JP3184768U - ろ過用カートリッジフィルターエレメント - Google Patents

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知子 油井
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株式会社エイ・エム・シイ
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Abstract

【課題】逆流洗浄時のろ材への無理な応力による破壊を防止し、さらに逆流洗浄作用を阻害しないろ過用カートリッジフィルターエレメントを提供する。
【解決手段】筒状のろ材7の両端をエンド部材1、3で支持するエレメントにおいて、エンド部材間に掛け渡される支柱4Bによって支持される複数個の細幅の内筒5をろ材7の全長方向に間隔をおいて内挿するとともに、細幅の内筒5の上下方向に貫通孔を複数個穿設し、細幅の内筒5内周面から貫通孔を介して接着剤をろ材7内周面に架橋させることにより、内挿された各細幅の内筒5をろ材7に固着する。
【選択図】図3

Description

この考案は、集塵機等に使用される固気分離フィルターエレメントに関し、より詳細には逆流洗浄(カウンターブロー)時のろ材への無理な応力による破壊を防止するろ過用カートリッジフィルターエレメントに関する。
集塵機等において、吸い込んだ空気より塵等の粉体(固形分)を捕集してろ過・分離するためにフィルターエレメントが使用されている。
図10はこの種のフィルターエレメントを示すものであり、ここではプリーツを構成した筒状のろ材32および、このろ材内に挿入される多数の透孔34を有する内筒33の両端を、エンド部材30および31で支持したものを例示している。なお、図中符号36はエレメント内と外部を連通するための開口である。
この種のカートリッジフィルターエレメントにおいては、軽量となることおよび製造コストが低減されることより、両端、あるいは一端のエンド部材を合成樹脂の成形物により構成することが広く行われている。
特許第2755558号公報
しかしながら、上記のようにエンド部材を合成樹脂の成形物により構成することは次のような問題点を招来した。先ず通常の状態においては内筒33の寸法(仮にAとする)、ろ材32の寸法(仮にBとする)およびエレメントの寸法(仮にCとする)は、A=B=Cの関係にある。ところが、稼働時において特に高圧の圧縮空気が通過する逆流洗浄(カウンターブロー)時には、通気抵抗によりろ材32が両端中央部でb1、b2の方向に大きく膨らんで直径が大きくなる現象を生じる。上記の現象は、本来直線状であるべきろ材32が長さ方向を弦とする弧状に撓むことを意味し、その結果長さ方向の寸法が小さくなり、下部のエンド部材31はろ材32の支持箇所が上方向にa1、a2の分だけ持ち上げられて撓み、A<B=Cの関係となる(図10の状態)。従って、この繰り返しによりエンド部材31には撓みによる材料疲労を生じ、内筒34の支持部を境に亀裂がはいったり、ろ材32端とエンド部材との接着剤が剥がれたりしてエレメントを破壊する要因となった。
このため、図11および図12に示すように、ろ材32の全長方向に間隔をおいて複数本の外掛け補強バンド35を外嵌することが行われている(例えば、特許文献1の図1など)。こうすることによりろ材32は補強バンドの位置に応じた一定間隔で外側への膨らみが規制されるので、長さ方向を弦として大きく弧状に撓むことが防止される(図12参照)。
この外掛け補強バンド35は前記の膨らみ防止には有効であるが、補強バンドがろ材32の外周に突出するので、逆流洗浄において粉体の剥脱、落下移動の障害となり、かつコンタミネーションを作る原因となる問題があった。
この考案は上記の従来技術の問題点に鑑みて創作されたものであり、逆流洗浄時のろ材への無理な応力による破壊を、逆流洗浄作用を阻害しないで防止するろ過用カートリッジフィルターエレメントを提供することを目的とする。
すなわち、この考案のろ過用カートリッジフィルターエレメントは筒状のろ材の両端をエンド部材で支持するエレメントにおいて、エンド部材間に掛け渡される支柱によって支持される複数個の細幅の内筒をろ材の全長方向に間隔をおいて内挿するとともに、内挿された各細幅の内筒をろ材に固着したことを特徴とする。
また、ここでは第2考案として前記のろ過用カートリッジフィルターエレメントにおいて、細幅の内筒の上下方向に貫通孔を複数個穿設し、内筒内周面から上記貫通孔を介して接着剤をろ材内周面に架橋させることにより、細幅の内筒とろ材との固着手段とした発明も開示する。
以上の構成よりなるこの考案によれば、ろ材は細幅の内筒との固着位置に応じた一定間隔で外側への膨らみが規制されるので、長さ方向を弦として大きく弧状に撓むことが防止され、逆流洗浄時にろ材へ無理な応力が加わりエレメントを破壊することがない。
