JP3185200U - 水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄分を含む井戸水等の地下水から鉄分を安価に、かつ効率よく除去できる水処理装置を提供する。
【解決手段】井戸等の地下水源から地下水を取水する取水手段と、その取水手段で取水された地下水に酸素を溶解させる酸素溶解手段と、その酸素溶解手段で酸素を溶解された地下水をその地下水に含まれる鉄分が不溶性の鉄分に変化する前に濾材を充填した濾過槽3に供給する。濾過槽3において自触媒接触濾過を行ってその地下水中から鉄分を除去する除去手段と、その除去手段で鉄分を除去された処理水を処理水槽8に排出する排出手段とからなることを特徴とする水処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、井戸等の地下水源から取水された地下水からその地下水に含まれている鉄分、マンガン、有機物等の不純物を除去する水処理装置に関する。
近年、飲料水及び料理用水を除く雑用水、すなわちトイレ用水、風呂用水、洗濯用水、散水用水、池用水、あるいは洗車用水等の雑用水を井戸水で賄うことが広く行われるようになってきている。一般に、上水道を使用する家庭や学校、あるいは老人ホーム等の各種施設においては、全水使用量に占める雑用水の割合は90%以上であるので、この雑用水を井戸水で賄えれば上水道の使用水量を大幅に削減できるとともに、上水道料金を大幅に削減することができる。
しかしながら、井戸水等の地下水には、通常、鉄及びマンガンが多く含まれているので、そのままでは雑用水として不適な場合が多く、このため、井戸水等の地下水は、除鉄・除マンガン装置を用いて処理したのち、雑用水として使用されている。
従来の除鉄装置としては気曝除鉄法が知られている。この気曝除鉄法は、井戸水等の被処理水を気曝(エアレーション)して水に対して溶解度の高い水酸化第一鉄(Fe(OH)2)を溶解度の低い水酸化第二鉄(Fe(OH)3)に変えて析出させ、この析出した水酸化第二鉄を濾材を充填した濾過槽で除去して処理水を得るようにしている(特許文献1,2参照)。
また、従来のマンガン除去方法としては濾材をマンガン砂とした濾過方式が知られている。このマンガン砂濾過方式は、濾材の砂を二酸化マンガン(MnO2)でコーティングしてマンガン砂とし、そのマンガン砂の濾材層に井戸水等の被処理水を塩素の存在下で通過させると、濾材が水中の2価の可溶性マンガンを二酸化マンガンに酸化する触媒として働くので、被処理水中からマンガンを除去することができる(特許文献3参照)。
特開平6−114385号公報 特開2002−239565号公報 特開2002−35576号公報
しかしながら、上記従来の気曝除鉄方法による除鉄は、水に溶解している鉄分を不溶性の水酸化第二鉄に変えて、これを濾過して処理水を得るようにしているので、濾材を充填して構成される濾過槽の目詰まりが激しく、濾材の洗浄を頻繁に行わなければならず、処理効率が低くなるという欠点があった。
また、気曝によらずに被処理水に塩素剤を添加して被処理水中の水酸化第一鉄を水酸化第二鉄に酸化させることも提案されているが、この塩素酸化法においても不溶性の水酸化第二鉄を濾過槽を用いて除去しなければならないので、上述の気曝除鉄方式と同様に、濾材の洗浄を頻繁に行わなければならないという問題点を有しているとともに、薬剤及びそのための薬注装置を必要とし、コストが嵩むという欠点があった。
さらに、被処理水中から鉄分を除去する装置としては、鉄バクテリアを利用した鉄バクテリア法、電気分解を利用する電解法、イオン交換樹脂を利用するイオン交換法及び鉄をイオン状態のまま封じ込めるマスキング法が知られている。しかし、これらいずれの処理装置も、処理コストの面等から井戸水等の地下水を単に雑用水に適するように処理する手段としては採用されていない。
そこで、本考案は、上記従来の気曝除鉄法と同様に濾材を充填した濾過槽を利用するけれども、従来の濾過槽のように頻繁に洗浄する必要がなく、しかも、被処理水中のシリカ含有量が多くとも除鉄処理ができ、また、従来の塩素酸化法のように薬剤を必要とすることなく、薬剤費及び薬注装置が不要で、かつ低コストに水中から鉄分を除去可能な水処理装置を提供することを目的としている。
