JP3187490U - 止血用具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方に押圧形成部1aと他方に固定補助部1bを備えた長方形の剛性板体1であって、押圧形成部の表面側に仮着面が形成されており、裏面側には板体の中心部分に台形状突出部が設けられ、その突出部の先端に緩衝層が配置されてなる押圧部が形成されている構造からなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかし、例えば、腕に刺した針穴からの出血を止めるためには、ガーゼ等の処理の上から通常は指で5〜10分程度押さえつけ止血をする必要がある。指で押さえつけるので、患者にとっては、苦痛な作業であった。
例えば、指により圧迫する代わりに重石(500〜1000gの砂嚢)を載せて圧迫し、これを絆創膏で固定する絆創膏止血手段が公知である(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法では、重石の固定が必ずしも確実に行なわれないため、止血が十分に行なわれないという問題に加えて、絆創膏による患部の痒み、痛み、カブレといったトラブルが生じる場合があることは良く知られている。
しかし、いまだ患者にとっては真に満足できるような簡便で身体に優しい止血用具とはいえないものであり、さらに簡便で衛生面を重視した使い捨て可能な安価なものが切望されていた。
このような観点から、総合的な特性を持つ止血用具の創生が期待されている。
本考案の第1の特徴点は、押圧形成部と固定補助部を備えた長方形の剛性板体であって、押圧形成部の表面側に仮着面が形成されており、裏面側には板体の中心部分に台形状突出部が設けられ、その突出部の先端に緩衝層が配置されてなる押圧部が形成されている構造からなることを特徴とする止血用具、にある。
本考案の第2の特徴点は、押圧形成部と固定補助部を備えた長方形の剛性板体であって、押圧形成部の表面側に仮着面に配置された仮着用部材が形成されており、裏面側には板体の中心部分に台形状突出部が設けられ、突出部の先端に緩衝層が配置されてなる押圧部が形成されている構造からなり、長方形の板体の長手方向の取付用補助部側の端辺部に帯状の取付用仮着部が連結されていることを特徴とする止血用具、にある。
本考案の第4の特徴点は、台形突出部の先端部に配置された緩衝層が柔軟性軟質ゴム、柔軟性軟質プラスチック、ゴムスポンジ、樹脂発泡体、布、加圧綿からなる滑り止め機能や緩衝機能を備えた材料であることを特徴とする止血用具、にある。
本考案の第5の特徴点は、長方形の剛性板体の周辺部には、周辺部方向に平行するように折り曲げ部またはリブを形成することによる強化構造であることを特徴とする止血用具、にある。
本考案の第7の特徴点は、剛性板体の押圧形成部の表面側の仮着面上に配置された仮着用部材、および取付用補助部の他端に接合された取付用仮着部に配置された仮着用部材が面ファスナーであることを特徴とする止血用具、にある。
本考案の第9の特徴点は、粘着性物質又は絆創膏には使用時に剥がすことができる剥離紙が取付けられていることを特徴とする止血用具、にある。
本考案の第10の特徴点は、長方形の剛性板体がプラスチック材料製の柔軟な撓み性の薄板であることを特徴とする止血用具、にある。
本考案の止血用具は、図1を参考にすると、押圧形成部(1a)と固定補助部(1b)を備えた縦20〜60mm、好ましくは25〜35mm程度、横200〜280mm、好ましくは260mm程度、厚さが0.05〜1.5mm程度の長方形の剛性板体(1)であり、これはポリエステル、ポリカーボネートのようなプラスチック材料からなる剛性板体(1)であって、通常はシートと呼称できる形状の物品である。
この剛性板体(1)の一方側(右側)には押圧形成部が縦30〜40mm、好ましくは35mm程度であり、横50〜85mm、好ましくは75mm程度の大きさで形成されている。剛性板体(1)の他方側(左側)には固定補助部(1b)が縦20〜40mm、好ましくは25mm程度の大きさで形成されている。この押圧形成部(1a)の表面側に仮着できる程度の仮着面(8b)が形成されており、裏面側には板体の中心部分に台形状突出部(2)が設けられ、その突出部の先端に緩衝層(6)が配置されてなる押圧部(4)が形成されている構造からなる。
