JP3188130U - 爪変形矯正装具 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着剤が固まるまでの間、反発しようとする爪変形矯正装具を爪に強制的に圧着した状態を保持しやすい爪変形矯正装具を提供する。
【解決手段】爪変形矯正装具1は、一本の金属ワイヤー2からなり、その一方の端部に平仮名のつの字状に折り曲げた巻き爪を引っ掛けるためのフック部3を設け、他方の端部には設定された長さの滑り止め加工部4を設ける。この滑り止め加工部により圧着子が滑るのを防ぎ、金属ワイヤーを爪表面に接着固定するまでの間、圧着保持しやすくした。
【選択図】図1
【解決手段】爪変形矯正装具1は、一本の金属ワイヤー2からなり、その一方の端部に平仮名のつの字状に折り曲げた巻き爪を引っ掛けるためのフック部3を設け、他方の端部には設定された長さの滑り止め加工部4を設ける。この滑り止め加工部により圧着子が滑るのを防ぎ、金属ワイヤーを爪表面に接着固定するまでの間、圧着保持しやすくした。
【選択図】図1
Description
本考案は、巻き爪や陥入爪等の爪の変形を矯正するための矯正装具に関する。
巻き爪、陥入爪を矯正するための矯正装具および方法として、従来以下のものがある。一つはVHO法と呼ばれる方法である。VHO法とは、
Virtuose(名人)、Human(人間の)、Orthonyxie(まっすぐ)の略で、命名は1979年であるが、この方法自体は半世紀以上前からドイツで行われてきた伝統的手法である。この手法は、金属製のフックを爪の両側縁に引っ掛け、ワイヤーを捻じることにより、爪中央部方向に牽引する力を生じさせて爪の湾曲を矯正する方法である。
他の矯正具としては、特許文献1に開示された矯正具および方法がある。この矯正具の構造はコの字状であり、爪の両外側縁に挿入される一対の端子、この一対の端子の間に延び、両端が一対の端子に固定され、一対の端子を弾性力により引き上げることにより、爪の両外側縁を引き上げる超弾性ワイヤーがあり、さらにこの超弾性ワイヤーに設けられ、爪上に配置されることにより、超弾性ワイヤーの中間部と爪との間に間隔を置くようにして超弾性ワイヤーの両端が一対の端子に作用する弾性力を向上させるブラケットを備えている構成からなる。この具体的な構成としては、金属製の幅数mmで、コの字に湾曲した引っ掛け具を爪の両側縁に引っ掛け、それをワイヤーで爪の中央部に引っ張り、ブラケットに設けられたネジにより爪中央部方向に牽引する力を調整して爪の湾曲を矯正する方法である(特許文献1参照)。
しかし、上記の両方ともに両側の爪の側縁(以下、爪縁とよぶ。)にフックまたは引っ掛け具をかける必要がある。このためフックをかける爪縁の位置についてはほぼ同じ位置とせざるを得ない。このため、それぞれの爪縁についてフックをかけても痛みがなく、かつ最も効果的に矯正できる箇所をそれぞれ自由に選ぶことができなかった。また、陥入爪では、効果的に矯正できる爪縁は肉芽で覆われていることが多く、その為フックを掛けるときに痛みを伴い麻酔を要する場合がしばしばあり、医師による治療が必須となる。
また、特許文献2には、爪を軟化させてから矯正する矯正具および方法も開示されている(特許文献2参照)。この装具は、システイン、チオグリコール酸及びチオグリコール酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の爪軟化剤により軟化した変形爪の矯正の際に使用される針状部材を含む矯正具であって、この針状部材がヤング率30〜75GPaで、チタン、モリブデン、ジルコニウム及びスズからなるβ型チタン合金であり、かつ針状部材の少なくとも一端が圧延されて平坦化しており、圧延されて平坦化している部分が略コの字型又は略U字型の鈎形状を形成している構成からなる。この構成ではβ型チタン合金又はチタン系アモルファス合金を針状部材に用いており、所望の弾性、圧延性を与えることができる。その結果、還元作用を有する爪軟化剤を適用して変形爪の治療を行う場合に、従来よりも簡便、短時間かつ爪の損傷を少なくして治療することができる。
