JP3195101B2 - 燃料スペーサおよび燃料集合体 - Google Patents
燃料スペーサおよび燃料集合体Info
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Description
り、特に燃料集合体と燃料棒を保持する燃料スペーサ、
および燃料棒を挿入する管状フェルールに関する。
料集合体の燃料スペーサとして特開昭59-65287号公報の
第2A図に示す構造が提案されている。この燃料スペー
サは、内部に燃料棒が挿入される多数の管状フェルール
を格子状に配列し、隣接する管状フェルール相互を溶接
にて結合して構成したものである。また燃料棒と同様に
ウォーターロッドも、この管状フェルール内に挿入され
ている。
採用した燃料集合体について図41乃至図47を参照して説
明する。図41は沸騰水型原子炉に使用する燃料集合体の
一例で、一部切断正面図を示す。燃料集合体1はハンド
ル2を有する上部タイプレート3、下部タイプレート
4、両端部が上部タイプレート3および下部タイプレー
ト4とにより支持された多数の燃料棒5、この燃料棒5
の間に配置されたウォーターロッド6および軸方向に複
数個配置された燃料スペーサ7a,7bとからなってい
る。
個、上部に2個配置されていて、この燃料スペーサ7
a,7bにより複数の燃料棒5およびウォーターロッド
6相互の水平方向間隔を一定に保持している。さらに、
四角筒状のチャンネルボックス8が、燃料スペーサ7
a,7bによって束ねられた燃料棒5およびウォーター
ロッド6の束を取り囲んでいる。なお、チャンネルボッ
クス8は上部タイプレート3に取り付けられている。
部のみを下部タイプレート4に保持される。またウォー
ターロッド6の下端部には冷却水流入口6aが設けら
れ、上端部には冷却水流出口6bが設けられている。
A−A矢視図で、燃料スペーサ7bは図43の平面図で図
41のB−B矢視図に示すように、燃料棒5および短尺燃
料棒9と同数の管状フェルール10を格子状に配列して、
この管状フェルール10の束の外周を帯状の支持バンド11
にて取り囲んだものである。なお、支持バンド11の上端
には燃料棒5の間に内向きに湾曲した上向きの(下流側
へ突出した)突起11aが複数設けてある。さらに、格子
状に配列された管状フェルール10は、隣接している管状
フェルール10同士と点溶接にて接合されている。
10の両端、または近傍には特公昭63-48031号公報の第7
図に示すような突起、または特開昭59-65287号公報の第
3A図と第3B図に示すような突起が夫々2個設けられ
ている。これらの突起10aはフェルール10の一部を内側
に突出させたものである。なお、隣接する管状フェルー
ル10は上下端で点溶接12している。
に跨って前記図42、図43で示す連続ループバネ13が設置
されている。この連続ループバネ13の形状は、特開昭59
-65287号公報の第4図に開示されたものと同一であっ
て、高さ方向の中央部が外側に突出している。
昭 62-287184号公報第1図および第2図に開示されてお
り、図44に示す管状フェルール10の側面円筒部の1箇所
に縦方向に矩形の切り欠き部14を設け、この切り欠き部
14の一端、または上下端近傍(図44では切り欠き部14の
上下部)に爪部15を突設した形状で、隣接する管状フェ
ルール10の同じ切り欠き部14を相対させて突き合わせ、
これらの爪部15に燃料棒押圧用の連続ループバネ13を保
持させる。この結果、複数の管状フェルール10は格子状
に組み立てられる。
ル10の内径よりも太径の場合の燃料スペーサの開発が行
われており、このような例としては、特開昭 61-198096
号公報の第1図に示したものが提案されている。また従
来の管状フェルール10を格子状に配列した燃料スペーサ
7a,7bは、燃料棒5の挿入性を容易にすることと、
上下端を隣接する管状フェルール10同士で点溶接12し易
いように端面内側にチャンファを形成している。
面図に沸騰水型軽水炉で用いられている燃料集合体の一
例、すなわち正方形のチャンネルボックス8内に複数の
燃料棒5を全体として正方格子状に配置してなる燃料集
合体の要部が示されている。
れたウラン燃料の核分裂により発生した熱を燃料集合体
の下部より流入する冷却材である冷却水により除熱し、
一方、燃料棒5により加熱された冷却水の一部は燃料集
合体内で蒸気となって外部に抽出されてタービンを回転
する。
水は燃料集合体下部より液相流として流入し、チャンネ
ルボックス8内を上昇する間に燃料棒5で加熱されて沸
騰し、液相と気相からなる二相流となって上部へ通過す
る。
燃料棒5間の比較的広い流路中を流れるが、液相は一部
が気相に随伴して液滴となって流れ、その一部は燃料棒
5の表面、そしてチャンネルボックス8の内面を膜状に
なって流れる。燃料棒表面を流れる液膜が減少すると、
燃料棒表面熱伝達率が低下して(沸騰遷移開始)過熱が
起こる恐れがある。
沸騰遷移発生と燃料スペーサ7a,7bの形状との関係
のメカニズム解明が進み、燃料集合体1の出力が限界出
力に近づくと軸方向に複数個(現在7個乃至8個)配置
された燃料スペーサ7a,7bの上方から2段目乃至1
段目の下端側近傍(上流側)で沸騰遷移が生じ易いこと
が分かっている。かつ、沸騰遷移が生じている燃料棒表
面の周方向位置は、図47の燃料棒間流路の流速分布図で
示すように4本の燃料棒5で囲まれる燃料棒間流路17の
中心に面する部分(図47において45度方向の燃料棒表面
部位16)であることが分かっている。
ることによって、燃料スペーサ下流側の燃料棒表面に冷
却材の液滴を付着させて液膜を厚くする働きをするが、
燃料スペーサ上流側では燃料棒表面に沿って流れる液膜
を二相流の流れの乱れの結果、薄くして沸騰遷移を生じ
