JP3194072U - 赤外線カメラと計算ソフトを用いたインスペクション診断装置 - Google Patents

赤外線カメラと計算ソフトを用いたインスペクション診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】実現場で正確に断熱性能が診断可能であり、誤差の少ない診断結果が得られる断熱・耐震・耐久診断装置とインスペクション評価システムを提供する。【解決手段】建物外皮を撮像する赤外線カメラの撮像手段1と、外皮の温度環境を計測する表面温度計測手段2とを設けたものであり、赤外線カメラが、撮像手段1で撮影した静止画及び/又は動画の情報、並びに表面計測手段2の環境温度計により表面温度を計測した情報を取り込む集積手段と、コンピュータに取得するインスペクションデータ取得手段と、取得した情報を記憶・計算するインスペクションデータベースと、新たに入力する建物形状データ取得手段と、記憶・計算した情報を出力するインスペクションデータ出力手段とを備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本考案は、建物の断熱・耐震・耐久診断装置とインスペクション評価システムである。即ち、建物の断熱・耐震・耐久診断の調査及び検証・診断するための装置及び評価・改修計画・提案システムに関するものである。
近年、地球温暖化防止に向けたCO排出量の削減や石油エネルギーから再生可能エネルギーへの転換といった世界規模の緊急課題を受け、国内の建築業界においても戸建住宅の省エネ化や長期使用化が最重要課題となっている。特に、既存住宅おける、これらの性能向上を目的とした改修の促進は急務である。既存戸建住宅の断熱改修や長期断熱性能の保証のためには、既存建物の耐震・断熱といった性能や劣化状況を把握し、特に整備が不十分な断熱性能の診断手法については、実現場で正確で簡易に評価できる手法が望まれている。そのため、法律上で規定されている耐震診断同様、断熱診断手法についても、定量的で信頼性が確保された診断方法の確立が求められている。
住宅の断熱性能は、施工された断熱材の種類・施工精度に加えて使用年数による経年変化も影響することから、断熱材の性能を長期間にわたって評価する必要がある。しかし現在、断熱材の評価方法として、製造直後の性能(初期断熱性能)を測定・評価する方法(ISO6781、ISO9869、など)が規定されているものの、製造後に建物に施工され、長期間を経過した断熱材の性能(長期断熱性能)を測定・評価する方法は殆ど規定されていない。
一般的に、建物の断熱計画は、断熱材の「初期断熱性能」をもとにし、それが長期間に渡って維持されることを前提に行われてきたが、近年の研究により断熱性能の経年変化を考慮した設計に関して様々な検討が行われている。例えば、発泡プラスチック系断熱材の場合、時間の経過に伴って断熱材中の発泡ガスが放散することより、断熱性能が低下して熱伝導率が上昇することが指摘されている。また、繊維系断熱材についても長期的な寸法変化などによる性能低下が考えられる。
断熱性能が低いとされる既存建物の断熱性能を向上させるためには,まず、既存状態の断熱性能を把握し、居住者に省エネ性能が低下していることを理解してもらい、断熱改修を促す必要がある。そして、改修に使用する断熱材の性能が長期間にわたって確保されること、また経年変化する性能を定量的に予測して適正に断熱材を選択・設計すること、更に、施工された断熱材が適正に施工され、期待した性能が実際に発揮されているかを把握することが重要である。そのためには、断熱材が施工された実際の現場において、その断熱性能を適切に測定する方法を提案し、規格化する必要性が非常に高いと考える。このことは、新築住宅の断熱性能の確保・維持にも必要不可欠なことである。また、測定方法の規格成立により、正しいとされる使い勝手の良いマニュアルなどが整備されれば、断熱改修の促進及び悪徳・悪質リフォーム内容や業者の排除にも大きな効果が期待できる。
以上の背景を踏まえ、省エネ化が急務とされている住宅業界において、特に既存住宅の断熱性能改善の促進が望まれる。しかしながら、居住者の理解不足や改修コストの面などから、断熱・耐震・耐久性能を向上させるような改修がなされていないのが現状である。断熱等の改修の促進には、断熱等の診断の実施により現状の性能を把握し、居住者が改修の必要性を理解し、改修前後のコスト・性能シミュレーションができるような改修を促進するツールが必要である。そのためにISOに申請を働きかけている実測による断熱診断手法(赤外線カメラ、手作りの室内温度センサー、手作りの室外温度センサー、手作りの熱伝導率センサー、手作りの表面温度用電対と自動集計・計算ソウト)があり、断熱改修促進に向けたツールとして期待されている。しかし、測定に約3日間の時間と手間を要したり、測定機器が手作りで煩雑なため普及を難しくしている。