Virtuose(名人)、Human(人間の)、Orthonyxie(まっすぐ)の略で、命名は1979年であるが、この方法自体は半世紀以上前からドイツで行われてきた伝統的手法である。この手法は、金属製のフックを爪の両側縁に引っ掛け、ワイヤーを捻じることにより、爪中央部方向に牽引する力を生じさせて爪の湾曲を矯正する方法である。
他の矯正具としては、特許文献1に開示された矯正具および方法がある。この矯正具の構造はコの字状であり、爪の両外側縁に挿入される一対の端子、この一対の端子の間に延び、両端が一対の端子に固定され、一対の端子を弾性力により引き上げることにより、爪の両外側縁を引き上げる超弾性ワイヤーがあり、さらにこの超弾性ワイヤーに設けられ、爪上に配置されることにより、超弾性ワイヤーの中間部と爪との間に間隔を置くようにして超弾性ワイヤーの両端が一対の端子に作用する弾性力を向上させるブラケットを備えている構成からなる。この具体的な構成としては、金属製の幅数mmで、コの字に湾曲した引っ掛け具を爪の両側縁に引っ掛け、それをワイヤーで爪の中央部に引っ張り、ブラケットに設けられたネジにより爪中央部方向に牽引する力を調整して爪の湾曲を矯正する方法である(特許文献1参照)。
しかし、上記の両方ともに両側の爪の側縁(以下、爪縁とよぶ。)にフックまたは引っ掛け具をかける必要がある。このためフックをかける爪縁の位置についてはほぼ同じ位置とせざるを得ない。このため、それぞれの爪縁についてフックをかけても痛みがなく、かつ最も効果的に矯正できる箇所をそれぞれ自由に選ぶことができなかった。また、陥入爪では、効果的に矯正できる爪縁は肉芽で覆われていることが多く、その為フックを掛けるときに痛みを伴い麻酔を要する場合がしばしばあり、医師による治療が必須となる。
また、特許文献2には、爪を軟化させてから矯正する矯正具および方法も開示されている(特許文献2参照)。この装具は、システイン、チオグリコール酸及びチオグリコール酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の爪軟化剤により軟化した変形爪の矯正の際に使用される針状部材を含む矯正具であって、この針状部材がヤング率30〜75GPaで、チタン、モリブデン、ジルコニウム及びスズからなるβ型チタン合金であり、かつ針状部材の少なくとも一端が圧延されて平坦化しており、圧延されて平坦化している部分が略コの字型又は略U字型の鈎形状を形成している構成からなる。この構成ではβ型チタン合金又はチタン系アモルファス合金を針状部材に用いており、所望の弾性、圧延性を与えることができる。その結果、還元作用を有する爪軟化剤を適用して変形爪の治療を行う場合に、従来よりも簡便、短時間かつ爪の損傷を少なくして治療することができる。
引っ掛け具を爪の両側縁に引っ掛け、それをワイヤーで爪の中央部に引っ張り、ブラケットに設けられたネジにより爪中央部方向に牽引する構成の場合には、矯正装具を爪に接着する必要はない。しかし、この構成では巻き爪を矯正させるために巻き爪を広げる方向力を充分与えることができない。一方、特許文献2では、1本のワイヤー状の矯正装具を用いる構成と方法も記載されているが、爪に矯正装具を安定して接着固定するための具体的構成や方法についてはなんら記載も示唆もされていない。
