JP3185944U - 紐撚器 - Google Patents

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Abstract

【課題】太い紐を撚り合わせる場合でも、損傷することがなく、しかも、操作している人が、紐や糸などの撚対象物の撚る方向を良好に認識することができる紐撚器を提供する。
【解決手段】紐や糸などの撚対象物を撚る紐撚器1であって、支持台3に回転自在に取り付けられた回転駆動軸4と、この回転駆動軸に取り付けられた駆動歯車5と、回転駆動軸に設けられて、手動回転用のハンドル6または回転駆動源が連結される駆動力伝達部8と、支持台に支持された中間軸9を介して、駆動歯車に噛み合う状態で回転自在に配設された中間伝達歯車10と、支持台に回転自在に取り付けられた複数の従動軸11と、各従動軸に対応して取り付けられ、中間伝達歯車に噛み合い、回転駆動軸と同方向に回転される複数の従動歯車と、従動軸に設けられて撚対象物が係止される係止部13と、を備える。
【選択図】図1

Description

本考案は、紐や糸を撚る紐撚器に関する。
手芸などにより使用され、紐や糸を撚る従来の紐撚器は、例えば、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された従来の紐撚器は、いわゆる遊星歯車機構を備えたものである。すなわち、使用者が持つ取手の端部に円筒状の固定ケースが一体形成されており、固定ケースの内部には、1つの太陽歯車と、この太陽歯車にそれぞれ外周側から噛み合う3つの遊星歯車と、が配設され、固定ケースの底部側には、遊星歯車の軸心部を回転自在に支持する円板部が、前記太陽歯車の軸心部を中心として回転自在に配設されている。また、前記太陽歯車の軸心部の一部が固定ケースの外部に突出され、この太陽歯車の軸心部の突出箇所に、手で回すハンドルが取り付けられている。また、遊星歯車の軸心部の一部が前記円板部から外部に突出され、この遊星歯車の軸心部の突出箇所に、撚る対象物である紐や糸の一端部を係止する引掛け鈎(フック)などの係止具が取り付けられている。さらに、前記円板部に、取手と太陽歯車との何れかに係合可能な切換レバーがスライド自在に取り付けられている。
前記円板部に取り付けられた切換レバーを取手側に係合させると、円板部が取手や固定カバー側に位置規制されて固定されるため、ハンドルを回すと、円板部が固定された状態で遊星歯車とともに各係止具が自転する。一方、切換レバーを太陽歯車側に係合させると、円板部が太陽歯車に固定されるため、ハンドルを回すと、全ての係止具が、前記自転方向とは逆方向に、太陽歯車の軸心部を中心として、円板部とともに一体的に公転する。
この紐撚器を用いて、紐や糸を撚る場合には、まず、切換レバーを取手側に係合させた状態で、各係止具に紐や糸の一端部を引掛けるとともに紐や糸の他端部を固定し、ハンドルを回す。これにより、各係止具が自転されて、係止された紐や糸がそれぞれ単体で撚られる(下撚工程)。この後、切換レバーを太陽歯車側に係合するように切り換え直した後、前記下撚工程と同じ方向にハンドルを回す。これにより、それぞれが撚られた紐や糸同士が反対側に捩じられて、1本の紐や糸としてまとめられる(上撚工程)。例えば、紐や糸の色や材質などを異ならせることで、複数の色や材質の紐や糸が長さ方向に交互に切り換わる紐や糸を比較的簡単に作ることができる。
実開昭53−137223号公報
しかしながら、上記従来構成の紐撚器では、紐や糸同士を撚り合わせる際には、遊星歯車とともに係止具が公転しながら、すなわち、係止具の位置が太陽歯車の軸心部を中心として変化しながら紐や糸同士が撚り合わせられる。したがって、紐や糸同士を撚り合わせる際に、係止具を側方から太陽歯車の軸心部中心に向けて湾曲させるような外力が作用することとなるため、例えば太い紐を撚り合わせようとすると、係止具に対して湾曲させるような大きな外力が作用して、係止具や遊星歯車が損傷してしまう可能性が高くなる。
また、切換レバーを切り換えた後にも、ハンドルを回す方向が同じであるため、使用者は、同じ方向に係止具が回転されていると勘違いし易く、切換レバーを切り換えた際に係止具が逆方向に回転されることを認識し難く、下撚と上撚の原理を理解し難いという短所がある。