台形状突出部(2)の先端部には滑り止、緩衝の役割を果たす緩衝層(6)が配置されており、ガーゼなどの医療用材料の滑りや、偏り、押圧の偏在などを防止するという、患部に安定に固定するという補助部の役割を果たす。緩衝層を構成する材料は、柔軟性軟質ゴム、柔軟性軟質プラスチック、ゴムスポンジ、樹脂発泡体、布、不織布、加圧綿などの滑り止め機能や緩衝機能を備えた材料であることが好ましく、特にこれに限定されるものではない。緩衝層の大きさは、厚さが0.5〜4mm程度、直径または寸法は台形の上面の面積、形状に適合する大きさであるが、通常は直径が約5〜20mmあれば十分である。
この剛性板体(1)に連結した状態の帯状の固定補助部(1b)の詳細は、所定の長さ、好ましくは腕の外周の長さよりやや短めな長さを有する帯状のシート状材料が接合部(9)において接合されている。接合手段としては、接着や熱融着が挙げられる。この固定補助部(1b)を構成するシートは、押圧形成部(1a)と一体となった一枚の剛性板体(1)として加工することも可能であり、又は、予め別体として成形した取付用補助部(1b)を押圧形成部(1a)と一体接合することにより成形することも可能である。
生産性、構造的な強度などを考慮すれば、長方形の、一枚の板体(1)を、同時に押圧形成部(1a)と固定補助部(1b)とを同時に加工するという、いわゆる一体成形をすることが最も好ましい。
この押圧形成部(1a)と固定補助部(1b)の寸法、配置などは、例えば、押圧形成部(1a)を剛性板体(1)の中央部、若干端寄りに配置するというように、任意に配置することができる設計事項である。
このタイプの止血用具の取り付けは、特に図7に示すとおり、腕のような、穿刺傷部分の皮膚面にガーゼ(11)を重ね、絆創膏(12)により予め固定し、その上に押圧部(4)が重なるように固定をして、固定補助部(1b)を腕(13)に巻きつけてから、固定補助部(1b)の裏端部を板体(1)の表面に、粘着テープ、絆創膏などにより粘着固定するという、図7に示す要領で固定する。
例えば、市販されている幅広の医療用の粘着テープ、具体的には、絆創膏を用いれば好適に機能するので、簡便且つ安価に止血できるが、粘着テープの裏面全体に亘って、剥離紙を適当な長さに分割した、例えば、両先端部から5mmの位置及び/又は中心位置といった箇所で切断分割することによりその位置で個々に剥離可能なようにした剥離紙を取付けた粘着テープを用いても良い。粘着テープの長さは、腕の太さにもよるが、15〜30cmあれば足りるが、押え板(1)の湾曲によっても15分間程度剥がれない為の長さと幅が必要となる。用いる粘着テープの幅は、1.0〜3.5cmであり、好ましくは2.5〜3.0cmである。1.5cmより短くなると、腕に対する粘着領域が少なくなるため、粘着状態が十分でなくなり外れる危険性が生じる。3.5cmより太くしても、コストが高くなり不経済となる。厚さは、0.1〜0.2mmである。
別の実施態様として、仮着用部材(5)として慣用の面ファスナー(8a)(フック面、又は雌雄同形の面ファスナー)を使用することもできる。この面ファスナー(8a)の一端で被包体を包み押圧形成部(1a)の表面側に予め配置形成されている仮着面である面ファスナー(8b)(ループ面、又は雌雄同形の面ファスナー)と仮着すれば容易に固定される。
要するに、取付用仮着部(1c)には、仮着形成部(8)があり、仮着用部材(5)が粘着テープである場合には、粘着する仮着面(8)が有り、面ファスナーを使用する場合には、仮着形成部(8)に仮着用部材(5)である面ファスナー(8a)が接合部(9)によって接合される。
図1、図4に示されている本考案の剛性板体である押え板(1)は、押圧形成部(1a)の長さが約75mm、幅3.5cm、厚さ0.2mmであり、固定補助部(1b)の長さが185mm、幅25mmであるのポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略すこともある。)樹脂板からなり、この剛性板体の裏面、即ち、肌に接する側の中心部には図2、図5にあるように、内径2.0cm、外径3.0cm、高さ1.05cmの円錐状台形をした台形状突出部(2)が慣用の加圧成形手段または真空成形により一体形成されており、表面側では凹部が形成されている。一体形成された突出部は、押圧部(4)、傾斜部(3)からなる円錐状台形になっている。円錐台形には、厚さ1mm、直径18mmの軟質樹脂層を接合する。
また、図1、図3、図4、図6に示されている本考案の実施形態である押え板体(1)は、押え板体(1)の表面側に高さ0.5mmのビードまたはリブを二辺に形成することにより、押え板体(1)の厚さを0.2mmにできたものである。ビードまたはリブを形成することにより、板厚を薄くしても同等の剛性を有することができる。ビードまたはリブの形成は二辺にかぎらず、四辺に形成しても構わない。
