JP3184487B2 - 全反射測定装置 - Google Patents

全反射測定装置

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JP3184487B2
JP3184487B2 JP36854097A JP36854097A JP3184487B2 JP 3184487 B2 JP3184487 B2 JP 3184487B2 JP 36854097 A JP36854097 A JP 36854097A JP 36854097 A JP36854097 A JP 36854097A JP 3184487 B2 JP3184487 B2 JP 3184487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、全反射(ATR)測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図11及び図12を参照して公知の全反
射測定原理を説明する。試料30の屈折率n2よりも大
きい屈折率n1のATR半円柱プリズム32A又はAT
R3角柱プリズム32Bを試料30上に搭載し、外部か
らプリズム32A又は32Bに光束を入射させる。プリ
ズム32A又は32Bから試料30に対する入射角θを
臨界角θCより大きくすると、入射光が試料30上で全
反射されるが、この反射点では、試料30内に光束が僅
か滲み込む。その滲み込み深さdpを、光強度が1/e
になる深さで定義すると、波長がλの場合、dpは、
【数1】 dp=λ/[2πn1{(sin2θ−(n2/n121/2]・・(1) で表される。したがって、試料30が光を吸収すると、
試料30上で反射される光はその分減少する。このよう
な性質を利用すると、高分子膜や半導体等の表面分析、
或は、強い吸収を示す物質、例えば赤外域でのスペクト
ル測定が困難であった水溶液中の溶質の分析が可能とな
る。一方、フーリエ変換法により、顕微鏡を用いた赤外
スペクトル測定が可能となり、各種顕微赤外フーリエ分
光光度計が市販されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の全反射
測定装置及び顕微赤外フーリエ分光光度計では、顕微赤
外フーリエ分光光度計を用いて試料30上の測定箇所を
可視光で目視観察した後、試料を全反射測定装置に付け
直し、これを顕微赤外フーリエ分光光度計と連結して赤
外スペクトルを測定しなければならなかったので、実用
に適さなかった。
【0004】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、顕微鏡を用いた全反射測定を容易に行うことができ
る全反射測定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明にかかる全反射測定装置は、カセグレン主鏡お
よびカセグレン副鏡を有し、該副鏡、該主鏡の順に反射
された光を臨界角以上の入射角で被測定物上に集光し、
その全反射光を該主鏡、該副鏡の順に反射させて得るカ
セグレン鏡と、前記カセグレン鏡副鏡の下部に配置され
た全反射プリズムと、を備えた全反射測定装置におい
て、ハウジングを備えることを特徴とする。 ここで、前
記ハウジングは、前記カセグレン主鏡およびカセグレン
副鏡を光軸を一致させて配置し、かつ前記プリズム中心
軸を該カセグレン鏡の光軸と一致させ、かつ該プリズム
底面中心を該カセグレン鏡の集光位置に一致させて、該
プリズムをその側方より保持するように、該カセグレン
主鏡、該カセグレン副鏡および該全反射プリズムを収容
する。 なお、本発明において、前記ハウジングは、カセ
グレン鏡用ハウジングと、プリズム用ハウジングと、を
含むことが好適である。 ここで、前記カセグレン鏡用ハ
ウジングは、前記カセグレン鏡を収容する。 また、前記
プリズム用ハウジングは、前記カセグレン鏡用ハウジン
グ下部に取付け可能で、前記全反射プリズムをその側方