1本のワイヤー状の爪変形矯正装具を用いる場合には、一方の端部で爪に引っ掛け、他方の端部から一定の長さ部分に掛けて爪に接着固定することが必要である。この場合、巻き爪にフック部を引っ掛けた後に、他方の端部から一定長さ部分を爪に接着固定するためには、反発しようとする爪変形矯正装具を爪に強制的に圧着した状態で接着剤が固まるまでの間、爪変形矯正装具を保持する必要がある。この保持には圧着子を用いるが、圧着子には接着剤が付着し難く、高強度で、繊細な作業ができる構造であることが要求される。このため一般にステンレス材が使われている。爪変形矯正装具の多くはステンレスまたはチタン合金のワイヤーが使われている。したがって両者とも硬い材料であることから、圧着子で接着固定するまでの間押し付けておく作業は、圧着子が滑りやすく、熟練者でも失敗することがある面倒な作業であった。
1本のワイヤー状の爪変形矯正装具を用いる場合には、一方の端部で爪に引っ掛け、他方の端部から一定の長さ部分に掛けて爪に接着固定することが必要である。この場合、巻き爪にフック部を引っ掛けた後に、他方の端部から一定長さ部分を爪に接着固定するためには、反発しようとする爪変形矯正装具を爪に強制的に圧着した状態で接着剤が固まるまでの間、爪変形矯正装具を保持する必要がある。この保持には圧着子を用いるが、圧着子には接着剤が付着し難く、高強度で、繊細な作業ができる構造であることが要求される。このため一般にステンレス材が使われている。爪変形矯正装具の多くはステンレスまたはチタン合金のワイヤーが使われている。したがって両者とも硬い材料であることから、圧着子で接着固定するまでの間押し付けておく作業は、圧着子が滑りやすく、熟練者でも失敗することがある面倒な作業であった。
上記課題を解決するために本考案の爪変形矯正装具は、一本の金属ワイヤーからなり、その一方の端部を平仮名のつの字状に折り曲げて巻き爪を引っ掛けるために設けたフック部と、他方の端部から設定された長さ部分に設けた滑り止め加工部とを有し、この滑り止め加工部により金属ワイヤーを爪表面に接着固定するまでの間、圧着保持しやすくしたことを特徴とする。
また、上記構造の爪変形矯正装具において、滑り止め加工部は金属ワイヤー表面にメッキ被膜または塗装被膜が形成された構造、金属ワイヤー表面の表面粗さを他の領域よりも大きくした構造、あるいはこれらの両方からなる構造であることを特徴とする。
また、上記構造の爪変形矯正装具において、滑り止め加工部は金属ワイヤー表面にメッキ被膜または塗装被膜が形成された構造、金属ワイヤー表面の表面粗さを他の領域よりも大きくした構造、あるいはこれらの両方からなる構造であることを特徴とする。
このような構造の爪変形矯正装具とすることにより、巻き爪の爪縁に引っ掛けるフック部で巻き爪に容易に引っ掛けることができ、他方の端部から定められた長さ部分に設けられた滑り止め加工部により、圧着子を用いて爪の表面部に金属ワイヤーを接着剤が接着固化するまで確実に、かつ容易に圧着しておくことができる。また、滑り止め加工により金属ワイヤーと爪表面との接着性を向上することもできるので、長期間安定に巻き爪を広げる方向の力を与えることができ、巻き爪の矯正を確実にすることができる。
本考案の爪変形矯正装具の実施の形態について説明する。図1は、本考案の爪変形矯正装具1を示す平面図である。図2は、本考案の爪変形矯正装具1を圧着子5で押し付けて変形させる状態を示す図である。図3は、本考案の爪変形矯正具1と滑り止め加工がない金属ワイヤー2のみのものを用いて圧着子5で押さえた状態を示す写真であり、(a)は本考案の爪変形矯正具1を用いた場合、(b)は金属ワイヤー2のみのものを用いた場合である。図4は、本考案の爪変形矯正装具1を用いて圧着子5により爪11に圧着した状態を示す写真である。
本考案の爪変形矯正装具1は、一本の金属ワイヤー2からなり、その一方の端部を平仮名の「つ」の字状に折り曲げて巻き爪12を引っ掛けるために設けた フック部3と、他方の端部から設定された長さ部分に設けた滑り止め加工部4とを有し、この滑り止め加工部4により金属ワイヤー2を爪表面に接着固定するまでの間、圧着保持しやすくしたことを特徴とする。
