以下、本明細書と図面に開示された本考案の実施形態は、本考案の技術内容をより分かりやすく説明し、本考案の理解を助けるために実施例を挙げたことに過ぎず、本考案の範囲を限定するものではない。ここに開示された実施形態以外にも、本考案の技術的思想に基づく他の変形例も実施可能であることは、本考案の属する技術分野における当業者に自明なことである。
本考案が所定の目的を達成するために採用する技術、手段及びその効果をさらに詳細的で具体的に説明するために、以下に本考案に関わる詳しい説明及び添付図面を参照することにより、深く且つ具体的な理解を得られるが、それらの添付図面が参考及び説明のみに使われ、本考案の主張範囲を狭義的に局限するものではないことは言うまでもないことである。
図1は、本考案に係るビデオ記録装置が交通手段に搭載される状態の模式図を示すものである。図1に示すように、本考案に係るビデオ記録装置1は交通手段9に搭載される。捕捉ユニット13は本体11から分離される。捕捉ユニット13は、運転席の計器盤に配置される。また、捕捉ユニット13は、伝送ケーブルを介して本体11に電気的に接続される。本体11は、車内の電源装置に電気的に接続されるように車内に配置される。
捕捉ユニット13は、映像捕捉ユニットと音声捕捉ユニットを含む。映像捕捉ユニットは、例えば電荷結合素子(charge―coupled Device、CCD)又は相補型金属酸化膜半導体センサ(Complementary Metal―Oxide Semiconductor Sensor、CMOS Sensor)などのものである。音声捕捉ユニットはマイクロフォンである。即ち、捕捉ユニット13は、交通手段の周囲環境の映像と音声を捕捉することによって捕捉信号を生成するためのものである。また、他の実施例において、本体11は、複数の捕捉ユニット13に電気的に接続されるようにしてもよい。また、捕捉ユニット13は、交通手段9のフロントバンパー、リアバンパー、左右のバックミラー、車内又は交通手段9の外部ハウジングなどの任意な箇所に設置されるようにしてもよい。即ち、本考案において、捕捉ユニット13の形態、数量及び配置位置について特に限定さていない。
本考案において、本体11は、プロセッサユニット、記憶ユニット、検知ユニット、出力ユニット及び入力ユニットを含むが、これに限定されるものではない。図1に示すように、ビデオ記録装置1は、分離式装置である。捕捉ユニット13は、本体11の外部に外付けされる。他の実施例において、ビデオ記録装置1は、捕捉ユニット13が本体11に設置されるように一体成形の装置であってもよい。具体的に言えば、ビデオ記録装置1は、例えば車内の計器盤に設置される一体成形のイベントデータレコーダー(event data recorder)などの装置であってもよい。また、図1に示すビデオ記録装置1における捕捉ユニット13と本体11は例示に過ぎず、図1に限定されるものではない。
図2は、本考案の他の実施例のビデオ記録装置の機能ブロックの模式図を示すものである。図2に示すように、ビデオ記録装置2は交通手段(図示せず)に搭載される。ビデオ記録装置2は、プロセッサユニット10、捕捉ユニット12、記憶ユニット14及び検知ユニット16を含む。また、ビデオ記録装置2は、例えばイベントデータレコーダー、航海データ記録装置(voyage data recorder)又はデジタル飛行データ記録装置(digital flight data recorder)などの装置であってもよい。説明の便宜上、本実施例において、イベントデータレコーダーをビデオ記録装置2として説明する。
本考案に係るビデオ記録装置2は、捕捉ユニット12により交通手段の周囲環境の映像と音声を捕捉することによって複数の捕捉信号VSを生成する。捕捉ユニット12は、捕捉信号VSをプロセッサユニット10に伝送する。検知ユニット16が検知信号DSをプロセッサユニット10に伝送した場合、プロセッサユニット10は、検知信号DSと捕捉信号VSに基づいて保存信号CSを生成し、周期期間で保存信号CSを記憶する。この場合、プロセッサユニット10は、記憶ユニット14に記憶されている保存信号CSを上書き又は削除しない。