また、特許文献1には、外壁や屋上などの構築物の外装の断熱状態を診断して改修計画を立案するためのシステムが開示されている。しかし、この診断装置では、様々な断熱仕様や施工方法が異なる既存住宅には適合せず、単に外装欠損部を診断するに過ぎず、この装置を用いて住宅の断熱改修・改善計画を居住者に提案して断熱改修を促進することは困難である。
特開2006−177869
断熱・耐震などの性能向上を目的とした改修を促進するには、「地域工務店が取り組みやすい診断手法」であることが重要で、ISO申請の技術があり、これまでの研究成果により、実現場で正確に断熱性能が診断可能となっている。この技術をベースとして、より簡易的に断熱診断を実施でき、安定した評価結果が得られ、また現場実務の人達(診断者)によってバラツキが生じない「簡易式診断」であることが重要となる。これらを踏まえて、誤差の少ない適正な診断結果が得られる断熱・耐震・耐久診断装置とインスペクション評価システムの普及を目指すためのものである。
ISOに申請を働きかけている実測による断熱診断手法で赤外線カメラ、室内温度センサー、室外温度センサー、熱伝達率センサー、表面温度用熱電対と自動集計・計算ソウトを用いると3日間必要で、時間と手間がかかり、また専門家でなけれは扱いにくい手作りの装置でもある。
そこで、既存建物を客観的に評価するため、国交省が策定した「既存住宅のインスペクションガイドライン」の指標に対応し、ひいては、中古建物の流通を促進させ、中古建物の有効活用に資する既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置とインスペクション評価システムを提供することを目的とする。また、好ましくは、本考案の目的は、このような診断装置及びインスペクション評価システムを新規に作る場合の開発期間を短縮すること、及び開発コストを低減することをも含む。
上記目的を達成するために、本考案の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置Aとインスペクション評価システムBは、環境温度計(2)一対を建物内外に配置し、赤外線カメラ(1)と環境温度計(2)により表面温度を測定し、かつ、その温度分布を映像化する所謂サーモグラフィーを利用した非破壊検査の手法により、その部位のU値(熱貫流率)を診断することができる。さらに、実現場で取得したデータをリアルタイムで計算し、結果を画像表示させ、居住者にその場で、一時的な診断結果を知らせることができる請求項1、請求項2及び請求項3記載の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置及びインスペクション評価システムである。
本考案の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置Aとインスペクション評価システムBは、現在、国策の「認定低酸素住宅」、「改正省エネルギー基準」、「2020年の一般住宅の省エネルギー義務化」など、住宅の省エネルギー性能の底上げに寄与することができる。
また、改正省エネルギー基準及び認定低炭素住宅の外皮性能の基準になる「外皮平均熱貫流率:UA値」「平均日射取得率:ηA値」を診断装置と連動して自動計算してインスペクション評価できる装置としてシステム化している。
具体的には、間取り、高さ、屋根形状、開口部の位置、サイズなどを入力し、サッシのガラス性能や断熱材を選択すればその建物の外皮・日射性能が瞬時に自動計算され、断熱性能の変更を行うとリアルタイムで再計算し、改修決定後の年間冷暖房エネルギー消費やコストも計算される。
また、本考案の診断装置A及び評価システムBは、図5に示す既存建物外皮を撮像する赤外線カメラの撮像手段(1)と、外皮の環境温度を計測する温度計測手段(2)とを設けたものであり、前記撮像手段(1)で撮影した静止画及び/又は動画の情報、並びに前記表面温度計測手段(2)の環境温度計により表面温度を計測した情報を取り込む集積手段(3)と、コンピュータに取得するインスペクションデータ取得手段(4)と、前記取得した情報を記憶・計算するインスペクションデータベース(5)と、新たに入力する建物形状データ入力・解析・評価・診断手段(6)と、インスペクションデータ解析・評価・診断手段(7)、前記記憶・計算した情報を出力するインスペクションデータ出力手段(8)とを備えることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4記載の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置及びインスペクション評価システムである。
