JP3187203U - 分光光度計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液滴状に試料を保持した状態で測定光を照射し、波長ごとの透過光強度を測定する分光光度計であって、低濃度試料でも高感度の測定が可能なサンプル滴下型の分光光度計を提供する。
【解決手段】 試料台11上面の試料保持面11aに、透光性材料からなる試料保持用補助具20を載せた状態で、その試料保持用補助具20上面に形成された試料保持面20aに液体試料Sを滴下して液滴状に保持した状態で測定を行うことにより、液体試料S内の粒子による散乱光の一部を、光ガイド部材12に至るまでの間で試料保持用補助具20を介して外部に漏出させる。これにより、低濃度試料であっても、光検出器13による検出結果に粒子による作用が大きく現れることを実現し、高感度の測定を可能とする。
【選択図】図1
【解決手段】 試料台11上面の試料保持面11aに、透光性材料からなる試料保持用補助具20を載せた状態で、その試料保持用補助具20上面に形成された試料保持面20aに液体試料Sを滴下して液滴状に保持した状態で測定を行うことにより、液体試料S内の粒子による散乱光の一部を、光ガイド部材12に至るまでの間で試料保持用補助具20を介して外部に漏出させる。これにより、低濃度試料であっても、光検出器13による検出結果に粒子による作用が大きく現れることを実現し、高感度の測定を可能とする。
【選択図】図1
Description
本考案は分光光度計に関し、さらに詳しくは、液体試料を液滴状に保持した状態で測定光を照射して測定を行う方式の分光光度計に関する。
液体中に粒子が分散してなる液体試料の濁度や粒子数、あるいは細胞数を測定する方法の一つとして、分光光度計による液体試料の透過測定がある。この測定においては、液体試料に測定光を照射し、その透過光の波長ごとの強度を検出して、透過率スペクトルないしは吸光度スペクトルを求めるとともに、あらかじめ標準サンプルを用いて作成した検量モデルにより濁度や粒子数を求める(例えば非特許文献1参照)。
このような測定に際しては、液体試料中の粒子により測定光があらゆる方向に散乱するため、光の散乱の度合いや方向により、試料液体を透過する光の量が大きく変わる。そのため、分光光度計を用いて例えば粒子数や細胞数を測定する際、粒子や細胞の大きさ、あるいは形状に高い感度で測定結果が変化することになり、高感度での測定が可能となる。ただし、この種の分光光度計では、粒子や細胞の大きさや形状だけでなく、以下に示すように、検出器までの距離、寸法やスリット幅などの装置の構造に依存して検出光量が異なる値となる。
図2(A),(B)は、試料セルを用いて液体試料を測定する一般的な分光光度計の要部の構造を模式的に示すものであって、検出器の寸法とスリット幅の寸法が互いに相違するものを例示している。なお、これらの図においてSは液体試料、1は試料セル、2は光ファイバやバンドルファイバなどの光ガイド部材、3は検出器、4は測定光であり、wはスリット幅を表している。これらの図から明らかなように、液体試料S内での測定光の散乱の仕方が同じであっても、(A)の構成の方が広い角度範囲からの散乱光が検出器3に入射するため、検出器3により検出される光強度は(B)の構成に比して大きく現れる。このような装置に由来する差異は係数設定を行うことにより補正することができる。
一方、液体試料の測定に際して試料セルを用いない、いわゆるサンプル滴下型と称される分光光度計が知られている(例えば特許文献1参照)。このサンプル滴下型の分光光度計においては、図3に要部構成を模式的に示すように、上面に平坦な試料保持面11aを有する試料台11と、その試料台11上面の試料保持面11aに一方の端部を臨ませた光ファイバやバンドルファイバ等の光ガイド部材12を備え、その光ガイド部材12の他端を検出器13に向けて臨ませた構成を有し、液体試料Sは試料台11上面の試料保持面11aに滴下され、液滴状に保持される。測定光4は液滴状の液体試料Sの上方から照射され、その透過光が光ガイド部材12内を通って検出器13に入射する。このサンプル滴下型の分光光度計は、微量の液体試料の測定に有用である。
このようなサンプル滴下型の分光光度計においては、液滴状の液体試料Sへの測定光の入射部位、つまり液体試料Sの表面と光ガイド部材12の光入射口との間の距離、つまり光路長が短く、しかも試料液体Sと光ガイド部材12の光入射口とが接した状態となっているため、実質的に全ての散乱光が検出器13に導かれる。
