JP3191726U - 空冷用放熱器 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱フィンの間に滞留する放出熱を速やかに放出させることにより、小型であっても放熱性能を高めることができる空冷用放熱器を提供する。
【解決手段】冷用放熱器は、金属素材2の表面に板状の複数の放熱フィン3が一体に起立形成される。放熱フィン3は、金属素材2側の基端から先端までの板厚がほぼ等しく形成され、放熱フィン3の形状は、基端側が金属素材2の表面に対して傾斜し、先端側が金属素材2に対してほぼ垂直になるように形成される。そして、各放熱フィン3の間隔は、基端側を狭く、先端側を広く形成している。
【選択図】図2
【解決手段】冷用放熱器は、金属素材2の表面に板状の複数の放熱フィン3が一体に起立形成される。放熱フィン3は、金属素材2側の基端から先端までの板厚がほぼ等しく形成され、放熱フィン3の形状は、基端側が金属素材2の表面に対して傾斜し、先端側が金属素材2に対してほぼ垂直になるように形成される。そして、各放熱フィン3の間隔は、基端側を狭く、先端側を広く形成している。
【選択図】図2
Description
本考案は、例えば電子部品等の発熱体から生ずる熱を放熱フィンから効率よく放熱するための空冷用放熱器に関する。
従来より、コンピュータのCPU、パワートランジスタ等の発熱体を冷却する素子として、アルミニウム合金や銅のヒートシンク(放熱器)が用いられている。このヒートシンクとして、図6(A)に示すヒートシンク20は、アルミニウム合金を押し出し成形することにより、伝熱プレート20aと放熱フィン20bが一体的に形成されている。また、図6(B)に示すヒートシンク21は、同様にアルミニウム合金や銅からなるプレート21aの表面に対して鋭角にカッターを切り入れて、表面近くの金属を切り起こすことにより薄いフィン21bを形成するスカイブ加工によって形成されている。(特開2001−352020号公報を参照)
しかしながら、このようなヒートシンクは、現在まで多用されているが、所望の放熱特性が得られないことがあった。すなわち、図6(A)のヒートシンク20においては、各放熱フィン20bの間隔G20が、プレート20a側の基端側と先端側とも同じであり、各放熱フィン20bの間の空間に放出熱RHが滞留してしまい、フィン20bの上方に放出されないことが原因として考えられる。一方、図6(B)のヒートシンク21においては、プレート21a側の基端側における放熱フィン21bの間隔G21が狭く、中央部の間隔G22が広く形成されているが、先端側の間隔G23においては再び狭く形成されているので、フィン21bの間の空間に放出熱RHが滞留してしまい、フィン21bの上方に放出されないことが原因として考えられる。このように、放出熱RHが滞留するために、放熱効率が低下してしまい、必要な放熱性能を得ようとしてフィン20b、21bの高さH20、H21を高くしていた。この結果、必然的にヒートシンクが大型になり、コンピュータ等の電子機器を大型にさせてしまう問題があった。
そこで、本考案の課題は、放熱フィンの間に滞留する放出熱を速やかに放出させることにより、小型であっても放熱性能を高めることができる空冷用放熱器を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本考案にかかる空冷用放熱器は、熱伝導率が良好な金属素材の表面に板状の複数の放熱フィンが一体に起立形成され、前記放熱フィンは、前記金属素材側の基端から先端までの板厚がほぼ等しく形成されると共に、基端側が前記金属素材の表面に対して傾斜し、先端側が前記金属素材に対してほぼ垂直に形成され、かつ、各放熱フィンの間隔は、前記基端側を狭く、先端側を広く形成することを要旨としている。
また、板状の複数の放熱フィンは、切削工具により金属素材の表面を掘り起こすことにより、前記放熱フィンの基端側は前記金属素材の表面に対して傾斜し、先端側が前記金属素材に対してほぼ垂直に形成されるように略円弧状に起立形成することが望ましい。
さらに、板状の複数の放熱フィンは、ダイキャストや押出または引き抜き加工等によって、前記放熱フィンの基端側は前記金属素材の表面に対して傾斜し、先端側が前記金属素材に対してほぼ垂直に形成されるように中央部で屈曲することが望ましい。
本考案にかかる空冷用放熱器によれば、板状の複数の放熱フィンの基端側を金属素材の表面に対して傾斜させ、先端側を金属素材に対してほぼ垂直に形成することにより、各放熱フィンの間隔が基端側を狭く、先端側を広く形成される。このように、放熱フィンの先端側を広く形成することにより、伝導された放出熱が放熱フィンの基端側から各放熱フィンの両面に沿って滞留するが、広く形成された先端側では滞留した放出熱が分離し、その間に空間が形成される。この結果、空間に周囲から空気が流入して滞留した放出熱が速やかに排除されて放出するので、放熱フィンが低くても放熱性能を高めることができる。
