JP3192884B2 - 光ファイバカプラの製造方法 - Google Patents
光ファイバカプラの製造方法Info
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Description
ム、光ファイバセンサなどにおいて、光信号の分岐、結
合を行う際に使用される融着延伸型の光ファイバカプラ
を製造する方法およびそのための製造装置に関する。
て、融着延伸型の光ファイバカプラが知られている。前
記光ファイバカプラは、図7に示すように一対の光ファ
イバ1、1の一部の被覆層を除去してクラッド露出部と
し、これらクラッド露出部の一部を接着剤などにより接
合し、さらに、酸水素炎などの高温加熱源2によって接
合部を融着延伸することによって得ることができる。
意し、一方の光ファイバに光を入射し、出射側の両端を
光パワーメーター4、4などで観測しつつ、融着延伸量
を微妙に制御し、所望の結合度となるように調節する。
通常、図8に示すように、融着延伸後直ちに金属または
ガラスなどからなる保護ケース5に、融着延伸部6が保
護されるように収めて、接着剤7、7で保護ケース5に
固定し、全体が機械的に補強された光ファイバカプラ8
とする。
融着延伸部6を構成する光ファイバ1、1の内部あるい
は表面上に損傷がある場合、前記損傷が、劣悪な環境下
での使用や長時間の使用により、しだいに成長し、光フ
ァイバの破断の一因となるおそれがあるなどの問題があ
った。
情に鑑みてなされたもので、機械的強度に優れ、信頼性
の高い光ファイバカプラを作製するための製造方法を提
供することを目的としている。
光ファイバを融着、延伸して、光が分岐、結合する融着
延伸部を形成する光ファイバカプラの製造方法におい
て、前記光ファイバを保持する一対の光ファイバ保持具
と、該光ファイバ保持具をのせて、これを前記光ファイ
バの長手方向に移動させる一対の移動台を有する水平移
動機構と、前記光ファイバ保持具の一方または両方に取
り付けられ、かつ前記移動台に載置され、光ファイバの
融着延伸後に、前記光ファイバ保持具を光ファイバの周
方向に回転させて、該光ファイバにねじり応力を与える
回転機構とを具備してなる装置を用いて、融着延伸部を
形成した後、光ファイバカプラに所定の張力およびねじ
り応力を付与して破断試験を行うことを特徴とする光フ
ァイバカプラの製造方法によって解決することができ
る。 この光ファイバカプラの製造方法においては、前記
光ファイバ保持具の少なくとも一方に取り付けられ、前
記光ファイバにかかる張力を測定する張力計を具備して
なる装置を用いると好ましい。そして、破断試験後に破
断が生じなかった光ファイバカプラの融着延伸部を保護
ケースに収容する。
は、融着延伸部を形成した後、光ファイバカプラに張力
とねじり応力を付与し、破断しなかったもののみを保護
ケースに収容することができるため、信頼性の高いもの
のみを製品とすることができる。
に用いる製造装置の一例について詳しく説明する。この
光ファイバカプラの製造装置は、図1ないし図3に示す
ように、概略、装置本体12と、光ファイバ保持具13
と、この光ファイバ保持具13を光ファイバ26の長手
方向に移動させる水平移動機構14と、前記光ファイバ
保持具13を光ファイバ26の周方向に回転させる回動
機構15と、バーナー16と、張力計17とからなるも
のである。
18の長手方向の両端に立設された一対の側板19、1
9とからなるもので、この装置本体12には、一対の水
平移動機構14、14が設けられている。この水平移動
機構14、14は、一対の駆動源20a、20bと、一
対の駆動軸21a、21bと、一対の移動台22a、2
2bと、共通する1本のスライド軸23とからなるもの
である。
口部24の近傍にて側板19から側板19に掛け渡され
ている。また、駆動源20a、20bは、ステップモー
タなどであり、装置本体12の両側板19、19の外側
で、前記スライド軸23の取付位置より基板18よりの
部分に取り付けられ、さらに図示しない駆動用電源に接
続されている。そして、この駆動源20a、20bに
は、それぞれ前記側板19、19を貫通して、装置本体
12の凹部に伸びる、ボールネジなどの駆動軸21a、
21bが延設されている。
角柱状の移動台本体37、37の駆動源20a、20b
側の一端に、前記移動台本体37、37よりも小さい角
柱状の移動台突状体38、38が一体に成形された断面
L字状のもので、前記移動台本体37、37の長手方向