より保持するハウジングであって、前記カセグレン鏡用
ハウジングへの所定取付状態で前記カセグレン鏡の光軸
と一致し、かつ該プリズム底面中心を該カセグレン鏡の
集光位置に一致させる。 さらに、本発明においては、カ
セグレン鏡支持部と、プリズム支持部と、固定手段と、
を備え、前記全反射プリズムの底面中心が前記カセグレ
ン鏡の集光位置に一致するように、前記カセグレン鏡用
ハウジングへの前記プリズム用ハウジングの取付状態が
調整されていることも好適である。 ここで、前記カセグ
レン鏡支持部は、前記カセグレン鏡用ハウジング内に支
持され、前記カセグレン主鏡およびカセグレン副鏡を光
軸を一致させて支持する。 また、前記プリズム支持部
は、前記プリズム用ハウジング内に光軸と直交する方向
へ移動可能に支持された支持部であって、該支持部の略
中央部に孔が形成され、該孔に全反射プリズムが嵌合さ
れる。 前記固定手段は、前記全反射プリズムの中心軸が
前記カセグレン鏡の光軸と一致するように、光軸と直交
する平面内での前記プリズム支持部の位置が調整された
状態で、前記プリズム用ハウジング内に該プリズム支持
部を固定する。
【0006】この全反射測定装置は、例えば図1に示す
如く、カセグレニアン鏡10と平凸レンズ32Cを備え
ている。
【0007】カセグレニアン鏡10は、中心部に孔12
aが形成された凹面鏡12と、凹面鏡12よりも径の小
さい凸面鏡14とを、中心軸Cを一致させて対向配置し
たものであって、図8に示すような2段構成や3段以上
の構成も含まれる(以下同様)。
【0008】平凸レンズ32Cは、略半球形(半球形又
はこれに似た形)であって、その凸面を凹面鏡12に対
向させ、その中心軸をカセグレニアン鏡10の中心軸C
に一致させ、その平面中心点をカセグレニアン鏡10に
よる光収束位置に一致させて配置される。
【0009】本発明に係る全反射測定装置では、上記構
成要素を用い、平凸レンズ32Cの平面に試料30を当
接させた状態で、孔12aから光束を入射させて、凸面
鏡14、凹面鏡12の順に該光束を反射させ、平凸レン
ズ32Cの平面中心点に該光束を収束させ、試料30、
凹面鏡12、凸面鏡14の順に該光束を反射させ、孔1
2aから出射した光束を検出する。従って、本発明に
れば、微小部位の全反射光を容易に測定することができ
る。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0011】(1)第1実施例 図1は全反射測定装置を用いた顕微フーリエ赤外分光光
度計の原理構成を示す。
【0012】屈折率n2の試料30上には、n2より大き
い屈折率n1の半球形の平凸レンズ32Cが、その底面
(平面)を試料30の測定面に接して、搭載されてい
る。平凸レンズ32Cの上方には、中心軸Cが平凸レン
ズ32Cの中心を直角に通るように、カセグレニアン鏡
10が配置されている。カセグレニアン鏡10は、中央
部に円孔12aが穿設された凹面鏡(主鏡)12と、中
心軸を凹面鏡12の中心軸に一致させて凹面鏡12に対
向配置させた凸面鏡(副鏡)14とからなる。中心軸C
の図1左側には、入射光34が凹面鏡12を通り凸面鏡
14上で反射発散され、凹面鏡12で反射集光されて平
凸レンズ32Cの表面を直角に通り、平凸レンズ32C
の底面中心に収束する。そして、凹面鏡12の図示領域
Bからの、臨界角θcを越える光束が、試料30上で全
反射され、凹面鏡12の図示領域Aからの、臨界角θc
以下の光束の一部が試料30上で反射され、これらが中
心軸Cの図1右側において、凹面鏡12で反射集光さ
れ、凸面鏡14で反射され、円孔12aを通り出射光3
6として上方へ射出される。
【0013】ここで、平凸レンズ32Cの物質が例えば
ZnSe場合、その屈折率n1は2.4であり、試料3
0の屈折率n2が約1.7の場合には、臨界角θcは約4
5度となる。入射角が45度の場合、全反射点での滲み
込み深さdpは0.2λとなり全反射スペクトル測定を
充分行うことが可能である。また、45度の入射角に対
するカセグレニアン鏡10の開口数は0.707にな
