている状態、一列に並べてパックにしている状態および独立した缶を縦横に並べた状態の何れにおいても搭載可能な缶用トレイに関するものである。
従来より、飲用などの缶を販売するために陳列する場合、縦横に並べた缶を何段も積み上げた状態で直に配置することにより、商品展示を容易とすることが行なわれている。
図13は従来の缶の展示状態を説明する図である。90は飲料の缶であり、91はこの缶90を縦横に並べた状態で収納した段ボール箱、92はこの段ボール箱91をおくためのコンクリートブロック、93は段ボール箱91に取付けられたポップである。
このように缶90を展示することにより、限られたスペースを用いて缶90の販売スペースを確保することができ、缶90を棚に展開する手間を省くことができるという利点がある。
しかしながら、上述のように缶90を展示する場合には、水分で容易に劣化する段ボール箱91が直に床に接することがないようにスペーサとして機能するためのコンクリートブロック92のような足場を形成する必要があった。また、段ボール箱91の上に載置された缶90が簡単に転落し、商品価値を失う恐れがあるという問題もあった。加えて、商品展示スペースがあまりにも殺風景であるため購買意欲を高めるためのポップ93を別途形成する必要があった。
他方、特許文献1には段ボールではなく合成樹脂からなり、缶を収容していないときには展開して板状にしたり、折り畳んだりできる缶用運搬容器が記載されており、このような缶用運搬容器を用いることにより衛生面での問題を解決できる。しかしながら容器が段ボールに比べて大きくならざるを得ず、販売が進むにつれて缶を収容しなくなった容器が邪魔になるという問題が発生する。
本考案は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、極めて簡単な構成でありながら、小さなスペースを有効に活用して即席の商品棚を形成でき、缶を安定して載置できるだけでなく、美しい外観を保って消費者の購買意欲を高め、かつ、不要時には重ね合わせて小さく保管できる缶用トレイを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本考案は、複数の缶を縦横に並べた状態でこれらを載置する底面部と、この底面部に連接され縦方向と横方向の両側面に立設させた壁面部と、この壁面部の四隅の上端に連接すると共に壁面部の厚さの半分以下の厚さを有する縁部と、この縁部に対応する壁面部の下端に連接すると共に壁面部の厚さの半分以下の厚さを有し、かつ、縁部と重なるように配置された袖部とを備えることを特徴とする缶用トレイを提供する(請求項1)。
前記構成の缶用トレイは、複数の缶を縦横に並べた状態で底面部に載置でき、この缶の縦横両側面に壁面部が立設するので、缶の飛び出しや転落を防ぐことができる。壁面部は缶の転倒を防ぐことができる程度の高さを有することが好ましい。前記縁部が壁面部の上端に連接するので、それだけ缶の支持をより確実に行なうことができる。
前記袖部は壁面部の下端に連接するので底面部を床面から浮かせた位置に保持することができ、従来のようにコンクリートブロックなどを用いることなく、衛生的な設置を可能とする。また、袖部と縁部が重なるように配置されているので、未使用の缶用トレイを重ねて配置することができ、重ねた缶用トレイを用いて商品を展示する高さを調節することも可能である。
前記壁面部の縦方向の内面間距離は缶の直径の5倍+(0〜6)mmに形成されており、かつ、壁面部の横方向の内面間距離は缶の直径の6倍+(0〜11)mmに形成されている場合(請求項2)には、缶を縦横に6×5個密に並べて配置した状態で壁面部が缶の側面を支持できるので、缶の安定化に寄与する。なお、前記壁面部内の距離は缶の直径の倍数だけ離れていることにより、密に並べた缶の側面に当接するように壁面部を配置できる。
壁面部内の距離が缶の直径の倍数に加えて例えば6mm大きく形成されている場合は、缶の両側部に厚さの3mm弱の段ボールをそれぞれ1枚配置でき、缶の直径の倍数に加えて例えば11mm大きく形成されている場合は、厚さ3mm弱のボール紙をそれぞれ2枚配置できる。つまり、縦横に5×6個密に並べて配置した状態で段ボール内に収容した状態で段ボール箱ごと壁面部内に載置できる。
