JP3192900B2 - 含油廃水の処理方法 - Google Patents

含油廃水の処理方法

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JP3192900B2 JP384995A JP384995A JP3192900B2 JP 3192900 B2 JP3192900 B2 JP 3192900B2 JP 384995 A JP384995 A JP 384995A JP 384995 A JP384995 A JP 384995A JP 3192900 B2 JP3192900 B2 JP 3192900B2
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含油廃水の処理方法に関
し、詳しくは石油系炭化水素資化性微生物によって、石
油精製又は石油化学工場廃水、船舶ビルジなどに含まれ
る石油系炭化水素(以下「鉱物油」という)や、下水、
食品工場などの廃水に含まれる油脂(脂肪酸)を分解除
去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機性廃水の生物学的処理法の
うち、活性汚泥法は最も優れた方法として、広く採用さ
れている。しかし、従来の活性汚泥法は廃水中に含まれ
ている油脂及び鉱物油によって阻害され、処理が困難に
なって処理水質が悪化するなど、多くの問題が生じてき
た。このような問題のうち、油脂を除去するためには、
ハンゼヌラ属、クルイベロマイセス属、キャンディタ
属、トリコスポロン属に属する油脂資化性酵母を用いる
油脂含有廃水の処理方法が提案されている。
【0003】ここで、前記油脂とは、サラダ油、亜麻仁
油、大豆油、オリーブ油、綿実油、等の植物油脂、ラー
ド(豚脂)やヘッド(牛脂)等の動物油脂であり、炭素
数18以下の飽和及び不飽和脂肪酸を主成分とし、炭素
数20〜24の脂肪酸を微量含んでいる。
【0004】一方鉱物油の一例として重油は、炭素数1
4〜26の炭化水素から構成され、主成分は炭素数17
〜24の炭化水素である。これらの炭化水素は同じ炭素
数の脂肪酸に比べてはるかに生物分解されにくいという
特徴がある。
【0005】通常、微生物でこれらの油脂や鉱物油を生
物分解するためには、まず油脂や鉱物油を水に溶解させ
なければならず、微生物に対して毒性が低い界面活性剤
を添加して、油脂や鉱物油をエマルジョン化しておく必
要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の活性
汚泥は油脂や鉱物油をエマルジョン化する能力はほとん
どないため、界面活性剤を添加して前記の油脂資化性酵
母を使用しても、油脂を分解処理するのがせいぜいであ
り、重油等の鉱物油を分解する能力が乏しい。界面活性
剤は毒性が低いものであってもやはり生物に対する毒性
を有しており、環境問題の上からもその添加によるエマ
ルジョン化は好ましい方法ではない。このため、毒性の
問題のない油脂及び鉱物油のエルマジョン化及び効率の
よい分解を微生物により実現できる方法の開発が望ま
れ、特に油脂、鉱物油を効率よく分解できる能力を有す
る微生物を獲得する必要に迫られている。本発明はこの
ような要求に対応できる廃水の処理方法の提供を課題と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、本発明は含油廃水中に石油系炭化水素資化性微
生物として、コリネバクテリウム属に属する細菌 FE
RM BP−4778又はデバリオマイセス属に属する
酵母 FERM BP−4779を添加することにより
油脂及び/又は鉱物油を除去することを特徴とする含油
廃水の処理方法を提供する。また、本発明は含油廃水中
に石油系炭化水素資化性微生物としてコリネバクテリウ
ム属に属する細菌 FERM BP−4778又はデバ
リオマイセス属に属する酵母 FERM BP−477
9、及び活性汚泥とを添加して油脂及び/又は鉱物油を
除去することを特徴とする含油廃水の処理方法を提供す
発明における特に好ましい実施の態様として、上
記活性汚泥が石油系炭化水素で馴致して乳化能力を獲得
したものであることが挙げられる。
【0008】
【作用】本発明者等は、土壌、海水及び活性汚泥等を広
汎にわたりスクリーニングした結果、重油等の鉱物油を
効率よく分解できる石油系炭化水素資化性微生物を発見
することができた。この微生物単独で、または該微生物
と重油馴致活性汚泥とを混合培養することによって、油
脂及び/又は鉱物油を非常に効率よく除去できることを
確認し、本発明の完成に至った。以下に本発明をさらに
詳述する。
【0009】まず、本発明で石油系炭化水素資化性微生
