JP3186518B2 - 持続的血液浄化用装置 - Google Patents
持続的血液浄化用装置Info
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Description
脱血した血液を血液ろ過器などの血液浄化器に導入し、
水分、代謝産物、電解質などをろ過分離した後、有用物
質を補給し、自己防御機構の賦活、保持を図ることによ
り、生体の臓器機能を補助あるいは代行する持続的血液
浄化用装置に関する。
漿交換、血液吸着、血液透析、血液ろ過、血液透析ろ
過、腹膜透析などが広く臨床に応用されている。腎機能
不全の患者やその他の原因で重篤な状態にあり、そのた
めに腎不全の兆候の現れた患者、あるいは術後の薬液注
入によって水分過多症になった患者などの重篤な状態を
改善するために臨床の場で血液ろ過を行なうことはすで
に実用化されて久しい。
圧力差によって溶質を含んだ溶媒そのものが膜の孔を通
って血液側から他の側へ移動するものであり、孔を通過
する溶質は溶質の大きさと膜の孔の大きさによって規制
され、これは透析と異なって、ろ過の原理によって選択
的な除去を可能にするものである。この場合、通常、除
去した水分の体液成分を補充液(以後、補液という)と
して補給することが行なわれる。
患者の体液バランスが急激に変動して患者の状態が急変
し、これが患者に悪影響を与えるため、長時間かけて患
者を徐々に正常に戻す方法、即ち、持続的血液浄化療法
が特に重症患者に対する有効な治療法として急速に普及
しつつあり、主にICU、CCUなど集中治療室におい
て体液バランスを厳密に管理しながら実施される。持続
的血液浄化療法においては、長時間かけて徐々に血液浄
化を行なうことが必要であり、そのためにより厳密な患
者体液バランス管理が必要となる。したがって、これま
での常識を越えた精度の高い装置の出現が必要となって
きた。
ンプ)には、弾性軟質チューブをしごいて送液するロー
ラーポンプが多用されている。しかしながら、ローラー
ポンプに多用されるチューブは通常塩化ビニールなどの
プラスチック製であるため、チューブ径にばらつきがあ
ったり、送液時のチューブ内圧力変化でチューブ形状が
変形したりしてチューブ断面積が変動するため、ポンプ
設定値と実際量とに差が生じ、一般にその誤差は±5%
〜±15%程度ある。また、使用する回路個々で誤差の
程度に違いがある。特に、ろ液ポンプの場合は圧力変化
の影響が最も大きい。すなわち、血液浄化器は治療の経
過に伴って、徐々に血栓や体液中の蛋白などが付着し、
ろ過抵抗が次第に増加する。ろ液ポンプが一定回数で回
転していると、ろ過抵抗の増大に伴い血液浄化器のろ過
側の圧力が低下し、これによりチューブの変形(断面積
の減少)を生じて流量が減少する。このことは治療現場
ではよく知られていることであり、実際には、ろ液をメ
スシリンダなどの計量容器に受け、遂次容量測定して、
ろ液量を一定に保つように、ろ液ポンプの回転数の調整
を行なっている。このメスシリンダによるろ液の計量作
業が大変なだけでなく、メスシリンダによる測定精度は
高くなく、また、測定者が測定し忘れて、ろ液がメスシ
リンダをオーバーフローするなどの測定ミスが起こるこ
ともある。
技術では、持続的血液浄化療法においてろ液の流量管理
は大変であり、これに監視員が常にはりついていなけれ
ば、患者に対して大きい変動をきたし、折角の持続的血
液浄化療法の特長を発揮できないばかりか、かえって患
者を重篤な状態にしてしまうおそれもあった。したがっ
て、信頼できる流量調整すなわち本療法を行なうに当た
って、あらかじめ設定した設定流量値に実際の流量が近
づくように信頼度高く自動的に調節する装置の出現が待
望されていたのである。
うに持続的血液浄化療法、特に持続的血液ろ過療法にお
いて、ろ液量を一定・正確に維持することの重要性に鑑
み、ろ液量を自動的に正確に測定、制御する手段につい
て鋭意研究し、これまでの常識を越えて高精度化する手
段を見い出し、本願発明を成すに到った。すなわち、本
願における第1の発明では、患者の静脈あるいは動脈か