本考案の缶用トレイは、前記5×6個の缶を縦横に並べて梱包した段ボール箱のみならず、2×3個の缶を縦横に並べて梱包した6缶パック、5個の缶を一列に並べて熱収縮フィルムによって連結した5缶シュリンクパック、および、個々の缶をバラバラに並べたものの何れであっても搭載できる。
前記壁面部の内側面間の距離は前記缶を縦横に並べた状態で梱包した段ボール箱を収容可能に形成されており、かつ、壁面部と底面部との接合部には缶を密に縦横に並べた状態で載置可能な最小幅より僅かに大きい内面間距離を有するガタツキ防止段部が形成されている場合(請求項3)には、壁面部内の距離が段ボールをガタツキなく収容可能に形成されていても、ガタツキ防止段部の内面間距離は缶を密に並べた状態で載置可能な最小幅より僅かに大きいので、このガタツキ防止段部によって缶を安定して支持できる。
なお、ガタツキ防止段部の底面部からの高さは缶の底から太さが安定するまでの高さより高くなるように形成されていることが好ましい。
前記底面部は一辺が缶の直径とほぼ同じ長さの正方形を多数形成する格子状でかつ格子の交点が缶の中心となるように配置された筋と、格子を補強するようにその交点間を斜めに連結する斜め補強筋と、横方向に配置される筋の間に平行するように配置される横補強筋とを備える場合(請求項4)には、底面部に多数の貫通部を形成できるので、通気性がよく、万一雨などに濡れることがあったとしても水の溜りが発生することがない。加えて底面部を軽量化することができ、缶用トレイの製造コストを引き下げることもできる。
また、筋の交点が缶の中心となるように配置されているので、筋に対して缶の荷重が均等にかかるため、筋は荷重に十分に耐えることができる。さらに、斜め補強筋と横補強筋によってさらに荷重を分散することにより、強度をより引き上げることができる。
硬質の合成樹脂の一体成型によって形成されたものである場合(請求項5)には、缶用トレイの製造コストを可及的に引き下げることができる。缶用トレイを構成する合成樹脂は例えば軽量で高い強度を有するポリプロピレンであることが好ましい。
前記壁面部の外壁面に商品を紹介する商品宣伝部を形成してある場合(請求項6)には、缶用トレイを用いて宣伝を行うことができるので、缶用トレイを配置するだけで別の広告を形成する必要がない。
前述したように、本考案によれば、缶用トレイを載置するスペースさえあれば、缶の販売を行うことができる。缶用トレイはその裾部によって床面に接触するので床面から離れた位置に底面部を配置し、その上に商品の缶を縦横に並べた状態で載置することができる。
缶は段ボール箱に梱包されたものであっても、一列に並べた状態で熱収縮シートを用いて梱包されたものであっても、6缶を1パックにまとめたものであっても、個々の缶をバラバラに配置したものであってもよい。
ガタツキ防止段部を壁面部と底面部の接合部に設けることにより、底面部に載置した缶の安定化を図ることができる。また、底面部を筋によって形成することにより、軽量化を行い、通気性を向上できる。なお、缶用トレイが合成樹脂からなることにより更なる軽量化を達成できる。加えて、壁面部に設けた商品宣伝部によって缶の宣伝を兼ねることができる。
以下、図1〜図6を用いて、本考案の実施形態に係る缶用トレイ1の構成を説明する。
図1〜図6に示す缶用トレイ1は、複数の缶2(図4〜図6のみに図示)を縦横に並べた状態で載置するものであり、図2に示すように缶2を載置する底面部3と、この底面部3に連接され縦方向と横方向の両側面に立設させた壁面部4と、この壁面部4の四隅の上端に連接すると共に壁面部4の厚さの半分以下の厚さを有する縁部5と、この縁部5に対応する壁面部4の下端に連接すると共に壁面部4の厚さの半分以下の厚さ(図2参照)を有し、かつ、縁部5と重なるように配置された袖部6とを備える。