易くする影響も与える。
間流路17における、二相流の流速分布を等高線で示す。
この等高線に添え字で示した数字の小さいほど流速が大
きいことを示す。これにより流速分布は燃料棒表面の0
度、90度部位では遅く、45度部位では速いことが分か
る。実験による沸騰遷移を生じ易い燃料スペーサ下端近
傍の燃料棒表面の液膜厚さの測定結果も、この45度方向
の燃料棒表面部位16で液膜が薄くなる傾向を示してい
る。
液膜も厚い。これに対し45度部位(対角方向)では、流
路が広いので流速が速く、液膜の厚さが薄くなる。この
結果が従来沸騰遷移を生じる場合の燃料スペーサ下端近
傍の対角方向(45度)の燃料棒表面部位16であると考え
られる。
おいて、燃料スペーサ7a,7bの管状フェルールの下
流端において流れが剥離して燃料棒近傍で乱流を生じる
ため、環状流における蒸気相の中の液滴が流れの乱れに
より、燃料棒表面に付着するので、液膜流量は燃料スペ
ーサ7a,7b通過前よりも多くなる。これが燃料スペ
ーサ7a,7bによる限界出力の向上効果である。
の液滴を管状フェルール10の側壁に付着させ、下流端に
おいて燃料棒表面に近い位置で再び二相流中に飛散させ
るので燃料棒表面への付着確率が増し、燃料棒表面の液
膜流量増加に寄与する。これらより、二相流中の液滴を
効率よく捕獲して、燃料棒表面に付着し易いように二相
流の流れを変更することが考えられる。
料集合体および燃料スペーサ」の第2,4,5,6,8
図に示すように、管状フェルールの側壁の一部を外側に
屈曲させ旋回ベーンとなす構造、または旋回ベーンを4
つの管状フェルールの側壁外表面に囲まれる流路に挿入
する構造が開示されている。
る二相流の流れは二相流中に含まれる液滴を管状フェル
ール側壁、または同第6図の円管に付着させるだけであ
り、その結果で下流側に液滴を飛散させる時に燃料棒表
面に近い燃料スペーサ部材からの液滴飛散を多くするだ
けである。これは管状フェルールの基本的な流れの中に
おける下流側での様相を若干強化するだけで、燃料スペ
ーサ圧損の増加の割りには限界出力の向上度合いが小さ
い。
に旋回流を与えることにより燃料棒に振り向けるものと
して、旋回羽根により燃料スペーサを構成するもの(特
開平1-132990号公報)が提案されているが、このような
燃料スペーサではスペーサ強度、および燃料棒の支持方
法に問題がある。
ーサ7a,7bの数を増して、限界出力を向上すること
が考えられるが、燃料スペーサ7a,7bを増加すると
流路断面の急縮小、および急拡大による局所圧力損失の
比較的大きい(燃料集合体1の軸方向圧力損失の内で比
較的大きい部分を複数個の燃料スペーサ7a,7bの局
所圧力損失が占めている)燃料スペーサ7a,7bを増
すことになり、安定性状不利となる。
の必要揚程が増加することになり、経済的にも不利とな
る。また燃料束外周部の燃料棒の冷却に使われている冷
却材の割合を増加して冷却効率を増加させるため、燃料
棒の冷却に寄与していないチャンネルボックス内面に流
れる液膜を燃料棒に振り向ける効果を持つものとして、
チャンネルボックス内面に液膜流をはく離させる溝を設
けることが提案されている。しかし、燃料束の2層目よ
り内側への効果は小さい。
うな管状フェルール10による燃料スペーサ7a,7bで
は、蒸気に随伴して流れる液滴を燃料棒5に振り向ける
効果が小さい。
サのフェルールに設けた旋回ベーン等により冷却材を圧
力損失の増加を少なく燃料棒表面に付着させて、構成が
簡易で限界出力が向上する燃料スペーサおよび燃料集合
体を提供することにある。
ドを含む複数本の燃料棒の夫々を挿通する管状フェルー
ルを連結して燃料棒を横方向で所定の位置に保持する燃
料スペーサにおいて、前記管状フェルールの側壁上端
(冷却材下流側)から端部を管状フェルールの外方向に
延長して先端に斜め上方に延びる旋回ベーンを形成する
と共に、この旋回ベーンが管状フェルールの側壁下流端
よりさらに下流側に突出させたことを特徴とする燃料ス
ペーサである。
相互の側壁により形成された冷却材通路で管状フェルー
ル側壁上端(冷却材下流側)の下流側に冷却材の流れに
対して垂直方向にねじられているねじり翼を配設し、ね
じり翼の上端を丸めたことを特徴とする燃料スペーサで
ある。
た相互の側壁により形成された冷却材通路で管状フェル
ール側壁上端(冷却材下流側)の下流側に冷却材通路中
央を中心軸としたねじり翼を管状フェルール側壁から張
出して形成配設したことを特徴とする燃料スペーサであ
る。
下を上部タイプレートと下部タイプレートで支持した複
数本の燃料棒を長手方向に複数段に配置した燃料スペー
サにより横方向に配列保持した燃料集合体において、前
記燃料スペーサが燃料棒の夫々を挿通する管状フェルー
ルを連結すると共に、隣接した相互の側壁により形成さ
れた冷却材通路に、管状フェルールの側壁上端(冷却材
下流側)から端部を管状フェルールの外方向に延長して
先端に斜め上方に延びる旋回ベーンを配設するか、ある
いは管状フェルールの下流側に冷却材の流れに対して垂
直方向にねじられているねじり翼を配設した燃料スペー
サであることを特徴とする燃料集合体である。
れて二相流となって隣接した燃料棒間に形成された流路
を流れて上昇する。この時に二相流は燃料スペーサの下
流側において管状フェルール側壁に配設された旋回ベー
ンあるいは、ねじり翼により旋回力が与えられ、この旋
回力は流速の高い領域で小さなベーン形状で大きな旋回
流を発生する。
滴を効率良く、旋回ベーンまたはねじり翼に付着させ
て、燃料スペーサ下流側の燃料棒表面に直接付着し易い
ように、飛散する過程において流路の二相流に含まれる
液滴共々遠心力によって、近傍の燃料棒表面に付着させ
ることができる。
ベーンまたはねじり翼は、管状フェルール側壁の一部を
