JP3188246B2 - 携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シート - Google Patents

携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シート

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JP3188246B2
JP3188246B2 JP06563799A JP6563799A JP3188246B2 JP 3188246 B2 JP3188246 B2 JP 3188246B2 JP 06563799 A JP06563799 A JP 06563799A JP 6563799 A JP6563799 A JP 6563799A JP 3188246 B2 JP3188246 B2 JP 3188246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯型ゲーム機の
ディスプレイに貼り付けて、利用者の視機能障害や、眼
精疲労等の眼科的異常悪化の軽減を図る携帯型ゲーム機
ディスプレイ用防眩シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、目を長時間に亙り使い続ける視
作業を行う場合には、作業者に眼精疲労が起こり易くな
る。
【0003】眼精疲労の原因として、調節性、筋性、症
候群、不等像性、神経性の5つの分類による原因がある
が、この5つの分類で明確に分けられない原因として、
パソコンやTV等のVDT(Visual Displ
ay Terminal)が問題となっている。
【0004】VDT利用での視作業においては、上記眼
精疲労のみにとどまらず、視機能障害として目の疲れ、
視力障害、目が霞む、眼痛等の症状が現れ、眼科的異常
として、眼精疲労の他、近視化、角結膜炎、眼圧上昇、
涙液分泌障害等が現れることがいわれており、これ等を
総じてVDT眼症と呼ぶ。
【0005】これを解決するものとして、設置型パソコ
ンやテレビ画面等のディスプレイ画面に設置するフレー
ム状又はフィルム状のフィルターが考えられている。こ
れは、ディスプレイからの可視光をある割合で遮断し、
外光の反射を防止し、コントラストを向上させ、ディス
プレイがブラウン管の場合は放射線、紫外線をカットす
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、携帯型
ゲーム機の小型ディスプレイに用いるフィルターは考え
られていなかった。携帯型ゲーム機は、屋内、屋外を問
わず使用されるため、屋内の電灯のみでなく、強烈な太
陽光等も外光として映り込みの対象が多くなり、更に、
携帯型ゲーム機のディスプレイを上に向けて使用するこ
とが多いので、外光の映り込みの頻度はより大きくな
る。
【0007】よって、携帯型ゲーム機では外光の映り込
みが多くなるので、特に利用者はディスプレイ画面に集
中し続けて、目を酷使してプレイしなければならないた
め、児童や低学年齢層のように肉体的成長形成の重要な
時期に眼の不健全化を招来することは、一生取り返しの
つかない事態を生起し、現代の文明病として世界的に眼
の健康環境の悪化問題を提起する。
【0008】また、携帯型ゲーム機のディスプレイにフ
レーム状のフィルターを設置すれば、ディスプレイに出
っ張りが生ずることになるため、携帯性に問題が生ず
る。また、従来のフィルム状のフィルターは、全面に接
着剤が塗られており、ディスプレイに貼り付けるのは、
手作業では大変困難であり、気泡が混入してしまい、デ
ィスプレイが気泡で見にくくなっていた。また、気泡の
空気は室温の上昇により膨張し、気泡の広がりを招いて
いた。