る。したがって、カセグレニアン鏡10はその開口数が
この値よりも少し大きい0.8程度のものを用いる必要
がある。
【0014】しかし、カセグレニアン鏡10は、開口数
が大きくなると収差が大きくなり、解像度が低下する。
また、試料30上の測定点を目視観測するためには、高
開口数である必要はない。
【0015】一方、全反射スペクトル測定においては、
試料30に対する入射角が臨界角θc以下となる光束
は、SN比を低下させる原因となる。また、通常の材料
分析に用いる全反射スペクトル測定においては、高精度
の入射角の設定を必要としない。
【0016】そこで、試料30上の測定点を目視観察す
るために、入射光34を可視光とした場合には、凹面鏡
12上の領域Aで反射された光束のみを利用し、全反射
スペクトル測定のために、入射光34を赤外光とした場
合には、凹面鏡12上の領域Bで反射された光束のみを
利用する。これは、カセグレニアン鏡10上にマスク3
8を配置することにより容易に実現できる。図2は、目
視観察用のマスク38Aを示す。図中、38aは入射光
34を通過させるリング片形の孔であり、38bは出射
光36を通過させるリング片形の孔である。孔38a、
38bはいずれか一方のみであってもよい。図3は全反
射スペクトル測定用のマスク38Bを示す。図中。38
cは入射光34を通過させるリング片形の孔であり、3
8dは出射光36を通過させるリング片形の孔である。
孔38c、38dはいずれか一方のみであってもよい。
【0017】試料30上の測定点を目視観察する場合に
は、可視光源40から放射された光束を、光路内外に回
転移動可能な可動鏡42、固定鏡44で反射させて入射
光34を形成する。そして、この場合の出射光36を固
定鏡46、光路内外に回転移動可能な可動鏡48で反射
させて、接眼レンズ50に導く。
【0018】全反射スペクトルを測定する場合には、前
記可動鏡42及び48を光路外に退避させておき、赤外
光源52から放射された光束をマイケルソン干渉計54
に通して赤外干渉光を生成し、これを固定鏡44で反射
させて入射光34を形成する。この場合の出射光36
は、固定鏡46で反射されてMCT検出器56でその光
強度が検出され、その検出信号が信号処理装置58に供
給される。一方、レーザ60から放射されたレーザ光を
マイケルソン干渉計54に通してレーザ干渉光を生成
し、ホトダイオード62でその光強度を検出し、その検
出信号をサンプリング信号として信号処理装置58へ供
給する。信号処理装置58は、このサンプリング信号に
同期して、MCT(水銀カドミテルル)検出器56から
の光強度信号を読み取り、公知の信号処理を行って赤外
吸収スペクトルを求め、これをレコーダ64に記録させ
る。
【0019】なお、上記構成において、マスク38は、
凹面鏡12と凸面鏡14との間又は凸面鏡14と平凸レ
ンズ32Cとの間に配置してもよい。この場合、当然の
こととして、その位置に応じたサイズの光束制限孔が形
成されたマスク38を用いる。
【0020】(2)第2実施例 図4は全反射測定装置の縦断面を示す。
【0021】この全反射測定装置は、図1に示すカセグ
レニアン鏡10を平凸レンズ32Cとを一体構成とした
ものであり、ヘッド70の首部に形成された雄ねじ70
aを不図示の既存の反射測定型顕微鏡の対物鏡取付部に
形成された雌ねじに螺合させることにより、この顕微鏡
に装着可能となっている。
【0022】ヘッド70の下端凹部には、凹面鏡12が
収容固着されている。ヘッド70に形成された中心孔7
0bは、円孔12aに連通している。ヘッド70の中間
部には、平板状のマスク38を差込むための切込み口が
紙面垂直方向に形成されている。ヘッド70の下端部外
周には雄ねじ70cが形成され、これに、第1鏡筒74
の上端部内周に形成された雌ねじ74aが螺合されてい
る。
【0023】第1鏡筒74の下端開口部には、凸面鏡支
持リング76が挿入されている。この凸面鏡支持リング
76は、図5に示す如く、外側のリング部76aと中央