切断し、曲げ加工により形成できる。その結果、製造が
容易で燃料棒の冷却効率が高まり、燃料スペーサ下流で
の沸騰遷移の発生を遅らせ、少ない数の燃料スペーサで
圧力損失の増加を抑制しつつ限界出力を向上させる。
る。なお、上記した従来技術と同じ構成部分には同一符
号を付して詳細な説明は省略する。図1の一部切断正面
図は沸騰水型原子炉に用いる燃料集合体を示す。燃料集
合体18はハンドル2を有する上部タイプレート3と、下
部タイプレート4、両端部が上部タイプレート3および
下部タイプレート4に支持された多数の燃料棒5、さら
に燃料棒5の間に配置されたウォーターロッド6および
軸方向に複数個配置された燃料スペーサ19a,19b,19
cとから構成されている。
中央に燃料スペーサ19bが1個、上部に燃料スペーサ19
cが2個配設した場合を例示する。この燃料スペーサ19
a〜19cにより、燃料棒5と短尺燃料棒9、およびウォ
ーターロッド6相互の水平方向間隔を一定にして保持さ
れる。さらに、チャンネルボックス8が燃料スペーサ19
a〜19cによって束ねられた燃料棒5,9およびウォー
ターロッド6の束を取り囲んでいる。なお、チャンネル
ボックス8は上部タイプレート3に取り付けられてい
る。
9は、その下端部のみを下部タイプレート4に保持させ
ても良い。同様にウォーターロッド6もその下端部のみ
を下部タイプレート4に保持させても良く、またチャン
ネルボックス8は、上部タイプレート3の代わりに下部
タイプレート4に取り付けても良い。なお、ウォーター
ロッド6の下端部には冷却水流入口6aが設けられ、上
端部に冷却水流出口6bが設けられている。
正面図で、また従来の燃料スペーサ7bと同じ形状の燃
料スペーサ19aは図3の一部切断正面図に示す。なお、
図4は燃料スペーサ19aの平面図で図1のC−C矢視図
を、図5は燃料スペーサ19bの平面図で図1のD−D矢
視図、図6は燃料スペーサ19cの平面図で図1のE−E
矢視図である。
び短尺燃料棒9と同数の管状フェルール10,20(21,2
2,23を含む)を格子状に配列し、この管状フェルール
の束の外周を帯状の支持バンド11にて取り囲んだもの
で、支持バンド11の外側にはローブ24が突出している。
このうち燃料スペーサ19aは従来例として図42に示した
ものと同一仕様であり、管状フェルール10を格子状に組
み合わせたものである。
b,19cである。従って主として燃料スペーサ19b,19
cについて詳細に説明し、燃料スペーサ19aについては
燃料スペーサ19bとの差を説明するに止める。燃料スペ
ーサは19b,19cは、図7の斜視図に示す管状フェルー
ル20を複数、格子状に配列し隣接する管状フェルール20
同士を当接部で点溶接12している。この管状フェルール
20の上下端には突起20aが2個設けられており、これら
の突起20aは管状フェルール20の側壁の一部を内側に突
出させたものである。
接12近傍から、側壁端部を管状フェルール20の接線方向
に4ケ所切り開いて旋回ベーン基部材24となし、その先
端に斜め上方に伸びる旋回ベーン25を屈曲加工して設
け、この旋回ベーン25が管状フェルール20の側壁の下流
端より更に下流側に突出した形状としている。
記管状フェルールを4個組み合わせた一部拡大平面図か
ら分かるように、互いに隣接する4個の管状フェルール
20から張り出された旋回ベーン基部材24同士が十字形に
組み合うように、僅かの間隙を許して形成する長さとす
る。さらに、旋回ベーン25はこれを支えている旋回ベー
ン基部材24とで管状フェルール側に流れを偏向するよう
に屈曲させる。
図8に示すように、4つの旋回ベーン25によって、管状
フェルール4個で囲まれた管状フェルール側壁外側の冷
却材流路17をほぼ覆うような形とし、さらに旋回ベーン
25が管状フェルール20の内側にまで延びても良い。この
場合に旋回ベーン25と燃料棒5,9との間隙を確保する
必要がある。
に跨って連続ループバネ13が設置されており、この連続
ループバネ13の形状には、特開昭59-65287号公報の第4
図に開示されたものがある。基本的には同様な形状で、
高さ方向の中央部が外側に突出している。
は、特開昭 62-287184号公報第1図および第2図に示す
ように、管状フェルールの側面円筒部の1ケ所に縦方向
に矩形の切り欠き部14を設け、この切り欠き部14の上下
端近傍(引用では切り欠き部14の一端のみ)に爪部15を
突設した形状とし、隣接する管状フェルールと同じ切り
欠き部14を相対するように突き合わせ、これら上下の爪
部15に燃料棒押圧用の連続ループバネ13を保持させる
(図2,図8参照)。この結果、管状フェルール20は格
子状に組まれる。
図9の要部平面図に示すように、中央部の7個の管状フ
ェルールが取り除かれた状態で形成された孔部、すなわ
ち、中央部の10個の管状フェルール20の側壁にて取り囲
まれた細長い孔部26が形成されている。
に示すように孔部26内で、燃料スペーサ19b,19cの対
角線に直交する方向に配置されている。この架橋部材27
aの左右両端部は、燃料スペーサ19b,19cの中央部の
孔部26を形成している10個の管状フェルール20のうち、
細長い孔部の両端を構成している隣接の2個の管状フェ
ルール20の側面に点溶接12にて取り付けられている。
上部端または下端に凹部を有し、この部分に連続ループ
バネ29を装着のうえ溶接して一枚の架橋部材27aとし、
管状フェルール20の上下端部に架橋部材27aの左右端部
を上下端で点溶接12する。
フェルール3個を結合しつつ、燃料スペーサ19b,19c
の対角線方向に突出した曲がり部28を形成し、この曲が
り部28の隅でウォーターロッド6を支える。また架橋部
材27bは管状フェルール20の側壁と同じ曲率で左右の端