本考案に係る水処理装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の考案は、井戸等の地下水源から地下水を取水する取水手段と、その取水手段で取水された地下水に酸素を溶解させる酸素溶解手段と、その酸素溶解手段で酸素を溶解された地下水をその地下水に含まれる鉄分が不溶性の鉄分に変化する前に濾材を充填した濾過槽に供給し、その濾過槽において自触媒接触濾過を行ってその地下水中から鉄分を除去する除去手段と、その除去手段で鉄分を除去された処理水を処理水槽に排出する排出手段とからなることを特徴としている。
本考案の請求項2に係る水処理装置は、濾過槽を用いて地下水から鉄分を除去する他に、マンガン、有機物等の他の不純物をも除去することを特徴としている。本考案の請求項3に係る水処理装置は、処理水槽に排出される処理水は、濾過槽の濾材を逆洗洗浄する洗浄水を所定量貯留する貯水槽を経由して排出されるものであることを特徴としている。
本考案の請求項4に係る水処理装置は、地下水への酸素の溶解は、その地下水を濾過槽に供給する途中、ベンチュリ管を用いて空気を吸引して行うことを特徴としている。
本考案の請求項5に係る水処理装置は、濾過槽に充填される濾材は、砂利層及びその砂利層の上に積層された砂層からなることを特徴としている。
本考案の請求項6に係る水処理装置は、砂層は、硅砂からなることを特徴としている。
本考案の請求項1に記載の水処理装置は、井戸等の地下水源から取水された地下水に酸素を溶解させ、その地下水に含まれる鉄分が不溶性の鉄分に変化する前に濾材を充填した濾過槽に供給し、その濾過槽において自触媒接触濾過を行ってその地下水中から鉄分を除去するようにしているので、一切の薬剤を必要としないから低コストに除鉄処理を行うことができるとともに、不溶性の鉄分を濾過槽で捕捉しないので、濾材の目詰まりが少なく、したがって、濾過槽の洗浄(逆洗)頻度を少なくすることができる。
本考案の請求項2に記載の水処理装置において、濾過槽は、地下水から鉄分を除去する他に、マンガン、有機物等の他の不純物をも除去するようにしているので、高品質の処理水を得ることができる。
本考案の請求項3に記載の水処理装置において、地下水への酸素の溶解をその地下水を濾過槽に供給する途中、ベンチュリ管を用いて空気を吸引して行うようにしているので、地下水に酸素を容易に溶解させることができる。
本考案の請求項4に記載の水処理装置において、濾過槽に充填される濾材を砂利層及びその砂利層の上に積層された砂層としたので、濾過槽を容易に構成することができる。
本考案の請求項5に記載の水処理方法において、砂層を硅砂としたので、自触媒接触濾過槽を容易に実現することができる。
本実用新案に係る水処理装置の概略構成を示すフローチャートである。
W 井戸水(地下水)
P1〜P5 ポンプ
L1〜L5 水位計
V1,V4 バルブ
V2,V3 三方弁
C 制御器
1 井戸(地下水源)
2 原水管
3 濾過槽
31 スクリーン
以下、本考案を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、一実施の形態に係る水処理装置の概略構成を示すフローシートであり、図1中、1は、本考案の地下水源に相当する井戸であり、その井戸1内には、本考案の地下水に相当する鉄分を含有する井戸水Wが貯留されている。
井戸1内の井戸水Wは、ポンプP1及び原水管2を介して濾過槽3の上部へ供給されるように構成されている。ポンプP1は、図示の例では水中ポンプとして示されているが、地上に設置されるうず巻ポンプ等の通常のポンプであってもよい。また、このポンプP1は、後述する制御器CによってON・OFF制御させるように構成されているとともに、水位計L1によって井戸水Wの水位が所定の最下限に低下したときに駆動停止され、ポンプP1の保護が図られるように工夫されている。このため、水位計L1の検出信号は制御器Cに入力されるように構成されている。
図1中、4aは、本実用新案の酸素溶解手段をなすベンチュリ管であって、原水管2の濾過槽3寄りの途中に設けられている。
上記ベンチュリ管4aは、ポンプP1を介して井戸水Wがベンチュリ管4aに供給されると、噴射ノズル部で絞り込まれた水が広空室に噴出されて負圧を生成させ、その生成された負圧により気体吸入口を介して空気が広空室内に吸引されるように構成されている。したがって、その吸引された空気は、広空室内で水と急激に混合撹拌されて水(井戸水W)に気体(酸素)が効果的に溶解される。なお、酸素溶解手段としては、ベンチュリ管4aによらずに、空気(酸素)を溶解した加圧水を原水管2に供給する加圧水式等の他の方式であってもよい。しかし、上述のように、ベンチュリ管4aを用いたときは、移動する井戸水Wを利用して容易に酸素を溶解させることができる特長がある。