部のアイランド部76bとが3本のブリッジ部76cで
連結された形状になっており、アイランド部76b上に
凸面鏡14が接着されている。第1鏡筒74の下端部外
周には、120度の等間隔で止めねじ74cが螺入さ
れ、止めねじ74cで、凸面鏡支持リング76の外周が
押圧されて、凸面鏡14の中心軸の位置決め調整が行わ
れる。第2鏡筒78の上端部内周に形成された雌ねじ7
8aに、第1鏡筒74の下端部外周に形成された雄ねじ
74bが螺合され、第2鏡筒78の回転角により、第1
鏡筒74の中心軸方向への伸縮調整が行われ、止めねじ
78bでこの調整が固定される。
【0024】第2鏡筒78の下端部には、レンズ支持枠
80が挿入されている。このレンズ支持枠80は、図6
に示す如く、中央部に平凸レンズ32Cが嵌合接着され
る中心孔80bが形成され、その縁部上面には、光入射
を妨害しないように傾斜面80cが形成されている。第
2鏡筒78の下端部外周には、120度の等間隔で3本
の止めねじ78cが螺入され、止めねじ78cで、レン
ズ支持枠80の外周が押圧されて、平凸レンズ32Cの
中心軸の位置を決め調整が行われる。
【0025】試料30は試料受皿82内に収容される。
この試料受皿82の内周に形成された雌ねじ82aに、
第2鏡筒78の下端部外周に形成された雄ねじ78dを
螺合回転させることにより、試料30の上面に平凸レン
ズ32Cの底面が接する。
【0026】上記第1鏡筒74の中心軸方向への伸縮調
整は、出射光強度を検出し、これが最大になるように行
われる。
【0027】このような全反射測定装置を、既存の反射
測定型顕微鏡の対物鏡又は対物レンズと単に交換すると
いう簡単な操作で、全反射スペクトル測定が可能にな
る。また、平凸レンズ32Cの位置調整が予め行われて
いるので、試料30を交換するだけで、新たな試料30
に対する全反射スペクトル測定が可能になる。
【0028】(3)第3実施例 上記第2実施例の全反射測定装置は、試料に応じて平凸
レンズ32Cを他の材質のものと取り換える場合、止め
ねじ78cを緩めてレンズ支持枠80を第2鏡筒78か
ら取り外さなければならないので、他のレンズ支持枠8
0を第2鏡筒78に取り付ける場合、平凸レンズ32C
の光軸調整を再度行う必要があり、そのために長時間を
要し、かつ、煩雑である。平凸レンズ32Cが破損して
同種の平凸レンズ32Cと取り換える場合も同様であ
る。これを避けるためには、全反射測定装置全体を取り
換えなければならず、コスト高となる。本第3実施例
は、この問題点を解決したものである。
【0029】図7は、第3実施例の全反射測定装置の縦
断面を示す。図4と同一構成要素には、同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0030】この全反射測定装置は、図4の第2鏡筒7
8及びレンズ支持枠80の代わりに、ジョイント78A
及び第2鏡筒80Aを用いている。このジョイント78
Aは、カセグレニアン鏡の鏡筒の一部を構成している。
ジョイント78Aの中央部開口円の内周面には雌ねじ7
8pが形成され、これに、第2鏡筒80Aの外周面に形
成された雄ねじ80pが螺合される。第2鏡筒80Aの
一端側中央部開口には、平凸レンズ32Cが嵌合接着さ
れている。ジョイント78Aは、その雌ねじ78aに第
1鏡筒74Aの雄ねじ74bが螺合され、ジョイント7
8Aの底面周部には、この面に垂直に止めねじ78qが
螺合貫通しており、止めねじ78qを締め付けることに
より、止めねじ78qの先端面が第1鏡筒74Aの下端
面を押圧して、第1鏡筒74Aに対するジョイント78
Aの回転が固定される。第1鏡筒74Aに対するジョイ
ント78Aの軸方向固定位置は、第2鏡筒80Aをジョ
イント78Aに締め付けたときに、図7に示すように凹
面鏡12からの光の収束点が平凸レンズ32Cの底面中
心に一致するように調整されている。
【0031】本第3実施例では、上記問題点の解決とは
別に、さらに次のような工夫をしている。
【0032】凸面鏡支持リング76Aは、その外周面に
