JP3182194B2 - 電解質測定装置 - Google Patents

電解質測定装置

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JP3182194B2 JP07237492A JP7237492A JP3182194B2 JP 3182194 B2 JP3182194 B2 JP 3182194B2 JP 07237492 A JP07237492 A JP 07237492A JP 7237492 A JP7237492 A JP 7237492A JP 3182194 B2 JP3182194 B2 JP 3182194B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解質測定装置に関
し、より詳細には、臨床検査の自動分析装置に使用され
る高速処理に最適な電解質測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における電解質溶液の測定方法およ
び電解質測定装置では、電解質溶液の濃度を測定する場
合、所定のチューブ等を用いて被検液を導いて膜電極に
接触させ、膜電極の膜面での電気化学的平衡状態が安定
するまでの一定時間、被検液を静止させた後、膜電極の
電位を測定して電解質溶液の濃度を測定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おける電解質溶液の測定方法および電解質測定装置によ
れば、被検液を静止させた状態で、膜電極の膜面での電
気化学的平衡状態が安定するのを待って、膜電極の電位
を測定しているため、静止状態における電気化学的平衡
状態に達するまでの時間によって処理速度が制限され、
高速処理を行うことが困難であるという問題点があっ
た。
【0004】一方、膜電極を複数使用して、複数系統の
電極で並列処理を行うことによって処理の高速化を図る
方法が考えられるが、構成が複雑になり、装置のコスト
が上昇するという問題点があった。
【0005】本発明は、上記に鑑みてなされたものであ
って、簡単な構成で、装置のコストを上昇させることな
く、高速処理が行えることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、被検液の電位を測定する膜電極と、被検
液を膜電極へ導くためのペリスタポンプと、ペリスタポ
ンプの脈動によって生じる膜電極の出力電圧変化を補正
するための脈動ノイズフィルターと、ペリスタポンプの
駆動制御、および、被検液の測定制御を行う制御手段と
を備えたことを特徴とする電解質測定装置を提供するも
のである。なお、前述した脈動ノイズフィルターは、膜
電極の出力電圧から交流成分を取り出し、交流成分を反
転させて出力電圧に加算することにより、脈動ノイズを
除去する構成であることが望ましい。
【0007】
【作用】本発明にかかる電解質測定装置は、脈動ノイズ
フィルターを用いて、膜電極の出力電圧から交流成分を
取り出し、交流成分を反転させて出力電圧に加算するこ
とにより、脈動ノイズを除去し、ペリスタポンプの脈動
によって生じる膜電極の出力電圧変化を補正する。
【0008】
【実施例】以下、本発明にかかる電解質測定装置の一実
施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】図1は、本実施例の電解質測定装置の概略
構成を示し、被検液Sをサンプリングするためのシッパ
ーチューブ101と、被検液Sの各電解質(Cl、Na、
K)の電位を測定するためのイオン選択性膜電極102
a、102b、102cと、比較膜電極102dと、シ
ッパーチューブ101を介して被検液Sを吸引するため
のペリスタポンプ103と、イオン選択性膜電極102
a、102b、102c、および、比較膜電極102d
で測定した電位からペリスタポンプ103の脈動によっ
て発生する脈動ノイズ成分を除去するための脈動ノイズ
フィルター104と、各電極102a〜102dの測定
電圧を入力して被検液Sの電解質濃度を演算するCPU
105と、測定結果(電解質濃度)を出力するためのプ
リンター106および表示器107とを備えている。
【0010】なお、イオン選択性膜電極102aは、電
解質としてCl(塩素)を選択的に測定するものであり、
本実施例では超積層固体化分子配向性膜(MO膜)電極
を使用する。また、イオン選択性膜電極102bは、電
解質としてNa(ナトリウム)を選択的に測定するもので
あり、本実施例ではクラウンエーテル膜電極を使用す
る。また、イオン選択性膜電極102cは、電解質とし
てK(カリウム)を選択的に測定するものであり、本実
施例ではクラウンエーテル膜電極を使用する。
【0011】図2は、脈動ノイズフィルター104の回
路構成を示し、膜電極102a(或いは、102b、1
02c、102d)から信号E1 を入力して交流成分を
取り出すコンデンサー104aと、交流成分を増幅する
ためのオペアンプ104bと、信号E1 を+入力、信号
2 を−入力として差動増幅するオペアンプ104c
と、複数の抵抗Rとから構成される。
【0012】以上の構成において、その動作を説明す
る。本実施例の電解質測定装置では、ペリスタポンプ1
03を用いて、被検液Sに流速をかけて膜電極102a
〜102d上を一定時間通過させ、通過途中の電位を測
定するものである。
【0013】先ず、CPU105は、ペリスタポンプ1
03を駆動するパルスモータ(図示せず)に図3に示す
ようなパルスを印加し、ペリスタポンプ103を駆動し
て被検液Sの吸引を開始する。被検液Sはシッパーチュ
ーブ101を介して膜電極102a、102b、102
c、102dに接触した後、ペリスタポンプ103の位
置を通過して排液として排出される。この時、膜電極1
02a、102b、102c、102dはそれぞれ該当
する電解質の電位を測定して信号を出力する。膜電極1
02a、102b、102c、102dから出力された
