JP3186172U - 賦香液のブレンド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】香料の専門知識や経験がない者であっても、オリジナル性の高い賦香液を製造できて、市場にニーズに対応できる賦香液のブレンド装置を提供すること。
【解決手段】複数の調香液アッシー10と、調香液11を洗浄する洗浄液20と、計量機能を有する計測器具40と、を具備した賦香液のブレンド装置であって、前記調香液アッシー10が予め複数の香料原料を基に調香した調香液11と、調香液11を収容した容器12とよりなり、計測器具40を用いて択一的に選択した複数の調香液アッシー10の少なくも二種以上を調合して賦香液を調香する。
【選択図】図1

Description

本考案は複数の香水や芳香液等をブレンドしてオリジナル性の高い賦香液を製造できる賦香液のブレンド装置に関するものである。
市販の香水や芳香液は、多種類の香料原料(香料組成物)群のなかから適宜選択した複数の香料原料の組み合せで構成されていて、その使途に応じて香料原料の組み合わせを変えている。香料原料の大半は合成化学物質で構成されている。
香りの嗜好は個人により異なることから,市販製品の香りでは満足できない場合があり、このような需要を満たすため、自分に合った香りを作る調香方法が特許文献1により提案されている。
特許文献1には、香料組成物を構成すべき香料原料を三種に大別し、三種の各香料原料群より少なくとも一種ずつを選択して混合することで、好みの香料組成物を調香することが開示されている。
特開2005−162991号公報
従来の調香技術にはつぎのような問題点がある。
<1>調香するためには、各香料原料(単品香料と呼ばれる化学物質)単独の物性や特性等の専門知識にくわえて、複数の香料原料を混合する際の微妙な混合比率等の調香経験が必須である。
香料原料の組み合わせや混合比率を誤ると、嫌悪臭や毒性臭を放つ香料組成物が生成される場合がある。
<2>特許文献1に開示された調香方法は、香料についての専門知識や調香経験を有する者でなければ所望の香料組成物を調香することができない。
香料について専門知識のまったくない者が調香を行うとしても、所望の香りの香料組成物が得られないだけでなく、大量の香料原料が無駄になる。
<3>以上のように既存の香りに飽き足りず、香りの専門知識等を持たない者が自身で自由に調香を行いたいという市場のニーズがあるものの、このニーズに対応可能な技術が未だ提案されていない。
本考案は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、香料の専門知識や経験がない者であっても、オリジナル性の高い賦香液を製造することができる賦香液のブレンド装置を提供することにある。
本考案は、複数の調香液アッシーと、調香液を洗浄する洗浄液と、計測器具と、を具備した賦香液のブレンド装置であって、前記調香液アッシーが予め複数の香料原料を基に調香した調香液と、前記調香液を収容した容器とよりなり、前記計測器具を用いて択一的に選択した前記複数の調香液アッシーの少なくも二種以上を調合して賦香液を調香することを特徴とする。
本考案は、さらに調香液を試香する複数のムエットと、調合用の調合容器と、これらを収容する格納ケースとを追加して具備してもよい。
さらに本考案は前記調香液アッシーを構成する調香液が予め香水用途に調合しておくか、または予め芳香用途に調合しておくとよる。
本考案は、次の少なくとも一つの効果を奏する。
<1>バランスのとれた好適な香りとなるように予め香調してある調香液を収容した調香液アッシーを使用する。
したがって、香料の専門知識や経験がない者であっても、オリジナル性の高い賦香液を製造することができる。
<2>既存の香りに飽き足りず、香りの専門知識等を持たない者が自身で自由に調香を行いたいという市場のニーズに対応することが可能である。
<3>調香の専門家が調香する調香液アッシーの種類を増やすことで、個人的に嗜好する香りにより近い賦香液を得ることができる。
<4>賦香液の用途はフレグランス(香水)に限定されず、主に室内で調香液を揮発させて香りを楽しむ芳香用賦香液としても適用できるから、賦香液の使途が広範である。
本考案に係る賦香液のブレンド装置の説明図
以下図面を参照しながら本考案ついて詳しく説明する。
<1>賦香液のブレンド装置
図1に示すように、本考案に係る賦香液のブレンド装置は、調香済みの複数の調香液アッシー10と、容器21に収容した洗浄液20と、調香液11を試香する複数のムエット30、計量機能を有する計測器具40と、調香液11の調合用の調合容器50と、これらを収容する格納ケース60とを具備する。
本考案は少なくとも複数の調香液アッシー10と、洗浄液20と、計量機能を有する計測器具40と、を具備していればよい。
本考案の賦香液のブレンド装置が従来の調香キットと異なる点は、予め複数の香料原料を調合して所定の系統の香りに調香してある調香液アッシー10を使用することである。
<2>調香液アッシー
調香液アッシー10は、予め複数の香料原料を調香した調香液11と、調香液11を収容するための容器12とよりなる。
調香液パック10の種類および本数は特に制限がない。
<2.1>調香液
調香液11とは、香料原料の専門知識と豊富な調香経験を有する専門家が、バランスのとれた好適な香りになるように、複数の香料原料の中から好適な組み合せと好適な比率を選択して予め香調して製作した完成品の液体である。
いいかえれば調香液11は単独でも使用できるものである。