また、繰り返して撮影していない場合若しくは所定のファイル数に到達していない場合、プロセッサユニット10は保存信号CSを上書き又は削除しない。例えば、記憶ユニット14が複数の保存信号CSを記憶して、且つ保存信号CSの数量が10組に到達していない場合、プロセッサユニット10は、保存信号CSを上書き又は削除しない。一方、保存信号CSの数量が10組に到達した場合、プロセッサユニット10は、時間順序で記録時間が早い第1組の保存信号CSを削除することができる。また、プロセッサユニット10について、ユーザーのニーズに応じて自由に設定することもできる。また、本考案において、繰り返して撮影していない場合若しくは所定のファイル数に到達していない場合、プロセッサユニット10が保存信号CSを上書き又は削除しないという動作方式に限定されておらず、ユーザーのニーズに応じて自由に設定することができる。
また、本考案に係るビデオ記録装置2は、交通手段のブラックボックス(black box、例えばフライトデータレコーダー (FDR) やコックピットボイスレコーダー (CVR)など)として使用してもよい。例を挙げて説明すると、ビデオ記録装置2の搭載されてある交通手段が他の交通手段と衝突した場合、ビデオ記録装置2は検知信号DSと捕捉信号VSに基づいてこの事件の過程を完全に記録した保存信号CSを生成すると共に、この事件の保存信号CSを上書き又は削除することができないように周期期間でこの事件の保存信号CSを記憶する。これにより、ビデオ記録装置2は、事件の過程を完全に記録する信頼性を向上することができる。続いて、ビデオ記録装置2の詳細な構造と動作について説明する。捕捉ユニット12は、プロセッサユニット10に電気的に接続される。また、捕捉ユニット12は、交通手段の周囲環境の映像と音声を捕捉することによって、複数の捕捉信号VSを生成する。また、捕捉ユニット12は、交通手段の周囲環境の映像と音声を即時に捕捉することによって複数の捕捉信号VSを生成することができるための例えば電荷結合素子又は相補型金属酸化膜半導体センサなどのものである。この場合、捕捉ユニット12は、捕捉信号VSをプロセッサユニット10に即時に伝送することができる。また、本実施例において、捕捉ユニット12の形態及び信号を伝送する方法について特に限定されていない。
プロセッサユニット10は、捕捉ユニット12、記憶ユニット14及び検知ユニット16に電気的に接続される。プロセッサユニット10は、ビデオ記録装置2における各ユニットのエンコード/デコード、演算、処理及び信号の生成などを執行することができる例えば中央演算処理装置(CPU)又はマイクロ・コントローラー・ユニット(MCU)などのものである。この場合、プロセッサユニット10は、複数の捕捉信号VSを受信して一時記憶信号TSを生成すると共に、周期期間で一時記憶信号TSを記憶する。一時記憶信号TSは、記憶ユニット14で所定の時間だけに保留されている。プロセッサユニット10は、所定の時間で一時記憶信号TSを上書き又は削除する。
従来のイベントデータレコーダーとは異なり、本考案に係るビデオ記録装置2において、プロセッサユニット10が検知信号DSを受信していない場合、従来のイベントデータレコーダーと同様に、交通手段の周囲環境の映像と音声を記録することによって、プロセッサユニット10で上書き又は削除されることのできる一時記憶信号TSを生成することができる。一方、プロセッサユニット10が検知信号DSを受信した場合、プロセッサユニット10は、検知信号DSに基づいて捕捉信号VSを保存信号CSにエンコードすると共に、記憶ユニット14に記憶されている保存信号CSを上書き又は削除しないように周期期間で保存信号CSを記憶する。これにより、従来のイベントデータレコーダーと比べると、本考案に係るビデオ記録装置2は、特別の事件に関する信号を保存することができる。
詳しく説明すると、プロセッサユニット10は、少なくとも一つの周期期間で捕捉信号VSをエンコードする。プロセッサユニット10は周期期間で検知信号DSを受信していないと判定した場合、プロセッサユニット10は、捕捉信号VSを、上書き又は削除できる一時記憶信号TSにエンコードすると共に、この一時記憶信号TSを記憶ユニット14に記憶する。一方、プロセッサユニット10は周期期間で検知信号DSを受信したと判定した場合、プロセッサユニット10は、捕捉信号VSを、上書き又は削除できない保存信号CSにエンコードすると共に、この保存信号CSを記憶ユニット14に記憶する。
