JP3183667B2 - 微生物細胞形質転換体を触媒として用いるグリコール酸のグリオキシル酸への酸化 - Google Patents

微生物細胞形質転換体を触媒として用いるグリコール酸のグリオキシル酸への酸化

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、グリコール酸の酵素触媒酸化によるグリオ
キシル酸の改良された製造方法に関する。より詳細に
は、本発明は、酵素グリコレートオキシダーゼ〔(S)
−2−ヒドロキシ−酸オキシダーゼ,EC1.1.3.15〕およ
び所望によりカタラーゼ(EC1.11.1.6)を発現する、遺
伝子工学による微生物形質転換体の全細胞の使用に関す
る。
2.関連技術の説明 葉の多い緑色植物および哺乳動物細胞に共通的にみら
れる酵素であるグリコレートオキシダーゼ(またはグリ
コール酸オキシダーゼという)は、グリコール酸のグリ
オキシル酸への酸化を触媒し、またそれに伴って過酸化
水素が生成する。N.E.Tolbert et al.,J.Biol.Chem.,Vo
l.181,905−914(1949)はグリコール酸のグリオキシル
酸の中間的生成を介す蟻酸およびCO2までの酸化を触媒
する、タバコの葉から抽出された酵素を報告した。ある
種の化合物例えばエチレンジアミンを添加すると中間体
グリオキシル酸の更なる酸化が制限された。以上の酸化
は典型的には、約3〜40mM(ミリモル)のグリコール酸
濃度を用いて約8のpHで行われた。グリコレート酸化の
至適pHは8.9であると報告されている。シュウ酸(100m
M)はグリコレートオキシダーゼの触媒作用を阻害する
と報告されている。同様に、K.E.RichardsonおよびN.E.
Tolbert,J.Biol.Chem.,Vol.236,1280−1284(1961)は
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝剤
がグリコール酸のグリコレートオキシダーゼ触媒酸化に
おけるシュウ酸形成を阻害することを示した。C.O.Clag
ett,N.E.TolbertおよびR.H.Burris,J.Biol.Chem.,Vol.1
78,977−987(1949)は酵素によるグリコレートオキシ
ダーゼ触媒グリコール酸酸化の至適pHが約7.8〜8.6であ
り、また至適温度が35〜40℃であることを報告してい
る。
I.ZelitchおよびS.Ochoa,J.Biol.Chem.,Vol.201,707
−718(1953)およびJ.C.Robinson et al.,J.Biol.Che
m.,Vol.237,2001−2009(1962)はH2O2をグリオキシル
酸と非酵素的反応させるとほうれんそうグリコレートオ
キシダーゼ触媒グリコール酸酸化において蟻酸とCO2
形成されることを報告した。彼等は、H2O2の分解を触媒
する酵素であるカタラーゼを添加すると、蟻酸とCO2
形成を抑えることによりグリオキシル酸の収率が大きく
向上することを認めた。フラビンモノヌクレオチド(FM
N)の添加も、グリコレートオキシダーゼの安定性を大
きく増大させることがわかった。
N.A.FrigerioおよびH.A.Harbury,J.Biol.Chem.,Vol.2
31,135−157(1958)は、ほうれんそうから単離された
グリコール酸オキシダーゼの調製および性質について報
告している。その精製酵素は溶液では極めて不安定であ
ることが判明しており、またこの不安定性は、酵素の活
性部位へのフラビンモノヌクレオチドの結合が比較的弱
いため、および酵素活性のある酵素のテトラマーおよび
/またはオクタマーが酵素活性のないモノマーおよびダ
イマーに解離しそれらが不可逆的に凝集し沈殿してしま
うためとされている。酵素の溶液にフラビンモノヌクレ
オチド(FMN)を添加するとその安定性が大きく増大
し、またタンパク質濃度が高いと、あるいはイオン強度
が高いと酵素はオクタマーまたはテトラマーとして保持
された。
グリコール酸オキシダーゼにより触媒されるグリコー
ル酸の酸化には他に多くの文献が存在する。例えば: −酵素の単離(通常、アッセイ方法も含めて): I.Zelitch,Methods of Enzymology,Vol.1,Academic P
ress,New York,1955,p.528−532(ほうれんそうおよび
タバコの葉より)、 M.Nishimura et al.,Arch.Biochem.Biophys.,Vol.22
2,397−402(1983)(かぼちゃ子葉より)、 H.AskerおよびD.Davies,Biochem.Biophys.Acta.,Vol.
761,103−108(1983)(ラット肝より)、 M.J.EmesおよびK.H.Erismann,Int.J.Biochem.,Vol.1
6,1373−1378(1984)(レムナ・マイナー・L(Lemna
Minor L)より)。
−酵素の構造: E.Cederlund et al.,Eur.J.Biochem.,Vol.173,523−5
30(1988)。
Y.LindquistおよびC.Branden,J.Biol.Chem.,Vol.264,
3624−3628(1989)。
発明の概要 本発明は、酵素グリコレートオキシダーゼ〔(S)−
2−ヒドロキシ−酸オキシダーゼ、EC1.1.3.15〕および
所望によりカタラーゼ(EC1.11.1.6)を発現する遺伝子
工学による微生物形質転換体の全細胞の存在下にグリコ
ール酸(HOCH2COOH)(200〜約2500mM)と酸素と水性溶
液(pH7〜10)中で反応させるグリオキシル酸(OCHCOO
H)の製造方法に関する。至適条件下では、グリコール
酸の高転換率で極めて高収率のグリオキシル酸が得ら
れ、またその遺伝子工学による微生物形質転換体は回収
し再使用することができる。
発明の詳細な説明 本発明はグリコレートオキシダーゼおよびカタラーゼ
を同時発現する微生物形質転換体(例えばアスペルギル
ス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、ピヒア・
