JP3195192B2 - ロータリーキルンにおける廃プラスチックの吹き込み方法 - Google Patents

ロータリーキルンにおける廃プラスチックの吹き込み方法

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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来あまり燃料として
使用されてない廃プラスチックを燃料して、生石灰・焼
ドロマイト或いはポルトランドセメント等を製造するロ
ータリーキルン更には都市ゴミの焼却炉としてのロータ
リーキルンに吹き込む方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃プラスチックは高い熱量を有する熱源
であるが、廃プラスチックの燃焼性が他の燃料、例えば
微粉炭に比較して劣るため主に投棄されていた。然し、
環境問題、或いは資源の有効活用の見地から徐々に廃プ
ラスチックの再利用が図られてきた。
【0003】廃プラスチックが高い熱量を有する熱源で
あることに着目し、廃プラスチックを利用したセメント
クリンカーの製造方法は特開昭46−15037号公報
において開示されている。この公報においては廃プラス
チックをセメントクリンカーを製造するロータリーキル
ン内に添加することによって安価にセメントクリンカを
製造できるとしているが、どのような方法において廃プ
ラスチックをロータリーキルンの中に添加するかについ
ては具体的な技術は何ら開示されていない。
【0004】また、特開平6−8247号公報において
はロータリーキルンの中に繊維強化プラスチックを添加
して処理する方法が開示されている。しかし、この方法
においては繊維強化プラスチックを90μm以下の粒子
に破砕して添加しており、経済的とは言えない。
【0005】また、特公昭59−11545号公報にお
いては都市廃棄物を利用するポルトランドセメントの製
造方法が開示されている。この方法においては、都市廃
棄物を予め流動床燃焼装置において、予備的に燃焼させ
都市廃棄物を処理する方法を提案している。
【0006】従来、ポルトランドセメント、或いは生石
灰・焼ドロマイトが所謂ロータリーキルンを用いて製造
されていることは良く知られている。ロータリーキルン
は装入物に対して燃焼ガスの通過する空間が比較的大き
いため、種々の燃料を燃焼するために好都合である。
【0007】図4に生石灰・焼ドロマイトを製造するロ
ータリーキルンのー設備の概要を示した。以下、ロータ
リーキルンにおける生石灰・焼ドロマイトの製造方法の
概要を説明する。石灰石・ドロマイトは原石を収容する
原石サイロ1から原石を予熱するためのグレートプレヒ
ーター2に添加され、予めロータリーキルンからの排ガ
スによって予熱し、その後、ロータリーキルン6に装入
される。
【0008】ロータリーキルンは円形の鉄皮を耐火物で
内張りされた円筒状の加熱炉であって、一定の速度で軸
の回りに回転している。図において左側の裝入口から装
入された石灰石・ドロマイトは回転した炉内を通過し、
右側の出口方向へ移動する。尚、ロータリーキルンは図
に示すとおり、原料の裝入口は出口方向に対して3/1
00〜4/100上向きに傾斜しており、装入された石
灰石・ドロマイトは焼成されながら炉内を回転しつつ、
生石灰・焼ドロマイトに変化して出口方向に移動する。
【0009】出口においては、燃料として例えば微粉炭
を供給する微粉炭供給装置8が備えられており、微粉炭
はノズルを介して炉内に吹き込まれ、空気により燃焼し
て、炉内を1000℃以上の高温に保持する。この微粉
炭の燃焼により発生した熱により石灰石は焼成されて生
石灰・焼ドロマイトに変化する。
【0010】微粉炭の燃焼のための空気は、排出された
生石灰・焼ドロマイトを冷却するためのグレートクーラ
を通過することにより熱交換を行い、一方では高温の生
石灰・焼ドロマイトを冷却し、他方では高温となった空
気は出口側から上記ロータリーキルンの中に吹き込ま
れ、前記微粉炭を燃焼するための空気の供給源となる。
【0011】ロータリーキルン内の温度は出口側が約8
00℃前後であり、特に微粉炭が燃焼する際に生ずる火
炎のある部分は部分的には1500℃以上となり、石灰
石・ドロマイトの分解反応に伴って温度が低下し、石灰
石・ドロマイトの裝入口側、即ちガスの排出口側におい
ては1000℃程度まで温度が低下する。
【0012】この1000℃程度の高温の排ガスは前述
のグレートプレヒーターに上乗せされた石灰石・ドロマ
イトを予熱し、ここでその熱の一部を放出した後、廃熱
ボイラ3を通り、更に集塵機4を通り、更に湿式集塵機
5を通過した後、外部に排出される。
【0013】以上が生石灰・焼ドロマイトを製造するロ