ら導出した血液を血液浄化器(4)に導いて血液浄化を
行なった後血液を患者の静脈に返血する持続的血液浄化
用装置において、静脈あるいは動脈から上記血液浄化器
(4)に血液を導く脱血回路(5a)内に血液ポンプ
(2)を備えるとともに、上記血液浄化器(4)からの
ろ過液を排出するろ液回路(6)内にろ液ポンプ(3)
を備え、ろ液ポンプ(3)排出側のろ液回路(6)内に
はろ液流量を間欠的に実測する容積計量手段を備え、ろ
液回路(6)は、ろ液チューブ排出端(25)、ろ液ク
ランプ(8)、排液チューブ(23)、分岐部(2
4)、及びろ液ポンプ(3)をこの順序で備え、かつ及
びろ液ポンプ(3)側で血液浄化器(4)に接続し、分
岐部(24)には、遠い方からみてチューブ端部、開閉
弁(9)、上側チューブ(22)、上部ろ液レベルセン
サー(10b)、計量容器(7)、及び下部ろ液レベル
センサー(10a)の順序で設けられたチューブが接続
されており、得られたろ液実測値と設定値が合致するよ
うろ液ポンプの回転数を調節できるようにした。
は動脈から導出した血液を血液浄化器(4)に導いて血
液浄化を行なった後、血液を患者の静脈に返血する持続
的血液浄化用装置において、静脈あるいは動脈から上記
血液浄化器(4)に血液を導く脱血回路(5a)内に血
液ポンプ(2)を備えるとともに、上記血液浄化器
(4)からのろ過液を排出するろ液回路(6)内にろ液
ポンプ(3)を備え、ろ液ポンプ(3)排出側のろ液回
路(6)内にはろ液流量を間欠的に実測する容積計量手
段を備え、ろ液回路(6)は、ろ液チューブ排出端(2
5)、ろ液クランプ(8)、排液チューブ(23)、分
岐部(24)、及びろ液ポンプ(3)をこの順序で備
え、かつ及びろ液ポンプ(3)側で血液浄化器(4)に
接続し、分岐部(24)には、遠い方からみてチューブ
端部、開閉弁(9)、上側チューブ(22)、上部ろ液
レベルセンサー(10b)、計量容器(7)、及び下部
ろ液レベルセンサー(10a)の順序で設けられたチュ
ーブが接続されており、下部ろ液レベルセンサー(10
a)を液面が通過直後開閉弁(9)を閉止し、得られた
ろ液実測値と設定値が合致するようろ液ポンプの回転数
を調節するようにした。さらに、第3の発明では、第1
又は第2の発明において、持続的血液浄化用装置のろ液
の容積計量の動作が、(a)ろ液ポンプ(3)が回転し
ている時、開閉弁(9)を開、ろ液クランプ(8)を閉
とするとろ液が計量容器(7)に流入すること、(b)
液面が下部ろ液レベルセンサー(10a)を通過し、上
部ろ液レベルセンサー(10b)に到達すると開閉弁
(9)は開のまま、ろ液クランプ(8)が開となり、計
量容器(7)内のろ液は高低落差により容器(7)外へ
流出すること、(c)所定の時間後、ろ液クランプ
(8)を閉とすると再びろ液が計量容器(7)内に流入
し、液面が下部ろ液レベルセンサー(10a)を通過し
上部ろ液レベルセンサー(10b)に到達するとろ液ク
ランプ(8)が開となり、計量容器内ろ液は容器(7)
内から流出すること、の上記動作(a)〜(c)が所定
時間毎に繰り返されるようにしたものである。さらにま
た、第4の発明では、第1又は第2の発明において、持
続的血液浄化用装置のろ液の容積計量の動作が、(a)
ろ液ポンプ(3)が回転している時、開閉弁(9)を
開、ろ液クランプ(8)を閉とするとろ液が計量容器
(7)に流入すること、(b)液面が下部ろ液 レベルセ
ンサー(10a)を通過し、上部ろ液レベルセンサー
(10b)に到達すると開閉弁(9)は開のまま、ろ液
クランプ(8)が開となり、計量容器(7)内のろ液は
高低落差により容器(7)外へ流出すること、(c)所
定の時間後、ろ液クランプ(8)を閉とすると再びろ液
が計量容器(7)内に流入し、液面が下部ろ液レベルセ
ンサー(10a)を通過し上部ろ液レベルセンサー(1
0b)に到達するとろ液クランプ(8)が開となり、計
量容器内ろ液は容器(7)内から流出すること、の上記
動作(a)〜(c)が所定時間毎に繰り返されるととも
に、計量容器(7)への流入に要する時間Tは液面が下
部ろ液レベルセンサー(10a)を通過し上部ろ液レベ