テーパが付けられている外は、図4の凸面鏡支持リング
76と同一である。このテーパは、止めねじ74cで凸
面鏡支持リング76Aを第1鏡筒74Aに密着させかつ
より確実に固定するためのものである。また、ジョイン
ト78Aに切込み口が紙面垂直方向に形成され、これに
全反射スペクトル測定用のマスク38Bが差し込まれる
ようになっている。この部分の方がヘッド70の中心孔
70bの部分よりも光束が拡大しているので、精度よく
遮光することができ、マスク38Bの位置としては好ま
しい。さらに、ヘッド70に対する第1鏡筒74Aの軸
方向位置を固定するために、止めねじ74dを第1鏡筒
74Aの上部側面に螺入して、その先端面をヘッド70
の外周面に押し付けている。
【0033】なお、図7では、図4に示す試料受皿82
が取り付けられていないが、図4と同様にして試料受皿
82を第2鏡筒80Aに螺着する構成であってもよい。
【0034】上記構成において、第2鏡筒80Aをジョ
イント78Aに螺合させ、第2鏡筒80Aをジョイント
78Aに締め付けるだけで、平凸レンズ32Cの光軸が
凹面鏡12及び凸面鏡14の光軸に一致し、かつ、凹面
鏡12からの光の収束点が平凸レンズ32Cの底面中心
に一致する。
【0035】ZnSeで形成した平凸レンズ32Cを用
い、平凸レンズ32Cと第2鏡筒80Aとを一体とし
て、同一のものでジョイント78Aに対し、単なる着脱
を10回繰り返したところ、入射光34の強度に対する
出射光36の強度のばらつきは±2%であった。また、
ZnSeで形成した平凸レンズ32Cを用い、平凸レン
ズ32Cと第2鏡筒80Aとを一体として、同一形状の
ものを5つに単に互換したところ、入射光34の強度に
対するばらつきは±5%以内であった。
【0036】(4)第4実施例 2つの球面鏡を用いたカセグレニアン鏡は、開口数が大
きくなると、球面収差が大きくなって実用に耐えなくな
る。球面収差は、凹面鏡12を非球面鏡にすることによ
り、又は、凹面鏡12及び凸面鏡14を非球面鏡にする
ことにより、小さくすることができる。しかし、実際に
は非球面鏡は制作が困難であるため実用化されていな
い。本第4実施例は、この問題点を解決したものであ
る。
【0037】図8は、球面鏡を用いた1段のカセグレニ
アン鏡10と20とを直列配置して、開口数に対する球
面収差を小さくした、2段タンデム型カセグレニアン鏡
を示す。
【0038】図1と同様に、カセグレニアン鏡10は、
中央に円孔12aが形成された凹面鏡12に、凸面鏡1
4を対向配置した構成となっており、カセグレニアン鏡
20は、中央に円孔22aが形成された凹面鏡22に、
凸面鏡24を対向配置した構成となっている。カセグレ
ニアン鏡10と20とは、向きを同一方向にし、両光軸
Cを一致させて配置されている。
【0039】光軸C上の点Sからの発散光は、円孔12
aを通り凸面鏡14で反射され、次いで凹面鏡12で反
射されて収束光となり、凸面鏡24が存在しなければ点
1に収束する。その収束光は、凸面鏡24で反射さ
れ、次いで凹面鏡22で反射されて光軸C上の点F2
収束する。このようなタンデム型カセグレニアン鏡を図
1又は図4に示す1段カセグレニアン鏡10の代わりに
用いる。
【0040】カセグレニアン鏡10及びカセグレニアン
鏡20は、球面収差特性が互いに補正的な関係になるよ
うに配置設計されており、開口数に対する球面収差が1
段のカセグレニアン鏡よりも小さくなっている。例え
ば、カセグレニアン鏡10は、点F1から入射する光束
に対し、出射光が図9に示す如く、光軸C寄りの光線ほ
ど光軸Cとの交点が凸面鏡24(カセグレニアン鏡1
0)に近くなるように配置設計されている。これに対
し、カセグレニアン鏡20は、点F1に収束入射する光
束に対し、出射光が図10に示す如く、光軸C寄りの光
線ほど光軸Cとの交点が凸面鏡24(カセグレニアン鏡
20)から遠くなるように配置設計されている。このよ
うな特性は、設計段階での計算機を用いた光線追跡法に
より、容易に確認することができる。