にスライド軸23が貫通し、前記移動台突状体38、3
8に駆動軸21a、21bが貫通して、装置本体12の
凹部に配置されている。
力が駆動軸21a、21bを介して移動台22a、22
bに伝達され、この移動台22a、22bが互いに離れ
る方向、また接近する方向に移動するようになってい
る。さらに、前記移動台22a、22bの上面25、2
5には、光ファイバ保持具13a、13bが取り付けら
れている。
図3に示すように、複数本の光ファイバ26…を挟んで
固定するものであり、保持具本体27と、これに開閉自
在に取り付けられた蓋体28とからなるものである。前
記保持具本体27は、断面半円形の半円柱状のものであ
り、その平坦面にはその長手方向に沿って、複数本の光
ファイバ26…を収容するための溝部29が形成されて
いる。一方蓋体28も、保持具本体27と同様の形状の
ものである。
か一方には磁石30…が取り付けられ、他方には鉄など
の磁性体が取り付けられており、蓋体28を閉じた時に
蓋体28が保持具本体27に吸着され、蓋体28が不用
意に開かないようになっている。さらに、このような光
ファイバ保持具13a、13bのいずれか一方には、図
2に示すように、回動機構15が設けられている。
軸32と、小歯車33と、大歯車34とからなるもので
ある。前記モータ31は、移動台22aの上面25に取
り付けられている。そして、このモータ31の回転軸3
2には、小径の小歯車33が取り付けられている。
洞となっており、この空洞部分に複数本の光ファイバが
挿通された状態で、光ファイバ保持具13aの端面に着
脱自在に、かつ前記小歯車33に対して、噛合するよう
に取り付けられている。そして、モータ31からの回転
力が、回転軸32、小歯車33、大歯車34を介して光
ファイバ保持具13aに伝達され、光ファイバ保持具1
3aが光ファイバ26…の周方向に回動するようになっ
ている。
方の移動台22bの上面25には、この上面25に対し
て、光ファイバ26…の長手方向に対して移動可能なス
ライド板35が設けられ、このスライド板35上に、同
様の光ファイバ保持具13bが取り付けられている。
保持具13bの外方には、張力計17が搭載されてお
り、この張力計17は、連結棒によって前記光ファイバ
保持具13bに接続されている。そして、光ファイバ2
6に張力がかかると前記スライド板35とともに光ファ
イバ保持具13bが移動し、これにより光ファイバ26
に付与されている張力が測定できるようになっている。
近傍には、バーナー16が配されており、添接された光
ファイバ26…を加熱できるようになっている。
光ファイバカプラの製造方法の一例について説明する。
まず、光ファイバ26…の被覆層を除去してクラッドを
露出させる。ついで、前記光ファイバ26…を光ファイ
バ保持具13a、13bの溝部29、29に収容して保
持し、クラッドが露出した部分を添接させる。
ち、1本の一端側を光源46に接続し、また、双方の光
ファイバ26…の他端側を光検出器47に接続する。つ
いで、クラッドが露出した部分をバーナー16により加
熱しつつ、光ファイバ保持具13a、13bを互いに離
れるように移動させて、光ファイバ26…を融着延伸す
る。
あるので、前記光ファイバ26に測定光を入射しつつ、
各光ファイバ26…の出射光パワーの割合を光検出器4
7にてモニタし、この分岐比が一定の条件に達した後、
バーナー16と光ファイバ保持具13a、13bの移動
を停止する。このようにして、融着延伸型の光ファイバ
カプラを作製する。この際、前記光ファイバカプラを構
成する光ファイバ26…には、損傷が生じている可能性
があるので、前記光ファイバカプラに張力、ねじり応力
を加えて、破断試験を行う。
を作動させ、光ファイバ保持具13a、13bが互いに
離れる方向に移動させればよい。この際、光ファイバ保
持具13bに取り付けた張力計17により、光ファイバ
26…にかかる張力がモニタされるので、このモニタ結
果を見ながら張力を調節する。この際の張力としては、
通常100〜300gf程度である。そして、所定時間、
張力を付与した状態を保持する。この時の時間は、通常
0.5〜2秒程度である。
1を作動させ、光ファイバ保持具13aを回動させれば
よい。この際の光ファイバ保持具13aの回転角は任意
であるが、光ファイバ26…の周方向のいずれの方向に
も180〜360゜ずつ回転させることが好ましい。こ
れは、この範囲内であると、損傷部を破断させるのに十
分であり、非損傷部に不必要なねじり応力を残さないか
らである。