本考案によれば、建物の熱貫流率を数時間で実測し、その建物の外皮平均熱貫流率:UA値を容易に算出できる。
改修前・後の年間暖冷房エネルギー費の算出が同時に行え、比較検討が容易にできる。
省エネルギー基準に準拠した性能確保のための断熱仕様の表示が可能で、改修レベルの検討や新築時の性能評価にも適応できる。
サーモグラフィー(赤外線カメラ)画像判断により、非破壊による筋かいの有無や面材耐力壁の釘ピッチ、ホールダウン金物の有無などの診断により耐震性能の評価も可能となる。また、建物の耐震診断ソフトとの連動を図ることで、より正確で現実的な耐震診断が可能となる。
また、雨漏りや結露・白蟻などの有無を調査することができ、木材腐朽の予測から耐久性の評価も十分可能となる。
さらに、直径1mm程度のボアスコープを、壁・床・天井に設けた小穴に挿入し、断熱材の有無の確認や、厚さの計測も可能で、さらに棒状温度センサーを使えば、温度分布の計測や断面図による温度分布図も作成可能で、正常な断熱材と比較して劣化の程度を判断できる。
図1は、本考案の診断装置A及びインスペクション評価システムBの一例を示す斜視図である。 図2は、本考案の診断装置A及びインスペクション評価システムBの一例を写真で示す模式図である。 図3は、環境温度計(2)の一例を示す図と写真である。 図4は、集積手段(3)の一例を示す写真である。 図5は、本考案の診断装置A及びインスペクション評価システムB構成概要の一例を示すブロック図である。 図6は、本考案による断熱診断の対象となる壁部分の例を示す写真である。 図7は、本考案による耐震性の診断対象となる壁部分の筋かいの有無の例を示す写真である。 図8は、本考案による劣化対象となる屋根の雨漏り、床の水漏れ等の一例を示す写真である。 図9は、壁中にファイバーコープを挿入し、壁中の断熱材の確認や、棒状熱電対により温度分布の計測を可能とした他の実施例の写真である。 図10は、本考案による診断装置及びインスペクション評価システム概要を示すチラシの一例である。
以下に、本考案の実施形態に係る既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置Aとインスペクション評価システムBについて図面を参照しながら説明する。なお、実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
本考案において既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置Aとは、図1から図5に示す撮像手段(1)の赤外線カメラ、表面温度計測手段(2)の環境温度計、集積手段(3)のデータ集積装置またはデータ変換装置(PCレコーダーなど)、及びインスペクション評価システムBのインスペクションデータ取得手段(4)、インスペクションデータ部(5)、建物形状データ入力・解析・評価・診断手段(6)、インスペクションデータ解析・評価・診断手段(7)、インスペクションデータ出力手段(8)を備えるコンピュータとを接続(無線通信接続も可能)した請求項1、請求項2及び請求項4記載の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置及びインスペクション評価システムである。
なお、インスペクションとは、調査や検査等を意味するが、本考案においては、例えば、建物(新築・既築問わない)の断熱、耐震、耐久、劣化状況等を調査及び検査等することを意味する。また、インスペクションデータとは、映像部(1)の赤外線カメラにて撮影した静止画像及び/又は、動画の情報、並びに表面温度計測手段(2)の環境温度計にて計測した計測結果及び集積手段(3)により集積された計測結果の情報を意味する。
具体的には、図1に示すものは、建物外皮となる壁の室内と室外に環境温度計(2)を設置し、外気に接する部位の通過熱流量を,赤外線カメラ(1)で測定する室内側の表面温度と総合熱伝達率及び環境温度から算出し、室内外の環境温度差から準定常状態における部位の熱貫流率を求めるものである。
これと同様に、床と天井部分においても計測する。
また、図2には、集積手段(3)のデータ集積装置を本考案診断装置Aに用いている概要の一例を示している。この場合、データーロガー(測定における温度や熱流計などの測定項目を必要な精度でかつ一定間隔で自動記録できるもの)を用いてもよい。