ルセンサー(10b)に到達するまでの時間として測定
され、計量容器(7)はプラスチック成形金型により製
作されていて一定容量Vであり、ろ液ポンプ(3)を流
れるろ液流量Lは、L=V/Tであり、この流量Lが設
定値より低い場合はろ液ポンプ(3)の回転数を上げ、
高い場合はろ液ポンプ(3)の回転数を下げることで設
定値により近い流量となるように制御されるものであ
る。 また、第5の発明では、該装置の血液ポンプ、ろ液
ポンプの移送能力が、それぞれ15〜250ml/分、
50〜2,000ml/時間であることとし、第6の発
明では、該計量容器の内容積を10〜30mlの範囲と
した持続的血液浄化用装置を提供するものである。
器を用い、所定時間間隔で液容量を測定することで精度
よく対象とする液の流量を算出するものである。この値
が、設定されたポンプの流量値より低い場合はポンプの
回転数を上昇させ、設定値よりも高い場合はポンプの回
転数を低下させることにより、真の液流量が設定値に近
づくように調整される。通常のローラーポンプの誤差が
±5%〜±15%程度あるのに対し、この方法により流
量調整することで10時間運転時の流量誤差は±1%以
下に止めることができる。また、この制御機構を採用す
ることによって、持続的血液ろ過療法を行なう装置とし
てはこれまでの常識を越えて高精度化された装置を提供
することができる。
て説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。図1において、患者の状態に応じて採血
量、抗凝固剤注入量を設定し、抗凝固剤はシリンジポン
プ1で注入し、血液ポンプ2で血液浄化器4を含む血液
循環回路5a、5b内に血液を循環させる。また、患者
の状態に応じて血液浄化器4でろ過されるろ液量を決定
し、ろ液ポンプ3の流量を設定する。血液ポンプ2によ
り患者から脱血された血液は、脱血回路5aを通って血
液浄化器4に導かれ、血液浄化器4で老廃物をろ過・浄
化された血液は返血回路5bを通って患者に返血され
る。血液浄化器4では、ろ液ポンプ3の回転により、膜
間に生じた圧力差によって老廃物を含む溶質が溶媒とと
もに限外ろ過により血液浄化が行なわれる。血液浄化器
4でろ過されたろ液はろ液ポンプ3により、ろ液回路6
を通って廃液容器20に排出される。ろ液回路6は、ろ
液チューブ排出端25、ろ液クランプ8、排液チューブ
23、分岐部24、及びろ液ポンプ3をこの順序で備
え、かつ及びろ液ポンプ3側で血液浄化器4に接続し、
分岐部24には、遠い方からみてチューブ端部、開閉弁
9、上側チューブ22、上部ろ液レベルセンサー10
b、計量容器7、及び下部ろ液レベルセンサー10aの
順序で設けられたチューブが接続されている。
用のピロー、12、13、14はそれぞれ回路内圧力測
定のための圧力チャンバを示す。15は気泡クランプ、
16は気泡センサ、17、18、19はそれぞれ圧力セ
ンサを示し、21は補充液供給部を示す。なお、本発明
で用いる血液浄化器としては、中空糸限外ろ過膜をろ過
材とする中空糸膜モジュールが最適である。
説明する。ろ液ポンプ3が回転している時、開閉弁9を
開、ろ液クランプ8を閉とするとろ液が計量容器7に流
入する。液面が下部ろ液レベルセンサー10aを通過
し、上部ろ液レベルセンサー10bに到達すると開閉弁
9は開のまま、ろ液クランプ8が開となり、計量容器7
内のろ液は高低落差により容器外へ流出する。所定の時
間後、ろ液クランプ8を閉とすると再びろ液が計量容器
7内に流入し、液面が下部ろ液レベルセンサー10aを
通過し上部ろ液レベルセンサー10bに到達するとろ液
クランプ8が開となり、計量容器内ろ液は容器内から流
出する。このような動作が所定時間毎に繰り返される。
計量容器への流入に要する時間Tは液面が下部ろ液レベ
ルセンサー10aを通過し上部ろ液レベルセンサー10
bに到達するまでの時間として測定される。計量容器7
はプラスチック成形金型により製作され誤差が殆どない
ことがあらかじめ確認されているので、一定容量Vであ