【0041】なお、カセグレニアン鏡10をカセグレニ
アン鏡20の球面収差特性は互いに補正的な関係にあれ
ば良く、例えば、カセグレニアン鏡10が図10に示す
ような特性を示し、カセグレニアン鏡20が図9に示す
ような特性を示すような関係であってもよい。
【0042】また、3段以上のタンデム型カセグレニア
ン鏡を用いることもできる。
【0043】本発明によれば、全反射測定前に反射測定
型顕微鏡で測定点を目視観察し、測定点を確認又は決定
した後に、試料30を動かすことなく容易に全反射測定
を行うことができるという優れた効果を奏する。カセグ
レニアン鏡として、中心軸を一致させ同一方向にむけて
1段のカセグレニアン鏡10、20を複数段直列に配置
したものを用いれば、1段のものよりも、解像度に対す
る開口数を大きくできるので、測定対象範囲拡大、全反
射測定精度向上、目視観察容易化等の効果を奏する。
【0044】平凸レンズ32Cを、赤外域から可視域ま
での波長の光を透過する物質、例えばZnSeやKRS
−5で形成すれば、全反射測定装置を接眼レンズ50と
組み合わせることにより、容易に試料30上の測定点を
目視観察することができるという効果を奏する。Ge、
Siの屈折率はそれぞれ4.0、3.5と大きく、屈折
率の大きい試料30に対して用いられるが、GeやSi
等のように可視光を通さない物質で平凸レンズ32Cを
形成した場合には、赤外線カメラとモニタテレビとを組
み合わせることにより測定点を目視観察することができ
る。
【0045】カセグレニアン鏡10の開口数を実質的に
小さくするマスク38Aを光路中、例えば図1におい
て、凹面鏡12の上方、凹面鏡12と凸面鏡14の間又
は凸面鏡14と平凸レンズ32Cとの間の光路中に配置
すれば、収差が小さくなって解像度が向上するので、目
視観察がし易くなるという効果を奏する。
【0046】平凸レンズ32Cに対し、平凸レンズ32
Cの中心軸から臨界角θc以下の角度範囲内へ光束が入
射しないようにするマスク38Bを光路中、例えば図1
において、凹面鏡12の上方、凹面鏡12と凸面鏡14
の間又は凸面鏡14と平凸レンズ32Cとの間の光路中
に配置すれば、試料30からの全反射以外の反射光がな
くなるので、全反射測定のSN比が向上するという効果
を奏する。
【0047】例えば図7に示す如く、カセグレニアン鏡
12、14の鏡筒74A、78Aと平凸レンズ32Cの
鏡筒80Aとが螺合するねじ部78p、80pが、これ
らの鏡筒に設けられ、この螺合によりカセグレニアン鏡
12、14の光軸と平凸レンズ32Cの光軸とが一致す
るようにすれば、平凸レンズ32Cと鏡筒80Aを一体
として容易に取り換えることができ、煩雑な光軸調整を
行う必要がないという効果を奏する。また、この場合カ
セグレニアン鏡12、14を取り換える必要がないの
で、経済的であるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る全反射測定装置が適
用された顕微フーリエ赤外分光光度計の原理構成図であ
る。
【図2】図1の全反射測定装置に用いられる目視観測用
マスク38Aの平面図である。
【図3】図1の全反射測定装置に用いられる全反射スペ
クトル測定用マスク38Bの平面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る全反射測定装置の縦
断面図である。
【図5】図4の全反射測定装置の構成要素である凸面鏡
支持リング76の平面図である。
【図6】図4の全反射測定装置の構成要素であるレンズ
支持枠80の平面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る全反射測定装置の縦
断面図である。
【図8】本発明の第4実施例に係るタンデム型カセグレ
ニアン鏡の縦断面図である。
【図9】図8のカセグレニアン鏡の作用説明図である。
【図10】図8のカセグレニアン鏡の作用説明図であ
る。
【図11】全反射測定原理説明図である。