部および曲がり部の根元が成型されている。この部分で
隣接する管状フェルール20と上下端が点溶接12される。
に示すように孔部26内に挿入されており、架橋部材27a
に設けられた連続ループバネ29にて架橋部材27bの曲が
り部28に押圧されている。図6に示す燃料スペーサ19c
は、燃料集合体1の上部に2個〜4個取り付けられる燃
料スペーサで、短尺燃料棒9の位置の管状フェルールが
削除されて空所になっている。
の内、燃料棒束周辺部の管状フェルールは図10〜図12に
示すように、旋回ベーン25とその基部材24が2個で図10
の斜視図で示す管状フェルール21と、図11の斜視図で示
す前記図10の管状フェルール21と異なる取付け方向の旋
回ベーン25でなる管状フェルール22、および図12の旋回
ベーン25が1個の管状フェルール23を用いて、周辺支持
バンド11により固定される。すなわち、中央部には管状
フェルール20を、4隅部には管状フェルール23を、残り
の周辺部には管状フェルール21,22を配設している。
ンド11には、隣接する燃料棒5の中間位置に、内向きに
湾曲した上向き(下流側へ向く)の複数の突起11aが設
けてある。なお、周辺支持バンド11には4隅近くに一対
の外向きに周辺支持バンド11の部材を突出させたローブ
24も形成されていて、これを取り囲むチャンネルボック
ス8との間に一定の間隔を持たせるようにしている。
44の管状フェルール10を用いて、図5の燃料スペーサ19
bと同様な配列で配置して構成された燃料スペーサであ
り、その相違は旋回ベーン25とその基部材24の張り出し
を備えていないだけの違いである。また図5の燃料スペ
ーサ19bは一例として燃料集合体18の長手方向で、燃料
スペーサ19cの下方に1個または複数個配し、さらに下
方には燃料スペーサ19aを配置する構成としている。
る。原子炉の冷却材である冷却水は、炉心の下方から炉
心内に装荷された燃料集合体18内を上昇する。すなわ
ち、冷却水は下方より下部タイプレート4内に流入し、
さらにチャンネルボックス8内で燃料棒5,9間の流路
を上昇して上部タイプレート3より図示しない上部プレ
ナムに流出する。
の一部は、冷却水流入口6aよりウォーターロッド6内
に供給され、ウォーターロッド6内を上昇して冷却水出
口6bよりウォーターロッド6の外部に流出する。ウォ
ーターロッド6は燃料集合体18の横断面中央部の冷却水
の割合を高めることになり、その中央部における中性子
の減速作用を増加させる働きを有する。このため、燃料
集合体18の横断面中央部の反応度が高くなると共に、横
断面における出力分布の平坦化がなされる。
冷却水は軸方向に上昇するにつれ、燃料棒5,9を除熱
し、サブクール状態から飽和温度までの昇温加熱され、
さらに飽和水の沸騰を生じている。従って、理想的には
二相流とされた冷却材のうち、液相(飽和水)は燃料棒
表面付近を流れ、気相(蒸気)は燃料棒間の空間を流れ
ることが最も除熱効率が良いことになる。
流動様式を見ると、ボイド率が高く除熱上余裕の少ない
燃料集合体の上半分部領域では、環状流と呼ばれる気液
二相流動状態となっている。この流動状態では、図13の
燃料集合体内における二相流の挙動説明図に示すよう
に、燃料棒5間の空間の流路17でボイド率が高くなり、
その中を液滴30が混じって流れる。また燃料棒5の表面
は液膜31に覆われた状態で、この液膜31の沸騰により燃
料棒5の除熱が行われている。
通過後の冷却水の二相流状態(環状流状態を呈してい
る)を考察すると、図14の流れ速度分布説明図に示すよ
うな流れ状態が考察される。すなわち、燃料スペーサ19
b,19c通過後においては、燃料スペーサ19b,19cの
管状フェルール20の表面に沿った流れが剥離して乱流を
生じる。
滴30は、側壁上端にて二相流中に飛散し、乱流により燃
料棒5の表面に付着して液膜31の厚さの増加に寄与し、
さらに管状フェルール4個の側壁外面で囲まれた流路17
の蒸気流中の液滴30は、旋回ベーン基部材24または旋回
ベーン25に衝突し、旋回ベーン25の上端から偏向された
二相流の流れに乗って飛散して燃料棒5の表面に向か
う。なお、旋回ベーン25および旋回ベーン基部材24に付
着しなかった蒸気流中の液滴30も、旋回ベーン25による
偏向流に乗って燃料棒5の表面に近づき、その結果は旋
回ベーン25が無い時よりも燃料棒表面への液滴付着量が
大幅に増加する。
ては旋回ベーンを管状フェルール側壁に直接設けている
が、この流路の速度分布は、図14の左側の流線で表した
ように燃料棒4本で囲まれた流路17の中央がより高速で
あるので、旋回流を起こして遠心力で液滴30を燃料棒表
面に近づけると言う観点からは旋回流を発生させる効率
が悪い。
る液滴30を旋回流で外側に移動させると言うことは、旋
回流が短距離ですぐ減衰することから効果が少ない。し
かしながら本発明の旋回ベーン25は、二相流中の液滴30
の直接捕獲、飛散および大きな偏向流を作ることができ
る。
が軸方向に続いている中で旋回流を発生させているの
で、それによって遠心力で偏向された蒸気流中の液滴は
大半が管状フェルール外壁に付着し、そのあと上端から
飛散して燃料棒表面に付着するが、このため、間接的に
燃料棒表面への液滴付着増加にとどまっており、その点
からたとえ、旋回ベーンをこの空間の中に特開平2-2852
86号公報の第5図のように設置しても効果が悪い。
料棒間流路17の中央に設けられ、かつ管状フェルール20
の側壁上端より上方に(下流に突出)位置するので、偏
向流による液滴30の付着は燃料棒5の表面に直接的であ
り効率が良い。その分、液滴付着効果と圧力損失増加の
バランスシートが前記先行開示例より勝れている。
界出力の向上効果がより大きいと言う形で現れる。また