な形状としては、図4に示すように光ファイバの周方向
に形成されたもの、図5に示すように光ファイバの長手
方向に沿って形成されたもの、図6に示すように光ファ
イバの長手方向に沿って角度を持って形成されたものの
3種類が挙げられる。
状の損傷部48に効果があり、ねじり応力はいずれの損
傷部48にも効果がある。また、損傷部48の形状とし
ては、上述した3種のものか、あるいはこれら3種の形
状が組み合わされたものであるので、結果として張力お
よびねじり応力を付与することによって、損傷部48の
形状を問わず、いかなる損傷部48も破断することがで
きる。さらに、損傷部48の存在位置も、光ファイバ2
6…の表面、内部にかかわらず、破断することができ
る。
破断した後、破断の生じなかったものについてのみ保護
ケースに収め、さらに接着剤にて保護ケースに固定し、
機械的に補強した光ファイバカプラを得る。
1は、光ファイバ26…を保持する一対の光ファイバ保
持具13a、13bと、前記光ファイバ保持具13a、
13bをこれに保持される光ファイバ26…の長手方向
に移動させる水平移動機構14と、前記光ファイバ保持
具13aをこれに保持される光ファイバ26…の周方向
に回転させる回動機構15と、前記光ファイバ保持具1
3bの少なくとも一方に接続されて、光ファイバ26に
かかる張力を測定する張力計17を具備してなるもので
あるので、光ファイバ26…に対し、張力およびねじり
応力を付与することができるため、強度の弱い光ファイ
バカプラを破断させて予め取り除くことができる。
は、前記製造装置11を用いて、複数本の光ファイバ2
6…を融着、延伸して融着延伸部を形成した後に、光フ
ァイバカプラに、張力およびねじり応力を付与し、損傷
部48を強制破断し、破断の生じた光ファイバカプラを
取り除き、ついで、破断の生じなかった光ファイバカプ
ラの融着延伸部が保護されるように、保護ケースに収容
するものであるので、前記光ファイバカプラを構成する
光ファイバ26…に損傷があるものは、光ファイバカプ
ラとして使用されることがなくなる。よって、張力およ
びねじり応力を付与して後、破断の見られなかった光フ
ァイバカプラは、品質、特に機械的強度に対する信頼性
に優れた光ファイバカプラとみなすことができる。
法は、先の例に限られるものではなく、例えば、光ファ
イバ26…を融着延伸する前、すなわち、光ファイバ2
6…を1本ずつ、もしくは複数本保持具13a、13b
に取り付けて、張力およびねじり応力を付与して破断試
験を行い、破断しなかったものについてのみ、先の例と
同様の操作を行って、光ファイバカプラとし、さらに再
度この光ファイバカプラに張力およびねじり応力を付与
して、損傷部48の有無を調査してもよい。
る光ファイバ26…は予め取り除かれるため、機械的強
度および信頼性をさらに高めることができる。
効果を明らかにする。図1に示す製造装置11を用い、
コア径8μm、クラッド径125μm、被覆径250μ
mのシングルモード光ファイバ26、26を使用し、波
長1.31μmでの結合度が50%の光ファイバカプラ
を125個作製した。ついで、このものに張力とねじり
応力とを付与した。前記張力は200gを1秒かけたも
のであり、また、ねじり応力は光ファイバ26、26の
周方向の両方向に360゜ずつ回転し、さらに回転させ
た状態にて1秒間保持したものである。この際3個の光
ファイバカプラが破断した。そして、残りの122個の
光ファイバカプラを保護ケースに収容し、接着剤で固定
した。
ヒートショック試験を行った。ヒートショック試験と
は、25℃の室温に30分以上放置した後、−196℃
の液体窒素内に10分間放置した後取り出し、ついで、
1本の光ファイバ26の一端側から光を入射し、双方の
光ファイバ26、26の他端側からの出射する光を測定
して、光ファイバ26、26の破断の有無を調べるもの
である。結果を表1に示す。
光ファイバカプラを作製し、ただちに保護ケースに収容
して接着剤で固定した。このものについても、実施例と
同様のヒートショック試験を行った。結果を表1に示
す。
じめ強制破断させておくことで、劣悪な環境のもとで
も、破断の生じない、機械的強度に優れた光ファイバカ
プラを得ることができる。
カプラの製造方法は、融着延伸部を形成した後に光ファ
イバカプラに所定の張力およびねじり応力を付与するこ
とにより、破断の生じた光ファイバカプラを取り除くこ
とができ、ついで、破断の生じなかった光ファイバカプ
ラの融着延伸部が保護されるように、保護ケースに収容