この場合に、滑り止め加工部4は金属ワイヤー2表面にメッキ被膜または塗装被膜が形成された構造、金属ワイヤー表面の表面粗さを他の領域よりも大きくした構造、あるいはこれらの両方からなる構造としてもよい。
本実施の形態では、金属ワイヤー2はステンレス材を用いており、滑り止め加工部は銅メッキが施されている。このようにメッキ皮膜を形成することにより、圧着子5で爪変形矯正装具1の滑り止め加工部4を爪11に圧着させることが容易にでき、かつ爪11との密着性も改善できる。
なお、滑り止め加工部4は、金属ワイヤー2表面に銅メッキを形成することには限定されず、ニッケルメッキ、クロムメッキ、銀メッキなど、ステンレス材へのメッキが可能な材料であれば特に制約はない。このようなメッキをすることにより、圧着子5で爪変形矯正装具1の滑り止め加工部4を爪に押しつけても、圧着子5が滑りにくくなり、接着剤が接着固定されるまで確実に、かつ容易に押しつけておくことができる。また、メッキすることにより爪11と爪変形矯正装具1との密着強度を改善することもできる。
また、メッキ以外の方法としては滑り止め加工部4に塗装被膜を形成してもよい。塗装被膜としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂など、比較的硬質の塗装被膜を形成でき、金属ワイヤー2への密着性のよいものであれば特に限定されない。さらに、メッキした上で塗装被膜を形成する構造としてもよい。また、滑り止め加工部は、金属ワイヤー2の表面荒さを元の状態に比べて大きくするようにしてもよい。表面荒さを大きくする方法としては、滑り止め加工部4を湿式エッチングして荒らす方法、サンドブラストにより荒らす方法、金属ワイヤー表面を切削したり、プレス加工したりして、例えばネジ溝形状や鋸形状を形成する方法などであってもよい。
この滑り止め加工部4は金属ワイヤー2の中で少なくともフック部3を除く領域全体に形成してもよいし、爪11の表面を覆う領域で、かつ圧着子5を押し付けながら接着固定することができる長さ領域であればよい。
なお、本考案で用いることができる金属ワイヤーとしては、ステンレス材に限定されることなく、チタン合金やこれらと弾性強度が同程度の金属材料であれば用いることができる。その寸法としては、直径が0.2mm〜0.6mm程度とし、長さは爪の長さにあわせて適当に設定すればよい。
以下、本考案の爪変形矯正装具1の効果について説明する。図2は、本考案の爪変形矯正装具1を圧着子5で押し付けて変形させる状態を示す図である。破線は変形前の状態であり、実線は圧着子5で押し付けて変形を生じさせた場合の形状を示す。滑り止め加工部4を設けておけば、変形量を大きくでき、かつ安定して押し付けておくことができる。なお、図2は、固定冶具15にフック部3を固定した状態とした後、圧着子5で押し付けながら曲げていき滑り止め加工部4の効果を評価するための実験方法を説明する図である。
図3は、図1に示す爪変形矯正装具1を圧着子5で押し付けたときの変形挙動を、滑り止め加工部を有しない金属ワイヤー2のみのものと比較した結果を示す写真である。(a)は本考案の爪変形矯正装具1を用いた場合の変形挙動であり、(b)は金属ワイヤー2のみのものを用いた場合の変形挙動である。図からわかるように、本考案の爪変形矯正装具1は、滑り止め加工部4が設けられているので圧着子5を用いて押し付けても滑ってしまうことがなく、滑り止め加工部がない金属ワイヤー15と比べて大きく撓ませることができる。