日本分析機器工業会「紫外可視分光光度計の原理と応用」[online]平成25年7月10日検索 インターネット<URL http://www.jaima.or.jp./jp/basic/spectroscopy/uvvis.html>
ところで、上記したサンプル滴下型の分光光度計においては、試料液体内で散乱した光のほぼ全てが検出器によって検出されるため、散乱性の試料の吸収測定においては問題にならないものの、低濃度の試料の濁度や細胞数測定に際しては、検出器により検出される光の強度が試料中の細胞数などの相違に対してあまり変化せず、結果的に感度が低くなるという欠点がある。したがって、従来、サンプル滴下型の分光光度計は、低濃度の濁度や細胞数の測定には向かないとされていた。
図2の試料セルを用いる分光光度計では、このような場合に液体試料を通過する光の長さ、つまり光路長を長くすることで対処することができるが、図3のサンプル滴下型の分光光度計は、元来的に微量の試料液体の測定を目的とすると同時に、構造上の観点からも光路長を長くすることが実質的に不可能である。
本考案はこのような実情に鑑みてなされたもので、液滴状に試料を保持した状態で測定光を照射し、波長ごとの透過光強度を測定する分光光度計において、低濃度試料でも高感度の測定が可能なサンプル滴下型分光光度計の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本考案の分光光度計は、光源と、その光源からの光を波長選択して試料に向けて照射する分光器と、上面に液体試料を液滴状に保持する試料保持面が形成された試料台と、その試料台内に挿入され、一端が当該試料台の試料保持面に臨む光ガイド部材と、その光ガイド部材の他端側に配置された光検出器とを備えた分光光度計において、上記試料台の上面の試料保持面に選択的に配置される試料保持用補助具を備え、この試料保持用補助具は、透光性材料からなり、その頂部に液体試料を液滴状に保持する試料保持面を備えていることによって特徴づけられる。
本考案は、液滴状の液体試料に測定光を照射して、その透過光のスペクトルを測定するに当たり、その液滴状の試料液の下方、つまり液体試料とこれを透過した光を検出器に導く光ガイド部材の光導入端との間に、透光性材料からなる部材を介在させることにより、液体試料中の粒子による散乱光の一部を外部に漏出させることで、課題を解決しようとするものである。
すなわち、サンプル滴下型の分光光度計により低濃度試料を測定したときに感度が低くなる理由は、前記した通り、光路長が短く、かつ、液滴状の液体試料とその透過光を検出器へと導く光ガイド部材の光導入端とが実質的に密着しているために、液体試料中の粒子による散乱光のほぼ全てが検出器へと導かれることによるものであり、本考案では、液滴状の試料液体と光ガイド部材の光導入端との間に、透光性材料からなる部材を介在させ、この部材を通じて液体試料中の粒子による散乱光の一部を外部に漏出させる。これにより、低濃度の液体試料でも、その試料中の粒子による光の散乱の仕方の相違が検出器による検出結果に確実に反映され、高感度の測定が可能となる。
本考案によれば、サンプル滴下型の分光光度計を用いて、低濃度の液体試料を高感度で測定することが可能となり、サンプル量が少なく、かつ、低濃度の試料の濁度や細胞数であっても正確に求めることが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本考案の実施形態について説明する。
図1は本考案の実施の形態の要部構成を示す模式図である。この実施の形態は、分光光度計としての構成は図3に示したものと同等であり、上面に液体試料を液滴状態で保持する試料保持面11aが形成された試料台11、その試料台11の下側から当該試料台11内に一端側が挿入され、その端部が試料保持面11aにまで至る光ガイド部材(例えば光ファイバ)12、その光ガイド部材12の他端側に設けられた光検出器13を備えている点では図3と変わるところがない。なお、図3では図示を省略したが、測定光は光源14と、その光源14からの光を順次波長選択して試料に向かわせる分光器15を主体として構成されており、この点についても図3のものと同等である。また、光検出器13の出力はA−D変換された後にデータ処理部(図示略)に取り込まれ、公知の手法により吸光度や透過率スペクトルの演算に供される。