本発明によれば、管状フェルール20の流体の流れ方向に
対する形状変更を、管状フェルール20の側壁の一部切
断、曲げ加工のみによって行い、新しい部品や組立の工
程増加なしであるため製造が容易である。上記一実施例
の管状フェルール20〜23では、本発明の特徴である旋回
ベーン基部材24の切り出し位置からさらに下方に距離を
おいて、上部内側の突起20a〜23aを配している。
記上部内側の突起を旋回ベーン基部材24の切り出し位置
のすぐ下方に配したところが相違する。この図15は旋回
ベーン25が4個の基本形状を示したが、燃料スペーサ周
辺部に配置する管状フェルールは、上記一実施例のよう
に旋回ベーン基部材24、および旋回ベーン25を1個また
は2個のものを用意し、容易に図5、図6のような燃料
スペーサ19b,19cが構成できる。
方向長さの短縮ができ、摩擦損失および燃料スペーサの
寄生的な中性子吸収を低減できる利点が有るが、旋回ベ
ーン基部材24の張り出し起点が狭いため、単体では構造
的に弱い弱点がある。しかしながら、隣接する管状フェ
ルール同士との溶接により側壁厚さが2枚となるので解
消できる。
ーターロッド形状が異なる場合の第3の実施例を示す。
この例で使用する管状フェルールの基本形状は図7の管
状フェルール20、または図15の管状フェルール32のいず
れのものでも良い。
ロッド33が組み合わされ、角管ウォーターロッド33に隣
接する管状フェルール20,32の旋回ベーン25が角管ウォ
ーターロッド挿入組立時の案内の役目と、角管ウォータ
ーロッド33の外側管壁に付着する液膜流を剥して、角管
ウォーターロッド33に隣接する燃料棒5の表面に液滴と
して付着するように働く。
状フェルール32の構造では、図18に示す第4の実施例に
あるような上向き突起34a,34bを有する内側支持バン
ド34を別個に設けなくても済む利点がある。
図16、図17に示した第3の実施例の変形であり、角管ウ
ォーターロッド33に隣接する管状フェルール21,22の角
管ウォーターロッド側の旋回ベーン基部材24および旋回
ベーン25を、図10,図11のように設けないもので構成
し、さらに前記管状フェルールの角管ウォーターロッド
33に面する側に内側支持バンド34を溶接し、この内側支
持バンド34の上端には燃料棒同士の中間位置に、外向き
に湾曲した(下流側へ向いた)複数の上向き突起34a,
34bを設ける。
6531号公報において開示の大型ウォーターロッド表面の
液膜拡散突起に当たるもので、その限界出力改善の効果
は実験的に確認されている。
よび、その変形で示した旋回ベーン付き管状フェルール
の成形方法と別の方法である。図19の斜視図および図20
の一部拡大平面図に示す第5の実施例では、管状フェル
ール35の上端(下流側)の対角方向近傍から側壁端部を
管状フェルール側壁の法線方向外側に4個所切り開き屈
曲した旋回ベーン基部材24aとなし、その先端に斜め上
方に伸びる旋回ベーン25aを屈曲加工して設け、旋回ベ
ーン25aが管状フェルール35の側壁の下流端よりさらに
下流側に突出した形状としている。
24aが上記一実施例および第2の実施例より短く、管状
フェルール側壁から外へ屈曲して張り出しているので、
部材量が少なくて済み、燃料スペーサの寄生的な中性子
吸収が少なく、中性子経済上も有利である。またこの旋
回ベーン25aの特徴は、二相流の向きを図20の矢印36で
示すように隣接する燃料棒5,9の表面法線方向に偏向
することである。これにより二相流中の液滴がより高い
確率で燃料棒表面に接近し、付着する確率が増す。
に示す第6の実施例では、前記第5の実施例における旋
回ベーン25aが基部材24aに対して平面的に屈曲してい
るのに対し、旋回ベーン25bはさらに管状フェルール37
の外側方向に捻りながら屈曲している。これにより、二
相流の向きを図22の矢印36で示すように隣接する燃料棒
5,9の表面法線方向に偏向するだけでなく、さらに旋
回流も発生させて第5の実施例におけるよりもさらに多
くの二相流中の液滴を燃料棒表面に接近して付着させる
ことができる。
ーンが4個付いた管状フェルール35,37の基本形状のみ
を示したが、これらをまとめて燃料スペーサ形状にする
に当たって、上記一実施例と同様に旋回ベーンを1個、
2個のみのものも用意して、溶接組み合わせることによ
って容易に実現できる。
フェルール20等はジルコニウム合金製の例えばジルカロ
イ−2,4等でも容易に旋回ベーン基部材24,24a,24
bおよび旋回ベーンとなる部分を円筒管または八角管の
段階で、放電加工やレーザー加工、およびプレス加工等
の方法で切り込みを入れ、次にプレスによる屈曲加工で
容易に所定の形状に外側に開き、さらに旋回ベーン25,
25a,25bの部分を屈曲させることによって一体加工で
きる。
な管状フェルール10の4個で囲まれた流路17の部分に、
2つの旋回ベーン材38を十字形に組んだ旋回ベーン組立
て体39を下流側に旋回ベーン25が突出するように挿入し
て溶接する構造よりも、部品数が低減できて燃料スペー
サの組立加工が容易になる。
拡大斜視図は、4個の管状フェルール10の間隙の下流部
(上端)に旋回ベーンとして、ねじり翼40を装着した例
である。ねじり翼40を採用する利点としては、冷却材流
速の速いサブチャンネル流路中央部ほど、冷却材流れに
対する翼の角度が小さくなるために、ねじり翼の配設に
よる圧力損失増加が小さいことが挙げられる。
でねじりを与えることにより、管状フェルール10におけ
る流路を狭めることがないので、ねじり翼40の装着によ
る燃料スペーサ部の圧力損失増加は最小限に止め、冷却
材に旋回流を生じさせることができる。また、ねじり翼
40の振動により燃料棒に接触しないように、ねじり翼40
の上端を丸めている。
流れ方向に力を受け、また冷却材に旋回流を起こさせる