濾過槽3は、上部開口の所定の容積からなる円筒状の容器から構成されている。なお、この濾過槽3を角柱形とすることもできる。そして、この濾過槽3内の下部側には、スクリーン(ストレーナ)31が水平状に設けられていて、そのスクリーン31の下方側の濾過槽3内が処理水室32に形成されている。
スクリーン31の上方には、砂利層33が設けられ、さらにその砂利層33の上には硅砂からなる砂層34が設けられている。すなわち、濾過槽3内には、砂利層33及びその砂利層33の上に積層された砂層34の二層からなる濾過層が設けられている。
上記スクリーン31の目開きは、砂利層33を形成する砂利(小砂利)の通過を阻止できるように決められている。そして、この砂利層33は、砂層34を支持する役目を果たしているとともに、砂利の表面に形成された微生物によって水中から有機物を除去する生物濾過層の機能をも有している。したがって、この砂利層33を形成する砂利の有効径、均等係数、最大径及び最小径は、後述する砂層34を形成する砂の性状によって決められるとともに、その充填量(使用量)及び充填高さ(砂利層33の積層高さ)は、被処理水の処理水量及びその被処理水(井戸水W)に含まれる有機物量によって決められる。
上記砂層34を形成する硅砂の性状は、周知の急速濾過又は緩速濾過で使用される濾過砂と同様のものを用いることができる、したがって、硅砂は、有効径が0.30〜0.70mm、均等係数2.0以下、最大径2.0mm以下及び最小径0.18mm以上であれば使用可能である。そして、その硅砂の充填量(使用量)及び充填高さ(砂層34の積層高さ)は、被処理水の処理水量及びその被処理水(井戸水W)に含まれる鉄分及びマンガンの量によって決められる。この砂層34を構成する硅砂は、砂の表面に形成されたオキシ水酸化鉄(FeOOH・H2O)の触媒作用により水中の鉄(Fe2+)を除去する自触媒接触濾過の機能を有している。なお、砂層34は、硅砂で構成したが、アンスラサイトやガーネット等の他の濾材(本考案では、これらアンスラサイト等も濾材に含まれている。)を用いることもできる。しかし、濾材が硅砂の場合は、安価に、かつ容易に入手できる特長がある。
図1中、35は、砂層34の上方の濾過槽3内に設けられたトラフであって、後述する濾過槽3の逆洗の際の洗浄排水を槽外に排出するために用いられる。したがって、このトラフ35には、洗浄排水を排出するための配管36が接続されている。また、この配管36は、ポンプP2に接続されていて、ポンプP2を介して洗浄排水を排水路等の排水施設へ排出できるように構成される。なお、ポンプP2を用いずに水位差で洗浄排水を排水施設へ排出できるときは、ポンプP2は省略される。
図1中、37は、途中にバルブV1を有する配管であって、一端側が濾過槽3の底部に開口し、他端側が上記ポンプP2に接続されている。この配管37は、後述する洗浄後の排水及び濾過槽3の濾材交換等のために水抜きが必要なときにバルブV1を開いて使用される。なお、この水抜きが水位差で可能なときは、ポンプP2は省略される。
図1中、L2は、濾過槽3内の水位を検出するための水位計であって、その検出信号は制御器Cに入力されるように構成されている。そして、この水位計L2は、3本の電極棒L21,L22,L23(図示ではコモン電極は省略されている。)を有していて、このうち電極棒L21は、砂層34よりも少し上の水位を検出できるように設置され、電極棒L22はほぼトラフ35の位置の水位を検出できるように設置され、処理水を得ている時に何らかの原因で水位が電極棒L21を大きく超えたときにポンプP1を止めて水位を電極棒L21の検出位置に調整するために用いられる。そして、電極棒L23はトラフ35の位置よりも少し上の水位を検出できるように設けられていて、後述する逆洗洗浄時に何らかの原因で水位がトラフ35を大幅に越えて上昇したときの異常水位を検出できるように構成されている。