例を挙げて説明すると、検知ユニット16が検知信号DSを生成しない時、捕捉ユニット12は、複数の捕捉信号VSをプロセッサユニット10に即時に伝送する。もちろん、プロセッサユニット10は、これらの捕捉信号VSをエンコードして周期期間(例えば5分間など)で一時記憶信号TSを生成する。プロセッサユニット10が検知信号DSを受信していない場合、プロセッサユニット10は、5分間ごとに一時記憶信号TSを生成して、生成した一時記憶信号TSを記憶ユニット14に記憶する。
検知ユニット16が検知信号DSを生成した場合、プロセッサユニット10は、検知信号DSに基づいてこれらの捕捉信号VSをエンコードして、周期期間で保存信号CSを生成する。これにより、保存信号CSを有する周期期間が保存されているため、上書き又は削除されることはない。一方、一時記憶信号TSを有する周期期間は上書き又は削除されることができる。もちろん、周期期間はユーザーのニーズに応じて設計することができる。本実施例において、周期期間の時間は特に限定さていない。
検知ユニット16は、プロセッサユニット10に電気的に接続されており、交通手段の状態を検知することによって検知信号DSを生成する。検知ユニット16は、例えば振動センサ(G−sensor)である。本実施例において、検知ユニット16の形態は特に限定さていない。また、検知ユニット16は、交通手段に搭載されており、交通手段が所定の振動値以上の振動を受けた時、検知信号DSをプロセッサユニット10に伝送する。この場合、プロセッサユニット10は、検知信号DSに基づいて捕捉信号VSを保存信号CSにエンコードすると共に、記憶ユニット14に記憶されている保存信号CSを上書き又は削除しない。
例を挙げて説明すると、振動センサは、自動車に搭載されており、その振動値が0.2Gに設定される。自動車が走行中で0.2G以上の振動を受けた場合、例えば自動車が窪みのある道路に走行して0.5Gの振動を受けた場合、検知ユニット16は、0.5Gを表す検知信号DSをプロセッサユニット10に伝送する。すると、プロセッサユニット10は、検知信号DSに基づいて捕捉信号VSを保存信号CSにエンコードする。この場合、プロセッサユニット10は、保存信号CSを上書き又は削除しない。また、本実施例において、所定の振動値の数値は特に限定さていない。
記憶ユニット14は、例えば装置内部のメモリ、外付けのメモリ又はキャッシュメモリなどの信号を記憶することができるメモリである。本実施例において、記憶ユニット14の形態は、特に限定さていない。また、記憶ユニット14は、プロセッサユニット10に電気的に接続されており、例えば一時記憶信号TSと保存信号CSなどの二種類の信号を記憶する。一時記憶信号TSは所定の時間で上書き又は削除される信号である。一方、保存信号CSは上書き又は削除されない信号である。一時記憶信号TSと保存信号CSは、プログラムの設計により区別できる。例を挙げて説明すると、一時記憶信号TSは、一般のビデオ信号であり、保存信号CSは標記を有するビデオ信号、リードオンリーのビデオ信号、若しくは上書き又は削除されないビデオ信号である。また、本実施例において、一時記憶信号TS及び保存信号CSの形態は特に限定されておらず、当業者が自由に設計すればよい。
例を挙げて説明すると、本考案において、ビデオファイルのフォーマットは、MPEG、AVI、WAV、WMA、MOV、RM、RMVBなどのフォーマットであってもよい。実際の例を挙げて説明すると、一時記憶信号TSは例えば201208080800.AVIというビデオファイルでり、保存信号CSは例えば@201208080800.AVIという標記のあるファイル名を有するビデオファイルである。標記のあるファイル名を有するビデオファイルの標記は、@、#、&、*又は特殊の符号に使用してもよく、特に限定されていない。標記のあるファイル名を有するビデオファイルのファイル名は、各種の数字、文字又は符号で任意に組み合わせるようにしてもよく、特に限定されていない。本実施例において、一時記憶信号TS及び保存信号CSのファイル名の形態は特に限定されていない。