本考案は上記課題を解決するもので、太い紐を撚り合わせる場合でも、損傷することがなく、しかも、使用者が、紐や糸などの撚対象物の撚る方向を良好に認識することができる紐撚器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本考案は、紐や糸などの撚対象物を撚る紐撚器であって、支持台に回転自在に取り付けられた回転駆動軸と、この回転駆動軸に取り付けられた駆動歯車と、前記回転駆動軸に設けられて、手動回転用のハンドルまたは回転駆動源が連結される駆動力伝達部と、前記支持台に支持された中間軸を介して、前記駆動歯車に噛み合う状態で回転自在に配設された中間伝達歯車と、前記支持台に回転自在に取り付けられた複数の従動軸と、各従動軸に対応して取り付けられ、前記中間伝達歯車に噛み合い、前記回転駆動軸と同方向に回転される複数の従動歯車と、前記従動軸に設けられて前記撚対象物が係止される係止部と、を備えることを特徴とする。
この構成において、前記回転駆動軸に回転用のハンドルや回転駆動源を連結して回転すると、支持台に取り付けられた複数の従動歯車が、回転用のハンドルや回転駆動源の回転方向と同じ方向に回転する。したがって、まず、各係止部に、紐や糸などの撚対象物の一端部を係止させるとともに、撚対象物の他端部を固定させた状態で、回転用のハンドルや回転駆動源を回転させることで、同じ方向に、紐や糸などの撚対象物をそれぞれ撚ることができる(下撚工程)。次に、撚られた撚対象物を1箇所の係止部に集めて係止させた後、ハンドルや回転駆動源を逆方向に回転させることで、予め撚られた撚対象物が反対方向に回転されながら撚り合わされて、1本の紐や糸としてまとめることができる(上撚工程)。
本考案の紐撚器によれば、下撚する際だけでなく、上撚する際でも、係止部が各従動軸を中心として回転する(自転する)だけであって、公転しないので、例えば太い紐を撚り合わせる場合でも、係止部に対して湾曲させるような大きな外力が作用し難くなり、係止部を損傷することなく、良好に撚り合わせることができる。また、係止部がハンドルや回転駆動源と常に同じ方向に回転するため、上撚する際には、ハンドルや回転駆動源を、下撚する際とは反対方向に回すことになり、使用者はそれぞれの回転方向を逆にすることを良好に認識しながら当該紐撚器を操作することができる。
本考案の実施の形態に係る紐撚器の斜視図である。 同紐撚器の斜視図である。 (a)および(b)は本考案の実施の形態に係る引掛具および一時係止具の斜視図である。 紐や糸などの撚対象物を示す図である。 (a)は紐撚器を用いて下撚作業を行っている状態を示す斜視図、(b)および(c)はそれぞれ同紐撚器を用いて上撚作業を行っている状態を示す斜視図である。 前記紐撚器を用いて撚り合わされた撚対象物を示す図である。 (a)および(b)は、他の方法により紐撚器を用いて下撚作業および上撚作業を行っている状態を示す斜視図である。 (a)〜(d)はそれぞれ治具を用いて上撚作業を行っている状態を示す斜視図である。 (a)および(b)はそれぞれ前記紐撚器を用いて本考案の他の実施の形態に係る下撚作業および上撚作業を行っている状態を示す斜視図である。
以下、本考案の実施の形態に係る紐撚器を図面に基づき説明する。ここで、図1および図2はそれぞれ本考案の実施の形態に係る紐撚器の斜視図、図3(a)および(b)は前記紐撚器と共に撚工程で用いられる引掛具および一時係止具である。
図1、図2において、1は紐や糸などの撚対象物Aを撚る本考案の実施の形態に係る紐撚器(紐撚装置本体)である。図1、図2に示すように、紐撚器1は、使用者により把持される取手部2aなどが設けられた設置台2と、この設置台2から上方に立設する姿勢で固定された支持台3と、支持台3の中央部に回転自在に取り付けられた1つの回転駆動軸4と、この回転駆動軸4に取り付けられた1つの駆動大歯車(駆動歯車)5と、回転駆動軸4に設けられて、手動回転用のハンドル6またはドリル用モータなどの回転駆動源7が連結される駆動力伝達部8と、支持台3において回転自在に支持された中間軸9と、中間軸9を介して、駆動大歯車5に噛み合う状態で回転自在に配設された中間伝達歯車10と、支持台3に回転自在に取り付けられた4つの従動軸11と、各従動軸11に対応して取り付けられ、中間伝達歯車10に噛み合い、回転駆動軸4と同方向でかつ回転駆動軸4よりも大きな回転数で回転される複数の従動小歯車(従動歯車)12と、従動軸11の端部に設けられて前記撚対象物が係止される係止部13と、を備えている。