濾過槽3が処理水を得ている時の水位は、電極棒L21の水位より少し下、すなわち砂層34の上面(表面)とほぼ同じ位置か、それよりも少し低くなるように調整されている。すなわち、濾過槽3内の水位が、常時、砂層34の上面位置とほぼ同じか、それよりも少し低くなるように調整され、砂層34上の被処理水(井戸水W)が可能な限り大気と接触することなく、常時、水位が砂層34内に位置できるように調整されている。また、濾過槽3における処理休止中においても、濾過槽3内の水位が砂層34内に位置できるように調整され、酸素の溶解された被処理水(井戸水W)と大気との接触が可能な限り制限されるように調整されている。このように、被処理水(井戸水W)が大気と接触する機会を少なくして速やかに砂層34に供給すると、ベンチュリ管4aを介して酸素の溶解された被処理水(井戸水W)中の鉄分が不溶性の鉄分に変化する前に砂層34に供給することができる。このような水位調整は、一本の電極棒L21を用いて行われるが、このような水位調整装置については、本出願人が別途提案しているので、詳細な説明は省略するが、電極棒L21を用いた水位検出を所定の時間毎に行って、濾過槽3への被処理水(井戸水W)の供給とその濾過槽3からの処理水の排出量の制御を行って水位調整が行われる。なお、後述する貯水槽6の水位調整も一本の電極棒L32を用いて同様に水位調整が行われる。
図1中、V2,V3は三方弁であり、このうちの一方の三方弁V2は、配管50,51を介して濾過槽3の処理水室32と貯水槽6の下部とを接続させているとともに、他方の三方弁V3とはポンプP3を介在させた配管52で接続されている。そして、他方の三方弁V3は、途中に上記ベンチュリ管4aと同様に構成されたベンチュリ管4bを有する配管53を介して濾過槽3の処理水室32に接続されているとともに、配管54を介して貯水槽6の上部に接続されている。
上記貯水槽6は、上部に通気口61を有するとともに水位計L3を有し、その貯水容量は、濾過槽3の一回分の逆洗洗浄水を賄えるように決められている。そして、常時、いつでも濾過槽3の逆洗洗浄が行えるように、水位計L3を用いて所定の水位が保たれるように調整されている。すなわち、水位計L3は制御器Cと接続されていて、その水位計L3の検出信号は制御器Cに入力されるように構成されている。そして、この水位計L3は、3本の電極棒L31,L32,L33(図示ではコモン電極は省略されている。)を有していて、このうち電極棒L31は、濾過槽3の逆洗洗浄時に貯水槽6内の洗浄水が無くなったことを検出するために用いられ、電極棒L32は、貯水槽6内に、常時(濾過槽3の洗浄時を除く時間帯)、所定量の洗浄水量が貯留されるように水位を調整するために用いられ、電極棒L33は、貯水槽6内の水位が何らかの原因で電極棒L32の水位を大幅に越えて貯水槽6からオーバーフローするのを防止するために用いられる。なお、この貯水槽6は、後述する処理水槽8と兼用することができる。しかし、上述のように、貯水槽6を設けておくと、常時、濾過槽3の洗浄水を確保することができる特長がある。
図1中、70は途中にポンプP4を介在させた配管であって、貯水槽6の下部と処理水槽8の上部とを接続している。なお、貯水槽6内の水(処理水)を水位差を利用して処理水槽8に排出できるときは、ポンプP4は省略することができる。この場合は、ポンプP4の箇所に排出水量を調整するためのバルブが設けられる。
上記処理水槽8は、図示しない水使用施設、例えば学校や老人ホーム等の各種施設の雑用水の貯水槽であり、この処理水槽8からはポンプP5及び配管90を介して水使用場所へ給水される。したがって、この処理水槽8の容量は、各種施設の雑用水の使用量によって決められている。また、この処理水槽8は、衛生状態を保つために通気口81を有する天蓋82で覆われている。そして、この天蓋82には、制御器Cに接続された2つの水位計L4,L5が設けられている。
上記2つの水位計L4,L5のうち、一方の水位計L4は、処理水槽8内の水位が濾過槽3を駆動して処理水を得る必要があるか否かを検出するために用いられ、水位計L4で上限水位(図示の例では、水位計L4の短い方の電極棒の下端位置水位)が検出されたときは、濾過槽3による処理は休止される。また、他方の水位計L5は、濾過槽3による処理水が何らかの原因によって必要量得られず、処理水槽8内の水位が所定以下(図示の例では、水位計L5の長い方の電極棒の下端位置水位)になったときに、バルブV4を開にして上水道管82から上水道を補給し、その補給量が所定水位(図示の例では、水位計L5の短い方の電極棒の下端位置水位)になったときにバルブV4が閉じられて上水道の補給が停止されるように構成されている。なお、図示の例では、処理水槽8内に2つの水位計L4,L5を設けるようにしたが、これを一つの水位計とすることもできる。
この場合は、当然に電極棒の数は増加する。
上記制御器Cは、CPUを中心に構成されたプログラマブルコントローラ、いわゆるPCからなり、本実用新案に係る水処理装置全体を所定のプログラムに従って駆動制御できるように構成されている。
