JP3194212U - 包装されたカット目入りシート状食品 - Google Patents
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Abstract
Description
本考案の好ましい一態様によれば、上記密封包装が安定的に粘着できるように、十分な大きさの重ね合わせ部を備えたことを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上下フィルムのいずれか又は両方を剥がして密封包装を剥がした後に、再び上下フィルムを重ね合わせて押圧すれば互いに自己粘着して繰り返し密封包装可能であることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記所要の間隔で設けられた一方向のカット目が、上記シート状食品の厚さに対し60〜90%の深さで設けられることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記シート状食品はその全体が重量管理されているものであり、所要の間隔で設けられた一方向のカット目に沿って折ると、所定の重量を持つシート状食品の一部が得られるように前記カット目が設けられていることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記所要の間隔で設けられる一方向のカット目が、成形機ノズルの出口付近に設けられた切込み刃によって設けられることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記シート状食品が、シート状マーガリンであることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記シート状食品が、生地折り込み用及び/又は練り込み用であることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
また、本考案は、シート状食品が特にシート状マーガリンの場合に利点が大きい。すなわち、シート状マーガリンはクロワッサン等のベーカリー製品を製造するための折り込み用油脂として使用され、折り込み用マーガリンの重量に合わせて折り込み生地の仕込み量を決めることが一般的である。本考案のシート状マーガリンでは、予め一方向にカット目が入っているので、必要量に合わせて折り込むマーガリンを切り出すことが極めて容易であるため、無駄に折り込み生地の仕込み量を増やすことが避けられる。そればかりか、シート状であるためポンドタイプよりもマーガリンの調温時間が短くなる利点を活かし、マーガリンに副材料を加えて生地を調製するケーキ生地やクッキー生地などの練り込み用油脂としても使用することができる。
さらに、本考案は、上下フィルムが互いに粘着してシート状食品を密封包装するので衛生的である。そして、本考案の上下フィルムは一旦開封した後であっても再粘着できるから、シート状食品を何度でも密封包装することができ、残りのものを使い切るまで衛生的に使用することができる。また、上下フィルムの内面のみで密封包装されるように構成すれば、シート状食品を積み重ねて収納することもできる。本考案のシート状食品は冷蔵庫のトレーボックスや段ボール等に何枚も重ねて収納することができ、収納に大きなスペースを必要としない。
加えて、本考案では、シート状食品の一方向にしかカット目が設けられていないので、全体として十分に安定した形状が保たれている。例えば、カット目が縦方向となるように手で持てば、シート状食品の全体が崩れる心配はほとんどない。したがって、カット目が縦方向となるように向きを揃えて収納すれば、シート状食品の出し入れは効率よく行える。なお、仮に縦横の双方向にカット目を入れてしまうと、手で持った時に安定した形状を保つことが難しくなる。
最後に、本考案では一方向にしかカット目が設けられていないので、カット目に沿って折るときに反りやひび割れを生じることは少なく、効率よく所定の重量を有する短冊状のシート状食品を得ることができる。もし、縦横の双方向にカット目を入れてしまうと、反りやひび割れが生じやすく、一方向のものよりも効率よく折ることはできない。
本考案において「シート状食品」とは、シート状に成形された食品の全てを含むものである。当該「食品」としては、マーガリン、バター、チーズ、ショートニング、フラワーペースト、固形油脂などの油性食品が挙げられるが、かまぼこ、こんにゃく、豆腐といった他の食品であっても構わない。ここで、シート状食品は、上下フィルムに対する粘着性や上下フィルムで挟んだ際の形態安定性を有しているものがよく、ある程度の粘性と硬さを有するものが好ましい。そのため、本考案の「シート状食品」としては、例えば、シート状に成形された、マーガリン、バター、ショートニングなどの可塑性食品が好ましく、その中でも特にシート状マーガリンが好ましい。
さらに、本考案のシート状食品が、シート状マーガリンなどの油性食品である場合、一方向にカット目が設けられているので、生地の幅に合わせた調整が容易にできるという利点がある。そのため、本考案のシート状食品は、生地折り込み用及び/又は練り込み用として好適に使用できる。
後述するように、本考案において最も好ましいサイズの1例は、例えば、220mm×220mm×11mm(縦×横×厚さ)である。
なお、本考案の「シート状食品」に所要の間隔で設けられたカット目に沿って折ると、所定の重量の一部が得られるように構成することが好ましい。1カット(1短冊)あたりの重量は30〜500gであることが好ましく、50〜300gであることがより好ましく、100〜200gであることがさらに好ましい。