前記缶2は例えば直径約53mm、高さ約104mmの円筒状の缶であり、内容物としてコーヒー、紅茶、清涼飲料水などの飲料、を収容するものである。前記壁面部4の縦方向の内面間距離Y(図3のみに図示)は271mm、すなわち、缶2の直径の5倍より6mm大きく形成されており、かつ、壁面部4の横方向の内面間距離X(図3のみに図示)は329mmすなわち缶2の直径の6倍より11mm大きく形成されている。すなわち、前記壁面部4の内側面間の距離X,Yは前記缶2を縦横に並べて梱包する厚さ約3mmのボール紙によって形成された段ボール箱7(図6のみに図示)を載置可能に形成されている。
8は前記壁面部4と底面部3との接合部に形成され、缶2を密に縦横に並べた状態で載置可能な最小幅より僅かに大きい内面間距離X’(図4のみに図示)を有するガタツキ防止段部であり、このガタツキ防止段部8の底面部3からの高さh(図4の拡大図参照)は、缶2の底から最大外径となる部分までの距離iよりも高くなるように形成している。
図5に示す9は段ボール箱7を水平方向に切り開いて形成されるボール紙による壁面である。すなわち、缶2を展示する際に最上段以外の段ボール箱7は水平方向に切り開いて積み上げることにより、缶用トレイ1の側壁面4よりも高い位置まで缶2を支持して安定感を向上させることができ、かつ、最上段の缶2が売り切れたときには最上段の缶用トレイ1を取り除くことにより、そのまま缶2の販売を続けることができる。
図3に示すように、前記底面部3は一辺が缶2の直径とほぼ同じ長さの正方形を多数形成する格子状でかつ格子の交点Oが缶2の中心となるように配置された筋3Aと、格子を補強するようにその交点間を斜めに連結する斜め補強筋3Bと、横方向に配置される筋3Aの間に平行するように配置される横補強筋3Cとを備える。なお、各筋3A〜3Cは何れも平面部とその両側に設けたリブとを備え、これによって軽量化と強度確保を実現している。
前記缶用トレイ1はポリプロピレンなどの硬質樹脂を用いて形成されることにより、軽量化と強度確保を実現することができる。
また、前記壁面部4の外側面は例えば1.5°などの僅かな傾斜を付けて末広がりとなるように形成されており。図1に示すように、壁面部4の外側面には缶2を宣伝する文字、メーカ名などのロゴを記載してなる商品宣伝部10を形成している。
図6に示すように、本実施形態の缶用トレイ1は例えば厚さ3mm弱のボール紙によって形成され、内部に缶2を梱包してなる段ボール箱7は壁面部4の内側面に段ボール箱7の外側面が当接し、段ボール箱7の底面が前記ガタツキ防止段部8の上面に当接することに、安定して載置される。
図7に示すように、上記構成の缶用トレイ1を用いることにより、缶用トレイ1を床面に載置した上に、缶2を縦横に並べて梱包した段ボール箱7を数段重ねて搭載することができる。すなわち、床面に載置された缶用トレイ1は裾部6によって床面から少し浮かせた状態で段ボール箱7を設置できるので、仮に床面が濡れるようなことがあっても商品を傷めることがない。
また、段ボール箱7の上にさらに缶用トレイ1を搭載してその上に段ボール箱7から取り出した各缶2を並べて配置することができる。すなわち、商品の販売状況に合わせて段ボール箱7を一つ一つ開封し、展示することができる。このとき、本実施形態の缶用トレイ1にはその底面部3(図示されていない)と壁面部4との接続部にガタツキ防止段部8が形成されているので、縦横に密に並べて密着させた缶2を安定させることができる。
これら縦横に並べられた缶2の上には、さらに缶用トレイ1が搭載され、さらにその缶用トレイ1の上に段ボール箱7から取り出した缶2を並べて配置することができる。すなわち、本考案の缶用トレイ1を用いることにより段ボール箱7を一個置くことができる程度の狭い販売スペースであっても、安定して多数の缶2を縦横に並べて配置することができる。
缶用トレイ1の壁面部4には商標等を印刷するなどして商品を宣伝する商品宣伝部10が形成されているので、この缶用トレイ1を配置するだけで商品を適正に宣伝できる。なお、複数の缶用トレイ1を用いることにより、これに記載された商品宣伝部10は強調され、また、商品宣伝部10が揃っているので美しく飾りながら宣伝することができる。