より具体的には、香りの種類が異なる完成品の複数の調香液11を組み合せたときに、化学反応を起こして悪臭や嫌悪臭とならないように調香してある。
各合成単品香料の化学構造を熟知した専門家であれば、完成品の複数の調香液11を組み合せたときに、化学反応を起こさない調香が可能である。
例えて言えばクレヨンや絵の具に複数の赤、黄色、青等といった原色があり、また薄赤、薄黄色、薄青と等いった中間色があり、さらに同系色にも明度差があるのとおなじように、調香液11にもクレヨンや絵の具の複数の色彩に相当する複数の香りの系統を予め製造しておく。
具体的には、花の香り(ジャスミン・ローズ・スズランなど)、木の香り(白壇・松・ヒノキなど)など単独で存在するものの香りをはじめ、シトラス系、フローラル系、ウッディ系、グリーン系、フルーティ系、スウィート系、・・・等の複数種類の完成された調香液11を調香しておけばよい。
調香の系統は前記した種類に限定されず、バランスのとれた好適な香りであれば、任意に製造することができる。
<2.2>芳香用途の調香液
また調香液11はフレグランス(香水)用途に限定されず、主に室内に静置して調香液11を蒸散または自然揮発させて香りを楽しむ芳香用途に用いることも可能である。
用途に応じて調香液11の量や添加材を適宜選択すればよい。
基本的には複数の香料原料の中から選択して好適な香りに予め調香しておく点で共通する。
<2.3>容器
容器12には、ガラス、硬質樹脂等の硬質素材からなる蓋付き容器の他に、軟質樹脂等の軟質素材からなる蓋付きの可撓性容器を含む。
<2.4>調香液の香りの表記
容器12の表面には、予め調香した調香液11の香りの種類の名称を直接的に表記するか、または調香液11の種類の名称を直接表記せずに、アラビア数字やアルファベット等の記号を間接的に表記する形態の何れでもよい。
後者の表記形態の場合には、間接的な表記と、実際の調香液11の系(種類)の名称との関係を認識できるように、対比表を別に作成しておく必要がある。
<3>洗浄液
洗浄液20は調香液11を洗い流すための液体であり、例えば公知のエタノール等を使用することができる。
容器22は上記した容器12と同様である。
<4>ムエット
ムエット30は一般に香料試験紙と呼ばれる帯状の紙片で、それ自体に匂いはなく、無臭である。揮発性の高い香りでも長時間保持する保香性を有し、紙全体に平均した吸液性があり、液体を含んでも曲がらない強度を持つ。
<5>計測器具
計測器具40は調香液アッシー10内の調香液11を計量しながら採取するための器具である。
計量機40としてはピペットやビーカー等を適用できる。
図面ではピペットが1本である場合について示すが、小型のピペットを複数装備する場合もある。
<6>調合容器
調合容器50は複数の調香液11を調合するための専用容器であり、その大きさは特に問わない。
<7>格納ケース
格納ケース60は、複数の調香液アッシー10、洗浄液20、複数のムエット30、計測器具40、および調合容器50を収容可能なケースである。
本例では格納ケース60がヒンジを介して蓋が開閉するタイプについて示すが、公知の各種開閉形式のケースを適用することができる。
[使用方法]
つぎに本考案に係る賦香液のブレンド装置の使用例について説明する。
<1>調香液の選択と混合
複数の調香液アッシー10群のなかから、容器12の蓋を開けて好みの調香液11を二種類以上選択する。
計測器具40を使って選択した各容器12内の調香液11をそれぞれ任意の量を取り出し、調合容器50内へ放出することで、所望の賦香液を得る。
各容器12内の調香液11を取り出す前には、洗浄液20で計測器具40をよく洗浄する。
調香作業中において、ムエット30を使って賦香液の香りを確認しながら、択一的に調香液11を追加する。
<2>専門知識がいらない理由
複数の調香原料を組み合せるには、専門知識が必要である。
本考案は、専門知識のない者が複数の調合原料を調合するものではない。
本考案では、予め香調して製作した完成品の調香液11を使用することで、調香液11そのものを調合する工程が不要となる。
しかも各調香液11はバランスのとれた好適な香りに仕上がっているためブレンドすることによって化学反応がおこり悪臭に変化することが無い。
したがって、複数の調香液11を調合しても香りそのものが損なわれることがないので、専門知識のない者であって、任意に調香液11をブレンドして所望の香りがする賦香液を製造することが可能となる。

Claims (4)

  1. 複数の調香液アッシーと、調香液を洗浄する洗浄液と、計測器具と、を具備した賦香液のブレンド装置であって、
    前記調香液アッシーが予め複数の香料原料を基に調香した調香液と、前記調香液を収容した容器とよりなり、
    前記計測器具を用いて択一的に選択した前記複数の調香液アッシーの少なくも二種以上を調合して賦香液を調香することを特徴とする、
    賦香液のブレンド装置。
  2. 調香液を試香する複数のムエットと、調合用の調合容器と、これらを収容する格納ケースとを追加して具備することを特徴とする、請求項1に記載の賦香液のブレンド装置。
  3. 調香液アッシーを構成する調香液が予め香水用途に調合されていることを特徴とする、請求項1に記載の賦香液のブレンド装置。
  4. 調香液アッシーを構成する調香液が予め芳香用途に調合されていることを特徴とする、請求項1に記載の賦香液のブレンド装置。
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