また、切削工具により金属素材の表面を掘り起こすことにより板状の複数の放熱フィンを略円弧状に起立形成される。これにより、放熱フィンの基端側は金属素材の表面に対して傾斜し、先端側に至るに従って金属素材に対してほぼ垂直に形成される。このように、放熱フィンを略円弧状に形成することにより、各放熱フィンの間の間隔を徐々に広くなるので、滞留した放出熱を円弧面に沿って速やかに排除されて放出することが可能となる。
さらに、ダイキャストや押出または引き抜き加工等によって板状の複数の放熱フィンを形成する場合には、基端側は金属素材の表面に対して傾斜させ、先端側は金属素材に対してほぼ垂直になるように中央部で屈曲するとことにより、各放熱フィンの間隔が基端側を狭くさせ、先端側を広くさせるように形成される。このような各放熱フィンの間の間隔に形成することにより、広く形成された先端側では滞留した放出熱を分離させる空間が形成されるので、滞留した放出熱が速やかに放出されるので、放熱性能を高めることができる。
空冷用放熱器は、熱伝導率が良好な金属素材の表面に板状の複数の放熱フィンが一体に起立形成される。前記放熱フィンは、前記金属素材側の基端から先端までの板厚がほぼ等しく形成され、放熱フィンの形状は、基端側が前記金属素材の表面に対して傾斜し、先端側が前記金属素材に対してほぼ垂直になるように形成される。そして、各放熱フィンの間隔は、前記基端側を狭く、先端側を広く形成している。
本考案による空冷用放熱器について図面を参照して詳細に説明する。図1は、空冷用放熱器の第1の実施例を示す斜視図である。放熱器1に使用する金属材2は、熱伝導率が良好なアルミニウムやアルミニウム合金或いは銅等の板状の金属素材2が使用される。この金属板素材2は所定の板厚を有し、その表面に複数枚の肉薄な板状の放熱フィン3が一体に起立形成されている。これら複数の放熱フィン3は、同一間隔に形成され、起立角度、高さ、及び、板厚は同一に形成されている。なお、複数の放熱フィン3を起立形成する間隔は、任意の寸法に設定されるが、空冷用の放熱器1としての機能を備えるためには、概ね0.5mm乃至3.0mm程度が望ましい。
また、放熱フィン3の板厚は、後述するように、金属素材2の表面から切削工具によって掘り起こすことにより形成されるので肉薄くすることが可能である。例えば、小型電子部品に使用する空冷用の放熱器1の放熱フィン3としては、0.05mm乃至0.5mm程度の板厚とすることが望ましい。そして、放熱フィン3は、図2に示すように、金属素材2の表面の基端から先端までの板厚はほぼ等しく形成されている。さらに、放熱フィン3の形状は、基端側が金属素材2の表面に対して傾斜し、先端側が金属素材2に対してほぼ垂直になるように略円弧状に形成される。このように形成することにより、隣接する各放熱フィン3との間隔は、基端側の間隔G1が狭くなり、先端側の間隔G2が広く形成される。
上述した放熱フィン3は、図4に示す切削工具4によって掘り起こすことにより起立形成される。切削工具4は、底面側の先端に移動方向と直角な刃部4aが形成されている。このように構成された切削工具4は、金属素材2に対して後端側が高くなるように所定の角度θで傾斜させて図示しない駆動装置に取り付けられる。切削工具4の傾斜角度θは、放熱フィン3の高さ、板厚、或いは、金属素材2の材質等によって適宜に設定されるが、概ね5度から20度に設定される。
まず、切削工具4を金属素材2の表面に当接させた後、切削工具4を上記駆動装置により所定の角度で金属素材2の裏面方向に移動させる。この切削工具4の移動によって、先端の刃部4aが所定の高さHになるまで金属素材2を掘り起し、基端側が金属素材2の表面に対して傾斜し、先端側が金属素材2に対してほぼ垂直になるような略円弧状の肉薄な放熱フィン3が起立形成される。また、この放熱フィン3は、金属素材2の表面の基端から先端までの板厚がほぼ等しく形成される。
このように、切削工具4によって金属素材2を掘り起し、基端側を金属素材2の表面に対して傾斜させ、先端側を金属素材2に対してほぼ垂直になるような略円弧状に放熱フィン3を起立形成させると、図2に示すように、隣接する各放熱フィン3との間隔は、基端側の間隔G1が狭くなり、先端側の間隔G2が広く形成される。