さらに、図8に示すように、本考案の缶用トレイ1は上下に複数段重ねて配置することが可能である。すなわち、下方に位置する缶用トレイ1の縁部5が上方に位置する袖部6に嵌合することにより、上下に組み合わされた缶用トレイ1は強固に組み合わされ、そのスペースを小さくすることができるだけでなく、複数団の缶用トレイ1を組み合わすことにより、缶2の展示高さを微調整することも可能となる。
なお、上述の例では個々の缶2がバラバラに缶用トレイ1上に搭載される例を示しているが、本校案は缶2が個別に搭載される場合のみならず、段ボール箱7に梱包された状態でも搭載することができる。加えて、缶2を薄いフィルムや紙でパッキングした状態であっても載置可能である。
すなわち、図9に示すように、5個の缶2を一列に並べた状態で、全体を熱収縮フィルム11によってパッキングした、5缶シュリンク20と呼ばれるパックにすることがある。
あるいは、図10に示すように、6個の缶2を2列3行に並べた状態で、全体を厚紙などによって形成した包装紙21によって包装した、6缶パックと呼ばれるパック22にすることもある。
図11は5缶シュリンク20の状態で缶用トレイ1に載置した場合の例を示す図である。5缶シュリンク20の状態では缶2同士が連結しているので、より安定して商品を展示することができる。
図12は6缶パック22の缶2を縦横に並べて缶用トレイ1上に配置した状態を示す図である。図12のように6缶パック22の方向を変えることにより、缶用トレイ1内に隙間なく6缶パック22を配置可能であり、これによって安定感が向上する。
1 缶用トレイ
2 缶
3 底面部
3A 筋
3B 斜め補強筋
3C 横補強筋
4 壁面部
5 縁部
6 裾部
7 段ボール箱
8 ガタツキ防止段部
10 商品宣伝部
2 缶
3 底面部
3A 筋
3B 斜め補強筋
3C 横補強筋
4 壁面部
5 縁部
6 裾部
7 段ボール箱
8 ガタツキ防止段部
10 商品宣伝部
Claims (6)
- 複数の缶を縦横に並べた状態でこれらを載置する底面部と、
この底面部に連接され縦方向と横方向の両側面に立設させた壁面部と、
この壁面部の四隅の上端に連接すると共に壁面部の厚さの半分以下の厚さを有する縁部と、
この縁部に対応する壁面部の下端に連接すると共に壁面部の厚さの半分以下の厚さを有し、かつ、縁部と重なるように配置された袖部とを備えることを特徴とする缶用トレイ。 - 前記壁面部の縦方向の内面間距離は缶の直径の5倍+(0〜6)mmに形成されており、かつ、壁面部の横方向の内面間距離は缶の直径の6倍+(0〜11)mmに形成されている請求項1に記載の缶用トレイ。
- 前記壁面部の内側面間の距離は前記缶を縦横に並べた状態で梱包した段ボール箱を収容可能に形成されており、かつ、壁面部と底面部との接合部には缶を密に縦横に並べた状態で載置可能な最小幅より僅かに大きい内面間距離を有するガタツキ防止段部が形成されている請求項1または請求項2に記載の缶用トレイ。
- 前記底面部は一辺が缶の直径とほぼ同じ長さの正方形を多数形成する格子状でかつ格子の交点が缶の中心となるように配置された筋と、格子を補強するようにその交点間を斜めに連結する斜め補強筋と、横方向に配置される筋の間に平行するように配置される横補強筋とを備える請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の缶用トレイ。
- 硬質の合成樹脂の一体成型によって形成されたものである請求項1〜請求項4の何れかに記載の缶用トレイ。
- 前記壁面部の外壁面に商品を紹介する商品宣伝部を形成してある請求項1〜請求項5の何れかに記載の缶用トレイ。
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JP2014005722U JP3195346U (ja) | 2014-10-28 | 2014-10-28 | 缶用トレイ |
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Publications (1)
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