【0009】また、フィルム状のフィルターの貼り換え
において、剥離した後、ディスプレイの表面上に接着剤
が残ってしまうので、貼り換え後はどうしてもディスプ
レイが汚くなってしまい、フィルターの機能の低下が起
こっていた。これは、最初の貼り付け時の失敗等による
再貼り付けでも起こる。
【0010】よって、設置型機器のディスプレイの製造
時には、フィルム状のフィルターを機械的に永久固定状
に貼り付けていた。これは、気泡の混入は防げるのであ
るが、フィルターに傷、指紋等の汚れ、長期の使用によ
る変色等の劣化が生じた場合には、ディスプレイごと修
理に出さなければならないという問題があり、最悪事態
ではディスプレイともども取り換えを余儀なくされてい
た。
【0011】ここにおいて、本発明の解決すべき主要な
目的は次の通りである。
【0012】本発明の第1の目的は、携帯型ゲーム機の
ディスプレイに用いる携帯型ゲーム機ディスプレイ用防
眩シートを提供せんとするものである。
【0013】本発明の第2の目的は、簡易に貼り換え自
在な携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シートを提供せ
んとするものである。
【0014】本発明の第3の目的は、貼り付け、貼り換
えにおいてディスプレイ全面を汚さない携帯型ゲーム機
ディスプレイ用防眩シートを提供せんとするものであ
る。
【0015】本発明の第4の目的は、夏場等の気温が上
昇する場合においても、機能の変化が起こらない携帯型
ゲーム機ディスプレイ用防眩シートを提供せんとするも
のである。
【0016】本発明のその他の目的は、明細書、図面、
特に特許請求の範囲の各請求項の記載から自ずと明らか
となろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題の解
決に当たり、携帯型ゲーム機のディスプレイに貼り付け
られて使用され、当該ディスプレイに入射する外光を乱
反射させる構造のフィルム部と、基部である接着基部、
当該接着基部の表側面上で前記フィルム部に強接着する
フィルム接着部、及び当該接着基部の裏側面上で前記デ
ィスプレイに弱接着するディスプレイ接着部で構成さ
れ、当該ディスプレイの表面周縁内外側何れかと当該フ
ィルム部の裏面周縁内側とを接着するとともに当該フィ
ルム部と当該ディスプレイとの間における内気を外気と
通気自在な通気部を設けた有端環状である接着部と、を
有する、特徴的構成手段を講じる。
【0018】更に具体的詳細に述べると、当該課題の解
決では、本発明が次に列挙する新規な特徴的構成手段を
採用することにより、前記目的を達成するよう為され
る。
【0019】即ち、本発明装置の第1の特徴は、携帯型
ゲーム機のディスプレイに貼り付けられて使用され、当
該ディスプレイに入射する外光を乱反射させる構造のフ
ィルム部と、基部である接着基部、当該接着基部の表側
面上で前記フィルム部に強接着するフィルム接着部、及
び当該接着基部の裏側面上で前記ディスプレイに弱接着
するディスプレイ接着部で構成され、当該ディスプレイ
の表面周縁内外側何れかと前記フィルム部の裏面周縁内
側とを接着するとともに当該フィルム部と当該ディスプ
レイとの間における内気を外気と通気自在な通気部を設
けた有端環状である接着部と、を有してなる携帯型ゲー
ム機ディスプレイ用防眩シートの構成採用にある。
【0020】本発明装置の第2の特徴は、上記本発明装
置の第1の特徴における前記接着基部の素材が、PET
樹脂を含む合成樹脂であるとともに、前記フィルム接着
部の素材が、アクリル系強粘着剤を含む合成樹脂強粘着
剤であり、前記ディスプレイ接着部の素材が、アクリル
系弱粘着剤を含む合成樹脂弱粘着剤である携帯型ゲーム
機ディスプレイ用防眩シートの構成採用にある。
【0021】本発明装置の第3の特徴は、上記本発明装
