JP3194641U - 雨水枡の蓋用孔カバー - Google Patents

Abstract

【課題】住宅等に設けられた有孔で小型の雨水枡に蚊が入り込んで産卵して繁殖することを防ぐことのできる簡易で安価な雨水枡の蓋用孔カバーを提供する。【解決手段】雨水枡の蓋用孔カバーであって、雨水枡の蓋の孔を覆い隠す大きさを有するカバー本体１と、カバー本体を雨水枡の蓋の孔に着脱自在に固定するための固定用ピン２とからなり、カバー本体には固定用ピンが差し込まれる複数のピン取り付け穴３が形成され、ピン取り付け穴に選択的に固定用ピンが差し込まれることを特徴とする。【選択図】図３

Description

本考案は、住宅等に設けられた有孔で小型の雨水枡に蚊が入り込んで産卵して繁殖することを防ぐ防蚊カバーに関する。

一般的な住宅には４個程度あるいはそれ以上の雨水枡が設置され、雨水が直接流れ込んだり、直接は流れ込まないが地中に埋められた排水管の中継点になったりしている。内部は、土砂などが直接公共の下水道等に流れ込まないように排水口が底面より高い位置に設けられ、排水口より下には常時水が溜まっている。

この枡の蓋には通常は孔が開いていて、雨水が流れ込めるし、また、内部の清掃等のために蓋を外すときに指を掛け入れることができる。しかし、障害物なしに内部に貫通しているため、繁殖に溜まり水が必要な蚊にとっても、自由に出入りできる格好の産卵場所になっている。

蚊は、人体を刺して吸血し、かゆみを引き起こすだけでなく、デング熱やマラリア等の病原体を媒介するが、その防除には一般的にスプレーや蚊取り線香等の殺虫剤が使われていて、発生源である溜まり水を減らしたり溜まり水と外界を遮断したりするということはほとんど行われていない。

蚊の発生源を外界から遮断するためにネットを用いる方法がいくつか考案されているが、一般家庭がホームセンター等で手軽に購入して設置できるものは市販されていない。

特開平７−１２７１２０ 登録実用新案 ３０９１５２５号 特許第３４１００８２号 特開２０１１−５８２７６

有孔の蓋が設置された雨水枡は、蚊が侵入して産卵するため蚊の発生源の一つになっているが、蚊が侵入できなくする対策が一般にはほとんどとられていない。このため多くの人が日常的に蚊に刺されている上に、デング熱やマラリア等の時には人間を死に至らしめる病気を流行させている。

この状態を改善するためには、有孔の蓋が設置された雨水枡と外界を遮断することが必要であり、かつそれは一般家庭においても気軽に実施できるように簡便で安価である必要がある。本考案はこれらの課題を解消することが目的である。

本考案は、雨水枡蓋の孔にビニール製のカバーを取り付けて蚊が侵入できなくするものである。このカバーは、孔をすべて塞ぐもの（Ａ型）と、周辺部以外はビニールをくりぬいてそこに網戸用の網を貼り付けて水が通過できるようにしてあるもの（Ｂ型）の２種である。

カバーには軟質の針金のピンが２本取り付けてあり、雨水枡蓋に引っかかるようになっているとともにおもりの役目も果たしているので、風雨で外れることはない。

使用する材料は、上記のようにＡ型では厚手のビニール、軟質の針金だけで、Ｂ型では厚手のビニール、軟質の針金、網戸用の網、及び、ビニールに網を固定する材料（ホチキスの針等）だけであり、きわめて安価に提供することができる。なお、材料として比重が１以上のプラスチックをビニールの代わりに用いることもできる。

上述のように本考案の有孔小型雨水枡用防蚊カバーは、雨水枡に蚊が侵入できなくするので、家庭等で蚊の発生を減少させることができる。また、枡の清掃時などに侵入した蚊が枡内部で産卵したとしても、成虫になった子世代の蚊が外に出ることができず、人体に影響することはない。