次に、取付用仮着部(1c)を作成する為に、長さ20cm、幅2.5cm、厚さ0.1mmの医療用の粘着テープ(この粘着テープは、例えば、剥離紙付きのもので使用時に剥がして用いるようなものでもよく、もしくは巻かれている絆創膏を使用時に切って用いても良い。)を用意し、この押え板体(1)の表面側に貼付け(図示省略)、その両端は折返して折返し部を作成したり、剥離紙を介在させてプルタブのようにしたりして、粘着テープの端部を手で容易に掴めるようにする。そして、図7、図8に示されたような状態に腕に巻付け固着することにより、止血を行う。
本考案を実施例を挙げて説明をしたが、本考案はこの態様に限定されるものではない。
従来の一般的な止血用具は、全体が伸縮性のゴムからなる止血ベルトであるため、腕全体を締め付けるものです。締め付け過ぎると穿刺孔から出血することもあり、また、腕の血流を停滞させて、体に負荷を与えることになり特に高齢の患者にとっては望ましいものではない。本考案の止血用具は、そのような負荷を懸念するようなものではなく、負担を軽減できる構造のものである。
1 ・・・・・・ 押え板体(剛性板体)
1a ・・・・・ 押圧形成部
1b ・・・・・ 固定補助部
1c ・・・・・ 取付用仮着部
2 ・・・・・・ 台形状突出部
3 ・・・・・・ 傾斜部
4 ・・・・・・ 押圧部
5 ・・・・・・ 仮着用部材
6 ・・・・・・ 緩衝層
7 ・・・・・・ 通気孔
8 ・・・・・・ 仮着形成部
8a、8b・・・ 面ファスナー
9 ・・・・・・ 接合部
10 ・・・・・ 空間
11 ・・・・・ ガーゼ
12 ・・・・・ 仮着材料(絆創膏)
13 ・・・・・ 包被体(腕)
Claims (10)
- 押圧形成部と固定補助部を備えた長方形の剛性板体であって、押圧形成部の表面側に仮着面が形成されており、裏面側には板体の中心部分に台形状突出部が設けられ、その突出部の先端に緩衝層が配置されてなる押圧部が形成されている構造からなることを特徴とする止血用具。
- 押圧形成部と固定補助部を備えた長方形の剛性板体であって、押圧形成部の表面側に仮着面に配置された仮着用部材が形成されており、裏面側には板体の中心部分に台形状突出部が設けられ、突出部の先端に緩衝層が配置されてなる押圧部が形成されている構造からなり、長方形の板体の長手方向の取付用補助部側の端辺部に帯状の取付用仮着部が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の止血用具。
- 剛性板体の押圧形成部に設けられた台形状突出部から構成される押圧部が円錐状台形、四辺形状台形、多角形状台形であり、一体成形または別体成形により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の止血用具。
- 台形突出部の先端部に配置された緩衝層が柔軟性軟質ゴム、柔軟性軟質プラスチック、ゴムスポンジ、樹脂発泡体、布、加圧綿からなる滑り止め材料または緩衝性材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の止血用具。
- 押圧形成部を構成する剛性板体の周辺部には、周辺部方向に平行するように折り曲げ部またはリブを形成することによる強化構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の止血用具。
- 取付用補助部を構成する帯状のシート面に任意の切り欠き部からなる通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の止血用具。
- 剛性板体の押圧形成部の表面側の仮着面上に配置された仮着用部材、および固定用補助部の他端に接合された取付用仮着部に配置された仮着用部材が面ファスナーであることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の止血用具。
- 取付用仮着部を構成する仮着用部材が粘着性物質又は絆創膏からなる材料から構成されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の止血用具。
- 粘着性物質又は絆創膏には使用時に剥がすことができる剥離紙が取付けられていることを特徴とする請求項8に記載の止血用具。
- 長方形の剛性板体がプラスチック材料製の柔軟な撓み性の薄板であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の止血用具。
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