置の第1又は2の特徴における前記フィルム部が、完全
な透明、色付き透明のうちの1つである携帯型ゲーム機
ディスプレイ用防眩シートの構成採用にある。
【0022】本発明装置の第4の特徴は、上記本発明装
置の第1、第2又は第3の特徴における前記フィルム部
が、当該フィルム部の基部であるフィルム基層と、当該
フィルム基層上に、表面を凹凸にして、入射する外光を
乱反射させるAG(アンチグレア)コーティングの層で
あるAGコート層とを有してなる携帯型ゲーム機ディス
プレイ用防眩シートの構成採用にある。
【0023】本発明装置の第5の特徴は、上記本発明装
置の第4の特徴における前記フィルム基層の素材が、P
ET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)を含む透明合
成樹脂であるとともに、前記AGコート層の素材が、ア
クリル系樹脂を含む透明合成樹脂である携帯型ゲーム機
ディスプレイ用防眩シートの構成採用にある。
【0024】本発明装置の第6の特徴は、上記本発明装
置の第1、第2、第3、第4又は第5の特徴における前
記接着部の材質が、透明である携帯型ゲーム機ディスプ
レイ用防眩シートの構成採用にある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の一実施形態例を説明する。
【0026】本実施形態例を図1、図2、図3及び図4
を参照して説明する。図1は、本実施形態例である剥離
台紙を剥がした携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シー
トの裏面図であり、図2は、図1におけるフィルム部の
断面図であり、図3は、図1における剥離台紙に添着し
た携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シートの断面概略
模式図であり、図4は、防眩シート使用状態説明図であ
る。
【0027】本実施形態例である携帯型ゲーム機ディス
プレイ用防眩シートαは、防眩するフィルムであるフィ
ルム部1と、携帯型ゲーム機βのディスプレイβ1にフ
ィルム部1を接着する有端環状の接着部2と、ディスプ
レイβ1とフィルム部1との間の空間部分である空間部
3内の空気を外部と通気する接着部2両端間の通気部4
を有する構造である。製造時には、接着部2にフィルム
部1と同形同面積の剥離台紙5をくっつけておき、貼り
付け時に剥離台紙5を携帯型ゲーム機ディスプレイ用防
眩シートαから剥がして、ディスプレイβ1に貼り付け
る。
【0028】携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シート
αは、それぞれの携帯型ゲーム機βのディスプレイβ1
の大きさ及び形状に合わせて製造されるものとする。
【0029】図2の如く、フィルム部1は、フィルム基
層1aと、AGコート層1bとを有する。フィルム部1
の基部である例えば、50μm〜188μm厚のフィル
ム基層1a上に、表面を凹凸にして、入射する外光を乱
反射させて、外光からの像を結ばせることのない例え
ば、3μm〜4μm厚にAG(アンチグレア)コーティ
ングしてAGコート層1bが形成されている。
【0030】なお、これに限らず、その他の、入射する
外光を乱反射させる加工でもよい。例えば、フィルム基
層1bの表面を削って凹凸にして乱反射させる表面加工
等である。
【0031】これにより、例えば、部屋の照明や、屋外
での太陽光等の外光が、ディスプレイβ1に映り込むこ
とが無くなることにより、利用者がディスプレイβ1に
集中し続けることを防ぐことができる。また、フィルム
部1は、完全な透明に限るものではなく色付きの透明の
ものでもよい。
【0032】フィルム部1の素材としては、フィルム基