ータリーキルン設備の概要であるが、ポルトランドセメ
ントの製造方法も基本的には同様である。。従来、ロー
タリーキルンでは燃料として主に微粉炭を利用し、一部
に重油を利用していることもある。しかしながら、これ
らの燃料は何れもコスト高であり、ポルトランドセメン
トも生石灰・焼ドロマイトもより安価に製造することが
求められている。
【0014】これらの微粉炭は約6000kcal/k
g,重油は約10000kcal/kg程度の発熱量を
有する。一方、廃プラスチックは約10000kcal
/kg程度の熱量があり、微粉炭等と共に貴重な熱源と
なりうる可能性がある。
【0015】しかしながら、通常廃プラスチックは粒子
状で得られ、前述の通り燃焼が容易でないため、従来投
棄されているのが現状であった。ここで廃プラスチック
として、ポリエチレン、ポリプロプレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニール等の廃棄物が現在多量に発生して
いる。従って、これらを熱源として利用し、他方ではこ
の安価なプラスチックを利用し、生石灰・焼ドロマイト
或いはポルトランドセメント等を安価に製造することが
求められている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、前
述の通り産業上重要な生石灰・焼ドロマイト或いはポル
トランドセメントをよりを安価に製造するため、従来単
に投棄処理等をなされていた廃プラスチックを燃料とし
てロータリーキルンに吹き込み、効率よく燃焼させる方
法を目的とする。
【0017】しかしながら、廃プラスチック粒子を燃料
として利用する際の問題点は、重油、微粉炭等の燃料と
異なり、燃焼する前に熱分解させる必要があり、そのた
め簡単に燃焼させることは困難であるという問題点があ
る。
【0018】また、ロータリーキルンの中において完全
に燃焼し、その燃焼熱を利用するためには短い炉内滞留
時間(通常炉内におけるガス滞留時間は約10秒以内と
されている)内で完全に燃焼し、発生した熱を有効に利
用しなければならないという問題がある。従って、先
ず、ロータリーキルンの中に廃プラスチックをどの様に
吹き込むかという吹き込む方法の問題がある。
【0019】更には、廃プラスチックをより完全に燃焼
するためにロータリーキルンの如何なる位置に吹き込
み、効率よく燃焼させるかという問題がある。また、廃
プラスチック粒子を短い炉内滞留時間において十分に燃
焼させ、その燃焼熱を利用するためには、廃プラスチッ
ク粒子の適切な粒度を選択する必要がある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1の発明は、 下記の工程を備えたことを
特徴とするロータリーキルンにおける廃プラスチックの
吹き込み方法を提供する。(a)廃プラスチック粒子を
細束流とする工程と、(b)前記廃プラスチック粒子の
細束流を主燃料の吹き込み位置の上側から前記ロータリ
ーキルン内に燃料として吹き込み、未燃焼の廃プラスチ
ック粒子のロータリーキルン内における着地点の酸素濃
度が5vol%以上で、かつ、その温度が1000℃以
上であるように吹き込む工程。
【0021】(2)請求項2の発明は、前記廃プラスチ
ック粒子が粒径20mm以下のポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン又はこれらの2種以上の混合物で
あることを特徴とする請求項1に記載されたロータリー
キルンにおける廃プラスチックの吹き込み方法を提供す
る。
【0022】(3)請求項3の発明は、前記廃プラスチ
ック粒子が粒径10mm以下のポリ塩化ビニールである
ことを特徴とする請求項1に記載されたロータリーキル
ンにおける廃プラスチックの吹き込む方法を提供する。
【0023】(4)請求項4の発明は、前記ロータリー
キルンに吹き込まれる廃プラスチック粒子の燃焼による
発熱量が、全燃料の発熱量に対して50%以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたロ
ータリーキルンにおける廃プラスチックの吹き込み方法
を提供する。
【0024】
【作用】前述の通り、廃プラスチック粒子をロータリー
キルン内において短時間に燃焼させる基本的な条件を定
めることが必要となる。そこで以下のような予備実験を
行った。直径5〜20mmの廃プラスチック粒子を採取
し、1000℃に保持した時、ガス化して燃焼するまで
の時間を調査した。小型の実験炉において廃プラスチッ
ク粒子を酸素濃度の種々異なる雰囲気において完全燃焼
迄の時間を調査した。
【0025】その結果、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等の粒子は直径20mm以内であれば