り、ろ液ポンプ3を流れるろ液流量Lは、 L=V/T である。この流量Lが設定値より低い場合はろ液ポンプ
3の回転数を上げ、高い場合はろ液ポンプ3の回転数を
下げることで設定値により近い流量となるように制御さ
れる。
が十分上がるように1分〜20分毎に設定され、流量が
少ないときは長めに、流量が多いときは短めに設定され
ることが好ましい。
開閉弁9に接続されており、ろ液排出後、下部ろ液レベ
ルセンサー10aを液面が通過直後開閉弁9を閉止し、
容器内への空気流入を停止し、排液チューブ23内での
過剰な液面低下を防いでいる。計量容器7内の液排出後
において、計量容器7の上側チューブ22が開放された
状態であると、排液チューブ23内に落差陰圧によって
計量容器7側から空気が吸引され、気泡が発生する。こ
の気泡は計量開始後、下部ろ液レベルセンサー10aを
通過して、正しい液面の検出を誤り、計量誤差の原因と
なる。
詳しく説明する。開閉弁9を設けず、あるいは開のまま
であると、液排出後、分岐部24と廃液容器20へのろ
液チューブ排出端25とのヘッド差(落差)の陰圧によ
り、図2(a) に示すように、計量容器7側から空気を吸
込む。この状態でクランプ8を閉じ計量を開始すると、
図2(b) に示すように、気泡が計量容器7側に回り込
み、気泡体積分が誤差になる。このため、本発明の装置
では、計量開始後も下部ろ液レベルセンサー10aは常
に液面監視をしており、計量中にも拘らず、液でない状
態を検出した場合には計量をキャンセルし、一旦排液後
再測定をすることになるが、このような状態が繰り返さ
れると、事実上計測不能になる。
る場合がある。すなわち、ろ液チューブ排出端25が廃
液容器20内の液面下に深く浸漬しているとき、落差と
気泡上昇力がバランスして気泡が押出されずに気泡閉塞
の状態になり、ろ液液面が上がり計量容器7まで達する
ことがあり、事実上計量不能(計量のためには、液面は
開始時下部ろ液レベルセンサー10aより下に位置しな
ければならない)に陥る可能性がある。本実施例におい
ては、計量終了後、計量容器7の液排出後、下部ろ液レ
ベルセンサー10aを液面が通過すると、僅かなタイム
ラグを設けて開閉弁9を閉止することにより、図2(c)
に示す如く、上記した気泡混入状態の発生を防止してい
る。上記計量容器7の上側チューブ22に設けた開閉弁
9は、電磁弁とすることが操作の利便性、管理に手落ち
がなくなる点などから好ましい。ろ液は体液老廃物であ
って着色しているため、ろ液レベルセンサーとしては、
液着色の影響を受けない超音波センサーであることが好
ましい。
徐々に血栓や体液中の蛋白などが付着してろ過抵抗が次
第に増加しても、ろ液ポンプが一定回転数であると、ろ
液流量が減少することは前述した通りであるが、通常こ
のろ過抵抗の増加はゆるやかであるから、計量の時間間
隔を長くして、計量していない間の流量は変化していな
いものとしても通常大きな誤差にはならない。しかし、
測定時間間隔を一定の所定時間とせず、計量終了後の排
液が完了すると直ちに次の計量を開始するようにするこ
とは、計量容器内のろ液の排出に要する僅かな時間を除
いて常に計量していることになるから、予期せぬ流量変
化があっても、高い流量精度を実現するためにはより好
ましい。測定時間間隔の設定はタイマー等の公知手段を
用いることにより容易に行なうことが出来る。この測定
時間間隔を極く短く設定することにより、ほぼ連続的な
計量を行ない、より高い流量精度を実現できる。
プ流量を500ml/時間、所定時間を3分毎に設定
し、密閉容器に入れた液(上水)をろ液ポンプで吸引排
出し、3時間30分間に排出された液(上水)の積算流
量を電子秤で測定したところ、1756グラムであり、
誤差は0.34%であった。なお、密閉容器内の圧力
は、吸引開始前の大気圧から、3時間30分後は−32
2mmHgまで低下していた。
るため、計量容器7を使用せず、したがって、計量結果
によるろ液ポンプ3の回転数制御を行なわないようにし
て、ろ液ポンプ3の流量を500ml/時間に設定し、
密閉容器に入れた液(例えば、上水)をろ液ポンプ3で
吸引排出した。この時の3時間30分間に排出された液