信号は、それぞれ脈動ノイズフィルター104を通過し
てCPU105へ送られる。CPU105は、脈動ノイ
ズフィルター104から送られてくる信号のうちパルス
モータの駆動開始から所定時間経過した時点(図3の測
定点)の信号を測定信号として取り込む。換言すれば、
図3に示すように、所定のパルス数で吸引しながら被検
液Sの電位を測定する。
【0014】したがって、膜電極102a、102b、
102c、102dの膜面での電気化学的平衡状態に達
する時間が、流速をかけることによって静止状態よりも
速くなり、高速処理が可能となる。本実施例では、30
0検体/h以上の高速処理を実行することができる。
【0015】つぎに、脈動ノイズフィルター104の具
体的な動作について説明する。図1において、ペリスタ
ポンプ103を用いて被検液Sを膜電極102a、10
2b、102c、102dへ導く際、膜電極102a、
102b、102c、102dが圧力変動を受けて、出
力電圧(測定信号)に脈動ノイズが乗り、これがデータ
を悪くする原因となる。したがって、本実施例では脈動
ノイズフィルター104を用いてこの脈動ノイズを除去
している。
【0016】図2に示すように脈動ノイズフィルター1
04の入力信号を信号E1 とした場合、信号E1 は、図
4(a)に示すように、目的とする真の信号と、ペリス
タポンプ103の脈動が原因となって発生したノイズと
が合成された信号(真の信号+ノイズ)である。
【0017】脈動ノイズフィルター104は、コンデン
サー104aによって信号E1 から交流成分(即ち、ノ
イズ)のみを取り出し、オペアンプ104bで増幅して
図4(b)に示す信号E2 を得る。つぎに、オペアンプ
104cで信号E1 を+入力、信号E2 を−入力として
差動増幅を行い、信号E3 を出力する。ここで、信号E
1 は、真の信号とノイズの重なった信号であり、信号E
2 はノイズのみの信号である。したがって、これら二つ
の信号を入力としてオペアンプ104cから出力される
信号E3 は、信号E3 =(真の信号+ノイズ)−ノイズ
=真の信号となる(図4(c)参照)。
【0018】換言すれば、脈動ノイズフィルター104
は、膜電極102a(或いは、102b、102c、1
02d)の出力電圧から交流成分を取り出し、交流成分
を反転させて前記出力電圧に加算すること(差動増幅す
ること)により、脈動ノイズを除去し、真の信号のみを
取り出している。
【0019】このような脈動ノイズフィルター104を
使用することにより、ペリスタポンプ103の脈動に起
因する脈動ノイズを確実に除去することができる。ま
た、この際ノイズの除去は、ノイズの周期に関係するも
のの、ノイズの振幅には無関係に除去できる。たとえ
ば、真の信号が0.1V、ノイズが5Vでもノイズの除
去が可能である。
【0020】また、図示の如く、脈動ノイズフィルター
104の回路をシンプルに構成することができ、低価格
で確実にノイズの除去を行うことができる。
【0021】また、従来のパターワースや、チビシェフ
等に比較して真の信号を消去する率が低いという利点も
ある。また、脈動ノイズ以外にも、周期性のノイズ(た
とえば、50Hzのハム等)を自動的に除去することが
できる。
【0022】前述したように本実施例にかかる電解質測
定装置によれば、ペリスタポンプ103の動作中にデー
タを測定することができるので、300検体/h以上の
高速処理を実現することができる。また、精度的にも従
来の方法および装置と比較して、同等以上の効果が得ら
れた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる電解
質測定装置は、被検液の電位を測定する膜電極と、被検
液を膜電極へ導くためのペリスタポンプと、ペリスタポ
ンプの脈動によって生じる膜電極の出力電圧変化を補正
するための脈動ノイズフィルターと、ペリスタポンプの
駆動制御、および、被検液の測定制御を行う制御手段と
を備えたため、簡単な構成で、装置のコストを上昇させ
ることなく、高速処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電解質測定装置の概略構成を示
す説明図である。
【図2】脈動ノイズフィルターの回路構成を示す説明図
である。
【図3】ペリスタポンプを駆動するパルスモータに印加
するパルス数と時間との関係を示す説明図である。
【図4】脈動ノイズフィルターの動作を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
101 シッパーチューブ 102a、102b、102c イオン選択性膜電極 102d 比較膜電極 103 ペリスタポンプ 104 脈動ノイズフィルター 104a コンデンサー 104b、104c オペアンプ 105 CPU S 被検液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/416 G01N 27/26 371 G01N 27/28 321 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検液の電位を測定する膜電極と、 被検液を前記膜電極へ導くためのペリスタポンプと、 前記ペリスタポンプの脈動によって生じる前記膜電極の
    出力電圧変化を補正するための脈動ノイズフィルター
    と、 前記ペリスタポンプの駆動制御および前記被検液の測定
    制御を行う制御手段と、 を備えたことを特徴とする電解質測定装置。
  2. 【請求項2】 前記脈動ノイズフィルターは、前記膜電
    極の出力電圧から交流成分を取り出し、交流成分を反転
    させて前記出力電圧に加算することにより、脈動ノイズ
    を除去することを特徴とする請求項1に記載の電解質測
    定装置。
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