シート状食品の種類によっては、手で1カット(1短冊)を折りにくい場合もある。その場合は、任意の切断手段で、1カット(1短冊)を切り出してもよい。この場合、ナイフ、カッターなどを使用することができる。
後述するように、本考案において最も好ましい態様の1つは、例えば、シート1枚当たりの重量が500gであり、1カット(1短冊)あたり重量が100gとなるようにすることである。
「上下フィルム」の材質はプラスチック、ビニール、紙、布、金属箔等をはじめとする任意の材質のものが用いられ、自己粘着性を有するものであれば特に制限されない。ここで、「自己粘着性」とは、熱や接着剤などを使用しなくても、フィルムどうしを互いに重ね合わせて押圧するだけで、当該フィルムどうしのみが粘着する性質のことをいう。このような自己粘着性を有するフィルムは古くから知られており、プラスチックフィルムに自己粘着性接着剤が塗布されたものが挙げられる。自己粘着性接着剤としては、例えば、(公序良俗違反につき、不掲載)が挙げられる(特開昭61−217308号公報参照)。なお、自己粘着性接着剤は、別名として「コールドシール剤」と呼ばれることもある(特開平3−29710号公報参照)。このようなコールドシール剤は多数市販されている。
さらに、自己粘着性を有するプラスチックも市販されており、本考案において好適に用いられるフィルムの例として、例えば、(公序良俗違反につき、不掲載)が挙げられる。
なお、本考案の「フィルム」としては、包装されたシート状食品がどのようなものであるか、外観から確認できるように半透明又は透明であるものが好ましい。
本考案における押圧手段としては、上下フィルムの端と端とを合わせて十分な重ね合わせ部が得られるようにフィルムどうしを押圧するものが挙げられる。例えば、押圧ローラーや押圧ピストンなどの押圧手段が挙げられる。また、真空包装機などを用いて、一旦真空状態を生成して、上下フィルムどうしの間の空気が除かれることによって、上下フィルムが重なり合うように構成してもよい。さらに、こうした機械的手段だけでなく、人間がシート状食品の四方を手で押圧して、上下フィルムどうしを自己粘着させるようにしてもよい。
また、包装されたシート状食品に反りがあったり、上下フィルムの重なりに隔たりがあたったりする場合は、そこに負荷が集中し、割れや剥がれにつながることから、できるだけ整った状態で包装されることが好ましい。
そこで、シート状食品の全体の重量を管理するため、シート1枚毎に所定の重量となるようにシート状食品を切断することが好ましい。このように所定の重量に切断するタイミングは、カット目を入れた後でもよいし、カット目を入れる前でもよい。
本考案における「カット目」の深さは特に制限されないが、大きな力を入れずに折れるようにすること、及び、他の部分に反りや割れが生じないようにすること等を考慮すると、シート状食品の厚さに対して60%以上の深さで設けることが好ましい。すなわち、シート状食品の厚さに対して60〜90%の深さでカット目を入れることがより好ましく、65〜80%の深さでカット目を入れることがさらに好ましい。
なお、本考案の「カット目」は所要の間隔で設けられるものであるから、一定の間隔で設けてもよいし、不規則な間隔で設けてもよい。例えば、「シート状食品」の縦又は横の長さを基準として、間隔の大きさを定めることができる。例えば、「カット目」の間隔は、「シート状食品」の縦又は横の長さの20分の1であることが好ましく、10分の1であることがより好ましく、5分の1であることがさらに好ましい。
[実施例1]
図1は、本考案の包装されたカット目入りシート状食品の斜視模式図である。図2は、本考案の包装されたカット目入りシート状食品の図1のA−A断面模式図である。図3は、本考案の包装されたカット目入りシート状食品の上面模式図である。
[実施例2]
図4は、本考案の包装されたカット目入りシート状食品の包装ラインの側面模式図である。図5は、本考案のシート状食品にカット目を設ける機構の正面模式図である。ここでは、シート状マーガリン7を例にして本考案における包装について説明する。なお、図中の矢印は進行方向、動作方向を表す。
また、製品(ベルトコンベア)の進行方向に対して平行となるようにサイドローラーを設け、上下フィルム3a及び3bの両側部を押圧して確実に自己密着させるようにすることができる。なお、サイドローラーはスプリングによる付設を受けていてもよい。
押圧ローラー及びサイドローラーの表面は上下フィルム3a及び3bに対して滑らない材質ものが選択され、例えば、シリコン等で被覆されていることが好ましい。
通常、この切断によって、上下フィルム3a及び3bの進行方向の先端及び後端が強く圧着される。したがって、第2カッター10は、シート状マーガリンの移動速度に同期して、間欠的に上下動し、上下フィルム3a及び3bを押圧して切断するようにすることが好ましい。
[実施例3]
計量が容易で使い勝手が良い、シートサイズ及びカット目の深さを決定するため、3種類のシート状マーガリン2を用意した。それぞれのマーガリンについて、シートサイズ(縦×横×厚)、シート重量、1カット横幅、1カット重量、カット目深さを測定した。そして、一方向に設けられたカット目に沿って折る作業を行い、その作業性についても検討した。その結果を下記表1に示す。
また、割りやすさの点からみると、カット目の深さは、11mmの厚さに対しては7mmであることが適当であり、22mmの厚さに対しては18mmが適当であった。つまり、厚さは薄い場合は深いカット目が必要なく、厚さが厚い場合は深いカット目が必要であることがわかった。厚さにより好ましい深さは異なるが、厚さに対して概ね64%〜82%程度の深さでカット目を入れることが望ましいことがわかった。
[実施例4]