層1aに透明性、耐熱性、強靭性を有するPET樹脂
(ポリエチレンテレフタノール)を使用し、AGコート
層1bにアクリル性樹脂を使用するが、これに限るもの
ではない。
【0033】図3の如く、接着部2は、接着部2の基部
である接着基部2aと、接着基部2a表側面上でフィル
ム部1を接着するフィルム接着部2bと、接着基部2a
裏側面上でディスプレイを接着するディスプレイ接着部
2cとを有する。フィルム接着部2bは剥離してはだめ
なことから強い接着性を有し、ディスプレイ接着部2c
は容易に剥離可能なことから弱い接着性を有する。
【0034】図4に示すようフィルム部1の裏側面周縁
の内側は、接着時にはディスプレイβ1とフィルム部1
とで接着部2を挟むように、ディスプレイβ1の表側面
周縁の内側と接着する。この場合、接着部2は、透明な
材質であり、ディスプレイβ1での視作業に支障をきた
さないものである。
【0035】例えば、16μm〜25μm厚の接着基部
2aに透明性を有するPET樹脂を使用し、例えば、2
0μm〜30μm厚のフィルム接着部2bに透明性を有
するアクリル系強粘着剤を使用し、例えば、20μm〜
30μm厚のディスプレイ接着部2cに透明性を有する
アクリル系弱粘着剤を使用する。各アクリル系粘着剤は
例えばアクリル酸エステル共重合体を使用するが、もち
ろんこれに限定されるものではない。
【0036】また、ディスプレイβ1の表側面周縁の内
側ではなく周縁を跨ぎ超えた外側に接着するものでもよ
く、この場合は特にディスプレイβ1での視作業に支障
をきたさないので、接着部2に透明性は必要ない。
【0037】このような構造を有する本実施形態例の携
帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シートαは、例として
次の光学的及び機械的特性を有する。
【表1】 様々な要求に応えるべくヘイズ値の異なった種類を各種
揃えることも可能である。
【0038】よって、たとえ携帯型ゲーム機ディスプレ
イ用防眩シートαをディスプレイβ1から剥離したとし
ても、接着剤は、ディスプレイβ1の表側面周縁の内側
又は外側にしか残る可能性がなく、新規防眩シートαと
の交換に際しても同じ箇所に接着し、ディスプレイβ1
全面が接着剤で汚れることはない。また、全面接着する
場合のように、ディスプレイβ1とフィルム部1との間
の気泡によりディスプレイβ1が見にくくなるというこ
とが無い。
【0039】他にも、フィルム部1に傷、指紋等の汚
れ、変色や褐色等の劣化が起きた場合や、接着部2の接
着力が劣化した場合でも、古い携帯型ゲーム機ディスプ
レイ用防眩シートαを剥離して、新しい携帯型ゲーム機
ディスプレイ用防眩シートαに容易に取換えることがで
きる。接着部2がディスプレイβ1の表側面周縁の内側
又は外側のみへ接着するので、貼り付け又は剥離は、全
面に接着を行う場合に比べて、非常に容易に行うことが
できる。
【0040】また、ディスプレイβ1とフィルム部1と
の間には、接着部2の厚さ分だけ空間部3ができる。空
間部3の中の空気は、夏場等の気温が上昇する場合には
膨張するので、通気部4から膨張した空気を外部へ除去
する。また、気温が下降する場合にも、通気部4から外
気を内部へ通気する。接着部2は、通気部4を除き有端
環状に密閉形成される。これは屋外に持ち出し使用する
場合に風が吹いて砂塵等が舞う野外環境下でも砂塵やゴ
ミ、ホコリ等の浸入を阻止するのに有効となる。なお、
通気部4は複数箇所設けてもまた、その大小を問わな
い。
【0041】ここで、眼精疲労の原因は、従来の技術で
説明したようなVDT眼症の他に、ドライアイもある。
ドライアイとは、涙液の量低下又は涙液の質異常をきた
して眼の表面に障害が生じる疾患である。
【0042】ドライアイの原因は、高齢、夜遅くまで起