パストリス(Pichia pastoris)、ハンセヌラ・ポリモ
ルファ(Hansenula polymorpha)および大腸菌(Escher
ichia coli))の全細胞をグリコール酸(ヒドロキシ酢
酸)からのグリオキシル酸の製造に使用することを記載
する。グリコール酸の酸素との酸素触媒反応は多年にわ
たって知られているが、(99%を超える)高いグリオキ
シル酸選択率はこれまで得られたことはなく、はたまた
グリコール酸の酸化が0.20M〜2.5M濃度で行われたこと
もない。すでに1989年10月16日に出願された「グリコー
ル酸からのグリオキシル酸の製造」と題する、譲受人を
共通にする出願、U.S.S.N.(米国出願番号)07/422,01
1、は酸素、アミン緩衝剤および可溶性酵素であるグリ
コレートオキシダーゼおよびカタラーゼの存在下におけ
るグリコール酸からグリオキシル酸への酵素的転換方法
を記載している。この方法は(過酸化水素副生物を破壊
するための)カタラーゼと生成グリオキシル酸との化学
的アダクツを形成(そしてその更なる酸化を制限)でき
るアミン緩衝剤の両方を用いることの予想外の相乗効果
を実証しており、そのような目的に対して、引用により
本明細書の記載の一部に含める。カタラーゼまたはアミ
ン緩衝剤を別々に添加したのでは双方が共存する場合に
みられる高選択率は得られなかったし、また得られるグ
リオキシル酸のほぼ定量的な収率はカタラーゼまたはア
ミン緩衝剤単独を用いた場合の単純な相加効果から予想
される以上のものではなかった。本発明は、可溶性酵素
に代えて全微生物細胞を触媒として用いる点で前記方法
の改良として位置付けられる。
これまでに報告された可溶性酵素の触媒としての使用
にはいくつかの課題がある;すなわち、再使用のための
触媒回収が容易でない点、触媒安定性が固定化酵素また
は全細胞微生物触媒の場合に得ることができるものほど
良好ではない点、および可溶性酵素が(酸素溶解速度、
従って反応速度、を高めるのに必要とされる)酸素を用
いた反応混合物のスパージングに対し安定でない点であ
る。今般、ほうれんそう由来グリコレートオキシダーゼ
および内生カタラーゼを発現するアスペルギルス・ニジ
ュランス、ピヒア・パストリス、ハンセヌラ・ポリモル
ファおよび大腸菌のいくつかの形質転換体が、当業者に
通有的に知られた遺伝子工学的方法を用いて構築され
た。前述の方法にこれらの全細胞触媒を用いることによ
りいくつかの利点が得られる:すなわち、1)反応完了
時に、全細胞触媒が再使用のために反応混合物から容易
に回収されるのに対し、可溶性酵素は多大な困難および
活性損失を伴ってのみ回収される点、2)可溶性酵素に
対し得られる触媒ターンオーバー数についても、また反
応完了時に回収される酵素活性についても全細胞触媒の
方が可溶性酵素よりも安定である点、また3)最も重要
なこととして、酵素溶解速度および反応速度を高めるた
めに酸素を反応混合物にスパージングする場合に、全細
胞触媒は反応条件に対し安定であるのに対し、同様な反
応条件下では可溶性グリコレートオキシダーゼは速かに
変性してしまう点。
アスペルギルス・ニジュランス形質転換体は、まずグ
リコレートオキシダーゼをコードするほうれんそう遺伝
子をクローニングし、次いでこの遺伝子を許容し得るレ
ベルの内生カタラーゼをすでに生産するアスペルギルス
・ニジュランス株に導入することにより調製した。アス
ペルギルス・ニジュランスalcAプロモーターの発現コン
トロール下にあるほうれんそうグリコレートオキシダー
ゼをコードするDNAの多重コピー、およびアスペルギル
ス・ニジュランスalkR遺伝子(その産生物はalcAプロモ
ーターの機能を調節する)の多重コピーを含む遺伝子工
学による微生物形質転換体アスペルギルス・ニジュラン
スT17は、ブダペスト条約の規定に基づいて、1992年9
月24日にNorthern Rogional Research Center(米国、
イリノイ州、ペオリア(Peoria))にNRRL No.21000と
して寄託された。得られた形質転換体は振盪フラスコま
たは発酵槽中、各種培地(最小培地または高SYG培地)
で培養し、また付加的に様々な剤、例えばオレイン酸
(OL)、ヒドロキシ酢酸(HA)、またはコーンスチープ
リカー(CSL)を培地に添加してグリコレートオキシダ
ーゼおよび/またはカタラーゼの発現レベルを高めた。
次いで、様々な形質転換体を、(未処理)アスペルギル
ス・ニジュランス全細胞をカタラーゼおよびグリコレー
トオキシダーゼ活性についてアッセイし、そして細胞を
グリコール酸からグリオキシル酸への酸化触媒として用
いて反応を行うことによってスクリーニングした。全細
胞は、グリコール酸からグリオキシル酸への酸化触媒と
して用いる際に、細胞内部での反応混合物の酵素への接
近可能性を高めるために前処理されたり、透過性にされ
たりすることはなかった;反応混合物またはその成分の
いずれかにさらされることによるか、あるいは必要とさ
れる時まで全細胞触媒を貯蔵するのに用いられる凍結お
よび解凍により、細胞の透過性化がいくらか生じている
可能性はある。
可溶性酵素の欠点の多くはアスペルギルス・ニジュラ
ンスの全細胞を触媒として用いることにより除去され
た。全細胞触媒の回収および再使用は遠心分離により、
あるいは触媒を反応混合物から濾取しそしてそれを新た
な反応混合物に再循環することにより容易に行われた;
このようにしてグリコレートオキシダーゼについて106
もの高いターンオーバー数が得られる。(可溶性酵素を
用いた場合にみられるような)酵素触媒の変性を伴うこ
となく反応混合物に酵素気泡を通じることができた結
果、反応混合物に気泡を通じない場合の反応に比べ少な
くとも10倍の反応速度増加が得られ、またこの速度増加
はこの方法のための製造コストを著しく軽減する。
グリコレートオキシダーゼ活性および内生カタラーゼ
活性を発現するいくつかの付加的な微生物形質転換体を
調製しそして本発明におけるそれらの微生物触媒として
の用途を実証した。本発明において用いられる第二の微
生物細胞触媒はハンセヌラ・ポリモルファ(メチロトロ
ーフ性酵母)の形質転換体である。十分なグリコレート