上記構成からなる水処理装置において、ポンプP1、原水管2及びベンチュリ管4aを介して濾過槽3に井戸水Wが供給されると、砂層34には、井戸水Wがその井戸水W中に含まれる鉄分が不溶性の鉄分に変化する前に供給され、その砂層34を構成する硅砂の表面に形成されているオキシ水酸化鉄の触媒作用により井戸水W中の鉄分が効果的に除去される。また、この砂層34が長期間(例えば3箇月以上)使用されると、マンガン砂化してくるので、井戸水W中のマンガンも効果的に除去される。さらに、砂利層33を構成する砂利の表面には、長期間の使用により生物膜が形成されているので、井戸水W中に含まれる有機物も効果的に除去される。
砂層34、砂利層33及びスクリーン31を通過して得られた処理水は、処理水室32に受け入れられたのち、配管50、三方弁V2、ポンプP3、配管52、三方弁V3及び配管54を介して貯水槽6に排出される。そして、貯水槽6内の処理水は、ポンプP4及び配管70を介して処理水槽8に排出され、さらに処理水槽8内の処理水は、図示しない水使用箇所にポンプP5及び配管90を介して排出される。
本実用新案に係る砂層34は、自触媒接触濾過により水中から鉄分を除去するので、濾過層の目詰まりを厳しく考慮する必要はないが、井戸水Wに含まれている夾雑物による目詰まりを防止するために、定期的に、例えば1日に1回、貯水槽6内に貯留されている処理水を用いて逆洗洗浄が行われる。この逆洗洗浄は、配管51、三方弁V2、ポンプP3、配管52、三方弁V3、ベンチュリ管4b、配管53を介して処理水(洗浄水)を処理水室32内に供給して行われる。この処理水室32内に供給される洗浄水には、ベンチュリ管4bを介して気体が含まれているので、砂層34の混合撹拌を良好に行わせることができるとともに、砂利層33に形成された余分な生物膜を効果的に除去することができる。
濾過槽3に供給される逆洗洗浄水の水流は、砂利層33が撹乱することなく砂層34が混合撹拌されるように決められる。洗浄排水は、トラフ35、配管36及びポンプP2を介して図示しない排水施設へ排出される。濾過槽3の逆洗洗浄後、濾過槽3内が安定して所定の処理水水質が得られるまで、バルブV1、配管37及びポンプP2を介して処理水が廃棄され、水質が安定した時点で処理水は貯水槽6に排出される。
なお、上述の実施例では、濾過槽3を下向流式としたが上向流式とすることもできる。また、上述の実施例では、処理水槽8は雑用水用としたが、この処理水槽8内の水質が飲料水としての水質条件を満たしていればそのまま飲料水として用いることができる。さらに、この処理水槽8内の水質が飲料水としての水質条件を満たしておらず、この処理水槽8内の水を飲料水と用いる必要があるときは、処理水槽8内の水を滅菌処理等の所定の処理した後、飲料水とて用いられる。

Claims (6)

  1. 井戸等の地下水源から地下水を取水する取水手段と、前記取水手段で取水された地下水に酸素を溶解させる酸素溶解手段と、前記酸素溶解手段で酸素を溶解された地下水をその地下水に含まれる鉄分が不溶性の鉄分に変化する前に濾材を充填した濾過槽に供給し、その濾過槽において自触媒接触濾過を行ってその地下水中から鉄分を除去する除去手段と、前記除去手段で鉄分を除去された処理水を処理水槽に排出する排出手段と、からなることを特徴とする水処理装置。
  2. 請求項1に記載の水処理装置において、前記濾過槽を用いて地下水から鉄分を除去する他にマンガン、有機物等の他の不純物をも除去することを特徴とする水処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の水処理装置において、前記処理水槽に排出される処理水は、前記濾過槽の濾材を逆洗洗浄する洗浄水を所定量貯留する貯水槽を経由して排出されるものであることを特徴とする水処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の水処理装置において、前記地下水への酸素の溶解は、その地下水を前記濾過槽に供給する途中、ベンチュリ管を用いて空気を吸引して行うことを特徴とする水処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の水処理装置において、前記濾過槽に充填される濾材は、砂利層及びその砂利層の上に積層された砂層からなることを特徴とする水処理装置。
  6. 請求項5に記載の水処理装置において、前記砂層は、硅砂からなることを特徴とする水処理装置。
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