一方、他の実施例において、保存信号CSは、ビデオフォーマットを表記したビデオファイルであってもよい。実際の例を挙げて説明すると、一時記憶信号TSは例えば201208080800.AVIというビデオファイルでり、保存信号CSは例えば201208080800.MPEGというビデオフォーマットを表記したビデオファイルである。ビデオフォーマットを表記したビデオファイルは、MPEG、AVI、WAV、WMA、MOV、RM、RMVBなどのビデオファイルのフォーマットであってもよく、特に限定されていない。ビデオフォーマットを表記したビデオファイルは、一時記憶信号TS及び保存信号CSを区別するのに用いられることができる。また、本実施例において、一時記憶信号TS及び保存信号CSのビデオフォーマットの形態は特に限定されておらず、当業者が自由に設計すればよい。
また、ビデオ記録装置2は、例えば5時間のビデオファイルを記憶することができる。この場合、記憶ユニット14は、5時間の一時記憶信号TS又は保存信号CSを記憶できる容量を有することが必要である。例えば、記憶ユニット14は、一時記憶信号TSを記憶する容量がいっぱいになった場合、現在の一時記憶信号TSが5時間前の一時記憶信号TSを上書き又は削除するようになっている。そして、一時記憶信号TSが記憶ユニット14に所定の時間で記憶されている。プロセッサユニット10は、所定の時間で一時記憶信号TSを上書き又は削除する。また、本実施例において、記憶ユニット14の記憶容量及び記憶ユニット14が一時記憶信号TSを記憶する所定の時間は、特に限定されていない。
また、ビデオ記憶装置2は電源ユニット18を更に含む。電源ユニット18は、外部電力又は緊急電力をビデオ記憶装置2に供給するためのものである。例えば、電源ユニット17は、交通手段の電源に電気的に接続されることによって、外部電力をビデオ記憶装置2における各ユニットに供給する。電源ユニット18は、外部電力が中断した時、緊急電力をビデオ記録装置2に供給するための充電電池を更に含む。具体的に言えば、ビデオ記録装置2の外部電力が中断した時、電源ユニット18は緊急電力をビデオ記録装置2に供給することによって、交通手段の周囲環境の映像と音声を記録し続けるようにビデオ記録装置2に正常運転させ続ける。
上述したように、ビデオ記録装置2において、捕捉ユニット2により交通手段の周囲環境の映像と音声を捕捉すると共に、検知ユニット16により交通手段が振動を受ける状態を検知することによって、プロセッサユニット10は、検知信号DSに基づいて捕捉信号VSを保存信号CSにエンコードして、周期期間で保存信号CSを記憶する。ここで、保存信号CSは上書き又は削除されていない。これにより、ビデオ記憶装置2は、交通手段が巨大の振動、衝撃、衝突を受けたなどの事件が起こった場合、保存信号CSが上書き又は削除されることができないように、事件が起こった過程の交通手段の周囲環境の映像と音声を記録することができる。また、ユーザーが入力ユニットにより保存信号CSを手動で削除できるように設計してもよく、当業者は設計ニーズに応じて設計すればよい。
図3は、図2に示すビデオ記録装置のフローチャートを示すものである。図2及び図3を参照しながら説明する。説明の便宜上、本実施例において、プロセッサユニット10が一つの周期期間で一つの一時記憶信号TS又は保存信号CSを生成することを例として説明する。ステップS302において、捕捉ユニット12は、交通手段の周囲環境の映像と音声を捕捉することによって、複数の捕捉信号VSを生成する。捕捉ユニット12は、捕捉信号VSをプロセッサユニット10に伝送する。続いて、プロセッサユニット10は、捕捉信号VSを受信して(ステップS304)、一つの周期期間で一つの一時記憶信号TSを生成する。続いて、プロセッサユニット10は、検知信号DSを受信するか否かを判定する(ステップS306)。
ステップS306の判定結果が「いいえ」である場合、ステップS308へ移行して、プロセッサユニット10は、捕捉信号VSに基づいて一時記憶信号TSを生成して記憶ユニット14に記憶する。実際の応用において、プロセッサユニット10は、検知信号DSを受信しておらず、一時記憶信号TSを生成する。ここで、一時記憶信号TSが記憶ユニット14に所定の時間で記憶された後、上書き又は削除されることができる。一方、ステップS306の判定結果が「はい」である場合、ステップS310へ移行して、プロセッサユニット10は、検知信号DSに基づいて捕捉信号VSを保存信号CSにエンコードして記憶ユニット14に記憶する。実際の応用において、プロセッサユニット10は、検知信号DSを受信して保存信号CSを生成する。ここで、保存信号CSは、上書き又は削除されない方式で記憶ユニット14に記憶される。
