JP3185348B2 - ロボット - Google Patents

ロボット

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JP3185348B2
JP3185348B2 JP11457792A JP11457792A JP3185348B2 JP 3185348 B2 JP3185348 B2 JP 3185348B2 JP 11457792 A JP11457792 A JP 11457792A JP 11457792 A JP11457792 A JP 11457792A JP 3185348 B2 JP3185348 B2 JP 3185348B2
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不二夫 田島
敏夫 小木曽
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  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Numerical Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は関節で結合された腕部を
動かすロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ロボット関節や磁気ディスク等の
特性改善の手段として、制御系の構造を可変にする方法
が知られている。たとえば、電子情報通信学会磁気記録
研究会報告MR90−66では、磁気ディスク装置ヘッ
ド位置決め系で、位置整定時に制御系を切り替えた際の
積分器の最適初期値設定に関して検討がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、整定
時の位置と速度の偏差の二乗積分を評価関数としてリア
プノフ方程式を解くことにより、制御系切り替え時の位
置偏差および速度から最適初期値を求めるための式の係
数を計算している。
【0004】しかし、上記従来技術における制御系の設
計法は非常に複雑であり、計算量も膨大である。また、
上記従来技術は多関節ロボットのような軸間干渉の生じ
る多軸機構の位置整定問題に関しては考慮していない。
【0005】本発明の目的は、腕部の移動が短時間で行
え残留振動の小さいロボットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、2つの腕部を連結する関節と、前記2つ
の腕の相対位置を変化させる駆動手段と、この駆動手段
を調節する制御手段とを備えたロボットであって、前記
制御手段は、所定の時刻における前記腕の位置が変化す
る速度に基づいて、この速度が0となるときに前記腕が
目標の位置に位置していることができるよう積分要素の
値を設定した後、前記腕の速度が0となった際に前記積
分要素の値を0に設定するものである。
【0007】
【作用】上記の構成によれば、腕部の移動が速やかにな
りオーバーシュートや残留振動が大幅に低減される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用いて説明す
る。
【0009】図2は本発明の一実施例である水平多関節
(SCARA)型ロボットの制御装置の主軸2軸の制御
系の構成を示す。この制御系は各関節角の指令値に対し
て独立にサーボ制御するサーボ制御系201および20
2と、自関節のサーボ系の出力する制御量と他関節のサ
ーボ系の出力する制御量の各々に、ロボットの姿勢によ
って決定される係数を乗じそれらを加え合わせる干渉除
去手段203と、位置整定の際サーボ系が切り替えられ
た時点での初期速度をもとにサーボ系内の積分要素の初
期値を設定するとともに整定中最初の位置応答のピーク
で積分要素の値を零に設定する積分値設定手段204お
よびロボットのアクチュエータと機構系205からな
る。
【0010】次に本発明による干渉除去手段について説
明する。
【0011】図4に示すように関節角を定義するとSC
ARA型ロボットの主軸2軸に関する運動方程式は次の
ように表される。
【0012】
【数1】
【0013】ここでmi,Ii,Li,aiはリンクi(i
=1,2)の質量、重心周りの慣性モーメント、軸から
重心までの距離、リンク長さである。J11〜J22は次式
で定義される。
【0014】
【数2】
【0015】ri はi軸モータの減速機の減速比、Iim
はモータロータの等価慣性モーメントである。位置整定
時には各軸の速度は小さいので、数1における速度項は
慣性項に比べて無視できると考えられる。従って数1は
次のように表せる。
【0016】
【数3】
【0017】トルクτi と各軸サーボ系の制御量ici
の関係は次式のように表せる。
【0018】
【数4】
【0019】ここでKTiはi軸アクチュエータのトルク
定数である。数3,数4から次式を導く。
【0020】
【数5】
【0021】このときic をic*と修正することにより
慣性項が非干渉化されるとすると、ic とic*との間に
は次のような関係が成り立つ。
【0022】
【数6】
【0023】これをic*について解くと次のようにな
る。
【0024】
【数7】
【0025】すなわち図2においてa11〜a22を次のよ
うに置けばよい。
【0026】
【数8】
【0027】以上述べたような干渉除去手段により、位
置整定時において各軸の動特性は非干渉一定慣性化さ
れ、図3に示すように独立にサーボ制御系を設計するこ
とが可能となる。
【0028】次に、位置整定時における積分要素の出力
値を設定する積分値設定手段について説明する。この手
段は各軸共通であるので、以下の説明では添字を省く。
【0029】図3はPID制御系の一例である。これを
運動方程式で書き表すと次のようになる。
【0030】
【数9】
【0031】ここでKp ,Ki ,Kd はそれぞれ比例ゲ
イン,積分ゲイン,微分ゲインであり、この制御系の閉
ループ極配置が安定な一実根と一対の共役根となるよう