上記実施例3において、シート状マーガリン2の形状は220mm×220mm×11mm(縦×横×厚)に決定することができた。そこで、本シートサイズで、実施例2に従って、実機での製造試験を行った。これにより製造された、包装されたカット目入りシート状マーガリン1を10枚毎にまとめて段ボールに梱包した。その後、段ボールを開封し、当該シート状マーガリン1を1枚毎に取り出して、1カットごとに折って切りだし、その重量を測定した。その結果を表2、3に示す。
2 シート状食品
3 密封包装体
3a 上フィルム
3b 下フィルム
3c 重ね合わせ部
3d 空間
4 カット目
5 包装ライン
5a フィルム送り機構
5b 切断機構
6 ベルトコンベア
6a ベルトコンベア
6b ベルトコンベア
6c ベルトコンベア
6d ベルトコンベア
7 シート状マーガリン
8 成形機ノズル
8a 専用治具
8b 切込み刃
9 第1カッター
10 第2カッター
11 ガイドローラー
本考案の好ましい一態様によれば、粘着できる十分な大きさの重ね合わせ部を備えたことを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上下フィルムのいずれか又は両方を剥がして密封包装を剥がした後に、再び上下フィルムを重ね合わせて自己粘着させ、繰り返し密封包装したものであることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記所要の間隔で設けられた一方向のカット目が、上記シート状食品の厚さに対し60〜90%の深さで設けられることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記シート状食品はその全体が重量管理されているものであり、所要の間隔で設けられた一方向のカット目に沿って折ると、所定の重量を持つシート状食品の一部が得られるように前記カット目が設けられていることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記所要の間隔で設けられる一方向のカット目が、成形機ノズルの出口付近に設けられた切込み刃によって設けられることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記シート状食品が、シート状マーガリンであることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
本考案の好ましい一態様によれば、上記シート状食品が、生地折り込み用及び/又は練り込み用であることを特徴とする、シート状食品を提供することができる。
「上下フィルム」の材質はプラスチック、ビニール、紙、布、金属箔等をはじめとする任意の材質のものが用いられ、自己粘着性を有するものであれば特に制限されない。ここで、「自己粘着性」とは、熱や接着剤などを使用しなくても、フィルムどうしを互いに重ね合わせて押圧するだけで、当該フィルムどうしのみが粘着する性質のことをいう。このような自己粘着性を有するフィルムは古くから知られており、プラスチックフィルムに自己粘着性接着剤が塗布されたものが挙げられる。なお、自己粘着性接着剤は、別名として「コールドシール剤」と呼ばれることもある(特開平3−29710号公報参照)。このようなコールドシール剤は多数市販されている。
さらに、自己粘着性を有するプラスチックも市販されている。なお、本考案の「フィルム」としては、包装されたシート状食品がどのようなものであるか、外観から確認できるように半透明又は透明であるものが好ましい。
Claims (8)
- 上フィルムと下フィルムの間に挟まれて包装されたカット目入りシート状食品であって、前記上フィルムと下フィルムとを重ね合わせて押圧すれば互いに自己粘着してシート状食品を密封包装するものであり、かつ、前記シート状食品には、カット目が所要の間隔で一方向に設けられていることを特徴とする、前記シート状食品。
- 上記密封包装が安定的に粘着できるように、十分な大きさの重ね合わせ部を備えたことを特徴とする、請求項1に記載のシート状食品。
- 上下フィルムのいずれか又は両方を剥がして密封包装を剥がした後に、再び上下フィルムを重ね合わせて押圧すれば互いに自己粘着して繰り返し密封包装可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシート状食品。
- 上記所要の間隔で設けられた一方向のカット目が、上記シート状食品の厚さに対し60〜90%の深さで設けられることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート状食品。
- 上記シート状食品はその全体が重量管理されているものであり、所要の間隔で設けられた一方向のカット目に沿って折ると、所定の重量を持つシート状食品の一部が得られるように前記カット目が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート状食品。
- 上記所要の間隔で設けられる一方向のカット目が、成形機ノズルの出口付近に設けられた切込み刃によって設けられることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート状食品。
- 上記シート状食品が、シート状マーガリンであることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート状食品。
- 上記シート状食品が、生地折り込み用及び/又は練り込み用であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシート状食品。
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