JP3183361U - 管路保護カバー - Google Patents

Abstract

【課題】保温・保冷の断熱管路において、不定形露出箇所の断熱を実現する保護カバーにおいて、耐候性と雨水対応性の機能を向上させた管路保護カバーを提供する。
【解決手段】所定の断熱管路における被覆対象の外形状に密着する内側凹部を備える形状に形成されて被覆対象全体を断熱被覆する保護カバーであつて、外側被覆面１の防水布をフッ素コーティングガラスクロスで形成し、内側被覆面をガラスクロス３１で形成すると共に、内外被覆面の間に、グラスファイバー不織布にシリカエアロジェルを含浸させた撥水断熱シート２１で構成され断熱層２を設け、被覆対象への装着被覆を可能とする分割体Ｄに形成すると共に、外周面適宜箇所に面ファスナーを備えた連結舌片５を突設し、被覆装着時に最下方となる部分の防水布に、ドレン孔１１を形成してなる。
【選択図】図２

Description

本考案は、各種工場内や発電所内で、管路における熱エネルギー損失を防止するために採用されている断熱管路に装着される管路保護カバーに関するものである。

断熱管路の途中に設けられたフランジ部分や三叉路部分やバルブ介設箇所等のように、不定形で断熱が必要である被覆対象箇所には、管路保護カバーが装着されており、従前より管路保護カバーについては、本出願人が種々提案している。

特許文献１（登録実用新案３１３５０３７２号公報図３）には、内部に断熱材を充填したポリテトラフロロエチレン（ＰＴＦＥ）の押し出しフィルムで形成したシート材で、被覆対象の配管形状と一致する外形を備え、且つ前記配管形状に対して装着可能な分離縁を有するように立体縫合で形成すると共に、分離縁の一方の所定箇所に重合舌片を延設し、重合舌片及び配管装着時に重合舌片と対接する表面に面ファスナーを設けて、着脱自在としている保護カバーが開示されている。

また特許文献２（登録実用新案３１３５０３７２号公報図９）には、フッ素コーティングガラスクロスの内部に発泡断熱ゴム材を充填し、前記の保護カバーと同様に配管形状と対応した分割形状に形成し、重合舌片と面ファスナーを設けて、着脱自在としている保護カバーが開示されている。

登録実用新案３１３５０３７２号公報図３。 登録実用新案３１３５０３７２号公報図９。

特許文献１，２に開示されている保護カバーは、基本的に耐水構造として、屋外使用にも耐え得るが、内外温度差による結露の発生や、複雑な形状に対応するために、断熱布団の分割組み合せ構造を採用し、重合舌片による面ファスナーでの連結を採用した結果、当接箇所の隙間から内部に雨水が侵入することを防止できない。

そこで本考案は、耐候性に優れ、また雨水対策の改良をなした管路保護カバーを提案したものである。

本考案（請求項１）に係る管路保護カバーは、所定の断熱管路における被覆対象の配管露出外形状に密着する内側凹部を備える形状に形成されて被覆対象全体を断熱被覆する保護カバーであって、外側被覆面の防水布をフッ素コーティングガラスクロスで形成し、内側被覆面をガラスクロスで形成すると共に、内外被覆面の間に、グラスファイバー不織布にシリカエアロジェルを含浸させた撥水断熱シートで構成される断熱層を設け、被覆対象への装着被覆を可能とする分割体に形成すると共に、外周面適宜箇所に面ファスナーを備えた連結舌片を突設し、被覆装着した際の前記面ファスナーとの対応位置に面ファスナー受け部を設けてなり、被覆装着時に最下方となる部分の防水布に、ドレン孔を形成してなることを特徴とするものである。

而して被覆対象に前記管路保護カバーを被覆装着し、面ファスナーの絡着による連結舌片での分割体一体化を図り、保護カバーを被覆対象に密着装着する。従って内部に雨水が侵入し難くなっている。而も外側被覆面の防水布にフッ素コーティングガラスクロスを採用し、断熱層に撥水断熱シートを採用することによって、耐候性に優れ、また断熱層が水を抱え込むことが無く、外側被覆面と撥水断熱シートの間に結露が生じた場合でも、最下位置に設けたドレン孔から外部に放出される。

また本考案（請求項２，３）に係る管路保護カバーは、内側被覆面のガラスクロスの内側に保水機能を備えた（例えばニードルガラスマット）保水層を形成してなるもので、僅かの隙間から雨水が侵入した場合、撥水断熱カバーと外側被覆面との間への進入は結露同様にドレン孔から排出し、撥水断熱シートの内側に侵入した場合には、下方へ流下させず、前記保水層で保持して自然に蒸発乾燥させるものである。

本考案の構成は上記のとおりで、断熱層に撥水断熱シートを採用したことで、雨水や結露に対しての耐久力を増加させ、且つ結露についてはドレン孔を設けることで結露の排出を可能とし、管路保護カバーの機能性を高めたものである。

