JP3191109U - 巨大津波に強い救命防災市街地システム - Google Patents

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Abstract

【課題】巨大津波に耐えうる高さと強度を有した避難場所を提供するとともに、この避難場所をバランスよく間隔配備して、普段から周知できるようにして、迅速に避難できるようにし、犠牲者の発生を可能な限り抑止する巨大津波に強い救命防災市街地システムを提供する。【解決手段】津波が来襲しうる市街地Tを所要範囲の複数のエリア(E1,E2,E3・・・・En)に区画し、各エリア毎に、海抜15m以上の高さ位置に人が避難できる避難フロアを備えた中高層の避難対応ビルBを少なくとも1棟構築した。避難対応ビルBは、エリアの略中心に構築し、避難対応ビルBを囲繞する所定範囲の周囲地を設け、この周囲地から放射状に道路を設けた。【選択図】図1

Description

本考案は、津波が来襲しうる市街地のための市街地システムに係り、特に、巨大津波が来襲してもできる限りたくさんの人々を避難させて救命することのできる巨大津波に強い救命防災市街地システムに関する。
平成23年(2011年)3月11日の「東日本大震災」では、三陸沖を震源に国内観測史上最大のM9.0の地震が発生し、これに伴って巨大津波が来襲し、震源地にほど近い東北地方の沿岸に沿った広範囲の地域において、都市や漁村等の市街地の多くが破壊され、多数の人が犠牲となった。このように、多数の人が犠牲になったのは、従来から防潮堤や防波堤を建設配備していたが、巨大津波は、これを乗り越えて来襲したことから、津波の高さよりも高い高台や山に避難するのに、距離的に遠い場合が多く、時間的に間に合わなかったことに起因する。また、津波の高さよりも高い建物でも、木造などの強度的に弱い建物は破壊され、これを頼りにした避難者も犠牲になった。
従来から、津波による人的被害を防ぐために、例えば、特許文献1(特開平9−184323号公報)や特許文献2(特開2008−14016号公報)に掲載されているように、金属製の支柱,梁やパネルで構成された避難用建造物を建造する技術が知られている。特許文献2記載の避難用建造物では、最上階の避難床面の上に救助用のヘリコプターが離着陸できるヘリポートを設けて、重症人など緊急を有する人をヘリコプターで病院に運ぶことができるようにし、あるいは、防災・救急時に必要なもの,非常食や簡易トイレ等を保管する保管庫を設け、地上に降りるまでの間生活することができるようにし、あるいはまた、照明設備や防災放送用のスピーカーなどを設けることにより、避難場所を知らない人に避難用建造物のある場所を教えたりすることができるようにしている。
特開平9−184323号公報 特開2008−14016号公報
しかしながら、上記従来の避難用建造物においては、上記のような防潮堤や防波堤を乗り越えて来襲する巨大津波に対しては対応できないという問題があった。それは、この従来の避難用建造物は、金属製の支柱,梁やパネルで構成されているとはいっても、その高さがせいぜい10m程度(特許文献1に明記)であり、また、強度的にも必ずしも十分ではなく、到底、上記のような巨大津波には対応できないからである。また、壁による囲いがないので、避難途中や避難後において、波にさらわれる虞があり、安全が十分に確保できないという問題もある。更に、スピーカーなどで避難場所を知らない人に避難用建造物のある場所を教えるようにしても、とっさの状況では、周知が不十分になり、その結果、逃げ遅れて、犠牲者を増加させてしまうという問題があった。
本考案は、このような問題点に鑑みてなされたもので、巨大津波に耐えうる高さと強度を有した避難場所を提供するとともに、この避難場所をバランスよく間隔配備して、普段から周知できるようにして、迅速に避難できるようにし、犠牲者の発生を可能な限り抑止することのできる巨大津波に強い救命防災市街地システムを提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本考案の巨大津波に強い救命防災市街地システムは、津波が来襲しうる市街地のための巨大津波に強い救命防災市街地システムにおいて、市街地を所要範囲の複数のエリアに区画し、各エリア毎に、海抜15m以上の高さ位置に人が避難できる避難フロアを備えた中高層の避難対応ビルを少なくとも1棟構築した構成としている。