ため、その反力も受けるので溶接のみでは強度不足の場
合には、図24(b)の拡大斜視図に示すように、管状フ
ェルール10の上部側面にはめ込み溝10bを設けて、ねじ
り翼40の下部に突設させた下端凸部40aをはめ込み溝10
bにはめ込み、さらに溶接してねじり翼40を固定しても
良い。この方法により溶接のみの場合に比べ、ねじり翼
40を堅固に取付けられる。
に、 180度ひねったねじり翼の例を示す。これらのねじ
り翼40は管状フェルール10に溶接により固定されるか、
あるいは上記図24と同様の取付けを行っても良い。
び、ねじり翼の断面形状と流れの様子を示す。蒸気流41
の方向に対し、旋回ベーン25,25a,25bあるいは、ね
じり翼40が図26(a)のような直線形状では、翼上面で
蒸気流41が剥離しやすく、強い旋回流42を生じさせるこ
とができないばかりか圧力損失を増加させてしまう。し
かし図26(b)のように旋回ベーン25,25a,25bある
いは、ねじり翼40を湾曲させることにより、強い旋回力
42を発生させることができ、また蒸気流41の翼面から剥
離し難くなるため、圧力損失増加も小さく抑制すること
ができる。
り翼の蒸気流に対する迎え角と、旋回力および抗力の関
係を示す。旋回力が最大となる角度を失速角という。迎
え角は失速角以下で設定すると抗力は小さいので圧力損
失がそれほど増加せずに、有効に旋回流を生じさせるこ
とができる。
角は数度であるが、翼面を湾曲させて厚みに分布をもた
せた流線形状とすることにより失速角を大きくし揚力を
増している。よって、本発明のねじり翼40、旋回ベーン
25も、断面の形状を直線でなく湾曲させることにより、
ねじり翼40設置による圧力損失を最小限に止め、冷却材
の旋回力を増すことができる。
点である冷却材流速の速い燃料棒4本で囲まれた冷却材
流路中央部ほど、冷却材流れに対するベーン角度を小さ
くした圧力損失増加の小さい旋回ベーン40を4個の管状
フェルール10で囲まれる通路の上端に設けた例を示す。
た旋回ベーンの組立図、平面図、斜視図を示す。本旋回
ベーンの例は、旋回ベーン40を図29(a)に示すように
十字に組み、さらに、旋回ベーン40の下流端の4つの角
を同一回転方向に曲げて旋回ベーンとしたものである。
ねじり加工なしに、曲げ加工のみで成型できるので製作
が容易であり、かつ、ねじり翼と同様に冷却材流速の速
い燃料棒4本で囲まれた冷却材流路中央部ほど、冷却材
流れに対するベーン角度が小さいので、圧力損失増加が
小さいという利点がある。
ルール10の流路上部にねじり翼40を装着した例を示す。
この第7の実施例によれば、これまでの円筒状の管状フ
ェルール10により構成される燃料スペーサでは、燃料棒
5の冷却に有効に用いられていなかった蒸気流に随伴し
て流れる液滴30を、図31の挙動説明図に示すように4本
の燃料棒5により形成される燃料棒間流路17中に旋回流
43を起こさせることにより、遠心力により燃料棒5側へ
振り向けることができる。
部分ではなく、燃料スペーサ上部(下流側)にねじり翼
40を付けることにより、燃料スペーサ上流の燃料棒表面
の液膜31の乱れを最小限に止めることができる。さら
に、ねじり翼40のねじり部は燃料スペーサ部上端よりも
上部に出すことにより、燃料スペーサ部の流路面積はね
じり翼なしの燃料スペーサとほとんど変わらない。
状を的確に設定することにより、ねじり翼40を付けたこ
とによる燃料スペーサ部の圧力損失の増加を最小限に止
めながら、冷却材に効果的な旋回流43を生じさせ、蒸気
中の液滴30を燃料棒5に振り向けることができる。従っ
て、従来の燃料に比べ、圧力損失の増加は僅かでありな
がら、図32の比較特性図に示すように、ねじり翼を配置
していない従来型の燃料集合体に比べ本発明による燃料
集合体の沸騰遷移に到達する限界出力は向上する。
に図33と図34の平面図に示すような旋回流43,43aのパ
ターンが考えられる。どちらのパターンでも、サブチャ
ンネル流路間の相互作用は小さいと考えられるので、限
界出力向上効果はほぼ同等と考えられる。しかし、図34
のパターンの場合、ねじり翼40あるいは旋回ベーン25の
右回転用と左回転用の2種類作成する必要があるので、
図33のパターンのようにすべて同じ旋回流43の回転方向
の方が部品の種類は少なくて済む。
状フェルール44は管状フェルールの部材と旋回羽根25を
一体成型したもので、図36の展開図に示ように管状フェ
ルール44の部材の下流側に凸状の旋回ベーン25を形成
し、さらに切り込み44bを入れることにより図37の要部
平面図に示すように成型加工でき、複数の管状フェルー
ル44を組合わせることにより容易に管状フェルール44の
下流部に旋回ベーン25を設けることができる。また凸状
の旋回ベーン25をねじることにより、ねじり翼を成型す
ることもできる。
した燃料スペーサ19b,19cによる、燃料スペーサ下流
側での燃料棒表面への液滴付着の増加と前記燃料スペー
サによる圧損の増加とを考慮すると、本発明の旋回ベー
ン付き燃料スペーサは燃料集合体の軸方向に複数設ける
燃料スペーサの全てに採用する必要はない。
なファクタとなる燃料集合体18の下段には、旋回ベーン
を有しない通常の燃料スペーサ19aを配置し、限界出力
向上の点から液滴付着増加が重要なファクタとなる燃料
集合体18の上段には、旋回ベーン付き燃料スペーサ19
b,19cを配することが望ましい。
沸騰遷移を生じる燃料スペーサの軸方向位置は、7個の
燃料スペーサの場合に最上段燃料スペーサまたは上から
2段目の燃料スペーサの上流側近傍であることが分かっ
ているので、少なくとも上から1、2、3段目を本発明
の旋回ベース付き燃料スペーサ19b,19cとし、さらに
下段の燃料スペーサは旋回ベーン無しの燃料スペーサ19
