蒸気管に沿って蒸気から熱が逃げると、復水が、蒸気から生成される。前記蒸気管に蓄積された復水は、システムを著しく低下させる。したがって、蒸気から復水を取り除かなければならない。蒸気管システムでは、蓄積する復水は、蒸気ラインから排出され、一般的には、復水回収ラインを通って、蒸気ボイラーに再び供給される。復水回収ラインは、通常、破片粒子状の残屑を濾過する残屑濾過装置を有している。従来、復水は、復水が存在する際には閉じられ、蒸気が存在する際には解放される機械的な蒸気トラップによって、低い位置から、復水回収システムに排出される。これらのトラップは、生産上の問題やエネルギー・ロスを避けるために、常時、交換する必要がある。
蒸気トラップは、生蒸気を漏らさないようにする一方、復水及び非凝縮性ガスを排出するために用いる装置である。最も初期型であり最も簡易な蒸気弁の形態は、オリフィス式トラップである。オリフィス式トラップは、ノズルとも呼ばれる設備の最下点に設置される、簡易な円盤、又は、短い中実管であって、それら貫通する小孔が開けられているもの、で構成されている。蒸気復水は最下点に集まり、また、この熱水は生蒸気に比して体積及び密度で約1200分の1であるため、復水を効率的に排出し、蒸気をブロックする。
多くの復水排出装置は、処理中にノズルを点検する手段を有していない。ノズルの点検にはシステム全体を停止することが必要となり、ノズルの点検が、時間的な消費となり、また、コスト的な課題となっている。
蒸気から熱を奪うようにして蒸気ラインに蓄積する蒸気復水を排出するその他の装置は、米国特許第4171209号に開示されている。米国特許第4171209号の復水排出装置は、蒸気ラインに直接的に、好ましくは、従来のY−ストレーナーから下流に、接続される金具の本体に一体的に(unitarily)形成されるオリフィス・プレートを特徴としている。プレートの小さいオリフィスは、所定の長さ及び直径にドリル加工されることが必要とされる。英国特許第2088246号は、筐体内のフィルター要素を開示しているが、交換可能なチューブ状のノズル構造によって、標準筐体内で多様なオリフィスの寸法を可能としている。しかし、復水の量や、サイズ調整に利用する圧力が、事実に反すると証明されるべきであり、挿入するノズルやこれらの装置の全筐体の交換には、完成したパイプワーク部の除去が必要となる。トラップが設置される空間はしばしば制限されるため、トラップを簡単に除去するためにユニオン金具を用意することは、実務的ではない。また、ユニオン金具を設置することに係るコストや不便さは、それらが常に適合するものではないことを意味している。
本発明は、蒸気復水排出装置に関する。以下の詳細な記述は、蒸気復水排出装置を対象とし、事実上の以下の記述の一般的な範囲内の多数のサイズ及び形状を除き、蒸気復水排出装置の特別なサイズや大きさに限定されない。参照記号が図面に記述され、同様の構造には、同様の参照記号を付している。図面は、本発明に係るいくつかの実施例に関する図形で、また、概略で表現したものであると理解され、本発明を限定するものではなく、必ずしもスケールのために描かれたものではない。
本発明に係る好ましい実施形態では、本発明は、蒸気復水排出装置に関する。蒸気復水排出装置は、一の端部に形成される流入空洞、その反対の端部に形成される流出空洞、及び、前記筐体の主軸から垂直に前記筐体の測部から延伸する第3空洞を有している筐体を有している。前記流出空洞は、ノズル孔を介して前記第3空洞に接続されている。前記第3空洞は、さらに、ドレン孔を介して、前記流出空洞に接続されている。狭小のノズル通路であって、液体がそれを介して流れるようにするものを有するノズルは、前記ノズル孔に挿入されている。前記ノズル通路の直径は、前記ノズル孔の直径より小さく形成されており、復水がノズルを通過できるようにしている。そして、キャップは、前記第3空洞に螺入されており、前記第3空洞を前記ノズル孔からシールしている。動作中、高圧下での蒸気と復水との混合物は、流入管から前記流入空洞へ供給される。フィルターチャンバーは、前記筐体に角度をもって一体的に接続されている。前記フィルターチャンバーは、ワイヤーメッシュスクリーンを有しており、ワイヤーメッシュスクリーンは、前記フィルターチャンバー内で円筒形状に設置されている。前記フィルターチャンバーは、前記流入空洞と前記ノズル孔との間に配置されている。蒸気復水は、前記ノズル通路を通って、前記第3空洞に通じ、前記ドレン孔を通って前記流入空洞へ出て行く。復水は、蒸気ボイラーに供給される。
また、本発明は、蒸気復水排出装置に関し、前記蒸気復水排出装置は、一の端部の流出空洞、反対の端部の流出空洞、及び、前記流入空洞の軸に実質上垂直に突出する第3空洞を有する筐体、を有する蒸気復水排出装置であって、流導管は、ノズル孔を介して、前記流入空洞と前記第3空洞との間に形成され、また、ドレン孔、ノズル、及び、キャップを介して、前記第3空洞と前記流出空洞との間に形成される。前記ノズルは、前記ノズル孔に挿入され取り外し可能なノズル通路を有し、前記キャップは、前記第3空洞に取り付けられ、取り外し可能であって、前記ノズル孔及び前記ドレン孔から前記第3空洞をシールする。ステンレスワイヤーメッシュフィルターを有するフィルターチャンバーは、前記流入空洞と前記ノズル孔との間に配置され、前記流入空洞から前記ノズル孔へ向かう蒸気復水は、前記ステンレスワイヤーメッシュフィルターを通って流れ、あらゆる残屑が捕捉される。