オキシダーゼ活性を有するハンセヌラ・ポリモルファの
いくつかの形質転換体を、グリコレートオキシダーゼに
対するDNAをフォルメートデヒドロゲナーゼ(FMD)プロ
モーターのコントロール下にある発現ベクターに挿入し
た。ハンセヌラ・ポリモルファをこのベクターで形質転
換し、そして高レベルのグリコレートオキシダーゼを生
産する株を選別しそしてハンセヌラ・ポリモルファGO1
と指称した。
ハンセヌラ・ポリモルファ細胞触媒は典型的には、ハ
ンセヌラ・ポリモファ形質転換体の接種物をまず500ml
のYPD(Difco)、pH4.4、中で増殖させることにより調
製した。この培養液を次にアミノ酸(14g)、硫酸アン
モニウム(50g)およびメタノール(100g)を含まない
酵母窒素ベース(Yeast Nitrogen Base、YNB、Difco)1
0を含む発酵槽にpH5.0で接種した。その発酵槽を37
℃、400rpmの撹拌速度、5.0の一定pH、(コントロール
される)40%溶存酵素および14psigの空気で42.5時間運
転した。発酵完了時に1.0kgのグリセロールを添加し、
そして細胞を遠心分離により集め、液体窒素で凍結しそ
して−80℃で貯蔵した。
本発明において用いられる第三の微生物細胞触媒は、
ほうれんそう由来グリコレートオキシダーゼ酵素および
内生カタラーゼを発現するピヒア・パストリス(メチロ
トローフ性酵母)の形質転換体である。十分なグリコレ
ートオキシダーゼ活性を有するピヒア・パストリスのい
くつかの形質転換体は、ほうれんそうグリコレートオキ
シダーゼ遺伝子を含有するDNA断片をメタノール誘導可
能なアルコールオキシダーゼIプロモーターのコントロ
ールを受けるようなピヒア・パストリス発現ベクター
(pHIL−D4)に挿入してプラスミドpMP1を生成させるこ
とにより調製した。ピヒア・パストリス株GTS115(NRRL
Y−15851)をプラスミドpMP1で形質転換し、そして選
別を行って直線化したプラスミドpMP1を染色体アルコー
ルオキシダーゼI座に組み込みそしてアルコールオキシ
ダーゼ遺伝子をグリコレートオキシダーゼ遺伝子で置換
した。次にかかる形質転換体プールを発現カセットの組
み込まれたコピーが最高数となるよう選別した。ピヒア
・パストリス株GS115−MSP10と指称される高コピー数形
質転換体を単離しそしてNRRL(イリノイ州ペオリア)に
寄託した(NRRL Y−21001、寄託日1992年9月24日)。
ピヒア・パストリス細胞は典型的には接種物を1%グ
リセロールを含有する100mlのYNB中で増殖することによ
り調製した。30℃で48時間増殖させた後、細胞を、アミ
ノ酸(134g)、グリセロール(100g)およびビオチン
(20mg)を含まない酵母窒素ベース(YNB)より成る10
の培地を含む発酵槽に移した。発酵はpH5.0(NH4OHで
コントロール)、30℃、200rpmの撹拌速度、5slpmの通
気、5psigの空気および50%飽和度より低くならないよ
うに維持された溶存酸素で操作した。グリセロールが涸
渇すると、細胞は、グリセロールがメタノール(50g)
で置き換わった以外は同一の培地中で増殖することによ
りグリコレートオキシダーゼを発現するように誘導され
る。誘導中のグリコレートオキシダーゼ活性は酵素アッ
セイによりフォローした。24時間の誘導の後、細胞をグ
リセロール(1kg)で処理した後に細胞を集めた。細胞
を集めた後で液体窒素で凍結しそして−80℃で貯蔵し
た。
アスペルギルス・ニジュランスと異なり、ハンセヌラ
・ポリモルファおよびピヒア・パストリス細胞形質転換
体はグリコール酸からグリオキシル酸への酸化触媒とし
て用いる前に透過性化を必要とした。十分なグリコレー
トオキシダーゼ活性をもつ細胞の調製には様々な既知の
透過性化方法が有用であった(Felix,H.Anal.Biochemis
try,Vol.120,211−234,(1982)参照)。典型的には、
0.1%(v/v)“TRITON"X−100/20mMホスフェート緩衝液
(pH7.0)中の10重量%湿細胞の懸濁液を15分間混合
し、次いで液体窒素で凍結し、解凍し、そして20mMホス
フェート/0.1mM FMN緩衝液(pH7.0)で洗浄した。もう
一つの透過性化方法は、0.1%(w/v)塩化ベンザルコニ
ウム(Sigma)/20mMホスフェート緩衝液(pH7.0)中の1
0量%湿細胞の懸濁液を60分間混合し、次いでそれら透
過性化細胞を20mMホスフェート/0.1mM FMN緩衝液(pH7.
0)で洗浄することにより行った。
本発明において用いられる第四の微生物細胞触媒は、
ほうれんそう由来グリコレートオキシダーゼ酵素および
内生カタラーゼを発現する大腸菌(細菌)の形質転換体
である。かかる大腸菌形質転換体は、Macheroux et a
l.,Biochem.Biophys.Acta,Vol.1132,11−16(1992)に
記載の如く調製した。
反応に用いられる(アスペルギルス・ニジュランス、
ピヒア・パストリス、ハンセヌラ・ポリモルファまたは
大腸菌全細胞として添加される)グリコレートオキシダ
ーゼは有効濃度で、通常は0.01〜約100IU/ml、好ましく
は約0.1〜約10IU/mlの濃度で存在すべきである。IU(国
際単位)とは1分間あたり1マイクロモルの基質の変換
を触媒する酵素量として定義される。この酵素のアッセ
イ法は、I.ZelitchおよびS.Ochoa,J.Biol.Chem.,Vol.20
1,707−718(1953)にみられる。この方法は回収または
再循環されたグリコレートオキシダーゼの活性のアッセ
イにも用いられる。
反応溶液のpHは7〜10、好ましくは8.0〜9.5である。
酵素活性はpHに伴って変化するのでpHは緩衝液によって
維持することができる。反応pHは反応の進行につれてわ
ずかに低下するので、最大酵素活性pH域の上限近傍、約
9.0〜9.5で反応を開始し反応中にpHが低下してもよいよ
うにすることがしばしば有用である。1989年10月16日出
願に係るU.S.S.N.07/422,011に既に記載したように、