1000℃以上において炉内の雰囲気の酸素濃度が5v
ol%以上である時は5秒以内にガス化し完全に燃焼す
ることが確認された。しかし、ポリ塩化ビニールは分解
反応が遅く直径10mm以内の粒子であれば1000℃
以上において炉内の雰囲気の酸素濃度が5vol%以上
である時は5秒以内にガス化し完全に燃焼することが確
認された。
【0026】また、長さ約50mのロータリーキルン内
におけるガスの滞留時間は前述の通り10秒以内、通常
7秒〜8秒であるから、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等の粒子は直径20mm以内であれ
ば、ポリ塩化ビニールの粒子は直径10mm以下であれ
ばそれぞれロータリーキルン内において、十分にガス化
し、且つ燃焼することを確認した。
【0027】次に、ロータリーキルンにおいて、どのよ
うに上記廃プラスチックを燃焼させるかついて調査をお
こなった。図1に通常の操業条件におけるロータリーキ
ルン内の状況を計算し、炉内温度及び燃焼ガス中の酸素
濃度の分布等を示した。なお、図1に示す計算結果は、
図5に示すようにロータリーキルンの鉄皮温度の計算及
び実測(放射温度計による)結果とよく一致しており、
計算結果の妥当性を示す。通常ロータリーキルンは長さ
約50m程度であって、例えば生石灰・焼ドロマイト製
造の場合は、炉内ガスの温度は、出口では約600℃、
約2mの場所で1000℃となり10mの場所で約15
00℃以上となり、石灰石・ドロマイトの裝入口に向か
って徐々に温度が低下し、約900℃となる。
【0028】他方、固体装入物である石灰石・ドロマイ
トは一部予熱されて装入されるため、装入口では800
℃程度であり徐々に分解反応を行い裝入口から約10m
の箇所において1000℃を超える温度となり十分に分
解反応を行い生石灰・焼ドロマイトに変化し、出口より
排出される。
【0029】前述の通り、炉内のガス温度は、装入口で
は約900℃、出口から約10mの場所で1600℃を
超え、出口から約2mの場所で1000℃となり出口で
は600℃まで低下する。一方、炉内の酸素濃度は出口
においては空気が供給されるため、21vol%存在す
るが出口側から炉内へ吹き込まれる燃料、例えば微粉炭
が燃焼するため徐々に酸素濃度が低下し出口から約10
mの場所で5vol%、約15mの付近においては酸素
濃度がほぼ2vol%となる。なお、上記酸素濃度の計
算結果は、炉からのガスサンプルの分析結果とよく一致
しており、計算結果の妥当性を証明している。
【0030】このような状況において廃プラスチックを
十分に燃焼させるためには、少くとも酸素濃度が5vo
l%以上存在している範囲において廃プラスチックを投
入し、完全に燃焼させることが必要となる。そこで主燃
料である微粉炭と共に廃プラスチックを炉内に吹き込む
位置、方法等が廃プラスチックを燃料として利用するた
めに極めて重要な課題となる。
【0031】この点を図2により説明する。図2(a)
はロータリーキルン出口付近の縦断面を模式的に示した
ものである。図2(a)においてロータリーキルン6の
出口において主燃料である微粉炭は微粉炭吹き込みノズ
ル14を介して断面がほぼ円形の炉内に吹き込まれ、こ
の際、微粉炭の燃焼により火炎16が形成される。この
長さL1 は例えば炉内の酸素濃度及びガス温度等を考慮
すると約15mである。この点はロータリーキルン内に
おける灰分の付着状況、観察窓からの炉内の目視等から
確認した。
【0032】一方廃プラスチックは前述の通り、直径2
0mm又は10mm以下の固体粒子となっているため、
ロータリーキルン内で燃焼させるためには、その出口付
近に位置する廃プラスチック吹き込みノズル18から細
束流とし一定の初速をもって炉内に吹き込まれる。この
際、固体粒子は瞬間的には燃焼しないために、所定の軌
跡180に沿って燃焼しながら一部はロータリーキルン
の底部に落下していく。その着地点をL2 とする。
【0033】先ず、廃プラスチックを十分に燃焼させる
ためには主燃料の上側において廃プラスチックを細束流
として吹き込むことが前提となる。即ち、前記廃プラス
チック粒子の細束流を主燃料の吹き込み位置の上側から
前記ロータリーキルン内に燃料として吹き込み、燃焼さ
せることが必要である。
【0034】次に、前述の通り、L1 以上においては既
に酸素濃度は2vol%程度となっているため、酸素濃
度は5vol%程度とするためには着地点L2 は例えば
出口から約10mの場所となる。この場所は固体装入物
の温度から1000℃を超えているので、廃プラスチッ
クの燃焼は容易である。また、L2 の最小値はL1 の約
10%が望ましい。あまり出口に近い場所に廃プラスチ