生産への影響が最小限となるように動作中に点検する。前記キャップを開けると鋭くヒューヒューという雑音が聞こえるならば、前記ノズル通路が大きすぎて、多くの蒸気を流出空洞に通過させていることを意味する。他の識別できる結果としては、枝分かれした(branch)空洞の温度が前記流入空洞より高くなるならば、何らかの理由で、前記ノズル通路がブロックされているか、前記ノズル通路が狭すぎることがある。本発明によって、詰まった前記ノズルを簡単に交換できる。
図1及び図2には、本発明に係る蒸気復水排出装置であって、典型的な蒸気管システムに接続されるものが示されている。蒸気復水排出装置10は、ほぼ鉛直の円筒形状を有する主筐体12であって、一の端部に形成される流入空洞20、及び、その反対の端部に形成される流出空洞30によって形成されるもの、を有している。流入空洞20は、湾曲し、主筐体12を越えて、フィルターチャンバー70へ延伸している。フィルター72は、フィルターチャンバー70内に配置され、流入空洞20から流れて来る粒子状物質及び残屑を制限するために採用されている。このフィルターチャンバー70は、取り外し可能なフィルターキャップ80で閉じられ、フィルター72の交換を容易にしている。そして、フィルターチャンバー70は、ノズル孔42に接続されており、ノズル孔42は、第3空洞40に通じ、流入空洞20を流出空洞30に接続する。第3空洞40は、主筐体12の軸から、実質上、垂直に突出する。狭小のノズル通路52を有するノズル50は、ノズル孔42に適合するように形成されている。さらに、第3空洞40は、ドレン孔46を介して流出空洞30に接続されている。取り外し可能なキャップ60は、第3空洞40に螺入されており、ノズル孔42及びドレン孔46からしっかりと第3空洞40をシールしている。第3空洞40の壁は、取り外し可能なキャップ60を取り付けるためにねじ切りされている。取り外し可能なキャップ60は、対応してねじ切りされた壁62を有しており、第3空洞の中に密閉された空洞を形成する。キャップ60は、分岐した(branch)空洞40をシールするために上部にフランジを有するナット形状を有している。
図3及び図4には、一の端部に流入空洞20を有する筐体12を有する蒸気復水排出装置10が示されている。筐体12の内部で、流入空洞20は、フィルターチャンバー70と連結している。フィルターチャンバー70は、流入空洞20から分岐し、流入空洞20から所定の角度で位置している。フィルターチャンバーは、通常動作の間で取り外し可能なキャップ80を有している。フィルターチャンバー70は、ノズル孔(いずれにも図示せず)を通って、第3空洞40に通じている。第3空洞40は、取り外し可能なキャップ60を有している。キャップ60は、蒸気復水排出装置10の通常の動作の間では、ねじ切りされたスクリュー62を介して第3空洞をシールする。第3空洞40は、ドレン孔46を介して、流出空洞30に通じている。
図1、図2、図3及び図4には、蒸気復水排出装置10の動作が示されている。高圧下における蒸気と復水との混合物は、流入空洞20に供給される。この混合物は、湾曲部に沿ってフィルターチャンバー70に入り、続いて、残屑を捕捉するワイヤメッシュフィルター72に流れ込む。このフィルターは、40×40メッシュ0.0254cm(0.010インチ)直径のステンレスワイヤーメッシュという特有な形状の統合型ストレーナーである。フィルター処理された蒸気と復水との混合物は、狭小のノズル通路52を介して、ノズル50の中へ入る。ノズル通路52は、液体又は蒸気の復水の大部分を、流入空洞20から第3空洞40に通す。復水は、第3空洞40に入り、ドレン孔46を介して流出空洞30へ流れ込む。復水は、蒸気ボイラー(いずれにも図示せず)に供給される。
キャップ60は、ノズル50の機能性を監視できるよう簡単に取り外しできる。最大の効果を発揮できるように、ノズル50を、定期的に、チェックしなければならない。排出を監視し、全ての復水を完全に、また、素早く、排出することによって、配置されたノズル50が、適切に機能していることを確認する。
生産への影響が最小限となるように動作中に点検する。キャップ60を開けると鋭くヒューヒューという雑音が聞こえるならば、ノズル通路52が大きすぎて、多くの蒸気を流出空洞30に通過させていることを意味する。他の識別できる結果としては、第3空洞40の温度が流入空洞20より高くなるならば、何らかの理由で、ノズル通路52がブロックされているか、ノズル通路52が狭すぎることがある。本発明によって、詰まったノズルを簡単に交換できる。
好ましい実施例では、蒸気復水排出装置10は、非磁性で頑丈なステンレス鋳造によって形成される。キャップ及び主筐体12の合わせ部は、2つのステンレスのガスケット、グラファイトによるコーティング、及び、シーリング及び潤滑用の高圧オイル混合物によって保護される。
本発明に係るその他の実施例では、流入空洞20及び流出空洞30の端部は、フランジ形状を有し、蒸気管の対応するフランジ形状の入口及び出口とボルト締めされるように構成される。本発明に係るいつくかの詳細な好ましい実施例が記載され図示されているが、本発明の精神から離れることなく、当業者が、様々に変更し、改良できることは明らかである。したがって、以下の請求の範囲は、このような変更、改良、及び、本発明の範囲内にある応用領域を包含しようとするものである。