物として使用する菌株の一つは、以下の細菌学的な特徴
を有する。 (a) 形態的性質 ア)コロニー : 乳白色円形 イ)細菌の形,大きさ : 棹菌。0.5ミクロン
×1.5ミクロン ウ)運動性 : 無し エ)鞭毛の着生状態 : 鞭毛無し オ)胞子 : 無し
【0010】(b) 培養的性質 肉汁寒天平板培養 生育の様相 : 直径0.5〜1mmのコロニーを形成
する。 色 : 乳白色 光沢 : 有り 拡散性色素 : 生成せず 肉汁液体培養 表面発育の有無 : 無し 培地の混濁状態 : よく混濁
【0011】(c) 生理学的性質 本菌株は、常法により淡水の活性汚泥より分離した細菌
であるので、バージェイズ マニュアル オブ システ
マティック バクテリオロジイ(ウイリアムズアンド
ウイルキンズ)に基づき、以下の生理的試験を行った。 1) グラム染色性 : 陽性 2) 硝酸塩の還元性 : 陽性 3) インドールの酸性 : 陽性/陰性 4) クエン酸塩の利用 : 陽性 5) 色素の生成 : 陰性 6) オキシダーゼの産生 : 陰性 7) カタラーゼの産生 : 陽性 8) 酸素に対する態度 : 好気性 9) O−Fテスト(Hugh Leifson法による) : 糖を
醗酵しない 10) 下記の糖類からの酸の生成 (1) L−アラビノース : 陰性 (2) D−キシロース : 陰性 (3) D−グルコース : 陰性 (4) D−フラクトース : 陽性 (5) D−ガラクトース : 陽性 (6) マルトース : 陰性 (7) シュークロース : 陽性 (8) ラクトース : 陰性 (9) D−マンニトール : 陽性 11) エスクリンの分解 : 陰性
【0012】以上の結果より、本菌株をコリネバクテリ
ウム属に属する菌と同定し、本菌株をMTO−B56株
と命名した(以下「B56株」と略す)。本菌株は工業
技術院生命工学工業技術研究所に生命研菌寄第4778
号(FERM BP−4778)として平成6年8月1
0日付で寄託されている。
【0013】本発明で石油系炭化水素資化性微生物とし
て使用できる菌株の他の一つは、以下の細菌学的な特徴
を有する。 (a) 形態的性質 ア)コロニー : 乳白色 イ)菌の形態 : 楕円形 ウ)鞭毛 : 無し エ)増殖形式 : 多極出芽
【0014】(b) 生理学的性質 本菌種は、顕微鏡観察から飯塚,後藤著、「酵母の分類
同定法(第二版)」、東大出版会刊(1973年)に基
き、以下の生理的試験を行った。 1)糖の発酵性 (1) D−グルコース : 陽性 (2) D−ガラクトース : 陽性 (3) シュークロース : 陽性 (4) マルトース : 陰性 (5) ラクトース : 陰性 (6) ラフィノース : 陰性 2)糖の資化性 グルコース : 陽性 ガラクトース : 陽性 シュークロース : 陽性 マルトース : 陽性 ラクトース : 陰性 アラビノース : 陽性
【0015】この結果より、本菌株をサッカロマイセタ
レス目(コウボキン目)デバリオマイセス属属する酵
母と同定し、MTO−Y77株(以下「Y77株」と略
する)と命名した。また、本菌株は工業技術院生命工学
工業技術研究所に生命研寄第4779号(FERM
BP−4779)として寄託されている。
【0016】一方、石油化学工場の排水処理設備の活性
汚泥を、A重油を非イオン性又は陰イオン性界面活性剤
によって乳化させた溶液と、微生物が容易に資化可能な
有機物で馴致することによって、活性汚泥の鉱物油の乳
化力を増強した。この技術については出願人等が特願平
5−203828号において「鉱物油を非イオン性また
は陰イオン性界面活性剤によって乳化させた溶液に、微
生物が容易に資化可能な有機物を混合してなる溶液中に
おいて、微生物を培養することを特徴とする鉱物油分解
能力を増強した微生物の取得方法」としてすでに出願し
ている。
【0017】本発明は、前記B56株やY77株等の石
油系炭化水素資化性微生物単独で、またはこれらの石油
系炭化水素資化性微生物と上記した鉱物油馴致活性汚泥
とを混合して用いる。その作用は以下のとおり。 (i) 新しく見いだされたB56株,Y77株等の石油系
炭化水素資化性微生物は、炭素数21以下の炭化水素を
分解できる。(ii)重油で馴致した活性汚泥には、油脂及
び/又は鉱物油のエマルジョン化能力をもつ未特定の微
生物が存在する。この微生物の作用によって、油脂及び
/又は鉱物油は水に分散溶解される。 (iii) また、重油で馴致した活性汚泥には、炭素数22
以上の炭化水素を分解する能力のある未特定の微生物が
存在する。 (iv)従って、B56株,Y77株等の石油系炭化水素資
化性微生物単独を廃水処理に使用しても炭素数21以下
の炭化水素(鉱物油)は分解処理されるし、B56株,
Y77株などの石油系炭化水素資化性微生物と、重油で