上述した内容から分かるように、プロセッサユニット10が検知信号DSを受信するか否かは、プロセッサユニット10が異なる記憶形態の保存信号CS又は一時記憶信号TSを生成することにかかわる。もちろん、保存信号CS及び一時記憶信号TSは、同一の周期期間で二種類の異なる形態の信号を同時に存在しないように、異なる周期期間にそれぞれ存在する。例えば、保存信号CSは一方の周期期間に存在する場合、この一方の周期期間において一時記憶信号TSが存在していない。同様に、一時記憶信号TSは他方の周期期間に存在する場合、この他方の周期期間において保存信号CSが存在していない。もちろん、一時記憶信号TSは所定の時間内で上書き又は削除されるのに対し、保存信号CSは上書き又は削除されていない。
続いて、ステップS312において、プロセッサユニット10が検知信号DSを受信した期間が周期期間における前時期検知時間帯Pであるか否かを判定する。ステップS312の判定結果が「はい」である場合、ステップS314へ移行して、先前一時記憶信号を先前保存信号に転換して記憶ユニット14に記憶する。一方、ステップS312の判定結果が「いいえ」である場合、ステップS316へ移行して、プロセッサユニット10が検知信号DSを受信した期間が周期期間における後時期検知時間帯Aでるか否かを判定する。
実際の応用において、記憶ユニット14は周期期間の前回期間における先前一時記憶信号を記憶し、プロセッサユニット10は前時期検知時間帯Pで検知信号DSを受信して、周期期間の前回期間における先前一時記憶信号を先前保存信号に転換する。もちろん、プロセッサユニット10は、記憶ユニット14に記憶されている先前保存信号を上書き又は削除しない。すると、周期期間及び周期期間の前回期間は保存信号が存在する。これにより、二つの周期期間における保存信号CSは、特定事件のビデオ信号(ビデオファイル)を完全に記録することができる。
また、周期期間は、前時期検知時間帯P及び後時期検知時間帯Aを含む。前時期検知時間帯Pは、周期期間における前時期時間帯である。後時期検知時間帯Aは、周期期間における後時期時間帯である。前時期検知時間帯Pは、周期期間における先端の1/2、先端の1/3、先端の1/5又は先端のN/1のうちから一つの時間帯である。同様に、後時期検知時間帯Aは、周期期間における後端の1/2、後端の1/3、後端の1/5又は後端のN/1のうちから一つの時間帯である。また、前時期検知時間帯P及び後時期検知時間帯Aは、ユーザーのニーズにおじて自由に設計すればよく、本実施例において前時期検知時間帯P及び後時期検知時間帯Aは周期期間のどの時間帯に位置するかについては特に限定されていない。
例を挙げて説明すると、プロセッサユニット10は、周期期間で保存信号を生成する。具体的に言えば、周期期間は例えば5分間であり、周期期間の前端の1/5の時間帯は0から1分間である。この場合、前時期検知時間帯Pは、例えば周期期間における0から1分間である。プロセッサユニット10が前時期検知時間帯Pで検知信号DSを受信した場合、プロセッサユニット10は、先前一時記憶信号を先前保存信号に転換すると共に、記憶ユニット14に記憶される先前保存信号を上書き又は削除しない。すると、保存信号CS及び先前保存信号が保存される周期期間は10分間に達する。これにより、特定事件が起こった過程の前後因果関係に関する映像と音声を完全に記録することができる。
続いて、ステップS316において、プロセッサユニット10が検知信号DSを受信した期間は周期期間における後時期検知時間帯Aであるか否かを判定する。ステップS316の判定結果が「はい」である場合、ステップS318へ移行して、後続保存信号を生成して記憶ユニット14に記憶する。一方、ステップS316の判定結果が「いいえ」である場合、ビデオ記録装置2の信号判定処理が完了した。
実際の応用において、プロセッサユニット10は、後時期検知時間帯Aで検知信号DSを受信して、複数の後続捕捉信号を生成するように捕捉ユニット12を制御する。プロセッサユニット10は、周期期間の次回期間でこれらの後続捕捉信号を受信することによって後続保存信号を生成して記憶ユニット14に記憶する。もちろん、この場合、プロセッサユニット10は、記憶ユニット14に記憶されている後続保存信号を上書き又は削除しない。すると、周期期間及び周期期間の次回期間には保存信号CSが存在する。これにより、二つの周期期間の保存信号CSは、特定事件のビデオファイルを完全に記録することができる。