図3は、環境温度計(2)の一例を示す図と写真である。環境温度計(2)は,測定対象の部位に対する環境温度を測定するものである。ISO申請の手法においては、大きさが100mm×100mmで厚さが50mmと定められているが、本考案のものは、小型化して約70mm×40mm程度で厚さが約30mm程度の発泡プラスチック断熱材に,表面をつや消しの黒色塗料(放射率0.92以上)を塗布した銅板を張り付けたものとした。表面には熱電対(直径0.2mm以下又は表面測定用熱電対)を貼付する。一般的に外壁表面に当たる日射量の影響を見込んだSAT温度(sol−air temperature)又は相当外気温度を測定する際に使用されている相当外気温度測定計(等価温度計,又はSAT計)とほぼ同様の仕様である。さらに、本願のものは、従来手作りであったものを表面感知部の銅板残してプラスチック容器でおおったものを商品化(写真2)している。
図4は、集積手段(3)の一例を示す写真である。また、特に図示しないが、熱電対等をPCレコーダー等に接続してデータ集積する必要があったが、無線化によりデータ集積部(3)をコンピュータソフト内に設けることにより、配線の手間が省けれ、外部の設置も容易とすることも可能であることは、当然のことである。
図5は、本考案の診断装置A及びインスペクション評価システムBの構成概要の一例を示すブロック図である。ここで、無線化によりデータ集積部(3)をコンピュータソフト内に設けることも必然的なことである。さらに図示していないが、撮像手段(1)の赤外線カメラと一体となったコンピュータやタブレット、スマートフォンなどと、環境温度計測手段(2)に一対の環境温度計と、集積手段(3)に集積装置とを設けたことを特徴とする既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置及びインスペクション評価システムとすることも可能である。これは、簡単に持ち運びができる環境温度計測手段(2)及び集積手段(3)により得たデータは、無線により多くの人が所有しているスマートフォンやタブレットなどに専用のアプリをダウンロードして搭載し、送られたデータを計算・評価をしてその場で簡単に提案・提示できることである。
また、インスペクション評価システムBは、省エネルギー基準及び低炭素住宅の認定基準に示される外皮性能の指標となる「外皮平均熱貫流率:UA値」「平均日射取得率:ηA値」を診断装置Aと連動して自動計算してインスペクション評価できるプログラムとしてシステム化している。具体的には、建物データ入力・解析・評価・診断手段(6)にて、間取り、高さ、屋根形状、開口部の位置、サイズなどを入力し、サッシのガラス性能や断熱材を選択すればその建物の外皮・日射性能が瞬時に自動計算され、断熱性能の変更を行うとリアルタイムで再計算し、改修決定後の年間冷暖房エネルギー消費量やコストも計算される。
図6は、本考案による断熱診断の対象となる壁部分の例を示す写真である。これは、断熱診断の部分的な断熱欠損を発見し、補修することを目的とした診断の一例として示す。
図7は、本考案による耐震性を診断対象となる壁部分の筋かいの有無の例を示す写真である。このように、非破壊による筋かいの有無や面材耐力壁の釘ピッチ、ホールダウン金物の有無などの診断により耐震性能の評価も可能となる。また、建物の耐震診断ソフトとの連動を図ることで、より正確で現実的な耐震診断が可能となる。
図8は、本考案による劣化対象となる屋根の雨漏り、床の水漏れ等の一例を示す写真である。雨漏りや結露チェック、白蟻・結露被害のチェックなどで、耐久性の評価も十分可能となる。
図9は、極細のボアスコープにより壁中の断熱材や木材の確認や、棒状熱電対により温度分布の計測を可能とした他の実施例の写真である。室内側壁に小孔を設け、ボアスコープにより断熱材の有無・厚さを計測する。棒状の熱電対を挿入し、壁内部の温度分布を測定、併せて室内外温度と両側表面温度を測定する。壁の温度分布を表示した断面図を作成する。これらにより、温度降下の比率より断熱性能を推定し、正常な断熱材と比較して劣化の程度が判断できる。
図10は、本考案による診断装置A及びインスペクション評価システムBの概要を示すチラシの一例である。
既存建物全体をインスペクションする場合、撮像部(3)は、これらを非破壊による点検をするための主要な手段であり、判断要素となる。その項目を以下に、箇条書きにて示す。
・既存建物全体の外皮の断熱性能
・断熱材等の状況(劣化、結露、剥離(離脱))
・筋かいの有無や面材耐力壁の釘ピッチ、ホールダウン金物の有無など
・虫、特にシロアリ等の害虫の生息状況
・床組、小屋組、軸組等の劣化状況
・雨水の浸入、及び水漏れ浸入状況
・結露等、水分系の悪害状況
・基礎断熱の場合の断熱劣化・ひび割れ有無の状況
撮像部(3)は、前記調査項目における対象部位の静止画及び/又は動画を撮像することにより、前記調査項目の点検・位置・状況・管理・分析を可能にする。また、撮像部(3)には、エックス線カメラとの併用も可能である。