(上水)の積算流量を電子秤で測定したところ、143
3グラムであり、誤差は−18.1%であった。なお、
密閉容器内の圧力は、吸引開始前の大気圧から、3時間
30分後は−271mmHgまで低下していた。
ューブを用いてろ液ポンプの流量を測定した結果を示
す。
・寸法(チューブ内径および外径)のポンプチューブを
使用したときに、設定した流量になるようポンプ回転数
と流量の関係があらかじめシステムのコンピュータに記
憶されている。表1は、規定の材質ではあるが、僅かに
寸法が大きいポンプチューブを用いて、電子天秤上にお
いた上水を入れた大気解放の容器からろ液ポンプで吸引
・排出しながら、電子天秤の測定値の変化から求めた流
量の変動を測定したものである。すなわち、ろ過抵抗の
変化がなく、チューブ寸法の影響に対する効果を調べた
ものである。
る。すなわち、最初の●は、ろ液ポンプ3の流量設定値
を500ml/時間に設定し、計量容器7を使用せず、
したがって計量結果によるろ液ポンプ3の回転数制御を
行なわないようにしたときのポンプ流量を示しており、
続く○は120分経過後から計量を開始し、その結果に
基づいてろ液ポンプ3の回転数制御を行なわせたときの
ポンプ流量を示している。図3の縦軸の流量は電子天秤
の測定値の変化から求めたものである。後者の場合、計
量終了・計量容器の液を排出後、直ちに次回の計量を開
始するようにし、また、容積が20mlの計量容器を使
用した。
チューブの寸法が規定より僅かに大きいために、流量設
定値が500ml/時間であるにも拘わらず、電子天秤
から求めた実際の平均流量は553.1ml/時間であ
り、約11%多い。これに対し、途中から計量・制御に
切り替えた○の平均流量は499.4ml/時間であっ
た。
図示したものである。図4から明らかなように、●の誤
差は約10.6%であるのに対し、○の計量・制御開始
後320分後の積算流量誤差は−0.10%であった。
液流量を容積計量手段で間欠的に測定し、測定値をポン
プ回転数制御に反映させることにより、自動的に高精度
に設定値通りの流量が実現されるので、厳密な体液バラ
ンス管理が必要とされる重篤な患者に対する持続的血液
浄化用装置において、これまで常時監視が必要であった
施術者の患者体液バランス管理負担を軽減することがで
き、また、高精度であるため、治療上重大な問題を引き
起こす恐れがない。
閉弁の作用を説明する概要図である。
縦軸にろ液ポンプ流量にし、●は計量容器を使用しなか
った場合で、○は120分後から計量容器を使用した場
合を示す。
積算流量誤差を図示したものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 患者の静脈あるいは動脈から導出した血
液を血液浄化器(4)に導いて血液浄化を行なった後、
血液を患者の静脈に返血する持続的血液浄化用装置にお
いて、静脈あるいは動脈から上記血液浄化器(4)に血
液を導く脱血回路(5a)内に血液ポンプ(2)を備え
るとともに、上記血液浄化器(4)からのろ過液を排出
するろ液回路(6)内にろ液ポンプ(3)を備え、ろ液
ポンプ(3)排出側のろ液回路(6)内にはろ液流量を
間欠的に実測する容積計量手段を備え、ろ液回路(6)
は、ろ液チューブ排出端(25)、ろ液クランプ
(8)、排液チューブ(23)、分岐部(24)、及び
ろ液ポンプ(3)をこの順序で備え、かつ及びろ液ポン
プ(3)側で血液浄化器(4)に接続し、分岐部(2
4)には、遠い方からみてチューブ端部、開閉弁
(9)、上側チューブ(22)、上部ろ液レベルセンサ
ー(10b)、計量容器(7)、及び下部ろ液レベルセ
ンサー(10a)の順序で設けられたチューブが接続さ
れており、得られたろ液実測値と設定値が合致するよう
ろ液ポンプの回転数を調節するようにしたことを特徴と
する持続的血液浄化用装置。 - 【請求項2】 患者の静脈あるいは動脈から導出した血
液を血液浄化器(4)に導いて血液浄化を行なった後、
血液を患者の静脈に返血する持続的血液浄化用装置にお
いて、静脈あるいは動脈から上記血液浄化器(4)に血