図1は本考案の実施の形態の要部構成を示す模式図である。この実施の形態は、分光光度計としての構成は図3に示したものと同等であり、上面に液体試料を液滴状態で保持する試料保持面11aが形成された試料台11、その試料台11の下側から当該試料台11内に一端側が挿入され、その端部が試料保持面11aにまで至る光ガイド部材(例えば光ファイバ)12、その光ガイド部材12の他端側に設けられた光検出器13を備えている点では図3と変わるところがない。なお、図3では図示を省略したが、測定光は光源14と、その光源14からの光を順次波長選択して試料に向かわせる分光器15を主体として構成されており、この点についても図3のものと同等である。また、光検出器13の出力はA−D変換された後にデータ処理部(図示略)に取り込まれ、公知の手法により吸光度や透過率スペクトルの演算に供される。
さて、この例の特徴は、図示したように、試料台11上面に形成されている試料保持面11a上に、試料保持用補助具20を選択的に載置できるようになっている点である。
この試料保持用補助具20は、その全体が透光性部材、例えばガラスや石英などの透過率の高い材料が用いられ、その形態としては、頂部に液体試料を液滴状に保持する平坦面があれば特に限定されるものではなく、ガラスセルや石英セルなどを利用することができ、あるいはブロックであってもよく、さらには筒体としてその上にスライドガラスを載せた構造としてもよい。図1に示した例では、試料保持用補助具20にはガラスもしくは石英製のブロックが用いられ、その上面に平坦な試料保持面20aが形成されている。
この試料保持用補助具20は、低濃度試料の濁度測定や細胞数の測定時において試料台11上に載置され、それ以外の散乱性試料の吸収測定等では用いない。つまり、測定対象試料に応じて選択的に用いられるものである。試料保持用補助具20を用いない場合は、図3に示した従来のサンプル滴下型分光光度計と同様に、試料台11上面に形成された試料保持面11aに試料を滴下して液滴状に保持される。
試料保持用補助具20を用いる場合、この試料保持用補助具20を光ガイド部材12の直上に位置させることが望ましく、したがって、試料台11の測定に影響を与えない部位に試料保持用補助具20の位置決め用の突起などを設けることが望ましい。
試料台11上に試料保持用補助具20を載せ、その上面の試料保持面20a上に液体試料Sを滴下して液体試料Sを液滴状に保持した状態で測定光を照射することにより、測定光は液体試料S内の粒子によって散乱し、その散乱光は、試料保持用補助具20を介して光ガイド部材12の光導入端に入射することになり、光ガイド部材12の光導入端に至るまでの間に、散乱光の一部が外部に漏出する。これにより、光検出器13による検出結果は、低濃度の試料であってもそこに含まれる粒子の作用による影響が大きく現れることになって、高感度の測定が可能となる。
11 試料台
11a 試料保持面
12 光ガイド部材
13 光検出器
14 光源
15 分光器
20 試料保持用補助具
20a 試料保持面
S 液体試料
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Claims (1)
- 光源と、その光源からの光を波長選択して試料に向けて照射する分光器と、上面に液体試料を液滴状に保持する試料保持面が形成された試料台と、その試料台内に挿入され、一端が当該試料台の試料保持面に臨む光ガイド部材と、その光ガイド部材の他端側に配置された光検出器とを備えた分光光度計において、上記試料台の上面の試料保持面に選択的に配置される試料保持用補助具を備え、この試料保持用補助具は、透光性材料からなり、その頂部に液体試料を液滴状に保持する試料保持面を備えることを特徴とする分光光度計。
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JP3187203U true JP3187203U (ja) | 2013-11-14 |
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2013
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