馴致した活性汚泥とを併用すると油脂及び鉱物油はエマ
ルジョン化され、さらに炭素数22以上の炭化水素も分
解処理されるので、非常に効率よく油脂、鉱物油を分解
処理できる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが本発明はこれに限定されるものではない。 〔実施例1〕表1に示す組成の基本培地に、表2に示す
性状のA重油を1,000mg/リットルとなるように
添加し、B56株の菌体を100mg/リットルとなる
ように植種した後、30℃で振とう培養を続けた。この
培養液を定期的にサンプリングし、四塩化炭素抽出液の
非分散赤外線分析法により、重油濃度を測定して重油分
解速度を求めた。その結果を後記する表3に示す。な
お、このとき培養液はやや白濁して、一部のA重油がエ
マルジョン化していた。また、A重油を添加し14日間
振とう培養した培養液のマスクロマトグラムを測定した
結果を図1に、またコントロールとしてのA重油のマス
クロマトグラムを図2に示す。図1,図2から、本実施
例の培養液において重油中の炭素数21までの炭化水素
は殆ど分解されていることが分かる。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】〔実施例2〕実施例1と同様の表1の基本
培地と表2のA重油の混合液に、B56株の菌体が10
0mg/リットルと下記の方法で馴致した重油馴致活性
汚泥が900mg/リットルとなるように植種して、3
0℃で振とう培養を続けた。この培養液を実施例1と同
様にして、重油濃度を測定して重油分解速度を求めた。
その結果を表3に示す。なお、このとき培養液は激しく
白濁し、A重油の大部分はエマルジョン化していた。ま
た、14日間振とう培養液のマスクロマトグラムを測定
した結果を、図3に示す。図3から、本実施例の培養液
において重油中の炭素数22以上の炭化水素も分解され
ていることが分かる。
【0022】重油馴致活性汚泥の調製方法:コークスを
生成する際に発生する、フェノール及びタール分を主成
分とする排水の処理に用いている活性汚泥を培養タンク
に入れ、重油と界面活性剤を100mg/リットルとな
るように培養タンクに投入する。タンク内の活性汚泥を
曝気により撹拌し、添加した重油分を好気的に分解させ
る。培養タンク内の油分濃度を定期的に測定し、油分濃
度が10mg/リットル以下になった時点で、再び重油
と界面活性剤を100mg/リットル添加する。以上の
操作を繰り返し、重油分解速度が一定となった時点で馴
養を終了する。
【0023】〔参考例1〕実施例1と同様にして、表1
の基本培地と表2のA重油の混合液に、実施例2で用い
た重油馴致活性汚泥を1,000mg/リットルとなる
ように植種して、30℃で振とう培養し、重油濃度を測
定して重油分解速度を求めた。その結果、表3に示すと
おり油分は殆ど除去されていなかったが、このとき培養
液は激しく白濁し、A重油の大部分はエマルジョン化し
ていた。
【0024】〔比較例1〕実施例1と同様にして、表1
の基本培地と表2のA重油の混合液に、下水汚泥を1,
000mg/リットルとなるように植種して、30℃で
振とう培養し、重油濃度を測定して重油分解速度を求め
た。その結果、表3に示すとおり油分は全く除去され
ず、培養液も全く白濁しなかった。
【0025】〔実施例3〕表1に示す組成の基本培地
に、油脂の代表例としてオリーブ油を1,000mg/
リットルとなるように添加し、B56株の菌体を100
mg/リットルとなるように植種した後、実施例1と同
様にして30℃で振とう培養し、油脂濃度を測定して油
脂分解速度を求めた。その結果を表3に示す。なお、オ
リーブ油と14日間振とう培養液のマスクロマトグラム
を測定した結果、実施例2と同じスペクトルが得られ、
すべての炭素数の炭化水素が分解されていることが確認
された。
【0026】〔実施例4〕実施例2と同様にして、表1
の基本培地とオリーブ油の混合液に、B56株の菌体を
100mg/リットルと重油馴致活性汚泥が900mg
/リットルとなるように植種して、実施例1と同様に3
0℃で振とう培養し、油脂濃度を測定して油脂分解速度
を求めた。その結果を表3に示す。なお、オリーブ油
(コントロール)と14日間振とう培養液のマスクロマ
トグラムをそれぞれ測定した結果、本実施例の培養液の
それは実施例2と同様のスペクトルが得られ、すべての
炭素数の炭化水素が分解されていることが確認された。
【0027】〔参考例2〕実施例1と同様にして、表1
の基本培地とオリーブ油の混合液に、実施例2で用いた
重油馴致活性汚泥を900mg/リットルとなるように
植種して、実施例1と同様に30℃で振とう培養し、油