するものであるので、光ファイバカプラを構成する光フ
ァイバカプラに損傷があるものは、光ファイバカプラと
して使用されることがなくなる。また、光ファイバに張
力とねじり応力を付与するため、損傷部の形状や、損傷
箇所を選ばず、いかなる損傷部も破断することができ
る。
後、破断の見られなかった光ファイバカプラは、品質、
特に機械的強度に対する信頼性に優れた光ファイバカプ
ラであるとみなすことができる。また、このような光フ
ァイバカプラは、劣悪な環境下または長時間の使用にお
いても良好な光学特性を維持することができる。
施例を示す正面図である。
ある。
斜視図である。
例を示す平面図である。
を示す平面図である。
を示す平面図である。
ある。
ある。
ファイバ保持具、14…水平移動機構、15…回動機
構、16…バーナー、17…張力計、22a、22b…
移動台、23…スライド軸、26…光ファイバ、31…
モータ、33…小歯車、34…大歯車、46…光源、4
7…光検出器、48…損傷部
Claims (2)
- 【請求項1】 複数本の光ファイバを融着、延伸して、
光が分岐、結合する融着延伸部を形成する光ファイバカ
プラの製造方法において、前記光ファイバを保持する一対の光ファイバ保持具と、 該光ファイバ保持具をのせて、これを前記光ファイバの
長手方向に移動させる一対の移動台を有する水平移動機
構と、 前記光ファイバ保持具の一方または両方に取り付けら
れ、かつ前記移動台に載置され、光ファイバの融着延伸
後に、前記光ファイバ保持具を光ファイバの周方向に回
転させて、該光ファイバにねじり応力を与える回転機構
とを具備してなる装置を用いて、 融着延伸部を形成した後、光ファイバカプラに所定の張
力およびねじり応力を付与して破断試験を行うことを特
徴とする光ファイバカプラの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の光ファイバカプラの製
造方法において、 前記光ファイバ保持具の少なくとも一方に取り付けら
れ、前記光ファイバにかかる張力を測定する張力計を具
備してなる装置を用いることを特徴とする光ファイバカ
プラの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19075294A JP3192884B2 (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | 光ファイバカプラの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19075294A JP3192884B2 (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | 光ファイバカプラの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0854531A JPH0854531A (ja) | 1996-02-27 |
JP3192884B2 true JP3192884B2 (ja) | 2001-07-30 |
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ID=16263154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19075294A Expired - Fee Related JP3192884B2 (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | 光ファイバカプラの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3192884B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101370628B1 (ko) * | 2012-11-27 | 2014-03-06 | 주식회사 이상테크 | 광섬유 용융 테이퍼링 장치 |
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1994
- 1994-08-12 JP JP19075294A patent/JP3192884B2/ja not_active Expired - Fee Related
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