図4は、本考案の爪変形矯正装具1を用いて実際に圧着子5により爪11に圧着した状態を示す写真である。フック部3を巻き爪12に引っ掛けた後、圧着子5で爪11の表面に沿って密着させるように押し付けておくことが容易にできる。これにより、接着剤6が固化するまで、確実に、かつ容易に押し付けておける。さらに、滑り止め加工部4は金属ワイヤー2の表面に比べて接着性も改善できるので、巻き爪12を広げるような力を充分に発生させることができる。この爪変形矯正装具1を用いれば、指10から突出した爪11の巻き爪12にフック部3を引っ掛けてから滑り止め加工部4を接着することができ、巻き爪12を発症している患者に痛みを与えずに爪変形矯正装具1を装着することができる。
本考案の爪変形矯正装具1は、一本の金属ワイヤー2からなり、その一方の端部を平仮名の「つ」の字状に折り曲げて巻き爪12を引っ掛けるために設けた フック部3と、他方の端部から設定された長さ部分に設けた滑り止め加工部4とを有し、この滑り止め加工部4により金属ワイヤー2を爪表面に接着固定するまでの間、圧着保持しやすくしたことを特徴とする。
この場合に、滑り止め加工部4は金属ワイヤー2表面にメッキ被膜または塗装被膜が形成された構造、金属ワイヤー表面の表面粗さを他の領域よりも大きくした構造、あるいはこれらの両方からなる構造としてもよい。
本実施の形態では、金属ワイヤー2はステンレス材を用いており、滑り止め加工部は銅メッキが施されている。このようにメッキ皮膜を形成することにより、圧着子5で爪変形矯正装具1の滑り止め加工部4を爪11に圧着させることが容易にでき、かつ爪11との密着性も改善できる。
なお、滑り止め加工部4は、金属ワイヤー2表面に銅メッキを形成することには限定されず、ニッケルメッキ、クロムメッキ、銀メッキなど、ステンレス材へのメッキが可能な材料であれば特に制約はない。このようなメッキをすることにより、圧着子5で爪変形矯正装具1の滑り止め加工部4を爪に押しつけても、圧着子5が滑りにくくなり、接着剤が接着固定されるまで確実に、かつ容易に押しつけておくことができる。また、メッキすることにより爪11と爪変形矯正装具1との密着強度を改善することもできる。
また、メッキ以外の方法としては滑り止め加工部4に塗装被膜を形成してもよい。塗装被膜としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂など、比較的硬質の塗装被膜を形成でき、金属ワイヤー2への密着性のよいものであれば特に限定されない。さらに、メッキした上で塗装被膜を形成する構造としてもよい。また、滑り止め加工部は、金属ワイヤー2の表面荒さを元の状態に比べて大きくするようにしてもよい。表面荒さを大きくする方法としては、滑り止め加工部4を湿式エッチングして荒らす方法、サンドブラストにより荒らす方法、金属ワイヤー表面を切削したり、プレス加工したりして、例えばネジ溝形状や鋸形状を形成する方法などであってもよい。
この滑り止め加工部4は金属ワイヤー2の中で少なくともフック部3を除く領域全体に形成してもよいし、爪11の表面を覆う領域で、かつ圧着子5を押し付けながら接着固定することができる長さ領域であればよい。
なお、本考案で用いることができる金属ワイヤーとしては、ステンレス材に限定されることなく、チタン合金やこれらと弾性強度が同程度の金属材料であれば用いることができる。その寸法としては、直径が0.2mm〜0.6mm程度とし、長さは爪の長さにあわせて適当に設定すればよい。
以下、本考案の爪変形矯正装具1の効果について説明する。図2は、本考案の爪変形矯正装具1を圧着子5で押し付けて変形させる状態を示す図である。破線は変形前の状態であり、実線は圧着子5で押し付けて変形を生じさせた場合の形状を示す。滑り止め加工部4を設けておけば、変形量を大きくでき、かつ安定して押し付けておくことができる。なお、図2は、固定冶具15にフック部3を固定した状態とした後、圧着子5で押し付けながら曲げていき滑り止め加工部4の効果を評価するための実験方法を説明する図である。