きている、ストレスが高い等の生理的要因、病気、薬剤
の投与等による涙液の量・質の低下と、眼が大きい、空
気が乾燥している等の涙液が蒸発しやすいことと、その
他コンタクトレンズの装着等とがある。
【0043】また、涙の役目として、眼の乾燥防止だけ
でなく、眼の、殺菌、洗浄、酸素及び栄養補給の役目も
有り、視機能障害や、眼精疲労等の眼科的異常悪化の軽
減に大切な役割を持っている。
【0044】他にも、ドライアイの重要な原因として、
瞬きの減少がある。瞬きにおける瞬目と瞬目との間のイ
ンターバル時間が長くなると眼の涙液層を破壊し、この
破壊する時間を涙液層破壊時間とする。涙液層破壊時間
までに瞬きをしていないと、ドライアイになってしま
う。
【0045】これに関して、特にVDT機器の1つであ
る携帯型ゲーム機βのディスプレイβ1での視作業にお
いて、視作業に集中するために瞬きの回数が極度に減少
してしまう。そうなれば、VDT眼症とドライアイによ
り、眼に多大なダメージを与えることになる。
【0046】特に、携帯型ゲーム機βはディスプレイβ
1が小さいので、利用者は余計に画面に集中してしま
う。また、携帯型ゲーム機βのディスプレイβ1にバッ
クライトやサイドライトがついてないものがほとんどで
あり、ディスプレイβ1は概して暗くなってしまうた
め、利用者は更に集中する。よって、瞬きの回数も集中
の度合いに応じて減ってしまう。
【0047】本実施形態例では、フィルム部1が外光を
乱反射して、外光からの像を結ばせないので、ディスプ
レイβ1を集中して見る度合いが減り、その結果瞬きす
る回数が増加することになる。
【0048】(試験例) ここで、実施試験例として図5に示すように、瞬きの回
数である瞬目回数の平均値のサンプルデータを挙げる。
携帯型ゲーム機βとして、任天堂社製ゲームボーイ(登
録商標)を、ゲームとして、内容が可及的にランダムに
展開し、被験者の習熟度や恣意性の影響が少ない任天堂
製テトリスを使用するものとする。
【0049】22人の被験者(No.)毎にデータをと
り、ゲームをプレイした場合に携帯型ゲーム機ディスプ
レイ用防眩シートαを使用しない場合の1回目(N1),
2回目(N2)、使用した場合の1回目(S1),2回目
(S2)、平常時の1回目(B1),2回目(B2)とにおけ
る瞬目回数[回]と、それぞれの2回の平均値(Ave.N,
Ave.S, Ave.B)の単位時間あたりの瞬目回数[回/
分]とをとる。また、それぞれの2回の平均値(Ave.N,
Ave.S, Ave.B)は全ての被験者について更に平均値を
とっている。
【0050】なお、図5上、携帯型ゲーム機ディスプレ
イ用防眩シートαを使用しない場合の瞬目回数(N1,N
2)及び使用した場合の瞬目回数(S1,S2)の値は5分間
の計測値であり、平常時の瞬目回数(B1,B2)の値は1
分間の計測値である。それぞれの2回の平均値(Ave.N,
Ave.S,Ave.B)は、1分間あたりの平均値である。
【0051】試験は、先ず平常時の瞬目回数(B1,B2)
を各1分間ずつとり、予め用意した携帯型ゲーム機ディ
スプレイ用防眩シートαを装着したゲームボーイ(登録
商標)と、装着しないゲームボーイ(登録商標)との2
台を伏せておき、被験者に任意に最初の1台を選ばせ
て、間に各5分間の休憩時間を挟みながら、前記2台の
ゲームボーイ(登録商標)を交互に5分間ずつのプレイ
を行わせて瞬目回数(N1,N2,S1,S2)を計測し
た。
【0052】その試験結果は、ゲームをプレイした場合
に携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シートαを使用な
い場合の2回の各人の平均値(Ave.N)を総合した全人
の平均値は4.9[回/分](最大10.3、最小2.