(化学的または酵素的酸化に対しより安定なアミンを形
成することにより)グリオキシル酸を錯化できるアミン
緩衝液がカタラーゼと共に生成物選択率を最大にするた
めに用いられる。エチレンジアミン、あるいはさほどに
は好ましくないが、トリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン(以下TRISと記す)、ピペラジンまたはグリシル
グリシンはグリオキシル酸の収率を向上させた。これら
のアミンは1.0〜3.0、好ましくは1.0〜1.33のアミン/
グリコール酸(当初量)モル比で用いられる。この範囲
内で、厳密な値を所望のpHが得られるように調節するこ
とができる。強塩基性アミンを高いアミン/グリコール
酸比で用いる場合には、例えば塩酸または硫酸などの酸
を添加するなどしてpHを調整する必要があることがあ
る。さほど塩基性の強くないアミン例えばTRISを用いる
場合には、所望のpHを維持するために塩基を添加する必
要があることがある。
(アスペルギルス・ニジュランス、ピヒア・パストリ
ス、ハンセヌラ・ポリモルファまたは大腸菌全細胞とし
て添加される)アクセス可能なカタラーゼの濃度は50〜
100,000IU/ml(反応混合物)、好ましくは350〜14,000I
U/mlとすべきである。グリコレートオキシダーゼとカタ
ラーゼの両酵素が同じ微生物細胞(この場合にはアスペ
ルギルス・ニジュランス、ピヒア・パストリス、ハンセ
ヌラ・ポリモルファまたは大腸菌の形質転換体)内に共
存しているのが好ましいが、付加的な微生物カタラーゼ
源(あくまで例示であって限定するためのものではない
が、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces ce
revisiae)など)を添加して存在するカタラーゼを補う
こともできる。更に、カタラーゼおよびグリコレートオ
キシダーゼ濃度は(各々IU単位で測定された)カタラー
ゼ:グリコレートオキシダーゼ比が少なくとも約250:1
となるように前記範囲内で調節すべきである。フラビン
モノヌクレオチド(FMN)は任意添加成分であり、0.0〜
2.0mM、好ましくは0.01〜0.2mMの濃度で用いられる。
反応速度は、少なくとも部分的には、酸素が水性媒質
に溶解し得る速度によってコントロールされる。酸素は
空気中酸素として反応に添加することもできるが、比較
的純粋な形の酸素を用いまた高められた圧力を用いるの
が好ましい。酸素圧の上限は知られていないが、50気圧
までの酸素圧を用いることができ、また15気圧の上限が
好ましい。反応混合物に酸素をスパージング(バブリン
グ)することは高い酸素溶解(従って反応)速度を維持
する上で必要である。反応混合物への酸素のスパージン
グは、0.05〜5容(大気圧で測定された酸素)/容(反
応混合物)/分(容/容・分)、好ましくは0.2〜2容
/容・分の速度で行われる。更に、便利な撹拌形態、例
えば撹拌(スターリング)が有用である。
反応温度は反応速度および酵素の安定性に影響するの
で重要な変数である。0℃〜40℃の反応温度を用いるこ
とができるが好ましい反応温度範囲は5℃〜15℃であ
る。好ましい温度範囲での操作は反応終時における回収
酵素活性を最大にする。
反応が完了しそして微生物細胞形質転換体触媒を濾過
または遠心分離により除去した後、アミン緩衝剤は最も
好都合には、イオン交換樹脂の使用により除去される。
適切な酸性陽イオン交換樹脂には“AMBERLITE"CG120ま
たは“AMBERLITE"IR120(Rohm & Haas Co.)および“D
OWEX"50(Dow Chemical Co.)が包含される。そのアミ
ンは次いで回収した後、前記樹脂で強塩基で処理するこ
とにより再循環する。
生成物であるグリオキシル酸はバニリンおよびエチル
バニリンの調製に有用であると共に、イオン交換樹脂
に、また医薬産業における酸触媒として用いられる(Ul
lmanns)。それは通常50%(重量%)水性溶液として販
売されている。本出願におけるグリオキシル酸への言及
は、特にpHが約2.3よりも大きい溶液中にグリオキシル
酸が存在する場合には、グリオキシレート陰イオンをも
意味し得ることを理解すべきである。
振盪フラスコまたは発酵槽で培養される微生物細胞形質
転換体のための培地 微生物細胞形質転換体の培養に用いられる最少培地
(MIN)は、フラクトース(1%、1.0g/)、トレオニ
ン(100mM、11.9g/)、酒石酸アンモニウム(6.0g/
)、微量元素(1ml/)および塩溶液(10ml/)で
構成し、またこの最少培地のpHを水酸化ナトリウムで6.
5に調節した。
微生物細胞形質転換体の培養に用いられるリッチ(SY
G)培地は、酵母エキス(0.5%、5.0g/)、硝酸アン
モニウム(100mM、8.0g/)、リン酸カリウム(一塩基
性、33mM、4.5g/)、硫酸マグネシウム七水和物(2m
M、0.5g/)、微量元素(1.0ml/)で構成し、またそ
のpHを5.5に調節し、オートクレーブ処理した後に、グ
ルコースを2%(w/v)となるように添加した。
全細胞に対するグリコレートオキシダーゼおよびカタラ
ーゼアッセイ 微生物細胞形質転換体のグリコレートオキシダーゼ活
性は、(過剰水分を除去するために濾紙上にブロットさ
れた)約5〜10mgの湿細胞を、磁気撹拌棒と、2,6−ジ
クロロフェノール−インドフェノール(DCIP)について
は0.12mMまたはTRIS緩衝液(pH8.3)については80mMの
2.0mlの溶液とを含んだ3mlの石英キュベット中に正確に
秤量添加することによりアッセイした。そのキュベット
をゴム栓でキャップし、そしてその溶液を窒素で5分間
バブリングすることにより脱酸素した。次いでそのキュ
ベットにシリンジで40μの1.0Mグリコール酸/1.0M TR
IS(pH8.3)を添加し、そしてその混合物を撹拌しなが
ら、605nm(ε=22,000)における吸光度の経時変化を
測定した。
カタラーゼ活性は、約2〜5mgの湿細胞を、磁気撹拌
棒と2.0mlの蒸留水とを含んだ3ml石英キュベット中に正
確に秤量添加し、次に50mMホスフェート緩衝液(pH7.