図10に示すように、本考案の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置Aとインスペクション評価システムBは、既存建物インスペクション診断装置Aと、コンピュータとが通信可能に接続されている。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)等で構成されるメモリと、ハードディスク等で構成される記憶装置と、出力装置とを備えるコンピュータである。前記記憶装置は、断熱等インスペクションプログラムを記憶している。CPUが記憶装置からメモリに断熱等インスペクションプログラムを読み出して実行することにより、コンピュータの各機能が実現される。尚、コンピュータには、前記に加え、既存建物の外壁や屋根、開口部などの立体情報が必要となり、適宜の入力装置や耐震診断ソフトなどを備えていてもよい。
インスペクションデータ取得部(4)は、撮像部(1)にて撮影した静止画及び/又は動画の情報、並びに各計測部(2)にて計測した計測結果の情報(インスペクションデータ)を、それぞれ撮像部(1)及び各計測部(2)から取得し、当該取得したインスペクションデータをインスペクションデータベース(5)に記憶する。
インスペクションデータベース(5)は、インスペクションデータを撮像部(1)及び各種計測部(2)毎に分けて記憶している。なお、インスペクションデータベース(5)にインスペクションデータを中長期的に記憶しておくことが可能である。当該情報を長期的に保存しておくことにより、長期にわたる対象建物の断熱性能低下や劣化・維持管理状況が明らかになるため、当該建物の経年劣化状況を的確に把握することが可能となり、取得した情報データを解析・評価・診断するソフトにより当該建物の評価の信頼性が向上する。
さらに、建物形状データ入力・解析・評価・診断手段(6)と耐震診断ソフトなどと連動させることにより、より精密で現実的な診断が可能である。
また、インスペクションデータ解析・評価・診断手段(7)においては、建物入力データにより、サッシのガラス性能や断熱材を選択すればその建物の外皮・日射性能が瞬時に自動計算され、断熱性能の変更を行うとリアルタイムで再計算し、改修決定後の年間冷暖房エネルギー消費も計算される。
インスペクションデータ出力手段(8)は、インスペクションデータベース(5)に記憶した情報をコンピュータの出力装置に出力する。インスペクションデータ出力手段(8)は、出力装置に応じて、リアルタイムに情報をディスプレイに表示したり、紙媒体に印刷することが可能である。
インスペクションデータ出力手段(8)は、インスペクションデータ取得部(4)が取得し、インスペクションデータベース(5)が記憶したインスペクションデータを直ちに出力装置に出力することが可能であるため、本考案のシステム利用者及び当該建物居住者(居住予定者等含む)は、撮像部(1)及び各種の計測部(2)で調査及び検査した結果を、リアルタイムに知ることができる。これにより当該建物居住者等の満足度及び安心感を高揚させることができる。また、本考案のシステム利用者は、当該記憶した情報を分析、加工等して、インスペクション対象の建物の管理等を行うことができる。
また、インスペクションデータを中長期的にインスペクションデータベース(5)に記憶しておけば、本考案のシステム利用者は、当該記憶しておいた中長期的なインスペクションデータについて統計分析等を行い数値化、グラフ化などし、その数値・グラフなどを、既存建物を客観的に評価するための指標とすることができ、現状での年間冷暖房エネルギー消費量も提示できる。これにより、中古建物の評価の信頼性が向上し、中古建物市場の活性化につながり、ひいては、地球規模での環境保全へ寄与することが可能となる。
さらに、インスペクション評価システムBに用いるコンピュータは、パソコンに限定されず、スマートフォンや板状のコンピュータ機器(タブレット)でも可能であり、インスペクションデータ取得部(4)と、インスペクションデータベース(5)と、単に、温熱データ解析・評価・診断手段(7)、インスペクションデータ出力手段(8)とを備えるだけのものでもよく、その場で既存建物の断熱・耐震・耐久性診断を行い、リアルタイムで提案・改修計画書の作成も可能とする。
前述したように、本考案によれば、特に特許文献1のように、単に外壁や屋上などの構築物の外装の状態を診断して改修計画を立案するためのシステムではない。本考案の診断装置は、様々な断熱仕様や施工方法が異なる住宅においても適用でき、特許文献1のように単に外装欠損部を診断するだけではない。この装置を用いて住宅の断熱補修・改善計画を年間冷暖房エネルギー消費量を予測して提案することができる。