脂濃度を測定して油脂分解速度を求めた。その結果を表
3に示す。このとき培養液は激しく白濁し、オリーブ油
の大部分はエマルジョン化していた。
【0028】〔比較例2〕比較例1と同様にして、表1
の基本培地とオリーブ油の混合液に下水汚泥を埴種し
て、30℃で振とう培養し、油脂濃度を測定して油脂分
解速度を求めた。その結果は、表3に示すとおり油分は
全く除去されず、培養液もまったく白濁しなかった。
【0029】
【表3】
【0030】表3の結果から、従来の下水汚泥ではA重
油もオリーブ油もどちらも分解処理することはできない
(比較例1及び比較例2)が、重油馴致活性汚泥を単独
使用することでこれらの油分に対する分解性が向上する
ことがわかる(参考例1及び参考例2)。また、B56
株の単独使用により重油、オリーブ油ともに重油馴致活
性汚泥使用の場合によりもはるかに分解されること(実
施例1及び実施例3)から、B56株が油分分解に非常
に有効であること、さらにこの重油馴致活性汚泥とB5
6株を併用することにより、重油,オリーブ油の分解速
度は約2倍に向上することがわかる。
【0031】〔実施例5〕表1に示す組成の基本培地
に、表2に示す性状のA重油を1,000mg/リット
ルとなるように添加し、Y77株の菌体を100mg/
リットルとなるように植種した後、30℃で振とう培養
を続けた。この培養液を定期的にサンプリングし、四塩
化炭素抽出液の非分散赤外線分析法により、重油濃度を
測定して重油分解速度を求めた。その結果を後記する表
4に示す。なお、このとき培養液は少し白濁して、一部
のA重油がエマルジョン化していた。また、A重油を添
加して14日間振とう培養した培養液のマスクロマトグ
ラムを測定した結果を図4に、またコントロールとして
のA重油のマスクロマトグラムを図5に示す。図4,図
5から、本実施例の培養液において重油中の炭素数21
までの炭化水素は殆ど分解されていることが分かる。
【0032】〔実施例6〕実施例5と同様の表1の基本
培地と表2のA重油の混合液に、Y77株の菌体が10
0mg/リットルと前記の方法で馴致した重油馴致活性
汚泥が900mg/リットルとなるように植種して、3
0℃で振とう培養を続けた。この培養液を実施例5と同
様にして、重油濃度を測定して重油分解速度を求めた。
その結果を表4に示す。なお、このとき培養液は激しく
白濁し、A重油の大部分はエマルジョン化していた。ま
た、14日間振とう培養液のマスクロマトグラムを測定
した結果を、図6に示す。図6から、本実施例の培養液
において重油中の炭素数22以上の炭化水素も分解され
ていることが分かる。
【0033】〔参考例1〕実施例5と同様にして、表1
の基本培地と表2のA重油の混合液に、実施例6で用い
た重油馴致活性汚泥を1,000mg/リットルとなる
ように植種して、30℃で振とう培養し、重油濃度を測
定して重油分解速度を求めた。その結果、表4に示すと
おり油分は殆ど除去されていなかったが、このとき培養
液は激しく白濁し、A重油の大部分はエマルジョン化し
ていた。
【0034】〔比較例3〕実施例5と同様にして、表1
の基本培地と表2のA重油の混合液に、下水汚泥を1,
000mg/リットルとなるように植種して、30℃で
振とう培養し、重油濃度を測定して重油分解速度を求め
た。その結果、表4に示すとおり油分は全く除去され
ず、培養液も全く白濁しなかった。
【0035】〔実施例7〕表1に示す組成の基本培地
に、油脂の代表例としてオリーブ油を1,000mg/
リットルとなるように添加し、Y77株の菌体を100
mg/リットルとなるように植種した後、実施例5と同
様にして30℃で振とう培養し、油脂濃度を測定して油
脂分解速度を求めた。その結果を表4に示す。なお、オ
リーブ油を添加して14日間振とう培養した培養液のマ
スクロマトグラムを測定した結果、実施例6と同じスペ
クトルが得られ、すべての炭素数の炭化水素が分解され
ていることが確認された。
【0036】〔実施例8〕実施例6と同様にして、表1
の基本培地とオリーブ油の混合液に、Y77株の菌体を
100mg/リットルと重油馴致活性汚泥が900mg
/リットルとなるように植種して、実施例5と同様に3
0℃で振とう培養し、油脂濃度を測定して油脂分解速度
を求めた。その結果を表4に示す。なお、オリーブ油を
添加して14日間振とう培養した培養液のマスクロマト
グラムをそれぞれ測定した結果、本実施例の培養液のそ
れは実施例6と同様のスペクトルが得られ、すべての炭
素数の炭化水素が分解されていることが確認された。
【0037】〔参考例4〕実施例5と同様にして、表1
の基本培地とオリーブ油の混合液に、実施例6で用いた
重油馴致活性汚泥を900mg/リットルとなるように
植種して、実施例5と同様に30℃で振とう培養し、油