市街地の範囲はどのように規定しても良く、例えば、高台や山に近い地域は必ずしも市街地の範囲に含めなくても良い。複数のエリア同士の広さは、均等であっても良く、また、互いに異なっていても良い。また、エリアの広さの設定は、当該エリアの地形、公園等の施設、そこに建造されている建物の種類や数、あるいは、道路などの状況、あるいはまた、人口密度等の市街地環境によって異なる。また、構築する避難対応ビルにおける避難フロアまでの距離及びこれに到達できる時間、また、避難者の収容可能人員(容量)等のビル条件によっても異なる。従って、エリアの広さの設定は、これらの市街地環境及びビル条件を比較考量して適宜設定する。例えば、半径500m以下の範囲に、避難対応ビルが1棟の割合で構築されるように、エリアの広さ及び避難対応ビルの構築数を定める。
中高層の避難対応ビルは、鉄筋あるいは鉄骨コンクリート製の壁で覆われた建物を言い、地下室を有することが強度的に望ましい。その高さは、海抜15m以上になる。海抜15mのビルでは、屋上が避難フロアとして構成される。しかしながら、避難フロアは、雨風を防ぐ関係上、屋上だけではなく、建物内部に設けることが望ましく、少なくとも上層階に避難フロアを備えることのできる高さのビルが良い。海抜30mを越えるビルにおいては、避難フロアを中層階に設けることでも良い。望ましくは、避難フロアは、海抜20m以上の位置、より望ましくは、海抜30m以上の位置に備えることである。上から見た建坪は、500m2 以上に設定されていることが望ましい。より望ましくは、1000m2 以上である。大きさは、これに限定されるものではなく、想定される津波の強さに対応できうるように、適宜に定めて良い。
より具体的には、必要に応じ、上記避難対応ビルを、鉄筋あるいは鉄骨コンクリート製の壁を有した建物であって地下室を有して構成し、該避難対応ビルの避難フロアを屋上を含む複数階に設け、該避難対応ビルを、半径500m以下の範囲に1棟の割合で構築した構成としている。
これにより、避難対応ビルを複数の区画したエリア毎に、必ず1棟は構築されるので、避難対応ビルを巨大津波が来襲したときに避難できる謂わばシンボルタワービルとして、バランスよく間隔配備されることになる。そのため、このシンボルタワービルとしての避難対応ビルのエリアにおける位置や避難経路について、普段から周知できるようになる。このため、災害時に、人はこれを目指して迅速に避難できるようになるので、距離的に遠く時間も必要以上に要する高台や山に避難する場合に比較して、犠牲者の発生を可能な限り抑止することができる。
また、避難対応ビルにおいては、人が避難できる避難フロアを有しているので、避難者を確実に収容することができ、しかも、エリア毎に設けられていることから、避難者の数も適正なものにすることができ、避難者の安全が確保される。更に、避難対応ビルは、中高層のビルであることから、強度も高く、津波に確実に対応することができる。また、避難フロアは、海抜15m以上の高さ位置にあるので、人に対する津波の影響を確実に抑止できる。
そして、通常時においては、避難フロア以外のフロアは、住居用や各種の業務用に使用することができ、また、避難フロアも例えば種々のイベントを行うことのできる場所等として有効利用でき、使用効率が良いものとなる。
そして、必要に応じ、上記避難対応ビルを、エリアの略中心に構築した構成としている。エリアの中心に、必ず避難対応ビルを構築するので、シンボルタワービルとして、より一層、バランスよく間隔配備されることになるとともに、位置や避難経路についてより一層周知させやすくなり、災害時の犠牲者の発生をより一層確実に抑止することができるようになる。また、エリアの中心に避難対応ビルがあるので、避難する人が、この避難対応ビルに向かって迷わずに到達し易くなり、そのため、逃げ遅れによる犠牲者の増加を防止することができる。
この場合、上記避難対応ビルを囲繞する所定範囲の周囲地を設け、該周囲地から放射状に道路を設けた構成としている。避難対応ビルから放射状に道路が設けられているので、避難する人が、この避難対応ビルに向かってより一層迷わずに到達し易くなり、そのため、逃げ遅れによる犠牲者の増加を確実に防止することができる。