ック粒子が着地すると温度が低いために未燃焼のまま排
出されるからである。
【0035】次に望ましい吹き込み位置について更に調
査を行った。図2(b)は図1(a)のA−A断面にお
ける炉内の状況を示す。同図において炉体は時計方向
(矢印の方向)において回転しているため固体装入物2
0は図において第3象限の位置に偏った状態において存
在している。
【0036】更に、ノズル18を介して炉内に吹き込ま
れた廃プラスチックを効率よく燃焼させるためには以下
の様な条件が望ましい。より速い燃焼を促進するために
は、吹き込みノズルにより廃プラスチックを細束流と
し、この細束流が主燃料である微粉炭が形成する火炎1
6を横切るように落下させることが望ましい。廃プラス
チック粒子を火炎により加熱し、速い燃焼を促進するた
めである。
【0037】通常微粉炭の吹き込みにおいては図に示す
ように例えば時計回りにその火炎を回転させている。そ
こで、微粉炭吹き込みノズルの上方に廃プラスチック吹
き込みノズル18を位置せしめると、廃プラスチックの
軌跡は図中点線で示すような軌跡を通り図2(b)に示
すように、炉内の第4象限に落下し着地する。このよう
に落下させた場合には落下した廃プラスチックの粒子は
固体装入物である生石灰・焼ドロマイト或いはポルトラ
ンドセメントと混合をせず、従って製品が廃プラスチッ
クと混合することはなくその品質が保持されることにな
る。
【0038】廃プラスチックの吹き込み量は、種々予備
実験した結果、生石灰・焼ドロマイト或いはポルトラン
ドセメント等を製造するために必要な全発熱量の50%
までは廃プラスチックを使用できることができる。これ
以上廃プラスチックを使用すると未燃焼の廃プラスチッ
クが製品に残留し、望ましくないからである。
【0039】次に上記のように廃プラスチックを細束流
としてロータリーキルン内に吹き込むための装置につい
て簡単に説明する。図3に廃プラスチック吹き込み装置
の概要を示した。同図において廃プラスチックはホッパ
102内に装入しておき、ゲート104を通過し、ロー
タリーバルブ106によって所定の量を所定の時間内に
おいて噴射部108に、落下させる。
【0040】落下させた固体廃プラスチックはブロワー
110から空気によって噴射部108から配管113に
気送される。配管113を通過した廃プラスチックはノ
ズル18を通過して炉内に噴射される。ノズル18は、
その外側のガス冷却管又は水冷管116によって保護さ
れ、また、水冷管116の外側は例えば、耐火材の保護
管118によって保温されている。
【0041】この理由はロータリーキルンの出口側にフ
ード13が備えられており、このフード13を通過して
予熱された空気が下方からフード内に入り、次いでロー
タリーキルン内へ侵入するよう配慮されているためであ
る。即ち下方から侵入する予熱された空気によってノズ
ル18内の廃プラスチック粒子が管内において溶解する
ことを防止している。
【0042】尚、このような廃プラスチック粒子の吹き
込み装置は一例であって、このような装置に限定される
ものではない。また、廃プラスチックの種類としては前
述の通り、ポリエチレン、ポリプロプレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニール等何れのものでもよい。
【0043】また、廃プラスチックの粒子径としては最
大直径20mm迄のものならば使用が可能である。以上
の点からノズルの径としては廃プラスチックの粒子の3
〜4倍程度が望ましい。即ち、廃プラスチックの粒子が
直径10mmであれば吹き込みノズルの内直径は30〜
40mm程度が必要となる。
【0044】
【実施例】実施例においては表1に示すような全長約5
5mのロータリーキルンにおいて廃プラスチック粒子を
燃料として吹き込み、実験を行った。なお、この装置に
おいては従来、主に微粉炭を主たる燃料とし一部重油も
使用していた。表2に操業試験結果を示した。
【0045】このロータリーキルンにおいては一日、生
石灰・焼ドロマイトを400ton製造し、その他表に
示すような燃料を用いていた。ケース1として廃プラス
チックを240kg/hを吹き込み、ケース2において
は、約410kg/hを吹き込んで少くとも24時間操
業を行った。
【0046】尚、この際、廃プラスチックの燃焼による
発熱を考慮し、その分に相当する主燃料を減少させた。
発熱量から計算すると廃プラスチック吹き込み量はケー
ス1では10%、ケース2では18%である。表におい
て分解率は投入した石灰石の内、生石灰・焼ドロマイト
となったもののパーセンテージである。この表の結果か
ら特に出口の燃焼ガスの濃度については大きく変化がな
く、しかも、また、分解率を考慮しても良好な製品が得