0)中の50mM過酸化水素を1.0ml添加しそして240nm(ε
=39.4)における吸光度の経時変化を測定することによ
りアッセイした。様々な培質中で培養されたアスペルギ
ルス・ニジュランス湿細胞のグリコレートオキシダーゼ
およびカタラーゼ活性は、グリコレートオキシダーゼに
ついては0.5〜2.0DCIP IU/g、そしてカタラーゼについ
ては500〜7000IU/gの範囲であった。様々な培地で培養
された(透過性化されていない)大腸菌湿細胞のグリコ
レートオキシダーゼおよびカタラーゼ活性は、グリコレ
ートオキシダーゼについては0.8〜4.0DCIP IU/g湿細
胞、そして内生カタラーゼについては1000〜2000IU/g湿
細胞の範囲であった。様々な培地で培養したハンセヌラ
・ポリモルファまたはピヒア・パストリス湿細胞(透過
性化されたもの)のグリコレートオキシダーゼおよびカ
タラーゼ活性はグリコレートオキシダーゼについては20
〜120DCIP IU/g湿細胞、また内生カタラーゼについては
30,000〜200,000IU/gの範囲であった。
グリコール酸、グリオキシル酸、シュウ酸および蟻酸の
HPLC分析 分析試料はまずMillipore Ultrafree MCフィルターユ
ニット(10,000分子量カットオフ)を通して濾過した。
グリコール酸、グリオキシル酸、シュウ酸および蟻酸の
分析は、H2SO4(0.01N)および1−ヒドロキシエタン−
1,1−ジホスホン酸(0.1mM)の水性溶液を1.0ml/分で溶
媒として用いて、Bio−Rad Aminex HPX−87Hカラム(30
0×7.8mm)での高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)
により40℃で行った。UV分析は210nmで行った。シュウ
酸、グリオキシル酸、グリコール酸、蟻酸、およびプロ
ピオン酸(内部標準)またはイソ酪酸(内部標準)の保
持時間はそれぞれ4.29、6.09、7.77、8.79、11.41およ
び13.05分であった。
実施例1 20ml圧力反応ビン(Lab Glass #LG−3921−100)
に、グリコール酸(0.750M)、エチレンジアミン(0.86
6M)、プロピオン酸(0.075M)およびフラビンモノヌク
レオチド(0.01mM)を含む溶液を1.0ml入れた(この溶
液のpH(約9.2)は調節しなかった)。その溶液を5℃
に冷却し、次いで200mgの凍結アスペルギルス・ニジュ
ランスT17細胞をそのビンに添加した。このビンにクラ
ウンキャップおよび隔膜(セプタム)(Lab Glass #LG
−3922−100)を嵌装し、次いで、22ゲージ針を用いて
純酸素で70psigへの加圧、換気を5℃で5回行った後、
酸素で70psig(483kPa)に加圧しそして針を除去した。
前記キャップは、チューブを冷水に短時間漬けそして気
泡を探すことにより漏れを点検した後、ふいて乾かし、
そして回転振盪機の頂部に取り付けられた試験管ラック
にまっすぐに立てて置いた。ビンの内容物を5℃で6時
間、300rpmで振盪後、ビンを換気し、そしてキャップを
除き、ビンの内容物を1.5ml微小遠沈管に移した。細胞
を短時間回転沈殿させ、そして100μアリコートの上
清をHPLCで分析した。次に細胞ペレットを回収グリコレ
ートオキシダーゼおよびカタラーゼ活性についてアッセ
イした。酵素活性の回収率は全細胞の当初酵素活性に対
するものとし、また100%を超える回収率は反応の過程
での細胞の透過性化に帰因している。
実施例2 300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器(Autoc
lave Engineers)に、グリコール酸(0.75M)、エチレ
ンジアミン(0.86M、pH9.2)、プロピオン酸(0.075M、
HPLC内部標準)およびフラビンモノヌクレオチド(0.01
mM)を含む溶液を75ml仕込み、そしてその溶液を15℃に
冷却した。次にその反応器に14gの凍結(−80℃)アス
ペルギルス・ニジュランスST17SYG/OL(25.2IUグリコレ
ートオキシダーゼおよび20,400IUカタラーゼ)を添加
し、そしてそれら細胞を15℃で解凍させた。得られた混
合物を、該混合物を通して酸素を20ml/分でバブリング
しながら、400rpm、15℃で70psig(483kPa)の酸素下に
撹拌した。反応は、100μアリコートの反応混合物を
規則的時間間隔をおいて採取し、そのアリコートを300
μの0.1N硫酸と混合して反応をクエンチし、そのアリ
コートを濾過しそしてHPLCにより分析することによりモ
ニターした。7時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、お
よび蟻酸の収率は、それぞれ79%、0%および0%であ
り、グリコール酸回収率は2.7%であった。グリコレー
トオキシダーゼおよびカタラーゼの最終活性は当初値の
55%および80%であった。
実施例3 300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器(Autoc
lave Engineers)に、グリコール酸(0.75M)、エチレ
ンジアミン(0.86M、pH9.2)、プロピオン酸(0.075M、
HPLC内部標準)およびフラビンモノヌクレオチド(0.01
mM)を含む溶液を100ml仕込み、そしてその溶液を5℃
に冷却した。次にその反応器に32gの凍結(−80℃)ア
スペルギルス・ニジュランスFT17SYG/OL(28.2IUグリコ
レートオキシダーゼおよび157,000IUカタラーゼ)を添
加し、そしてそれら細胞を15℃で解凍させた。得られた
混合物を、該混合物を通して酸素を30ml/分でバブリン
グしながら、400rpm、5℃で70psig(483kPa)の酵素下
に撹拌した。反応は、100μアリコートの反応混合物
を規則的時間間隔をおいて採取し、そのアリコートを30
0μの0.1N硫酸と混合して反応をクエンチし、そのア
リコートを濾過しそしてHPLCにより分析することにより
モニターした。21時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、
および蟻酸の収率は、それぞれ88.2%、0%および0%
であり、グリコール酸回収率は10.0%であった。グリコ
レートオキシダーゼおよびカタラーゼの最終活性は当初
値の0%および75%であった。
実施例4 300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器(Autoc
lave Engineers)に、グリコール酸(0.75M)、エチレ
ンジアミン(0.86M、pH9.0)、プロピオン酸(0.075M、