より具体的には、必要に応じ、上記周囲地を含む土地面積を、4000m2 〜6000m2 に設定し、上記避難対応ビルの上から見た建坪を500m2 〜1000m2 に設定した構成としている。
また、必要に応じ、上記避難対応ビルにおいて、津波の押し波及び引き波に対する部位を他の部位よりも強固に形成した構成としている。一般に、津波においては、押し寄せる押し波は勿論のこと、引き返す引き波においてもそのエネルギーは大きい。この構成によれば、津波の押し波及び引き波に対する部位を他の部位よりも強固に形成したので、避難対応ビルの強度を増すことができ、避難者の安全を確保することができる。
この構成において、上記避難対応ビルが、上から見て矩形状に形成されたものである場合、該避難対応ビルを、その角部が津波の押し波及び引き波に対するように構築したことが有効である。角部を極力海岸に向けて構築する。津波の押し波の方向及び引き波の方向を予め予測し、角部をこれに対向配置することができる。これにより、避難対応ビルは角部を境にして両側に津波の流れを逃がすことができるようになるので、津波の流れに対する抵抗が少なくなり、倒壊が抑止される。また。角部は他の壁面よりも強度が高く、また、この部位は他の部位よりも強固に形成されているので、津波の押し波及び引き波に対する強度がより一層高いものになり、より確実に避難者の安全を確保することができる。更に、横波の場合でも、矩形であるので抵抗が少なくてすむ。
更に、必要に応じ、上記避難フロアに至る階段を設け、該階段の幅を3m以上に設定した構成としている。階段としては、主要階段や非常階段等複数設けて良い。階段の幅を3m以上にしたので、幅が広くなることから、避難者が殺到しても上層階の避難フロアに容易に到達し易くなる。
また、上記階段は、建物内部に設けた内部階段であることが有効である。避難者を覆うことができるので、津波による保護が確実になる。
更に、上記内部階段とは別に、建物外部に、所要高さまで昇降可能で且つ内部階段に通じる外部階段を設けたことが有効である。避難の際、避難者が殺到しても、内部階段のみならず外部階段も利用して移動できるので、スムーズに避難フロアに避難することができるようになる。
更にまた、必要に応じ、上記避難対応ビルは、該避難対応ビルの周囲に、警告用の音,音声,光の少なくとも何れか1つを送出できる警告装置を備えた構成としている。この警告装置により、避難者に警告し、あるいは、避難対応ビルへの案内ができるので、より一層、避難を確実にすることができる。
更に、必要に応じ、上記避難対応ビルは、エネルギー供給源を有した自家発電装置を備えた構成としている。外部からのエネルギーに寄らずに自家発電を行うことができるので、地上に降りるまでの間、比較的不便の少ない生活することができる。
この場合、上記エネルギー供給源を、太陽光を集光するソーラパネル及び/または風車で構成し、該ソーラパネル及び/または風車を、屋上,外壁面,外壁から突出する部位の少なくとも何れかに設置した構成としている。非常時のみならず通常時においても、太陽エネルギーや風力エネルギーを用いることができるので、省力化が図られる。また、CO2 削減にも寄与できる。
本考案によれば、避難対応ビルを複数の区画したエリア毎に、必ず1棟は構築されるので、避難対応ビルを巨大津波が来襲したときに避難できる謂わばシンボルタワービルとして、バランスよく間隔配備されることになる。そのため、このシンボルタワービルとしての避難対応ビルのエリアにおける位置や避難経路について、普段から周知できるようになる。このため、災害時に、人はこれを目指して迅速に避難できるようになるので、距離的に遠く時間も必要以上に要する高台や山に避難する場合に比較して、犠牲者の発生を可能な限り抑止することができる。
また、避難対応ビルにおいては、人が避難できる避難フロアを有しているので、避難者を確実に収容することができ、しかも、エリア毎に設けられていることから、避難者の数も適正なものにすることができ、避難者の安全が確保される。更に、避難対応ビルは、中高層のビルであることから、強度も高く、津波に確実に対応することができる。また、避難フロアは、海抜15m以上の高さ位置にあるので、人に対する津波の影響を確実に抑止できる。