本考案の実施形態の全体斜視図。 同一部切断した正面図。 同使用対象の説明図。

次に本考案の実施形態について説明する。実施形態に示した管路保護カバーは、基本的に従前のものと同様に、図３に示したように保温・保冷の管路Ａにおいて、その途中に設けられている管連結のためのフランジ部や開閉弁を断熱被覆するためのもので、被覆対象Ｂの配管露出外形状に密着する内側凹部Ｃを備える立体形状に形成したものである。

その基本構成は外側被覆面（防水布）１、撥水断熱層２、内側被覆面３の三層層構造で、前記内側凹部Ｃを備えた全体の装着被覆を可能とする分割体Ｄ，Ｅに形成すると共に、外周面（外側被覆面１）適宜箇所に、面ファスナー４を備えた連結舌片５を分割体Ｄ，Ｅの形状に合わせて突設し、被覆装着した際の前記面ファスナー４との対応位置に面ファスナー受け部６を設けてなる。

外側被覆面（防水布）１は、フッ素コーティングガラスクロスで形成したものであり、撥水断熱層２は、グラスファイバー不織布にシリカエアロジェルを含浸させた撥水断熱シート（ニチアス株式会社製・商標名・パイロジェルＸＴのような低熱伝導率フレキシブル保温材）２１と、前記の撥水断熱シート２１に内包させたロックウールフェルト２２で構成される。尚撥水断熱層２の厚さ（保温厚）を薄くする場合には、前記ロックウールフェルト２２は省略できる。

また特に被覆対象Ｂへ覆装着時に最下方となる部分の防水布に、ドレン孔１１を設けると共に、ドレン孔１１で露出する撥水断熱シート２１の表面をステンレス製網２３で被覆してなる。

内側被覆面３は、被覆対象と当接する面をガラスクロス３１で形成すると共に、前記ガラスクロス３１の内側に保水機能を備えたニードルガラスマットで形成してなる保水層３２を設けたものである。

また面ファスナー４及び面ファスナー受け部６にポリエステル製を採用したものである。

而して被覆対象Ｂに前記管路保護カバーを被覆装着し、面ファスナー４と面ファスナー受け部６との絡着によって分割体Ｄ・Ｅを一体化し、保護カバーを被覆対象Ｂに密着装着し、管路の断熱（熱エネルギー損失の防止）を実現するものである。

特にフッ素コーティングガラスクロスによる外側被覆面１を採用し、撥水断熱層２に撥水断熱シート２１を採用することによって、撥水断熱層２が水を抱え込むことが無く、外側被覆面１と撥水断熱シート２１の間に結露が生じた場合でも、最下位置に設けたドレン孔から外部に放出される。

更に内部に雨水が侵入した場合でも、撥水断熱シート２１には浸透することなく、保水層３２で保持して、保温管路の場合には管路の熱で蒸発し、保冷管路の場合には、自然に乾燥させるものである。

１ 外側被覆面（防水布）
１１ ドレン孔
２ 撥水断熱層
２１ 撥水断熱シート
２２ ロックウールフェルト
２３ ステンレス製網
３ 内側被覆面
３１ ガラスクロス
３２ 保水層（ニードルガラスマット）
４ 面ファスナー
５ 連結舌片
６ 面ファスナー受け部

Claims (6)

1. 所定の断熱管路における被覆対象の配管露出外形状に密着する内側凹部を備える形状に形成されて被覆対象全体を断熱被覆する保護カバーであって、外側被覆面の防水布をフッ素コーティングガラスクロスで形成し、内側被覆面をガラスクロスで形成すると共に、内外被覆面の間に、グラスファイバー不織布にシリカエアロジェルを含浸させた撥水断熱シートで構成される断熱層を設け、被覆対象への装着被覆を可能とする分割体に形成すると共に、外周面適宜箇所に面ファスナーを備えた連結舌片を突設し、被覆装着した際の前記面ファスナーとの対応位置に面ファスナー受け部を設けてなり、被覆装着時に最下方となる部分の防水布に、ドレン孔を形成してなることを特徴とする管路保護カバー。
2. 内側被覆面のガラスクロスの内側に保水機能を備えた保水層を形成してなる請求項１記載の管路保護カバー。
3. 保水層がニードルガラスマットで形成してなる請求項２記載の管路保護カバー。
4. ドレン孔に露出する撥水断熱シートの表面をステンレス製網で被覆してなる請求項１乃至３記載の何れかの管路保護カバー。
5. 断熱層を撥水断熱シートで全体が被覆されたロックウールフェルトで構成してなる請求項１乃至４記載の何れかの管路保護カバー。
6. 面ファスナー及び面ファスナー受け部をポリエステル製としてなる請求項１乃至５記載の何れかの管路保護カバー。

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