例を挙げて説明すると、プロセッサユニット10は、周期期間で保存信号を生成する。具体的に言えば、周期期間は例えば5分間であり、周期期間の後端の1/5の時間帯は4分間から5分間である。プロセッサユニット10が後時期検知時間帯Aで検知信号DSを受信した場合、プロセッサユニット10は、後続保存信号を生成すると共に、記憶ユニット14に記憶される後続保存信号を上書き又は削除しない。すると、保存信号CS及び後続保存信号が保存される周期期間は10分間に達する。これにより、特定事件が起こった過程の前後因果関係に関する映像と音声を完全に記録することができる。
また、ビデオ記録装置2の捕捉ユニット12が捕捉信号VSをプロセッサユニット10に伝送し続けると、プロセッサユニット10はステップS304乃至ステップS318を繰り返して執行する。また、本実施例において、プロセッサユニット10が一つの周期期間で一つの一時記憶信号TS又は保存信号CSを生成することを例として説明したが、図3に示すフローチャートに限定されておらず、当業者は設計ニーズに応じて設計すればよい。
また、先前保存信号、保存信号CS及び後続保存信号は、同じ類型の信号であり、例えば標記を有するビデオ信号、リードオンリーのビデオ信号、若しくは上書き又は削除されないビデオ信号である。プロセッサユニットが検知信号を受信した周期期間、周期期間の前回期間及び周期期間の次回期間を区別するために、異なる名称の保存信号CSを使用する。即ち、本実施例において、先前保存信号、保存信号CS及び後続保存信号の記憶フォーマット及び記憶方式は特に限定されていない。
また、繰り返して撮影していない場合若しくは所定のファイル数に到達していない場合、プロセッサユニット10は先前保存信号、保存信号CS、後続保存信号を上書き又は削除しない。先前保存信号、保存信号CS及び後続保存信号は、同じ類型の信号である。プロセッサユニット10が先前保存信号、保存信号CS、後続保存信号を処理する方法は上述した実施例と同じであるため、その詳細な説明を省略する。本考案において、繰り返して撮影していない場合若しくは所定のファイル数に到達していない場合、プロセッサユニット10が先前保存信号、保存信号CS、後続保存信号を上書き又は削除しないという動作方式に限定されておらず、ユーザーのニーズに応じて自由に設定することができる。図4Aは、図3に示すビデオ記録装置の動作タイミングを示すものである。図4Bは、図3に示すビデオ記録装置の他の実施例の動作タイミングを示すものである。図2、図4A及び図4Bを参照しながら説明する。図4Aは、ビデオ記録装置2の動作タイミングを示す。ビデオ記録装置2が交通手段に搭載されて、交通手段の周囲環境の映像と音声を記録する場合、検知ユニット16は、交通手段が所定の振動値を超えた振動を受けた状況を検知した時、前時期検知時間帯Pで第1の検知信号D1を生成してプロセッサユニット10に伝送する。プロセッサユニット10は、第1の検知信号D1を受信し、周期期間T3で保存信号CSを生成して、生成した保存信号CSを記憶ユニット14に記憶する。
前時期検知時間帯Pは、周期期間T3前端の1/N(Nは正整数である)から選択する時間帯である。周期期間T3の前回期間における先前一時記憶信号は先前保存信号に転換される。すると、周期期間T3の保存信号CS及び周期期間T2の先前保存信号は、上書き又は削除されることがない。これにより、二つの周期期間T2、T3における保存信号CSは保存される。この場合、他の周期期間T1には、一時記憶信号TSが記憶される。
交通手段が走行し続ける場合、検知ユニット16は、交通手段が再び所定の振動値を超えた振動を受けた状況を検知した時、後時期検知時間帯Aで第2の検知信号D2を生成してプロセッサユニット10に伝送する。プロセッサユニット10は、第2の検知信号D2を受信し、周期期間T3で保存信号CSを生成して、生成した保存信号CSを記憶ユニット14に記憶する。この場合、周期期間T3において、既に第1の検知信号D1に基づいて保存信号CSを生成したが、第2の検知信号D2に基づいて生成した信号も保存信号CSである。もちろん、第1の検知信号D1は、第2の検知信号D2の判定工程及び判定フローチャートを影響しない。