aとすることが考えられる。
明の旋回ベーン付き燃料スペーサを採用しても良い。旋
回ベーン無しの燃料スペーサとしては、上記図42、図44
に示すような例、および管状フェルールの構造ではな
く、エッグクレート型と呼ばれる特開昭64-88293号公報
の第6図、または特開平2-290594号公報のFig.2 乃至Fi
g.4 に開示されているような低圧力損失を優先した燃料
スペーサでも良い。
向配置間隔を狭くして、燃料スペーサ個数を増す場合に
は、それだけ限界出力の向上が図れるので、圧力損失の
増加を抑制するために本発明の旋回ベーン付き燃料スペ
ーサ19b,19cを上から1、2段だけに減少させること
を考えても良い。
上端部に天然ウラン、回収ウラン、濃縮廃棄ウランを用
いて、ブランケット領域を形成する設計が有るが、この
領域では冷却材のクォリティは高いが燃料棒5の発熱も
少なく熱流束が小さい。従って、この部位に位置する最
上段の燃料スペーサの下流側では沸騰遷移を生じること
がないので最上段の燃料スペーサを旋回ベーン無しの通
常の燃料スペーサ7bまたは、他の低圧力損失特性を優
先した燃料スペーサとしても良い。
本発明に係る燃料集合体18の各種実施例をより具体的に
示す。なお、この実施例はすべて燃料発熱部に7個の燃
料スペーサを用いた場合を示しているが、本発明はこの
実施例に限定されるものではない。
ての燃料スペーサに本発明に係る旋回ベーンあるいは、
ねじり翼付き燃料スペーサ19b,19cを用いた燃料集合
体の構成例。(b)は燃料チャンネルの上流側6個の燃
料スペーサに本発明に係る燃料スペーサ19b,19cを用
い、最下流側の燃料スペーサには、燃料発熱部の圧力損
失の低減、およびチャンネル安定性の向上を考慮して従
来の燃料スペーサ7b,19aを用いた燃料集合体の構成
例。
には従来の燃料スペーサ19aを用い、下流側2/3の位
置に本発明に係る燃料スペーサ19b,19cを用いた燃料
集合体の構成例。(d)は(b)および(c)の例を組
み合わせた燃料集合体の構成例。なお、これらの実施例
では、本発明に係る燃料スペーサ19a,19bと従来の燃
料スペーサ7b,19aを組み合わせているが、他の低圧
力損失型の燃料スペーサと組み合わせても良い。
下流位置および燃料発熱中央より上流側の燃料スペーサ
には従来と同様の燃料スペーサ7b,19aを用い、最下
流位置を除いた燃料発熱部中央より下流側の3個の燃料
スペーサには、旋回ベーンあるいはねじり翼付き管状フ
ェルール燃料スペーサ19b,19cを用いている。
液滴を燃料棒表面に誘導するものであるから、蒸気が主
流となる管状流と呼ばれる流動様式の位置の燃料スペー
サのみに装着すれば効果は十分である。また沸騰遷移発
生は、最下流に位置する燃料スペーサ、あるいは最下流
から2段目に位置する燃料スペーサの直下の位置で起こ
り易いことから、必ずしも最下流の燃料スペーサには、
ねじり翼等をつける必要はない。
は、9×9格子の2本ウォーターロッドを例に説明した
が、ウォーターロッド6の本数とか形状が異なっても、
また8×8格子のような他の形状としても、本発明の旋
回ベーン付き管状フェルールは適用でき、同様の効果が
得られる。
管形状を基本に説明してきたが、図39の斜視図および図
40の一部拡大平面図に示すように、断面が八角形の八角
管状フェルール45においても同様の旋回ベーン付き管状
フェルールを構成することができる。
棒配列の燃料スペーサについて説明してきたが、三角格
子の燃料棒配列に対して、円筒管状フェルールを使用す
る場合においても、下流側端部の隣接する管状フェルー
ルの点溶接する周縁から接線方向に旋回ベーン基部材を
側壁から張り出し、その上端に旋回ベーンを設けて管状
フェルール側壁の外側面で囲まれる流路を構成する部分
の二相流の液滴を燃料棒表面に偏向付着させることによ
って容易に実現できる。
として下記のものがある。 (1) 「旋回ベーンが燃料棒4本で囲まれた流路の中心近
傍まで延び、隣接する管状フェルールから突き出した旋
回ベーン基部材とが前記流路中心を中心として十字形を
なすことを特徴とする請求項1記載の燃料スペーサ。」
挿通する管状フェルールにより燃料棒を正しい間隔を保
つ燃料スペーサにおいて、管状フェルールに形成する旋
回ベーンおよび基部材を、管状フェルールの軸方向上端
から側壁の一部を切り開き屈曲一体加工することを特徴
とした請求項1記載の燃料スペーサの製造方法。」
燃料スペーサを除く燃料スペーサに請求項1乃至請求項
3記載の燃料スペーサを用いたことを特徴とする燃料集
合体。」 (4) 「燃料発熱部の下流側2/3の位置の燃料スペーサ
に、請求項1乃至請求項3記載の燃料スペーサを1個以
上用いたことを特徴とする燃料集合体。」
簡単な形状の旋回ベーンあるいはねじり翼を設けること
により、燃料スペーサ位置における冷却材の流れを改善
して圧力損失の増加を抑制すると共に、燃料棒に対する
冷却効果を向上することから、この燃料スペーサを有効
に採用した燃料集合体の限界出力を向上することができ
る効果がある。
面図。
断正面図。
平面図。
平面図。
図。
大平面図。
図。
図。
図。
図。
流れ速度分布説明図。
斜視図。
ーロッドの燃料スペーサの平面図。
ーロッドの燃料スペーサの要部平面図。
スペーサ変形例の要部平面図。
斜視図。
一部拡大平面図。
斜視図。
一部拡大平面図。
ねじり翼で(a)はねじり翼部拡大斜視図、(b)はは
め込み溝部の拡大斜視図。
(b)は側面図。
流の特性図((a)は直線状翼、(b)は流線形翼)。
力、抗力との特性図。
斜視図。
斜視図、(b)は平面図、(c)は斜視図。
一部拡大平面図。
回流を示す平面図。
回流を示す平面図。
要部拡大斜視図。
展開正面図。
取付け組立て要部平面図。
置例を表す概念図。