予め特別な機器等を常設する必要がなく、また汎用性に富んだインスペクション装置A及びインスペクションシステムBを提供することができる。また、本考案によれば、既存建物の多面的で正確なインスペクションデータが得られ、かつインスペクションデータをリアルタイムに得ることができるとともに、当該インスペクションデータをコンピュータに中長期的に蓄積することが可能となる。
さらに、本考案によれば、前記中長期的に蓄積したインスペクションデータを統計分析して数値化・グラフ化等することにより既存建物を客観的に評価するための指標を設定し、ひいては、中古建物の流通を促進させ、中古建物を有効に活用することができるようになる。また、本考案の好ましい実施形態によれば、このようなインスペクション装置及び評価・診断システムを新規に作る場合の開発期間を短縮し、及び開発コストを低減することが可能となる。
A 既存建物の断熱・耐震・耐久性診断装置
(1)映像手段
(2)表面温度計測手段
(3)集積手段
B コンピュータ
(4)インスペクションデータ取得手段
(5)インスペクションデータベース部
(6)建物形状入力データを解析・評価・診断手段
(7)インスペクションデータ解析・評価・診断手段
(8)インスペクションデータ出力手段
上記図7〜図9に示す説明の耐震診断、耐久診断、劣化診断においては、赤外線カメラやボアスコープによる映像診断によるものである。
本考案の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置Aとインスペクション評価システムBは、既存建物インスペクション診断装置Aと、コンピュータとが通信可能に接続されている。
上記目的を達成するために、本考案の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置Aとインスペクション評価システムBは、環境温度計(2)一対を建物内外に配置し、赤外線カメラ(1)と環境温度計(2)により表面温度を測定し、かつ、その温度分布を映像化する所謂サーモグラフィーを利用した非破壊検査の手法により、その部位のU値(熱貫流率)を診断することができる。さらに、実現場で取得したデータをリアルタイムで計算し、結果を画像表示させ、居住者にその場で、一時的な診断結果を知らせることができる請求項1、請求項2記載の既存建物の断熱・耐震・耐久診断装置及びインスペクション評価システム。
図1は、本考案の診断装置A及びインスペクション評価システムBの一例を示す斜視図である。 図2は、本考案の診断装置A及びインスペクション評価システムBの一例を写真で示す模式図である。 図3は、環境温度計(2)の一例を示す図と写真である。 図4は、集積手段(3)の一例を示す写真である。 図5は、本考案の診断装置A及びインスペクション評価システムB構成概要の一例を示すブロック図である。 図6は、本考案による断熱診断の対象となる壁部分の例を示す写真である。 図7は、本考案による耐震性の診断対象となる壁部分の筋かいの有無の例を示す写真である。 図8は、本考案による劣化対象となる屋根の雨漏り、床の水漏れ等の一例を示す写真である。 図9は、壁中にファイバーコープを挿入し、壁中の断熱材の確認や、棒状熱電対により温度分布の計測を可能とした他の実施例の写真である。

Claims (4)

  1. 撮像手段(1)の赤外線カメラと、環境温度計測手段(2)に一対の環境温度計と、集積手段(3)に集積装置とを設け、さらに環境温度計測手段(2)と、集積手段(3)を小型化して製造し、コンピュータなどとの通信手段として有線又は無線にて接続したことを特徴とする建物の断熱・耐震・耐久診断装置。
  2. 撮像手段(1)の赤外線カメラと一体となったコンピュータやタブレット、スマートフォンなどと、環境温度計測手段(2)に一対の環境温度計と、集積手段(3)に集積装置とを設けたことを特徴とする建物の断熱・耐震・耐久診断装置。
  3. 前記コンピュータなどには、請求項1又は請求項2記載の建物の断熱・耐震・耐久診断装置により計測されたデータをインスペクションデータ取得手段(4)、インスペクションデータベース(5)、インスペクションデータ解析・評価手段(7)、インスペクションデータ出力手段(8)とを備えることを特徴とするインスペクション評価システムである。
  4. 前記コンピュータなどには、請求項1又は請求項2記載の建物の断熱・耐震・耐久診断装置により計測されたデータをインスペクションデータ取得手段(4)、インスペクションデータベース(5)、建物形状データ入力・解析・評価・診断手段(6)、インスペクションデータ解析・評価・診断手段(7)、インスペクションデータ出力手段(8)とを備えることを特徴とするインスペクション評価システムである。
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