本考案の実施の形態に係る巨大津波に強い救命防災市街地システムを示す平面図である。 本考案の実施の形態に係る巨大津波に強い救命防災市街地システムを示す要部斜視図である。 本考案の実施の形態に係る巨大津波に強い救命防災市街地システムにおいて、避難対応ビルを示す斜視図である。 本考案の実施の形態に係る巨大津波に強い救命防災市街地システムにおいて、避難対応ビルをその配置方向とともに示す平面図である。
以下、添付図面に基づいて本考案の実施の形態に係る巨大津波に強い救命防災市街地システムについて詳細に説明する。
図1乃至図4は、本考案の実施の形態に係る巨大津波に強い救命防災市街地システムを示している。これは、津波が来襲しうる沿岸に沿った市街地T、例えば、海に面し船が接岸できる岸壁を有した市街地Tのためのものであり、市街地Tを所要範囲の複数のエリアE(E1,E2,E3・・・・En)に区画し、各エリアE(E1,E2,E3・・・・En)毎に、海抜15m以上の高さ位置に人が避難できる避難フロアHFを備えた中高層の避難対応ビルBを少なくとも1棟構築した構成としている。実施の形態では、1棟構築している。2棟以上構築してよいことは勿論である。
市街地Tの範囲はどのように規定しても良く、例えば、高台や山に近い地域は必ずしも市街地Tの範囲に含めなくても良い。複数のエリアE(E1,E2,E3・・・・En)同士の広さは、均等であっても良く、また、互いに異なっていても良い。また、エリアE(E1,E2,E3・・・・En)の広さの設定は、そこに建造されている建物の種類や数、あるいは、道路などの状況、あるいはまた、人口密度等の市街地環境によって異なる。また、構築する避難対応ビルBにおける避難フロアHFまでの距離及びこれに到達できる時間、また、避難者の収容可能人員(容量)等のビル条件によっても異なる。従って、エリアE(E1,E2,E3・・・・En)の広さの設定は、これらの市街地環境及びビル条件を比較考量して適宜設定する。例えば、半径500m以下の範囲に、避難対応ビルBが1棟の割合で構築されるように、エリアE(E1,E2,E3・・・・En)の広さ及び避難対応ビルBの構築数を定める。
避難対応ビルBは、エリアE(E1,E2,E3・・・・En)の略中心に構築されている。また、図2に示すように、避難対応ビルBを囲繞する所定範囲の周囲地1を設け、この周囲地1から放射状に道路2を設けている。実施の形態では、等角度関係で、4方向に道路が延びており、これらの道路2は、隣接するエリアEの避難対応ビルBから延びる放射状の道路に連続させて良い。放射状の道は4本に限定されず、それ以上設けて良い。
また、中高層の避難対応ビルBは、図3に示すように、鉄筋あるいは鉄骨コンクリート製の壁を有した建物であり、地下室を有するとともに、その高さが海抜15m以上のものである。上から見た建坪は、500m2 以上に設定されていることが望ましい。大きさは、これに限定されるものではなく、想定される津波の強さに対応できうるように、適宜に定めて良い。
実施の形態では、周囲地1を含む土地面積は、4000m2 〜6000m2 、上から見た建坪は500m2 〜1000m2 、地上15階F(1F〜15F)、地下3階B(1B〜3B)の建物であり、その高さは、例えば海抜45mである。尚、周囲地1を含む土地面積,上から見た建坪,地上階,地下階の階数及びこれらの高さは、これに限定されるものではない。
また、図3及び図4に示すように、避難対応ビルBにおいて、津波の押し波及び引き波に対する部位Baは、他の部位よりも強固に形成されている。実施の形態においては、避難対応ビルBが、上から見て矩形状に形成され、この避難対応ビルBは、その角部3が津波の押し波及び引き波に対するように、海岸に向けて構築されている。角部3の壁部には、例えば、板厚で強度が高い鉄骨が使用されており、他の部位よりも強固に形成された部位Baとして構成されている。強固に形成される部位Baは、所定の必要高さ例えば海抜15m以下の部分に設けられている。