ここで、本考案の実施の形態では、中間軸9および中間伝達歯車10が、支持台3において回転駆動軸4の上方と下方とに、すなわち合わせて2つ設けられている。また、中間軸9および中間伝達歯車10の左右にそれぞれ従動軸11と従動小歯車12とが設けられ、すなわち、従動軸11と従動小歯車12とが、回転駆動軸4や駆動大歯車5の上下左右の斜め方向に、合わせて4つ設けられている。また、この実施の形態では、手動回転用のハンドル6またはドリル用モータなどの回転駆動源7が連結される駆動力伝達部8は、単なる回転駆動軸4の一端部とされ、ハンドル6が固定された部分からさらに側方に突出されて、回転駆動源7を連結可能に構成されているが、これに限るものではなく、ハンドル6を駆動力伝達部8に着脱自在に設けるなどしてもよい。
また、従動軸11は、支持台3におけるハンドル6が取り付けられる面とは反対側の面から側方に突出する姿勢で配設されており、この突出箇所の先端部に係止部13が設けられている。この実施の形態では、係止部13は中実の従動軸11の端部が略V字形状に屈曲されて形成され、この係止部13に、図4に示すような、紐や糸などの撚対象物Aにおける一端部、具体的には、リング状に形成された部分A1を引掛けたり、互いに括られるなどして太くなった部分A2を係止させたりする。なお、係止部13の形状は、V字形状に限定されるものではなく、鉤状やその他、係止できる形状であればよく、また、係止部13は、従動軸11自体に形成されていなくてもよく、従動軸11に別途部品の係止部を取り付けてもよい。
また、図3(a)は紐撚器1と共に撚工程(下撚工程および上撚工程)で用いられる引掛具20を示す斜視図である。この引掛具20は、水平に延び、平らな台などに載せられてクランプなどにより固定される台部21と、この台部21より略垂直に立設する立設部22と、この立設部22から側方に突出させて組みつけられた鉤状の複数の(この実施の形態では4つの)引掛部23とを有している。そして、紐や糸などの撚対象物Aにおける他端部を、この引掛部23に引掛けて係止するようになっている。
また、図3(b)は紐撚器1と共に撚工程で用いられるおよび一時係止具30を示す斜視図である。この一時係止具30は、水平に延び、平らな台などに載せられてクランプなどにより固定される台部31と、この台部31にねじなどにより取り付けられて、略水平方向に延びるバネ板などからなる挟持部32とを有する。そして、途中の工程などまで撚られた撚対象物Aにおける一端部や他端部を、台部31と挟持部32との間で一時的に挟持させて係止するようになっている。
上記した紐撚器1や引掛具20などを用いて、紐や糸などの撚対象物Aを撚る工程(方法)について説明する。
図5(a)に示すように、まず、紐や糸などの撚対象物Aの一端部(撚対象物Aにおけるリング状に形成された部分A1や互いに括られるなどして太くなった部分A2)を、紐撚器1の従動軸11に設けた係止部13に係止させる。また、撚対象物Aの他端部(撚対象物Aにおけるリング状に形成された部分A1)を引掛部23に引掛けて係止させる。なお、この際は、撚対象物A毎に、個別の係止部13や引掛部23に係止させる。
そして、設置台2の取手部2aを手に持つか机に固定するなどした上で、回転用のハンドル6や回転駆動源7を回転させる(なお、図5などでは、回転用のハンドル6で回転させている場合を図示している)。これにより、回転用のハンドル6や回転駆動源7が取り付けられた駆動大歯車5が回転し、さらに、中間伝達歯車10を介して、各従動小歯車12が連動して回転する。また、中間伝達歯車10を介することで、回転用のハンドル6や回転駆動源7の回転方向と同じ方向に各従動小歯車12が回転して、従動軸11に設けた係止部13が、ハンドル6や回転駆動源7よりも大きな回転数で同じ方向に回転し、この結果、各撚対象物Aがそれぞれ同じ方向に撚られる(下撚工程)。
次に、図5(b)や図5(c)に示すように、個別に撚られた撚対象物Aを1箇所の係止部13に集めて係止させた後、ハンドル6や回転駆動源7を前記下撚工程の回転方向と逆方向に回転させる。これにより、予め個別に撚られた撚対象物Aが反対方向に回転しながら撚り合わされて、1本の紐や糸としてまとめられる(上撚工程)。なお、この際には、図5(b)に示すように、それぞれ別個の引掛部23に係止されている撚対象物Aを、同じ引掛部23にかけ直してもよいし、図5(c)に示すように、それぞれ別個の引掛部23に係止させたままとしてもよい。撚対象物Aが1本の紐や糸としてまとめられたら(上撚工程が終了したら)、撚対象物Aを係止部13や引掛部23から取外す。これにより、図6に示すような、複数の撚対象物Aが撚られた紐や糸同士が反対側に捩じられて、1本の紐や糸として良好に撚られた(まとめられた)紐や糸を得ることができる。例えば、紐や糸の色や材質などを異ならせることで、複数の色や材質の紐や糸が長さ方向に交互に切り換わる紐や糸を比較的簡単な作業で作ることができる。なお、撚った撚対象物Aを係止部13や引掛部23から取外した際には、一時係止具30を適宜用いて、撚対象物Aが解けないようにすればよい。