に設定されているものとする。ICは積分要素の初期値
である。θr は目標位置であり、サーボ系切り替え時の
時刻をt=0とし、初期位置θ(0)は0としている。
T はトルク定数、Jはモータの負荷慣性モーメントで
ある。加減速動作制御系から位置整定制御系への切り替
えは最終目標位置と現在位置との偏差がある一定値にな
った時に起こるものとする。ここでθの時間積分をΔと
おくと、数9は次式のように書き直せる。
【0032】
【数10】
【0033】Δの一般解は次のように表せる。
【0034】
【数11】
【0035】C1〜C3は初期条件により定まる任意定数
である。λ1 は実根、λr ,λiは共役根の実部と虚部
の値である。三つの任意定数の値を決定するためには初
期条件も三通り必要である。そこで数11の時間に関す
る一階および二階微分は以下のようになる。
【0036】
【数12】
【0037】
【数13】
【0038】数11,数12,数13にt=0を代入
し、C1〜C3について整理すると次のようになる。
【0039】
【数14】
【0040】ここでω0 はサーボ切り替え時の初期速度
の値である。よってC=[C123 ]は次式を計算
することにより求めることができる。
【0041】
【数15】
【0042】これより、θr が一定の場合にICおよび
ω0 を与えた時のθ(t)を計算できることがわかる。
【0043】以上の結果を用いることにより、任意の初
期速度ω に対して位置整定挙動における最初のピー
クをちょうど目標位置に移動させる積分要素の初期値I
Cを求めることができる。この計算は超越方程式を解く
ことになるため、解析解を求めるのは困難である。しか
しこれを数値的に解くことは非常に簡単である。また、
数値的に求められたω とICの関係をグラフに描い
てもてもそれほど複雑な模のにはなっていない。よっ
て、解をテーブルの形で蓄えておき、位置整定時には、
補間を交えて表引きするか最小自乗法等を用いて係数を
決定した低次多項式を計算することによってICを求め
れば、十分実用に耐えると考えられる。あとは、位置整
定動作中最初に速度が零になった時刻(ここでθはθ
に等しくなっているはずである)において積分要素の値
を零にしてやればよい。図に減衰率ζ≒0.3 と比
較的振動的な挙動を示すように設定したPID制御系の
ステップ応答を示す。次にある初期速度を与えた場合の
ステップ応答を図に示す。図では図と比べてオー
バーシュートが大きくなっているのがわかる。これに対
して前述の方法で計算された積分要素の初期値を与えた
場合の応答を図に示す。応答のピークが目標値まで下
がっているのがわかる。さらに応答のピークにおいて積
分要素の出力値を零偽定した場合の応答を図に示す。
と比べてオーバーシュートもなく、収束が速まって
いるのがわかる。この制御系におけるω とICの関
係を数点において計算し、最小自乗法を用いて二次多項
式で補間した例を図9に示す。
【0044】以上により、干渉除去手段によって非干渉
一定慣性化されたロボットの各軸に対し、サーボ系切り
替え時の初期速度に応じて積分要素の初期値を与え、位
置整定時の最初のピークにおいて積分要素の出力値を零
にすることにより、位置整定応答におけるオーバーシュ
ートや残留振動の発生を抑制し、目標値への収束を速め
ることができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、腕部の移動が短時間で
行え残留振動の小さいロボットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における制御系のブロック図。
【図2】本発明の水平多関節型ロボットにおける実施例
のブロック図。
【図3】本発明の干渉除去手段を用いた場合の等価的な
ブロック図。
【図4】SCARA型ロボットのモデルの説明図。
【図5】やや振動的に調整されている制御系のステップ
応答特性図。
【図6】図5と同一の系で初期速度を持つ場合の特性
図。
【図7】図6に対し最適な積分要素の初期値を設定した
場合の特性図。
【図8】さらに位置応答の最初のピークで積分要素の値
を零に設定した場合の特性図。
【図9】数通りのω0 に対してICを計算し、それらを
最小自乗法で補間した例の特性図。
【符号の説明】
101…サーボ制御系、102…サーボ制御系、103
…干渉除去手段、104…積分値設定手段、105…多
関節型ロボットの動力学的特性。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−75906(JP,A) 特開 昭56−114176(JP,A) 特開 昭63−61311(JP,A) 特開 平4−43413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 G05B 19/18 - 19/46 B25J 13/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの腕部を連結する関節と、前記2つの
    腕の相対位置を変化させる駆動手段と、この駆動手段を
    調節する制御手段とを備えたロボットであって、 前記制御手段は、所定の時刻における前記腕の位置が変
    化する速度に基づいて、この速度が最初に0となるとき
    に前記腕が目標の位置に位置していることができるよう
    積分要素の値を設定した後、前記腕の速度が0となった
    際に前記積分要素の値を0に設定するロボット。
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JP3611147B2 (ja) * 1996-02-20 2005-01-19 株式会社安川電機 多軸ロボットの制御装置
JP3981773B2 (ja) * 1997-05-28 2007-09-26 株式会社安川電機 ロボット制御装置

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