図3に示す実施の形態に係る避難対応ビルBにおいては、海抜15m以上の5階,10階,海抜40m以上にある15階及び屋上Bbを避難フロアHFとして構成している。収容人員は、3.3m2 当り3人収容の場合でも、2000人〜4000人以上にもなる。避難フロアHFは、通常時は、例えば、大人用あるいは子供用の種々のイベントを行う多目的スペース、あるいは、スポーツジム,講演会の会場,会議場等として用いられる。最上階の場合には、展望フロアや軽食喫茶コーナとしても利用できる。普段から間仕切りがないようにしておくことが望ましい。
6〜13階は、例えば、公営住宅あるいは私設のマンションとして区画されている。
更に、避難対応ビルBは、エネルギー供給源を有した自家発電装置及び/または給湯装置を備えている。実施の形態では、6階に自家発電装置及び給湯装置を備えている。海抜15m以上の階に設けることが望ましい。エネルギー供給源としては、地下3階に設けられ重油を貯留した重油タンクで構成される。また、エネルギー供給源としては、太陽光を集光するソーラパネル4も備えている。ソーラパネル4は、屋上Bb,外壁面Bc,例えばひさし等の外壁から突出する部位(図示せず)に設置されている。更に、エネルギー供給源としては、風力発電を行う風車7も備えている。風車7は、屋上Bbに設置されている。
3,4階は、例えば、合同庁舎事務所、1,2階は、例えば、役場として用いられる。地下1階は、駐車場、地下2階は、水槽や物置場が設置される。
また、屋上Bbには、ヘリポート5が備えられている。
避難対応ビルBには、エレベータが設置されている。また、各階を繋ぐ内部階段(図示せず)も設けられている。内部階段は避難フロアHFに至る。内部階段の幅は、3m以上に設定されている。また、内部階段とは別に、建物外部に、所要高さまで(実施の形態では5階まで)昇降可能で且つ各階で内部階段に通じる外部階段8が設けられている。外部階段8の幅は1.5m以上に設定されている。
また、避難対応ビルBは、避難対応ビルBの周囲に、警告用の音,音声,光を送出できる警告装置6を備えている。警告装置6は、例えば、屋上Bbに設けられ放射方向に音を送出する複数のスピーカー,サイレン及び警告ランプを備えている。
従って、実施の形態に係る巨大津波に強い救命防災市街地システムによれば、通常時においては、避難対応ビルBにおいて、避難フロアHF以外のフロアは、住居用や各種の業務用に使用することができ、また、避難フロアHFは、大人用あるいは子供用の種々のイベントを行う多目的スペース、あるいは、スポーツジム,講演会の会場,会議場等として、最上階の場合には、展望フロアや軽食喫茶コーナとしても有効利用できる。そのため、使用効率が良いものとなる。また、実施の形態では、ソーラパネル4及び風車7からのエネルギーにより自家発電や自家給湯を行うことができるので、太陽エネルギー及び風力エネルギーを用いることから省力化が図られる。また、CO2 削減にも寄与できる。
そして、地震に起因して、巨大津波が来襲するときは、避難対応ビルBは、人の避難場所として機能し、避難する人は、この避難対応ビルBに避難するように移動する。この場合、避難対応ビルBは複数の区画したエリアE(E1,E2,E3・・・・En)毎に、必ず1棟は構築されているので、避難対応ビルBは避難できる謂わばシンボルタワービルとして、バランスよく間隔配備されることになる。そのため、このシンボルタワービルとしての避難対応ビルBのエリアE(E1,E2,E3・・・・En)における位置や避難経路について、普段から周知できるようになる。このため、災害時に、人はこれを目指して迅速に避難できるようになるので、距離的に遠く時間も必要以上に要する高台や山に避難する場合に比較して、犠牲者の発生を可能な限り抑止することができる。
また、この場合、警告装置6により、スピーカーからの音声,サイレンからの警告用の音,警告灯からの光が発せられる。これにより、避難者に警告し、あるいは、避難対応ビルBへの案内がおこなわれるので、より一層、避難を確実にすることができる。
更に、避難する際には、道路2を通って避難対応ビルBに至るが、道路2は、避難対応ビルBを囲繞する所定範囲の周囲地1から放射状に設けられているので、避難する人が、この避難対応ビルBに向かってより一層迷わずに到達し易くなり、そのため、逃げ遅れによる犠牲者の増加を確実に防止することができる。