この場合、従来技術の外掛け補強バンドのようなろ材の外側に突出する障害物は存しないので、逆流洗浄において粉体の剥脱、落下移動を阻害せずに前記効果を得ることができる。
ところで、従来技術のろ材と同じ全長を有する内筒の一部をろ材と接着させ、帯状に固定しても、障害物をろ材の外側に突出させないで、ろ材の外側への膨らみを一定間隔で規制することができる。しかしながら、この場合は与圧時、逆流洗浄時には内筒の帯状固定部と、非固定部は別々の動きをすることになる。すなわち、逆流洗浄時には内筒の非固定部は自由に膨らむことが出来るが固定部は膨らむことができず、そのため、その境目でしばしば割れを生じ内筒は破壊されることになる。
この考案は内筒をろ材の全長方向に連続したものではなく、複数個の細幅のものに分割し、これをろ材の全長方向に間隔をおいて配する、いわば「スケルトン構造」としたので、各内筒は独立している。よって、前記のような連続した非固定が存せず、それが膨らむことにより内筒に無理な応力が加わることがない。
この考案のろ過用カートリッジフィルターエレメントの内部構造の分解斜視図。 同上、一部切り欠き正面図。 この考案のろ過用カートリッジフィルターエレメントの一部切り欠き正面図。 この考案のろ過用カートリッジフィルターエレメントの斜視図。 同上、細幅の内筒の要部の一部切り欠き正面図。 同上、細幅の内筒とろ材の要部の一部切り欠き正面図。 同上、細幅の内筒とろ材の要部の固着前の一部切り欠き正面図。 同上、細幅の内筒とろ材の要部の固着後の一部切り欠き正面図。 この考案のろ過用カートリッジフィルターエレメントの異なる実施例の一部切り欠き平面図。 従来技術のろ過用カートリッジフィルターエレメントの一部切り欠き正面図。 従来技術のろ過用カートリッジフィルターエレメントの一部切り欠き正面図。 従来技術のろ過用カートリッジフィルターエレメントの一部切り欠き正面図。
以下、この考案の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1〜図8はこの考案のろ過用カートリッジフィルターエレメントの一実施例を示す図であり、ここでは断面真円状のエレメントを例示している。この考案のエレメントはプリーツを構成した筒状のろ材7および、このろ材内に挿入される真円状の細幅の内筒5を、例えばウレタン樹脂、塩ビ、ABS樹脂等の合成樹脂により成形されるエンド部材1および3の間に支持した基本構成よりなる。なお、図中符号2はエレメント内と外部を連通するために上部のエンド部材1に設けられる開口である。
この場合、ろ材7は両端がエンド部材1および3に接着されて支持されるが、細幅の内筒5はエンド部材間に掛け渡される支柱4A、4Bを介して支持されることとなる。すなわち、細幅の内筒5はろ材7の全長方向に間隔をおいて複数個(ここでは3個)配されるように支柱4A、4Bの外側の上下方向に分散して固着される。この場合、支柱4A、4Bは真円状の細幅の内筒5の内周に沿って等角度間隔をもって配されるよう、両端がエンド部材1および3に支持される。
前記の細幅の内筒5はそれに外挿されるろ材7の内周に固着されるが、この実施例においては細幅の内筒5の上下方向に貫通孔6を複数個穿設し、内筒内周面から上記貫通孔を介して接着剤Gをろ材内周面に架橋させて硬化させることにより固着手段としている。
図9はこの考案のろ過用カートリッジフィルターエレメントの異なる実施例を示す図である。ここでは、エレメントを二つの半円を相対向する直線で結んだ断面トラック状としている。ここではトラック状のろ材17に内挿されるトラック状の細幅の内筒15は、その相対向する直線部分に配される複数本(ここでは2本)の支柱14A、14Bにより支持される。
1 エンド部材
3 エンド部材
4A 支柱
4B 支柱
5 細幅の内筒
7 ろ材

Claims (4)

  1. 筒状のろ材の両端をエンド部材で支持するエレメントにおいて、エンド部材間に掛け渡される支柱によって支持される複数個の細幅の内筒をろ材の全長方向に間隔をおいて内挿するとともに、内挿された各細幅の内筒をろ材に固着したことを特徴とするろ過用カートリッジフィルターエレメント。
  2. 細幅の内筒の上下方向に貫通孔を複数個穿設し、内筒内周面から上記貫通孔を介して接着剤をろ材内周面に架橋させることにより、細幅の内筒とろ材との固着手段とした請求項1記載のろ過用カートリッジフィルターエレメント。
  3. 真円状の細幅の内筒の内周に沿って等角度間隔をもって配される複数本の支柱により細幅の内筒を支持する請求項1または2記載のろ過用カートリッジフィルターエレメント。
  4. トラック状の細幅の内筒の相対向する直線部分間に配される複数本の支柱により細幅の内筒を支持する請求項1または2記載のろ過用カートリッジフィルターエレメント。
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