本考案の実施の形態に係る紐撚器1によれば、下撚する際だけでなく、上撚する際でも、係止部13が各従動軸11を中心として回転する(自転する)だけであり、公転しない。したがって、例えば撚対象物Aとして太い紐を撚り合わせる場合でも、係止部13に対して湾曲させるような大きな外力が作用し難いため、係止部13を損傷することなく、良好に撚り合わせることができる。また、係止部13がハンドル6や回転駆動源7と常に同じ方向に回転するため、上撚する際には、ハンドル13や回転駆動源7を、下撚する際とは反対方向に回すことになり、使用者はそれぞれの回転方向を逆にすることを良好に認識しながら当該紐撚器1を操作することができる。
なお、上記の実施の形態では、撚対象物Aが4本である場合を述べたが、撚対象物Aが2本や3本である場合でも、同様な方法で互いに撚り合わせることができる。また、上記の実施の形態では、下撚工程において、撚対象物Aの他端を引掛部23に引掛けて撚る場合を述べたが、例えば、撚対象物Aが2本である場合には、図7(a)、(b)に示すように、撚対象物Aの中央部を引掛部23に引掛けて、撚対象物Aの他端部も、残りの(撚対象物Aの一端を係止させていない)係止部13に係止させて、ハンドル13や回転駆動源7を回転させ、下撚してもよい。この場合には、撚対象物Aの一端部から中央部までの領域と、撚対象物Aの中央部から他端部までの領域とのそれぞれで、係止部13の回転数に対応して撚られるので、撚対象物Aの他端を引掛部23に引掛けて撚る場合と比較して、ハンドル13や回転駆動源7の回転数が同じであると、2倍撚ることができる。したがって、同じ数を撚る場合には、ハンドル13や回転駆動源7の回転数を半減することができ、その分、手間や時間を省くことができる利点がある。
また、図5(c)で示すようにして撚対象物Aを上撚する際に、図8(a)〜(d)に示すように、各撚対象物Aの途中の箇所において、撚られる直前箇所において、各撚対象物Aが良好に分離された状態から撚られるように、撚対象物Aのそれぞれを分ける、十字形状や、くし形状、円環部や円板部を有する、各種の治具35を用いても良い。これによれば、撚られる際に一部の撚対象物Aだけが偏って撚られることを防止できて、一層良好に撚り合わせることができる利点がある。
また、図9(a)、(b)に示すように、撚対象物Aを下撚する際に、予め撚対象物Aにビーズ40を通しておくことにより、ビーズ40が組み込まれたものを良好かつ簡単に作成することができる。また、一部の撚対象物Aとして細い糸やピアノ線などを用いることで、細い糸やピアノ線が良好に撚り合わされたものを簡単に作成することができる。
また、上記の実施の形態では、従動軸11や従動小歯車12が4つである場合を例示したが、これに限るものではなく、従動軸11や従動小歯車12を5つ以上設けたり、2つや3つ設けたりしてもよく、同様な作用効果を得ることができる。
A 撚対象物
1 紐撚器
2 設置台
3 支持台
4 回転駆動軸
5 駆動大歯車(駆動歯車)
6 ハンドル
7 回転駆動源
8 駆動力伝達部
9 中間軸
10 中間伝達歯車
11 従動軸
12 従動小歯車(従動歯車)
13 係止部
20 引掛具
23 引掛部
30 一時係止具
35 治具
40 ビーズ

Claims (1)

  1. 紐や糸などの撚対象物を撚る紐撚器であって、
    支持台に回転自在に取り付けられた回転駆動軸と、
    この回転駆動軸に取り付けられた駆動歯車と、
    前記回転駆動軸に設けられて、手動回転用のハンドルまたは回転駆動源が連結される駆動力伝達部と、
    前記支持台に支持された中間軸を介して、前記駆動歯車に噛み合う状態で回転自在に配設された中間伝達歯車と、
    前記支持台に回転自在に取り付けられた複数の従動軸と、
    各従動軸に対応して取り付けられ、前記中間伝達歯車に噛み合い、前記回転駆動軸と同方向に回転される複数の従動歯車と、
    前記従動軸に設けられて前記撚対象物が係止される係止部と、
    を備えることを特徴とする紐撚器。
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