HPLC内部標準)およびフラビンモノヌクレオチド(0.01
mM)を含む溶液を100ml仕込み、そしてその溶液を5℃
に冷却した。次にその反応器に26gの凍結(−80℃)ア
スペルギルス・ニジュランスFT17SYG/OL(29.9IUグリコ
レートオキシダーゼおよび177,000IUカタラーゼ)を添
加し、そしてそれら細胞を5℃で解凍させた。得られた
混合物を、該混合物を通して酸素を50ml/分でバブリン
グしながら、400rpm、5℃で70psig(483kPa)の酵素下
に撹拌した。反応は、100μアリコートの反応混合物
を規則的時間間隔をおいて採取し、そのアリコートを30
0μの0.1N硫酸と混合して反応をクエンチし、そのア
リコートを濾過しそしてHPLCにより分析することにより
モニターした。23時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、
および蟻酸の収率は、それぞれ95%、0%および0%で
あり、グリコール酸は完全に転化した。グリコレートオ
キシダーゼおよびカタラーゼの最終活性は当初値の12%
および76%であった。
実施例5 300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器(Autoc
lave Engineers)に、グリコール酸(0.75M)、エチレ
ンジアミン(0.86M、pH9.0)、プロピオン酸(0.075M、
HPLC内部標準)およびフラビンモノヌクレオチド(0.01
mM)を含む溶液を100ml仕込み、そしてその溶液を5℃
に冷却した。次にその反応器に26gの凍結(−80℃)ア
スペルギルス・ニジュランスFT17SYG/OL(24IUグリコレ
ートオキシダーゼおよび192,000IUカタラーゼ)を添加
し、そしてそれら細胞を5℃で解凍させた。得られた混
合物を、該混合物を通して酸素を50ml/分でバブリング
しながら、400rpm、5℃で120psigの酸素下に撹拌し
た。反応は、100μアリコートの反応混合物を規則的
時間間隔をおいて採取し、そのアリコートを300μの
0.1N硫酸と混合して反応をクエンチし、そのアリコート
を濾過しそしてHPLCにより分析することによりモニター
した。11.5時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、および
蟻酸の収率は、それぞれ98%、0%および0%であり、
グリコール酸は完全に転化した。グリコレートオキシダ
ーゼおよびカタラーゼの最終活性は当初値の100%およ
び62%であった。
反応が完了すると、反応混合物を5℃で遠心分離しそ
して上清を傾瀉した。得られたアスペルギルス・ニジュ
ランス細胞のペレットを5℃で100mlの新たな反応混合
物に再懸濁し、そして前述と同じ条件下に反応を繰り返
した。16時間後、グリオキシル酸、シュウ酸および蟻酸
の収率はそれぞれ47%、0%および0%であり、グリコ
ール酸の回収率は54%であった。16時間目のグリコレー
トオキシダーゼおよびカタラーゼの回収活性は当初値の
91%および100%であった。
実施例6 3オンス(oz)Fischer−Porterガラス製エーロゾル
反応容器に磁気撹拌棒と、グリコール酸(0.750M)、エ
チレンジアミン(0.863M)、イソ酪酸(0.100M、HPLC内
部標準)およびフラビンモノヌクレオチド(0.01mM)を
含む10mlのpH9.0の水溶液とを入れ、そしてその溶液を
5℃に冷却した。次にその容器に0.1%“TRITON"X−100
/1凍結−解凍で処理することにより透過性化された0.75
gのピヒア・パストリス形質転換体株GS115−MSP10(30I
Uグリコレートオキシダーゼおよび38,100IUカタラー
ゼ)を添加し、そしてその反応容器を密封し、そして反
応混合物を5℃に冷却した。撹拌しながら70psigへの加
圧および大気圧への換気を5回行うことにより容器に酸
素を通し、次にその容器を70psig酸素まで加圧しそして
その混合物を5℃で撹拌した。規則的時間間隔をおいて
(容器内圧力の損失を伴うことなく)サンプル採取口を
通してシリンジによりアリコート(0.20ml)を取り出し
HPLCによる分析にかけて反応の進行をモニターした。6
時間後、グリオキシレート、フォルメートおよびオキザ
レートのHPLC収率はそれぞれ98.2%、0%および0%で
あり、またグリコレートは全く残っていなかった。残留
する透過性化細胞グリコレートオキシダーゼおよびカタ
ラーゼ活性はそれぞれ当初値の85%および117%であっ
た。
微生物細胞触媒を前述の反応混合物から遠心分離によ
り回収した。それ以上処理を行うことなく細胞ペレット
を10mlの新たな反応混合物と混合し、そして反応を繰り
返した。この触媒再循環手順を10回連続バッチ反応に対
して行った。反応時間、カタラーゼおよびグリコレート
オキシダーゼ活性の(透過性化細胞の当初活性に対す
る)回収率、およびグリオキシル酸、蟻酸、シュウ酸お
よびグリコール酸の収率を下記表に列挙する: 実施例7 Dispersimax Impeller(Autoclave Engineers)を備
えた300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器に、
グリコール酸(0.750M)、エチレンジアミン(0.863
M)、イソ酪酸(0.100M、HPLC内部標準)およびフラビ
ンモノヌクレオチド(0.01mM)を含むpH9.25の溶液を10
0ml仕込み、そしてその溶液を5℃に冷却した。次にそ
の反応器に0.1%塩化ベンザルコニウム(Sigma)処理に
より透過性化された5.0gのピヒア・パストリス形質転換
体株GS115−MSP10(423IUグリコレートオキシダーゼお
よび869,000IUカタラーゼ)を添加し、そしてその反応
器を酸素でパージした。次にその混合物を1000rpm(こ
れによりタービンインペラーの作用を介して混合物を通
して酸素気泡が生じた)、および5℃で120psigの酸素
下に撹拌した。反応は、0.40mlアリコートの反応混合物
を規則的時間間隔をおいて採取し、そのアリコートをMi
llipore Ultrafree−MC 10,000 NMWL Filter Unitを用
いて濾過し、そしてその濾液をHPLCにより分析すること
によりモニターした。1.0時間後、グリオキシル酸、シ
ュウ酸、および蟻酸の収率はそれぞれ98.7%、1.3%お
よび0%であり、グリコール酸は全く残留していなかっ
た。透過性化細胞グリコレートオキシダーゼおよびカタ
ラーゼの回収活性はそれぞれ当初値の87%および84%で
あった。
微生物細胞触媒を前述の反応混合物から遠心分離によ
り回収した。それ以上処理を行ことなく細胞ペレットを
100mlの新たな反応混合物と混合し、そして反応を繰り