スペーサの一部拡大平面図。
視平面図。
視平面図。
ート、4…下部タイプレート、5…燃料棒、6…ウォー
ターロッド、6a…冷却水流入口、6b…冷却水流出
口、7a,7b,9a…燃料スペーサ、8…チャンネル
ボックス、9…短尺燃料棒、10,20,21,22,23,32,
35,37,44…管状フェルール、10a,20a,21a,22
a,23a,32a,35a,37a,44a,45a…内側突起、
10b…はめ込み溝、11…周辺支持バンド、11a,34a,
34b…上向き突起、12…点溶接、13,29…連続ループバ
ネ、14…切欠き部、15…爪部、16…45度方向燃料棒表面
部位、17…燃料棒間流路、19b,19c…旋回ベーン付燃
料スペーサ、24…ローブ、24a…旋回ベーン基部材、2
5,25a,25b…旋回ベーン、26…燃料スペーサ中央部
の孔部、27a,27b…架橋部材、28…曲がり部、30…液
滴、31…液膜、33…角管ウォーターロッド、35…燃料ス
ペーサ内側バンド、36…2相流の偏向方向(矢印)、38
…旋回ベーン材、39…旋回ベーン組立て体、40…ねじり
翼、40a…下端凸部、41…蒸気流、42…旋回力、43,43
a…旋回流、44b…切り込み、45…八角管状フェルー
ル。
Claims (5)
- 【請求項1】 ウォータロッドを含む複数本の燃料棒の
夫々を挿通する管状フェルールを連結して燃料棒を横方
向で所定の位置に保持する燃料スペーサにおいて、前記
管状フェルールの側壁上端から端部を管状フェルールの
外方向に延長して先端に斜め上方に延びる旋回ベーンを
形成すると共にこの旋回ベーンが管状フェルールの側壁
上端よりさらに上部側に突出させたことを特徴とする燃
料スペーサ。 - 【請求項2】 ウォータロッドを含む複数本の燃料棒の
夫々を挿通する管状フェルールを連結して燃料棒を横方
向で所定の位置に保持する燃料スペーサにおいて、隣接
した管状フェルール相互の側壁により形成された冷却材
通路で管状フェルール側壁上端から上部側に冷却材通路
中央の中心軸に冷却材流れに対して垂直方向にねじられ
ているねじり翼を配設し、前記ねじり翼の上端を丸めた
ことを特徴とする燃料スペーサ。 - 【請求項3】 ウォータロッドを含む複数本の燃料棒の
夫々を挿通する管状フェルールを連結して燃料棒を横方
向で所定の位置に保持する燃料スペーサにおいて、隣接
した管状フェルール相互の側壁により形成された冷却材
通路で管状フェルール側壁上端から上部側に冷却材通路
中央を中心軸としたねじり翼を管状フェルール側壁から
張出して形成配設したことを特徴とする燃料スペーサ。 - 【請求項4】 周囲をチャンネルボックスで囲み上下を
上部タイプレートと下部タイプレートで支持した複数本
の燃料棒を長手方向に複数段に配置した燃料スペーサに
より横方向に配列保持した燃料集合体において、前記燃
料スペーサが請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
燃料スペーサとしたことを特徴とする燃料集合体。 - 【請求項5】 周囲をチャンネルボックスで囲み上下を
上部タイプレートと下部タイプレートで支持した複数本
の燃料棒を長手方向に複数段に配置した燃料スペーサに
より横方向に配列保持した燃料集合体において、少なく
とも最上段から数えて2段目、または3段目の燃料スペ
ーサを請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の燃料ス
ペーサとしたことを特徴とする燃料集合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01314293A JP3195101B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 燃料スペーサおよび燃料集合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01314293A JP3195101B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 燃料スペーサおよび燃料集合体 |
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JPH06230163A JPH06230163A (ja) | 1994-08-19 |
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Family
ID=11824915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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KR100287278B1 (ko) * | 1998-02-04 | 2001-04-16 | 장인순 | 회전유동발생장치를가진핵연료집합체지지격자 |
US6507630B1 (en) | 2000-05-01 | 2003-01-14 | General Electric Company | Cell flow diverter and flow diverter/vortex generator assembly for BWR spacers |
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1993
- 1993-01-29 JP JP01314293A patent/JP3195101B2/ja not_active Expired - Lifetime
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