そして、避難対応ビルBに至った避難者は、通常は非常時にはエレベータが止まるので、内部階段や外部階段8を使用して、5階,10階,15階及び屋上Bbに設けた避難フロアHFに移動する。この場合、避難者が殺到しても、内部階段のみならず外部階段8も利用して移動できるので、スムーズに避難フロアHFに避難することができるようになる。また、内部階段の幅が3m以上に設定されているので、幅が広くなることから、避難者が殺到しても上層階の避難フロアHFに容易に到達し易くなる。避難フロアHFにおいては、避難者を確実に収容することができ、しかも、エリアE(E1,E2,E3・・・・En)毎に設けられていることから、避難者の数も適正なものにすることができ、避難者の安全が確保される。
巨大津波が来襲して、避難対応ビルBに及ぶと、避難対応ビルBは、鉄筋あるいは鉄骨コンクリート製の建物であり、地下室を有し、その高さが海抜15m以上のものであり、強硬に構築されているとともに、避難フロアHFは上層階にあるので、避難者の安全が確保される。この場合、一般に、津波においては、押し寄せる押し波は勿論のこと、引き返す引き波においてもそのエネルギーは大きいが、避難対応ビルBにおいては、津波の押し波及び引き波に対する部位Baを他の部位よりも強固に形成した構成としているので、避難対応ビルBの強度を増すことができ、避難者の安全を確保することができる。特に、避難対応ビルBは、その角部3が津波の押し波及び引き波に対するように構築されているので、角部3を境にして両側に津波の流れを逃がすことができるようになり、そのため、津波の流れに対する抵抗が少なくなり、倒壊が抑止される。また、角部3は他の壁面よりも強度が高く、また、この部位Baは他の部位よりも強固に形成されているので、津波の押し波及び引き波に対する強度がより一層高いものになり、より確実に避難者の安全を確保することができる。更に、横波の場合でも、矩形であるので抵抗が少なくてすむ。
巨大津波が、去った後は、しばらくの間、避難者はこの避難対応ビルBに留まることがある。その場合、屋上Bbにヘリポート5を備えているので、救助用のヘリコプターが離着陸できることから重症人など緊急を有する人をヘリコプターで病院に運ぶことができる。
また、6階には自家発電装置及び自家給湯装置を備えているが、高い位置にあるので、損傷を免れることができる。そのため、外部からのエネルギーに寄らずに自家発電や自家給湯を行うことができ、そのため、地上に降りるまでの間、比較的不便の少ない生活することができる。この際、ソーラパネル4による太陽エネルギーや風車7による風力エネルギーを用いるので、省力化が図られる。また、CO2 削減にも寄与できる。
尚、上記実施の形態において、避難対応ビルBとして、15階のものを示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、10階建等の14階以下のもの、16階以上のものでも良く、適宜変更して差し支えない。例えば、市街地Tの複数エリアEにおいて、中心的エリアEに15階建ての避難対応ビルB(シンボルビルタワー)を構築し、他のエリアEに10階建程度の避難対応ビルB(シンボルビルタワーを取り巻く衛星ビル群)を構築する等、適宜に構築してよい。
また、通常時における、避難対応ビルBの利用形態も、上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差し支えない。また、エリアE(E1,E2,E3・・・・En)が複数あって、複数の避難対応ビルBがある場合、各避難対応ビルBは夫々道路で行き来することができることから、例えば、入居の施設を各避難対応ビルB毎に分担して設けるようにして良い。例えば、避難対応ビルBとして、役場棟,病院棟,警察棟,消防署棟,郵便通信棟,託児所棟,老人ケアハウス棟,農協棟,民間住宅棟,魚市場棟,野菜市場棟,ホテル棟,ショッピングモール棟,スーパーマーケット棟,コンビニエンスストア棟,日常雑貨店棟,ドラックストア棟,レストラン棟とする等である。通常時においての流通が円滑に行われる。また、災害復興時においても、シンボルタワービルとして残るので、流通を確保することができる。
T 市街地
E(E1,E2,E3・・・・En) エリア
B 避難対応ビル
HF 避難フロア
1 周囲地
2 道路
3 角部