返した。この触媒再循環手順を20回連続バッチ反応に対
して行った。反応時間、カタラーゼおよびグリコレート
オキシダーゼ活性の(透過性化細胞の当初活性に対す
る)回収率、およびグリオキシル酸、蟻酸、シュウ酸お
よびグリコール酸の収率を下記表に列挙する: 実施例8 Dispersimax Impeller(Autoclave Engineers)を備
えた300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器に、
グリコール酸(0.750M)、エチレンジアミン(0.863
M)、イソ酪酸(0.100M、HPLC内部標準)およびフラビ
ンモノヌクレオチド(0.01mM)を含むpH9.25の溶液を10
0ml仕込み、そしてその溶液を5℃に冷却した。次にそ
の反応器に0.1%Triton X−100/6凍結−解凍処理により
透過性化された2.0gのピヒア・パストリス形質転換体株
GS115−MSP10(276IUグリコレートオキシダーゼおよび4
94,000IUカタラーゼ)を添加し、そしてその反応器を酸
素でパージした。次にその混合物を1000rpm(これによ
りタービンインペラーの作用を介して混合物を通して酸
素気泡が生じた)、および5℃120psigの酸素下に撹拌
した。反応は、0.40mlアリコートの反応混合物を規則的
時間間隔をおいて採取し、そのアリコートをMillipore
Ultrafree−MC 10,000 NMWL Filter Unitを用いて濾過
し、そしてその濾液をHPLCにより分析することによりモ
ニターした。0.75時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、
および蟻酸の収率はそれぞれ99.1%、0.3%および0%
であり、0.6%のグリコール酸が残留していた。透過性
化細胞グリコレートオキシダーゼおよびカタラーゼの回
収活性はそれぞれ当初値の104%および105%であった。
微生物細胞触媒を前述の反応混合物から遠心分離によ
り回収した。それ以上処理を行うことなく細胞ペレット
を100mlの新たな反応混合物と混合し、そして反応を繰
り返した。1.0時間後、グリオキシル酸、シュウ酸およ
び蟻酸の収率はそれぞれ99.7%、0.3%および0%であ
り、グリコール酸は全く残留していなかった。透過性化
細胞グリコレートオキシダーゼおよびカタラーゼの回収
活性はそれぞれ当初値の101%および85%であった。こ
の触媒再循環手順を5回連続バッチ反応に対して行っ
た。反応時間、カタラーゼおよびグリコレートオキシダ
ーゼ活性の(透過性化細胞の当初活性に対する)回収
率、およびグリオキシル酸、蟻酸、シュウ酸およびグリ
コール酸の収率を下記表に列挙する: 実施例9 Dispersimax Impeller(Autoclave Engineers)を備
えた300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器に、
グリコール酸(1.500M)、エチレンジアミン(1.575
M)、イソ酪酸(0.300M、HPLC内部標準)およびフラビ
ンモノヌクレオチド(0.01mM)を含むpH9.25の溶液を10
0ml仕込み、そしてその溶液を5℃に冷却した。次にそ
の反応器に0.1%Triton X−100/1凍結−解凍処理により
透過性化された2.0gのピヒア・パストリス形質転換体株
GS115−MSP10(114IUグリコレートオキシダーゼおよび1
48,000IUカタラーゼ)を添加し、そしてその反応器を酸
素でパージした。次にその混合物を1000rpm(これによ
りタービンインペラーの作用を介して混合物を通して酸
素気泡が生じた)、および5℃で120psigの酸素下に撹
拌した。反応は、0.40mlアリコートの反応混合物を規則
的時間間隔をおいて採取し、そのアリコートをMillipor
e Ultrafree−MC 10,000 NMWL Filter Unitを用いて濾
過し、そしてその濾液をHPLCにより分析することにより
モニターした。4.5時間後、グリオキシル酸、シュウ
酸、および蟻酸の収率はそれぞれ98.0%、0.4%および
0%であり、グリコール酸は全く残留していなかった。
透過性化細胞グリコレートオキシダーゼおよびカタラー
ゼの最終活性はそれぞれ当初値の136%および113%であ
った。
実施例10 3オンス(oz)Fischer−Porterガラス製エーロゾル
反応容器に磁気撹拌棒と、グリコール酸(0.750M)、エ
チレンジアミン(0.863M)、イソ酪酸(0.100M、HPLC内
部標準)およびフラビンモノヌクレオチド(0.01mM)を
含む10mlのpH9.0の水溶液とを入れ、そしてその溶液を
5℃に冷却した。次にその容器に0.1%Triton X−100/1
凍結−解凍で処理することにより透過性化された0.47g
のハンセヌラ・ポリモルファ形質転換体株GO1(10.0IU
グリコレートオキシダーゼおよび22,100IUカタラーゼ)
を添加し、そしてその反応容器を密封し、そして反応混
合物を5℃に冷却した。撹拌しながら70psigへの加圧お
よび大気圧への換気を5回行うことにより容器に酸素を
通し、次にその容器を70psig酸素まで加圧しそしてその
混合物を5℃で撹拌した。規則的時間間隔をおいて(容
器内圧力の損失を伴うことなく)サンプル採取口を通し
てシリンジによりアリコート(0.20ml)を取り出しHPLC
による分析にかけて反応の進行をモニターした。16時間
後、グリオキシレート、フォルメートおよびオキザレー
トのHPLC収率はそれぞれ97.1%、2.9%および0%であ
り、またグリコレートは全く残っていなかった。残留す
る透過性化細胞グリコレートオキシダーゼおよびカタラ
ーゼ活性はそれぞれ当初値の107%および231%であっ
た。
実施例11 300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器(Autoc
lave Engineers)に、グリコール酸(0.750M)、エチレ
ンジアミン(0.863M)、イソ酪酸(0.100M、HPLC内部標
準)およびフラビンモノヌクレオチド(0.01mM)を含む
pH9.3の溶液を100ml仕込み、そしてその溶液を5℃に冷
却した。次にその反応器に0.1%Triton X−100/1凍結−
解凍処理により透過性化された11.9gのハンセヌラ・ポ
リモルファ形質転換体GO1(100Iuグリコレートオキシダ
ーゼおよび998,000IUカタラーゼ)を添加し、そしてそ
の反応器を酸素でパージした。次にその混合物を500rpm
および5℃で120psigの酸素下に撹拌し、そして反応混
合物の表面下に位置したスパージ管を用いて酸素をその
混合物を通して100ml/分でバブリングした。反応は、0.