2、標準偏差2.4)であったのに対し、使用した場合
の2回の各人の平均値(Ave.S)を総合した全人の平均
値は8.0[回/分](最大17.3、最小3.5、標準
偏差4.0)であった。また、平常時の2回の各人の平
均値(Ave.B)を総合した全人の平均値は19.6[回
/分](最大42.5、最小9.5、標準偏差7.2)で
あった。
【0053】この結果により、携帯型ゲーム機ディスプ
レイ用防眩シートαを使用した場合のほうが、使用しな
い場合よりも有意的に単位時間あたりの瞬目回数が多
く、平常時の単位時間あたりの瞬目回数により近くなる
ことが明らかである。
【0054】また、瞬目回数の測定テストの終了後にお
いて、被験者は、「目が疲れない」、「イライラしな
い」、「ゲームの動きを追いやすい」、「ゲーム終了後
にやってくる疲労感が少ない」、「目が乾きにくい」等
の快適感を体感的に感じている。
【0055】よって、本実施形態例の使用により瞬目回
数は増加し、VDT眼症とドライアイの悪化を減少させ
ることにより、視機能障害や、眼精疲労等の眼科的異常
悪化を軽減させる。また、利用者に携帯型ゲーム機の使
用による快適感を与える。
【0056】以上、本発明の実施の形態につき説明した
が、本発明は、必ずしも上述した手段にのみ限定される
ものではなく、本発明にいう目的を達成し、本発明にい
う効果を有する範囲内において、適宜に変更実施するこ
とが可能なものである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
携帯型ゲーム機のディスプレイにおける視作業におい
て、外光の映り込みを防ぎ、利用者の瞬きの回数を増や
すので、利用者のVDT眼症及びドライアイによる、視
機能障害や、眼精疲労等の眼科的異常悪化の軽減を図る
ことができ、また利用者の携帯型ゲーム機の使用におけ
る快適感を与えることができる。
【0058】また本発明によれば、携帯型ゲーム機のデ
ィスプレイ全面を接着で汚すことがなく、また携帯型ゲ
ーム機ディスプレイ用防眩シート自身の交換も容易に行
うことができる。更に、室温の変化が起こった場合に
も、平常時と同様に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である剥離台紙を剥がした
携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シートの裏面図であ
る。
【図2】同上におけるフィルム部の断面図である。
【図3】同上における剥離台紙に添着した携帯型ゲーム
機ディスプレイ用防眩シートの断面概略模式図である。
【図4】同上の使用状態説明図である。
【図5】同上の実施試験サンプルデータ図である。
【符号の説明】
α…携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シート β…携帯型ゲーム機 β1…ディスプレイ 1…フィルム部 1a…フィルム基層 1b…AGコート層 2…接着部 2a…接着基部 2b…フィルム接着部 2c…ディスプレイ接着部 3…空間部 4…通気部 5…剥離台紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09F 9/00 H04N 5/65

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】携帯型ゲーム機のディスプレイに貼り付け
    られて使用され、 当該ディスプレイに入射する外光を乱反射させる構造の
    フィルム部と、 基部である接着基部、当該接着基部の表側面上で前記フ
    ィルム部に強接着するフィルム接着部、及び当該接着基
    部の裏側面上で前記ディスプレイに弱接着するディスプ
    レイ接着部で構成され、当該ディスプレイの表面周縁内
    外側何れかと前記フィルム部の裏面周縁内側とを接着す
    るとともに当該フィルム部と当該ディスプレイとの間に
    おける内気を外気と通気自在な通気部を設けた有端環状
    である接着部と、 を有する、 ことを特徴とする携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シ
    ート。
  2. 【請求項2】前記接着基部の素材は、 PET樹脂を含む合成樹脂であるとともに、 前記フィルム接着部の素材は、 アクリル系強粘着剤を含む合成樹脂強粘着剤であり、 前記ディスプレイ接着部の素材は、 アクリル系弱粘着剤を含む合成樹脂弱粘着剤である、 ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型ゲーム機ディ
    スプレイ用防眩シート。
  3. 【請求項3】前記フィルム部は、 完全な透明、色付き透明のうちの1つである、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型ゲーム
    機ディスプレイ用防眩シート。
  4. 【請求項4】前記フィルム部は、 当該フィルム部の基部であるフィルム基層と、 当該フィルム基層上に、表面を凹凸にして、入射する外
    光を乱反射させるAG(アンチグレア)コーティングの
    層であるAGコート層とを有する、 ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の携帯型ゲ
    ーム機ディスプレイ用防眩シート。
  5. 【請求項5】前記フィルム基層の素材は、 PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)を含む透明
    合成樹脂であるとともに、 前記AGコート層の素材は、 アクリル系樹脂を含む透明合成樹脂である、 ことを特徴とする請求項4に記載の携帯型ゲーム機ディ
    スプレイ用防眩シート。
  6. 【請求項6】前記接着部の材質は、 透明である、 ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の
    携帯型ゲーム機ディスプレイ用防眩シート。
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