もとより蚊の産卵は、雨水枡のみならず、傾斜が不適切になった雨樋に溜まった水や池、放置されたタイヤ・空き缶・植木鉢など様々なところでなされるので、本考案が蚊の繁殖を劇的に減少させるものではないが、家庭の庭での発生を防ぐ効果は大である。例えば子供が外で砂遊びをする際に蚊に刺される可能性を減少させてくれるものである。特に町中や住宅団地等において町内会等を単位に実施すればさらに効果が大きく、蚊の撲滅に対する意識を高めることにもつながる。

本カバーはきわめて安価で一般的な材料のみを使っているので、設置のために町内会が予算化したり音頭をとって斡旋したりすることがしやすい価格で提供できるものである。

本考案の実施形態を示す雨水枡の蓋用孔カバー（Ａ型）の斜視図である。 図１に示す雨水枡の蓋用孔カバーの断面図である。 本考案の他の実施形態を示す雨水枡の蓋用孔カバー（Ｂ型）の斜視図である。 図３に示す雨水枡の蓋用孔カバーの断面図である。 図３に示す雨水枡の蓋用孔カバーを雨水枡に設置した状態の斜視図である。 図３に示す雨水枡の蓋用孔カバーを雨水枡に設置した状態の断面図である。

以下、本考案の実施形態を図１〜図６に基づいて説明する。

図１と図２はＡ型である。１は雨水枡の孔を塞ぐカバー本体であり厚手（１ｍｍ程度）のビニール製、２は孔に設置した本体がずれるのを防ぐための固定用ピンで、指で曲げることのできる軟質の針金であり、ピン取り付け穴３に蓋の孔の大きさに応じて位置を決めて差し込む。このピンは雨水枡の蓋の厚さよりも長くしてあり、設置時に図６のように蓋の厚さに応じて先端を軽く曲げることにより外れにくくなる。

Ａ型は網がないので雨水が入らず、雨水枡周辺に降った雨水が直接流入する可能性の低い場所に設置された枡に用いる。最も安価に提供できる。

図３と図４はＢ型である。カバー本体１、固定用ピン２、ピン取り付け穴３は上記段落００１７と同じである。４は網戸用の網で、カバー本体１にホチキス等で留めてあり、蚊は通過できないが水は通過できるようになっている。８は網と蓋の間に空間を作って水が流れやすくするための網支え部である。

Ｂ型は網があるので雨水が流入でき、雨水枡周辺に降った雨水が直接流入する場所に設置された枡に用いる。一般的な網戸用の網を用いるので安価に提供できる。強い雨のために多くの枯葉等が流れ込む場合のために、網の面積を雨水枡の孔よりも大きくして枯葉等を受け止めやすくし、目詰まりが起きにくくしてある。

図５と図６は、Ｂ型を雨水枡５に設置した状態を示したものである。雨水枡の蓋の孔７の大きさに応じた位置に固定用ピン２を差し込み、雨水枡の蓋６の厚さに応じて軽く曲げた状態で蓋に載せ、固定用ピン２を下ろして雨水枡の蓋の孔７に固定する。完全に動かなくなるのではないが通常の風雨で外れることはなくなる。

１ カバー本体
２ 固定用ピン
３ ピン取り付け穴
４ 網
５ 雨水枡
６ 雨水枡の蓋
７ 雨水枡の蓋の孔
８ 網支え部

Claims (2)

1. 雨水枡の蓋用孔カバーであって、雨水枡の蓋の孔を覆い隠す大きさを有するカバー本体と、前記カバー本体を前記雨水枡の蓋の孔に着脱自在に固定するための固定用ピンとからなり、前記カバー本体には前記固定用ピンが差し込まれる複数のピン取り付け穴が形成され、前記ピン取り付け穴に選択的に前記固定用ピンが差し込まれることを特徴とする雨水枡の蓋用孔カバー。
2. 請求項１に記載の雨水枡の蓋用孔カバーであって、前記カバー本体の中央部は網支え部を残してくり抜かれており、前記カバー本体上面に固定された網のくり抜き部上の面積は雨水枡の蓋の孔の面積の２倍以上であることを特徴とする雨水枡の蓋用孔カバー。