液を導く脱血回路(5a)内に血液ポンプ(2)を備え
るとともに、上記血液浄化器(4)からのろ過液を排出
するろ液回路(6)内にろ液ポンプ(3)を備え、ろ液
ポンプ(3)排出側のろ液回路(6)内にはろ液流量を
間欠的に実測する容積計量手段を備え、ろ液回路(6)
は、ろ液チューブ排出端(25)、ろ液クランプ
(8)、排液チューブ(23)、分岐部(24)、及び
ろ液ポンプ(3)をこの順序で備え、かつ及びろ液ポン
プ(3)側で血液浄化器(4)に接続し、分岐部(2
4)には、遠い方からみてチューブ端部、開閉弁
(9)、上側チューブ(22)、上部ろ液レベルセンサ
ー(10b)、計量容器(7)、及び下部ろ液レベルセ
ンサー(10a)の順序で設けられたチューブが接続さ
れており、下部ろ液レベルセンサー(10a)を液面が
通過直後開閉弁(9)を閉止し、得られたろ液実測値と
設定値が合致するようろ液ポンプの回転数を調節するよ
うにしたことを特徴 とする持続的血液浄化用装置。 - 【請求項3】 持続的血液浄化用装置のろ液の容積計量
の動作が、 (a)ろ液ポンプ(3)が回転している時、開閉弁
(9)を開、ろ液クランプ(8)を閉とするとろ液が計
量容器(7)に流入すること、 (b)液面が下部ろ液レベルセンサー(10a)を通過
し、上部ろ液レベルセンサー(10b)に到達すると開
閉弁(9)は開のまま、ろ液クランプ(8)が開とな
り、計量容器(7)内のろ液は高低落差により容器
(7)外へ流出すること、 (c)所定の時間後、ろ液クランプ(8)を閉とすると
再びろ液が計量容器(7)内に流入し、液面が下部ろ液
レベルセンサー(10a)を通過し上部ろ液レベルセン
サー(10b)に到達するとろ液クランプ(8)が開と
なり、計量容器内ろ液は容器(7)内から流出するこ
と、の上記動作(a)〜(c)が所定時間毎に繰り返さ
れることを特徴とする請求項1又は2に記載の持続的血
液浄化用装置。 - 【請求項4】 持続的血液浄化用装置のろ液の容積計量
の動作が、 (a)ろ液ポンプ(3)が回転している時、開閉弁
(9)を開、ろ液クランプ(8)を閉とするとろ液が計
量容器(7)に流入すること、 (b)液面が下部ろ液レベルセンサー(10a)を通過
し、上部ろ液レベルセンサー(10b)に到達すると開
閉弁(9)は開のまま、ろ液クランプ(8)が開とな
り、計量容器(7)内のろ液は高低落差により容器
(7)外へ流出すること、 (c)所定の時間後、ろ液クランプ(8)を閉とすると
再びろ液が計量容器(7)内に流入し、液面が下部ろ液
レベルセンサー(10a)を通過し上部ろ液レベルセン
サー(10b)に到達するとろ液クランプ(8)が開と
なり、計量容器内ろ液は容器(7)内から流出するこ
と、の上記動作(a)〜(c)が所定時間毎に繰り返さ
れるとともに、 計量容器(7)への流入に要する時間Tは液面が下部ろ
液レベルセンサー(10a)を通過し上部ろ液レベルセ
ンサー(10b)に到達するまでの時間として測定さ
れ、計量容器(7)はプラスチック成形金型により製作
されていて一定容 量Vであり、ろ液ポンプ(3)を流れ
るろ液流量Lは、L=V/Tであり、この流量Lが設定
値より低い場合はろ液ポンプ(3)の回転数を上げ、高
い場合はろ液ポンプ(3)の回転数を下げることで設定
値により近い流量となるように制御されることを特徴と
する請求項1又は2に記載の持続的血液浄化用装置。 - 【請求項5】 血液ポンプ、ろ液ポンプの移送能力が、
それぞれ15〜250ml/分、50〜2,000ml
/時間であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
1項に記載の持続的血液浄化用装置。 - 【請求項6】 計量容器の内容積が10〜30mlであ
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
の持続的血液浄化用装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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