後時期検知時間帯Aは、周期期間T3後端の1/N(Nは正整数である)から選択する時間帯である。プロセッサユニット10は、周期期間T3の次回期間で後続保存信号を生成する。すると、周期期間T3の保存信号CS及び周期期間T4の後続保存信号は、上書き又は削除されることがない。これにより、二つの周期期間T3、T4における保存信号CSは保存される。この場合、他の周期期間T1には、一時記憶信号TSが記憶される。
上述した内容から分かるように、ビデオ記録装置2は、時間順序で五つの周期期間T1、T2、T3、T4、T5において交通手段の周囲環境の映像と音声を記録する。例を挙げて説明すると、ビデオ記録装置2は、周期期間T3において、第1の検知信号D1と第2の検知信号D2を受信することによって、保存信号CSを生成する。これにより、三つの周期期間T2、T3、T4における保存信号CSは、交通手段の周囲環境の映像と音声をより完全に記録することができる。この場合、他の周期期間T1、T5における一時記憶信号TSは、所定の時間で上書き又は削除されるようになっている。
他の実施例において、図4Bに示すように、プロセッサユニット10が周期期間T3において第3の検知信号D3を受信した場合、プロセッサユニット10が第3の検知信号D3を受信した期間は前時期検知時間帯P及び後時期検知時間帯Aに位置していないため、プロセッサユニット10は、周期期間T3のみで保存信号CSを生成する。すると、プロセッサユニット10は、周期期間T3の前回期間及び次回期間で保存信号CSを生成しない。また、本実施例で説明したビデオ記録装置2の動作タイミングは例示に過ぎず、図4Bに限定されていない。
図5は、本考案の他の実施例に係るビデオ記録装置の機能ブロックの模式図を示すものである。図5には、前の実施例と同じ素子に対して同じ符号を示す。図5に示すビデオ記録装置3と図2に示すビデオ記録装置2の相違点は、ビデオ記録装置3は、少なくとも一つの出力ユニット20及び一つの入力ユニット22を更に含み、プロセッサユニット10が出力ユニット20と入力ユニット22との間に電気的に接続されることにある。
具体的に言えば、出力ユニット20は、例えばディスプレイ、LCD、LED表示ランプ、音響機器又はスピーカーである。本実施例において、出力ユニット20の形態と数量は特に限定されていない。入力ユニット22は、例えば実体のキーボード、タッチパネル、ローラー、ロール、操作棒又はマウスである。本実施例において、入力ユニット22の形態は特に限定されていない。
記憶ユニット14は、プロセッサユニット10に電気的に接続される。記憶ユニット14は、例えば、信号を記憶するためのメモリである。記憶ユニット14は、例えば保存エリア140及び一時記憶エリア142を含む。保存信号CSは、保存エリア140に保存される。一時記憶信号TSは、保存エリア140に記憶されておらず、一時記憶エリア142に記憶される。保存エリア140に保存される保存信号CSは、上書き又は削除されることがない。一時記憶エリア142に記憶される一時記憶信号TSは上書き又は削除されることができる。また、本実施例において、保存信号CS又は一時記憶信号TSを記憶する方式は特に限定されていない。
捕捉ユニット12は、映像捕捉ユニット120及び音声捕捉ユニット122を更に含む。プロセッサユニット10は、映像捕捉ユニット120と音声捕捉ユニット122との間に電気的に接続される。他の部分は前の実施例と同じであるため、その説明を省略する。
本考案に係るビデオ記録装置によれば、交通事故が起こった過程を完全に記録すると共に、検知ユニットにより特定事件を記録することによって特定事件を迅速に掌握することができる。また、ビデオ記録装置のプロセッサユニットは、検知信号を受信した期間に基づいて周期期間で保存信号を生成したり、周期期間及び周期期間の前回期間で二つの周期期間に存在する保存信号を生成したり、周期期間及び周期期間の次回期間で二つの周期期間に存在する保存信号を生成したりする。これにより、本考案に係るビデオ記録装置は、特定事件を完全に記録する機能をより向上できると共に、使用利便性を向上できる。
上述したものは本考案の好ましい一例に過ぎず、本考案の実用新案登録請求の範囲を限定するものではない。本考案の明細書及び図面内容に基づいてなされた均等な変更および付加は、いずれも本考案の実用新案登録請求の範囲内に含まれるものとする。