脂濃度を測定して油脂分解速度を求めた。その結果を表
4に示す。このとき培養液は激しく白濁し、オリーブ油
の大部分はエマルジョン化していた。
【0038】〔比較例4〕比較例3と同様にして、表1
の基本培地とオリーブ油の混合液に下水汚泥を埴種し
て、30℃で振とう培養し、油脂濃度を測定して油脂分
解速度を求めた。その結果は、表4に示すとおり油分は
全く除去されず、培養液もまったく白濁しなかった。
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明の含油廃水の処理方法は次の効果
を奏することができる。従来の活性汚泥法に比べて、界
面活性剤を添加せずに油脂及び/又は鉱物油を効率よく
分解資化することができる。そのため既存の活性汚泥処
理設備に本発明に係る微生物を添加するだけで、油分処
理能力の増強が可能となる。因みに、界面活性剤はその
種類により多少の差があっても生物に対して毒性があ
り、油脂,鉱物油をエマルジョン化させるために添加し
たとき、処理水に残存して放流水域の生物に影響を与え
ることは避けられない。本発明の方法はこのような問題
をも解消しうる点で環境保全に非常に有利である。ま
た、石油系炭化水素資化性微生物であるコリネバクテリ
ウム属に属する細菌FERM BP−4778 あるい
はデバリオマイセス属に属する酵母FERMBP−47
79と、油脂,鉱物油をエマルジョン化させる能力があ
る重油馴致活性汚泥とを併用することによって、油脂及
び/又は鉱物油をさらに効率よく分解資化することがで
きる。そのため、設備のコンパクト化とコストの低廉化
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の実施例1の14日間振とう培養液の
マスクロマトグラムである。
【図2】は本発明の実施例1〜4において対照としたA
重油(コントロール)のマスクロマトグラムである。
【図3】は本発明の実施例2の14日間振とう培養液の
マスクロマトグラムである。
【図4】は本発明の実施例5の14日間振とう培養液の
マスクロマトグラムである。
【図5】は本発明の実施例5〜8において対照としたA
重油(コントロール)のマスクロマトグラムである。
【図6】は本発明の実施例6のの14日間振とう培養液
のマスクロマトグラムである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:15) (C12N 1/20 C12R 1:85) (72)発明者 神吉 秀起 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16 号 株式会社神菱ハイテック内 (72)発明者 平田 俊雄 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 三浦 明子 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−124464(JP,A) 特開 平5−276933(JP,A) 特開 昭53−19673(JP,A) 特開 昭52−120181(JP,A) 特開 平7−51050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/34 C12N 1/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含油廃水中に石油系炭化水素資化性微生
    として、コリネバクテリウム属に属する細菌 FER
    M BP−4778又はデバリオマイセス属に属する酵
    母 FERM BP−4779を添加することにより油
    脂及び/又は鉱物油を除去することを特徴とする含油廃
    水の処理方法。
  2. 【請求項2】 含油廃水中に石油系炭化水素資化性微生
    物としてコリネバクテリウム属に属する細菌 FERM
    BP−4778又はデバリオマイセス属に属する酵母
    FERM BP−4779、及び活性汚泥とを添加し
    て油脂及び/又は鉱物油を除去することを特徴とする含
    油廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】 上記活性汚泥が石油系炭化水素で馴致し
    て乳化能力を獲得したものであることを特徴とする請求
    項2記載の含油廃水の処理方法。
JP384995A 1994-10-06 1995-01-13 含油廃水の処理方法 Expired - Lifetime JP3192900B2 (ja)

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