【図12】全反射測定原理説明図である。
【符号の説明】
C 中心軸 10、20 カセグレニアン鏡 12、22 凹面鏡 14、24 凸面鏡 30 試料 32A ATR半円柱プリズム 32B ATR3角柱プリズム 32C 平凸レンズ 34 入射光 36 出射光 38、38A、38B マスク 40 可視光源 42、48 可動鏡 44、46 固定鏡 50 接眼レンズ 52 赤外光源 56 MCT検出器 62 ホトダイオード 70 ヘッド 70a、70c、70b、80a、80p 雄ねじ 74、74A 第1鏡筒 74a、78a、78b、78p、82a 雌ねじ 74c、74d、78b、78c、78q 止めねじ 76、76A 凸面鏡支持リング 78、80A 第2鏡筒 78A ジョイント 80 レンズ支持枠 82 試料受皿
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−294251(JP,A) 特開 平5−322745(JP,A) 特開 平3−285147(JP,A) 特開 平2−223847(JP,A) 特開 昭62−220834(JP,A) 特開 昭62−161041(JP,A) 米国特許4602869(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カセグレン主鏡およびカセグレン副鏡を
    有し、該副鏡、該主鏡の順に反射された光を臨界角以上
    の入射角で被測定物上に集光し、その全反射光を該主
    鏡、該副鏡の順に反射させて得るカセグレン鏡と、前記
    カセグレン鏡副鏡の下部に配置された全反射プリズム
    と、を備えた全反射測定装置において、 前記カセグレン主鏡およびカセグレン副鏡を光軸を一致
    させて配置し、かつ前記プリズム中心軸を該カセグレン
    鏡の光軸と一致させ、かつ該プリズム底面中心を該カセ
    グレン鏡の集光位置に一致させて、該プリズムをその側
    方より保持するように、該カセグレン主鏡、該カセグレ
    ン副鏡、および該全反射プリズムを収容するハウジング
    を備えたことを特徴とする全反射測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の全反射測定装置におい
    て、 前記ハウジングは、前記カセグレン鏡を収容するカセグ
    レン鏡用ハウジングと、 前記カセグレン鏡用ハウジング下部に取付け可能で、前
    記全反射プリズムをその側方より保持するハウジングで
    あって、前記カセグレン鏡用ハウジングへの所定取付状
    態で前記カセグレン鏡の光軸と一致し、かつ該プリズム
    底面中心を該カセグレン鏡の集光位置に一致させるプリ
    ズム用ハウジングと、 を含むことを特徴とする全反射測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の全反射測定装置におい
    て、 前記カセグレン鏡用ハウジング内に支持され、前記カセ
    グレン主鏡およびカセグレン副鏡を光軸を一致させて支
    持するカセグレン鏡支持部と、 前記プリズム用ハウジング内に光軸と直交する方向へ移
    動可能に支持された支持部であって、該支持部の略中央
    部に孔が形成され、該孔に全反射プリズムが嵌合された
    プリズム支持部と、 前記全反射プリズムの中心軸が前記カセグレン鏡の光軸
    と一致するように、光軸と直交する平面内での前記プリ
    ズム支持部の位置が調整された状態で、前記プリズム用
    ハウジング内に該プリズム支持部を固定する固定手段
    と、 を備え、前記全反射プリズムの底面中心が前記カセグレ
    ン鏡の集光位置に一致するように、前記カセグレン鏡用
    ハウジングへの前記プリズム用ハウジングの取 付状態が
    調整されていることを特徴とする全反射測定装置。
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