次に、放熱器1の放熱フィン3による放熱に作用について、図3により説明する。放熱器1の裏面側には、例えばCPU等の発熱体30が配置されていて、発熱体30からの発熱が金属素材2から放熱フィン3に伝導され、放熱フィン3から放出熱RHが放出する。この放出熱RHは、放熱フィン3の基端側に一旦滞留したのち、各放熱フィン3の両面に沿って先端側に移動する。放熱フィン3の先端側は、間隔G2が広く形成されているので、滞留した放出熱RHが分離し、その間に空間Sが形成される。この空間Sには周囲から空気が流入し、滞留していた放出熱RHが速やかに排除されて放出する。この結果、発熱体30からの発熱は、各放熱フィン3の間に滞留することなく放熱されるので、放熱性能が高められる。また、このように放熱フィン3を形成することによって、放熱フィン3の高さHを前述した図6に示したフィンの高さH20、H21よりも低くしても同等の放熱性能を得ることができるので、放熱器1を小型化することができる。
図5は、熱伝導率が良好なアルミニウムやアルミニウム合金によって、ダイキャストや押出または引き抜き加工等により、放熱フィン12を形成した放熱器10の第2の実施例を示している。この放熱器10の放熱フィン12は、前述した実施例と同様に、金属素材11の基端側は金属素材11の表面に対して傾斜し、先端側が金属素材11に対してほぼ垂直に形成されるように中央部で屈曲させている。また、放熱フィン12は、金属素材11の表面の基端から先端までの板厚がほぼ等しく形成されている。
このように、放熱フィン12の中央部を屈曲形成させることにより、図5のように、隣接する各放熱フィン12との間隔は、基端側の間隔G3が狭くなり、先端側の間隔G4が広く形成される。
図5に示す第2の実施例においても、放熱器10の裏面側にCPU等の配置された発熱体からの発熱が金属素材11から放熱フィン12に伝導され、放熱フィン12から放出熱RHが放出する。この放出熱RHは、放熱フィン12の基端側に一旦滞留したのち、各放熱フィン12の両面に沿って先端側に移動する。放熱フィン12の先端側は、間隔G4が広く形成されているので、滞留した放出熱RHが分離し、その間に空間Sが形成される。この空間Sには周囲から空気が流入し、滞留していた放出熱RHが速やかに排除される。これにより、各放熱フィン12の間に滞留することなく放熱されるので、放熱効率を高めることが可能となる。また、この第2の実施例においても、放熱フィン3の高さH10を低くしても、図6に示した従来のヒートシンクと同等の放熱性能を得ることができることから、放熱器10を小型にすることができる。
以上、本考案を実施例に基づいて具体的に説明したが、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。図5に示した実施例における放熱フィンは、中央部を円弧を描くように屈曲させても良い。
1 放熱器
2 金属素材
3 放熱フィン
4 切削工具
G1 基端側の間隔
G2 先端側の間隔
2 金属素材
3 放熱フィン
4 切削工具
G1 基端側の間隔
G2 先端側の間隔
Claims (3)
- 熱伝導率が良好な金属素材の表面に板状の複数の放熱フィンを前記金属素材と一体に起立形成した放熱器であって、
前記放熱フィンは、前記金属素材側の基端から先端までの板厚がほぼ等しく形成されると共に、基端側が前記金属素材の表面に対して傾斜し、先端側が前記金属素材に対してほぼ垂直に形成され、
かつ、各放熱フィンの間隔は、前記基端側を狭く、先端側を広く形成してなる空冷用放熱器。 - 板状の複数の放熱フィンは、切削工具により金属素材の表面を掘り起こすことにより、前記放熱フィンの基端側は前記金属素材の表面に対して傾斜し、先端側が前記金属素材に対してほぼ垂直に形成されるように略円弧状に起立形成された請求項に記載の空冷用放熱器。
- 板状の複数の放熱フィンは、ダイキャストや押出または引き抜き加工等により、前記放熱フィンの基端側は前記金属素材の表面に対して傾斜し、先端側が前記金属素材に対してほぼ垂直に形成されるように中央部で屈曲された請求項に記載の空冷用放熱器。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3191726U true JP3191726U (ja) | 2014-07-10 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016225555A (ja) * | 2015-06-03 | 2016-12-28 | 三菱電機株式会社 | 液冷冷却器、及び液冷冷却器に於ける放熱フィンの製造方法 |
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JP2016225555A (ja) * | 2015-06-03 | 2016-12-28 | 三菱電機株式会社 | 液冷冷却器、及び液冷冷却器に於ける放熱フィンの製造方法 |
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