40mlアリコートの反応混合物を規則的時間間隔をおいて
採取し、そのアリコートをMillipore Ultrafree−MC 1
0,000 NMWL Filter Unitを用いて濾過し、そしてその濾
液をHPLCにより分析することによりモニターした。2.25
時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、および蟻酸の収率
はそれぞれ100%、0%および0%であり、リコール酸
は全く残留していなかった。透過性化細胞グリコレート
オキシダーゼおよびカタラーゼの回収活性はそれぞれ当
初値の158%および82%であった。
実施例12 実施例6の反応を、0.1%Triton X−100/1凍結−解凍
で処理することにより透過性化された15.0gのハンセヌ
ラ・ポリモルファ形質転換体GO1(109IUグリコレートオ
キシダーゼおよび530,000IUカタラーゼ)を用いて繰り
返した。その混合物を500rpmおよび5℃で120psigの酸
素下に撹拌し、そして反応混合物の表面下に位置するス
パージ管を用いてその混合物を通して50ml/分で酸素を
バブリングした。3.75時間後、グリオキシル酸、シュウ
酸、および蟻酸の収率はそれぞれ100%、0%および0
%であり、グリコール酸は全く残留していなかった。透
過性化細胞グリコレートオキシダーゼおよびカタラーゼ
の回収活性はそれぞれ当初値の85%および166%であっ
た。
実施例13 実施例6の反応を、0.1%Triton X−100/1凍結−解凍
で処理することにより透過性化された15.0gのハンセヌ
ラ・ポリモルファ形質転換体GO1(51IUグリコレートオ
キシダーゼおよび730,000IUカタラーゼ)を用いて繰り
返した。その混合物を1250rpm(これによりDispersimax
タービンインペラーの作用を介して混合物を通して酸素
気泡が生じた)、5℃で120psigの酸素下に撹拌した。
4.0時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、および蟻酸の
収率はそれぞれ97.5%、0%および0%であり、0.6%
のグリコール酸が残留していた。透過性化細胞グリコレ
ートオキシダーゼおよびカタラーゼの回収活性はそれぞ
れ当初値の132%および129%であった。
実施例14 Dispersimax Impeller(Autoclave Engiheers)を備
えた300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器に、
グリコール酸(0.750M)、エチレンジアミン(0.863
M)、イソ酪酸(0.100M、HPLC内部標準)およびラビン
モノヌクレオチド(0.01mM)を含むpH9.3の溶液を100ml
仕込み、そしてその溶液を5℃に冷却した。次にその反
応器に0.1%Triton X−100/1凍結−解凍処理により透過
性化された15.0gのハンセヌラ・ポリモルファ形質転換
体GO1(262IUグリコレートオキシダーゼおよび1.135×1
06IUカタラーゼ)を添加し、そしてその反応器を酸素で
パージした。次にその混合物を1000rpm(これによりタ
ービンインペラーの作用を介して混合物を通して酸素気
泡が生じた)、および5℃で250psigの酸素下に撹拌し
た。反応は、0.40mlアリコートの反応混合物を規則的時
間間隔をおいて採取し、そのアリコートをMillipore Ul
trafree−MC 10,000 NMWL Filter Unitを用いて濾過
し、そしてその濾液をHPLCにより分析することによりモ
ニターした。1.0時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、
および蟻酸の収率はそれぞれ96.9%、0.3%および0%
であり、グリコール酸は全く残留していなかった。透過
性化細胞グリコレートオキシダーゼおよびカタラーゼの
回収活性はそれぞれ当初値の98%および124%であっ
た。
微生物細胞触媒を前述の反応混合物から遠心分離によ
り回収した。それ以上処理を行うことなく細胞ペレット
を100mlの新たな反応混合物と混合し、そして反応を繰
り返した。この触媒再循環手順を8回連続バッチ反応に
対して行った。反応時間、カタラーゼおよびグリコレー
トオキシダーゼ活性の(透過性化細胞の当初活性に対す
る)回収率、およびグリオキシル酸、蟻酸、シュウ酸お
よびグリコール酸の収率を下記表に列挙する: 実施例15 実施例9の反応を繰り返したが、ただしFMNは反応混
合物に添加しなかった。触媒は、0.1%Triton X−100/1
凍結−解凍処理により透過性化された5.0gのハンセヌラ
・ポリモルファ形質転換体GO1(880IUグリコレートオキ
シダーゼおよび453,000IUカタラーゼ)であった。触媒
再循環手順を、FMNを添加しない20回連続バッチ反応に
対して行った。反応時間、カタラーゼおよびグリコレー
トオキシダーゼ活性の(透過性化細胞の当初活性に対す
る)回収率、およびグリオキシル酸、蟻酸、シュウ酸、
およびグリコール酸の収率を下記表に列挙する: 実施例16 300ml EZE−Seal撹拌式オートクレーブ反応器(Autoc
lave Engineers)に、グリコール酸(0.750M)、エチレ
ンジアミン(0.863M)、イソ酪酸(0.100M、HPLC内部標
準)およびフラビンモノヌクレオチド(0.01mM)を含む
pH9.2の溶液を100ml仕込み、そしてその溶液を5℃に冷
却した。次にその反応器に30gの大腸菌形質転換体d01
(72IUグリコレートオキシダーゼおよび29,600IUカタラ
ーゼ)を添加し、その混合物を、1000rpm(これにより
タービンインペラーの作用を介して混合物を通して酸素
気泡が生じた)、5℃で120psigの酸素下に撹拌した。
反応は、0.40mlアリコートの反応混合物を規則的時間間
隔をおいて採取し、そのアリコートをMillipore Ultraf
ree−MC 10,000 NMWL Filter Unitを用いて濾過しそし
てHPLCにより濾液を分析することによりモニターした。
23時間後、グリオキシル酸、シュウ酸、および蟻酸の収
率は、それぞれ74.4%、1.1%および5.6%であり、6.3
%のグリコール酸が残留していた。微生物グリコレート
オキシダーゼおよびカタラーゼの回収活性はそれぞれ当
初値の30%および199%であった。
以上、本発明をある程度の具体性をもって説明し例示
してきたが、以下の請求の範囲はそのように限定される
べきでなく、請求項の各要素およびその等価物の記載に
準じた範囲が与えられべきであることを理解すべきであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デイコージモ,ロバート アメリカ合衆国デラウエア州 19808. ウイルミントン.フオークスドライブ 2817 (56)参考文献 国際公開91/5868(WO,A1) Bichemistry,Vol. 30,No.18(1991)p.4612−4619 Biochim.Biophys.A cta,Vol.1132,No.1 (1992)p.11−16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 7/40 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 遺伝子工学の結果として酵素グリ
    コレートオキシダーゼである(S)−2−ヒドロキシ酸
    オキシダーゼを発現し、グリコレートオキシダーゼの有
    効濃度範囲0.01〜100IU/mlを達成する有効量の微生物の
    全細胞であって、アスペルギルス・ニジユランス(Aspe
    rgillus nidulans)またはピヒア・パストリス(Pichia
    pastoris)に属する、微生物の全細胞の存在する水性
    溶液中で、グリコール酸をグリオキシル酸に触媒的に転
    換するのに十分な時間、該水性溶液に酸素をスパージン
    グすることによりグリコール酸と酸素とを接触させる工
    程、および (b) グリオキシル酸を回収する工程 を含んで成るグリオキシル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】前記微生物の全細胞が酵素カタラーゼを同
    時発現し、カタラーゼの有効濃度範囲50〜100,000IU/ml
    を達成する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記グリコール酸と酸素との接触を、グリ
    オキシル酸とのアダクツを形成し得るアミンの存在下に
    7〜10のpHで行い、その際アミン/グリコール酸当初モ
    ル比を1.0〜3.0とし、そして前記グリコール酸を当初に
    200mM〜2500mMの濃度で存在させる請求項2記載の方
    法。
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