図3は、図1に示す爪変形矯正装具1を圧着子5で押し付けたときの変形挙動を、滑り止め加工部を有しない金属ワイヤー2のみのものと比較した結果を示す写真である。(a)は本考案の爪変形矯正装具1を用いた場合の変形挙動であり、(b)は金属ワイヤー2のみのものを用いた場合の変形挙動である。図からわかるように、本考案の爪変形矯正装具1は、滑り止め加工部4が設けられているので圧着子5を用いて押し付けても滑ってしまうことがなく、滑り止め加工部がない金属ワイヤー15と比べて大きく撓ませることができる。
図4は、本考案の爪変形矯正装具1を用いて実際に圧着子5により爪11に圧着した状態を示す写真である。フック部3を巻き爪12に引っ掛けた後、圧着子5で爪11の表面に沿って密着させるように押し付けておくことが容易にできる。これにより、接着剤6が固化するまで、確実に、かつ容易に押し付けておける。さらに、滑り止め加工部4は金属ワイヤー2の表面に比べて接着性も改善できるので、巻き爪12を広げるような力を充分に発生させることができる。この爪変形矯正装具1を用いれば、指10から突出した爪11の巻き爪12にフック部3を引っ掛けてから滑り止め加工部4を接着することができ、巻き爪12を発症している患者に痛みを与えずに爪変形矯正装具1を装着することができる。
以下、本考案の実施例について、図5および図6を参照して説明する。図5は、本考案の爪変形矯正装具1を用いて片側の巻き爪12に接着固定した状態を示す写真である。図6は、本考案の爪変形矯正装具1を用いて両側の巻き爪12に接着固定した状態を示す写真である。図5から分かるように、フック部3を巻き爪12に引っ掛けた後、滑り止め加工部4を爪11の表面に沿って密着した状態として接着剤6により強固な接着ができた。
図6は、爪変形矯正装具1を2本用いて両側の巻き爪12に適応した例である。フック部3を巻き爪12に引っ掛け、滑り止め加工部4を爪11の表面に接着するが、図6に示すように2本の爪変形矯正装具1をアルファベットのX字状に接着することで、患者に痛みを与えずに装着することができる。
図6は、爪変形矯正装具1を2本用いて両側の巻き爪12に適応した例である。フック部3を巻き爪12に引っ掛け、滑り止め加工部4を爪11の表面に接着するが、図6に示すように2本の爪変形矯正装具1をアルファベットのX字状に接着することで、患者に痛みを与えずに装着することができる。
本考案の爪変形矯正装具は、装着される患者に苦痛を与えないで巻き爪などの陥入爪の矯正が容易にでき、陥入爪などの矯正に利用できる。
1 爪変形矯正装具
2 金属ワイヤー
3 フック部
4 滑り止め加工部
5 圧着子
6 接着剤
10 指
11 爪
12 巻き爪
15 固定冶具
2 金属ワイヤー
3 フック部
4 滑り止め加工部
5 圧着子
6 接着剤
10 指
11 爪
12 巻き爪
15 固定冶具
Claims (2)
- 一本の金属ワイヤーからなり、その一方の端部を平仮名の「つ」の字状に折り曲げて巻き爪を引っ掛けるために設けたフック部と、他方の端部から設定された長さ部分に設けた滑り止め加工部とを有し、前記滑り止め加工部により前記金属ワイヤーを爪表面に接着固定するまでの間、圧着保持しやすくしたことを特徴とする爪変形矯正装具。
- 前記滑り止め加工部は、前記金属ワイヤー表面にメッキ被膜または塗装被膜が形成された構造、前記金属ワイヤー表面の表面粗さを他の領域よりも大きくした構造、あるいはこれらの両方からなる構造であることを特徴とする請求項1に記載の爪変形矯正装具。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3188130U true JP3188130U (ja) | 2014-01-09 |
Family
ID=
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