られた。また、出口の排ガスの成分組成を分析した結
果、通常の微粉炭焼成と同じく、炭化水素の組成は約1
0vol・ppmであった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の方法によ
り廃プラスチック粒子を適切な方法で、且つロータリー
キルン内の適切な箇所に添加することにより廃プラスチ
ックを十分に燃焼させ、しかも、従来通りの製品として
生石灰・焼ドロマイトが得られた。また、廃プラスチッ
クはコスト上、低価であるため生産費の低減に大きく寄
与することができた。従って従来主に投棄されていた廃
プラスチックを有効に熱源として利用することができる
一方、廃棄物の低減にも寄与することができ、環境上極
めて有効な発明であることを証明することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータリーキルン内におけるガス組成、温度等
の分布を示す図である。
【図2】ロータリーキルン内における火炎と噴射された
廃プラスチック粒子の運動の軌跡を示す図である。
【図3】本発明において利用した廃プラスチック粒子の
吹き込み装置の概略を示す図である。
【図4】生石灰・焼ドロマイトを生産するためのロータ
リーキルン設備の概要を示す図である。
【図5】図1に示したロータリーキルン内におけるガス
組成、温度分布等の計算結果を確認するために鉄皮温度
を実測し、計算結果と対比して示した図である。
【符号の説明】
1 原石サイロ 2 グレートプレヒータ 3 廃熱ボイラ 4 集塵機 5 湿式集塵機 6 ロータリーキルン 8 微粉炭供給装置 14 微粉炭吹き込みノズル 18 廃プラスチック吹き込みノズル 20 生石灰・焼ドロマイト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 栄治 栃木県安蘇郡葛生町中央西2丁目7番18 号 (72)発明者 伊東 裕恭 栃木県佐野市堀米町1089番地6号 (72)発明者 磯崎 進市 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 立福 輝生 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 青木 丈彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 関口 毅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡部 雅之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−283051(JP,A) 特開 平8−283053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 2/00 - 7/60 B09B 3/00 F23G 5/20 F23G 7/12 F27B 7/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程を備えたことを特徴とするロ
    ータリーキルンにおける廃プラスチックの吹き込み方
    法。 (a)廃プラスチック粒子を細束流とする工程と、
    (b)前記廃プラスチック粒子の細束流を主燃料の吹き
    込み位置の上側から前記ロータリーキルン内に燃料とし
    て吹き込み、未燃焼の廃プラスチック粒子のロータリー
    キルン内における着地点の酸素濃度が5vol%以上
    で、かつ、その温度が1000℃以上であるように吹き
    込む工程。
  2. 【請求項2】 前記廃プラスチック粒子が粒径20mm
    以下のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又
    はこれらの2種以上の混合物であることを特徴とする請
    求項1に記載されたロータリーキルンにおける廃プラス
    チックの吹き込み方法。
  3. 【請求項3】 前記廃プラスチック粒子が粒径10mm
    以下のポリ塩化ビニールであることを特徴とする請求項
    1に記載されたロータリーキルンにおける廃プラスチッ
    クの吹き込み方法。
  4. 【請求項4】 前記ロータリーキルンに吹き込まれる廃
    プラスチック粒子の燃焼による発熱量が、全燃料の発熱
    量に対して50%以下であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載されたロータリーキルンにおける
    廃プラスチックの吹き込み方法。
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