Ba 津波の押し波及び引き波に対する部位
Bb 屋上
Bc 外壁
4 ソーラパネル
5 ヘリポート
6 警告装置
7 風車
8 外部階段

Claims (13)

  1. 津波が来襲しうる市街地のための巨大津波に強い救命防災市街地システムにおいて、
    市街地を所要範囲の複数のエリアに区画し、各エリア毎に、海抜15m以上の高さ位置に人が避難できる避難フロアを備えた中高層の避難対応ビルを少なくとも1棟構築したことを特徴とする巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  2. 上記避難対応ビルを、鉄筋あるいは鉄骨コンクリート製の壁を有した建物であって地下室を有して構成し、該避難対応ビルの避難フロアを屋上を含む複数階に設け、該避難対応ビルを、半径500m以下の範囲に1棟の割合で構築したことを特徴とする請求項1記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  3. 上記避難対応ビルを、エリアの略中心に構築したことを特徴とする請求項1または2記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  4. 上記避難対応ビルを囲繞する所定範囲の周囲地を設け、該周囲地から放射状に道路を設けたことを特徴とする請求項3記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  5. 上記周囲地を含む土地面積を、4000m2 〜6000m2 に設定し、上記避難対応ビルの上から見た建坪を500m2 〜1000m2 に設定したことを特徴とする請求項4記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  6. 上記避難対応ビルにおいて、津波の押し波及び引き波に対する部位を他の部位よりも強固に形成したことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  7. 上記避難対応ビルが、上から見て矩形状に形成されたものである場合、該避難対応ビルを、その角部が津波の押し波及び引き波に対するように構築したことを特徴とする請求項6記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  8. 上記避難フロアに至る階段を設け、該階段の幅を3m以上に設定したことを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  9. 上記階段は、建物内部に設けた内部階段であることを特徴とする請求項8記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  10. 上記内部階段とは別に、建物外部に、所要高さまで昇降可能で且つ内部階段に通じる外部階段を設けたことを特徴とする請求項9記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  11. 上記避難対応ビルは、該避難対応ビルの周囲に、警告用の音,音声,光の少なくとも何れか1つを送出できる警告装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至10何れかに記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  12. 上記避難対応ビルは、エネルギー供給源を有した自家発電装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至11何れかに記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
  13. 上記エネルギー供給源を、太陽光を集光するソーラパネル及び/または風車で構成し、該ソーラパネル及び/または風車を、屋上,外壁面,外壁から突出する部位の少なくとも何れかに設置したことを特徴とする請求項12記載の巨大津波に強い救命防災市街地システム。
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