JP3180817U - 型枠取り外し不要の建築構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】型枠取り外し不要の建築構造を提供する。
【解決手段】パネル3と、二つの網状体4と、湾曲可能な複数の連結部材6とからなる。パネルは、複数のコンクリート排出部31を備える。二つの網状体の間隔に囲まれて、グラウティング空間5が形成され、網状体の内の一つは前記パネルに固定される。各網状体は、いずれも、並べて設けられた縦向き補強筋34と、並べて設けられた横向き補強筋35とを備え、前記縦向き補強筋と横向き補強筋が相互に縱横に連結した箇所は、節点43を形成する。各連結部材6は、蛇の形状を呈しつつ前記二つの網状体4に連結され、前記連結部材の連結を利用し、各節点と、もう一つの網状体における前記節点に対応する最も近い二つの節点は連結され、各節点は、いずれも、少なくとも二つの異なる向きの連結部材によって固定される。
【選択図】図1

Description

本考案は、建築物に用いられる構造体に関し、特に型枠取り外し不要の建築構造に関する。
台湾国内の建築物の構造には、鉄筋コンクリートが使われる。施工を行うとき、鉄筋の一部を、施工現場の外で材料を規格どおりに加工し、その後、現場に運んで、重機での作業を行う。しかしながら、型枠は、現場の外で規格どおりに加工できないだけでなく、現場で重機による作業を行うこともできないため、たくさんの人手を投入しなければならない。しかも、人の手による作業のため、作業にばらつきが生じ、いくつもの施工上の問題が発生する。例えば、型枠材料の破損率や型枠のパンクが増えたり、型枠のゆがみが酷くなったりして、工期が遅れてしまうことがある。
また、排水溝の土木工事において、一個内径80センチの排水溝をつくるには、排水溝の幅の二倍以上の数量の土を掘る必要がある。そのあと、排水溝の外の溝壁を取り付け、鉄筋を組み、溝内の両辺壁の型枠を組みたて、コンクリートを流し込むなどの作業を行い、コンクリートが一定の強度に達したら、型枠をとりはずす。その後、溝蓋の型枠を組みたて、溝蓋鉄筋を組み、コンクリートを流し込むと、最後に、排水溝の両側を掘った土を戻す。このため長い施工期間が必要となる。もし、施工期間に大雨が降って、水が溜まってしまった場合、通行人の安全に影響を及ぼすうえ、工期が遅れてしまう。
そこで、本考案は、型枠取り外し不要の建築構造を提供することを目的とする。
本考案による型枠取り外し不要の建築構造は、パネルと、二つの網状体と、湾曲可能な複数の連結部材とからなる。
前記パネルは、複数のコンクリート排出部を備える。
前記二つの網状体の間隔に囲まれて、グラウティング空間が形成され、網状体の一つは前記パネルに固定され、各網状体は、いずれも、並べて設けられた縦向き補強筋と、並べて設けられた横向き補強筋を備え、前記縦向き補強筋と横向き補強筋が相互に縦横に連結された連結箇所は節点を形成する。
各連結部材は、蛇行形状を呈しつつ前記二つの網状体に連結され、また、前記連結部材の連結を利用して、各節点と、もう一つの網状体における前記節点に対応する最も近い二つの節点は連結され、各節点は、いずれも少なくとも二つの異なる向きの連結部材に固定される。
本考案の型枠取り外し不要の建築構造は、木製型枠の代わりにパネルを用い、網状体と連結部材を合わせることで、木製型枠を建てる時間を節約することができる。
本考案の型枠取り外し不要の建築構造の実施例1の縦の断面図である。 実施例1のパネルと網状体を説明した部分拡大図である。 実施例1のパネルと網状体を説明した部分拡大図2である。 実施例1の横断面図である。 実施例1のグラウティング後の横の断面図である。 本考案の実施例2の縦の断面図である。 実施例2のグラウティング後の縦の断面図である。 本考案の実施例3の縦の断面図である。 本考案の実施例4の横の断面図である。
(実施例1)
図1と図2を参照する。本考案による型枠取り外し不要の建築構造の実施例1は、主筋2を備える壁に適用することができるが、実際に、主筋2が必要かどうかは、必要な壁体の強度による。実施例1は、ダブルパネル構造ユニット11であり、複数のコンクリート排出部31を備える二つのパネル3と、二つの網状体4と、湾曲可能な複数の連結部材6とからなる。また、網状体4と網状体4の間隔に囲まれてグラウティング空間5が形成され、それにより、主筋2をグラウティング空間5内に配置させることができる。
二つの網状体4は、それぞれ、パネル3に固定され、各網状体4は、いずれも、並べて設けられた縦向き補強筋41と、並べて設けられた横向き補強筋42とからなる。しかも、縦向き補強筋41と横向き補強筋42は、相互に縦横に連結されて複数の節点43を形成し、各節点43の箇所は、縦向き補強筋41と横向き補強筋42がスポット溶接され、網状体4の内の一つの各縦向き補強筋41ともう一つの網状体4の対応する縦向き補強筋41は、位置をずらして配列され、網状体4の内の一つの各横向き補強筋42ともう一つの網状体4の対応する横向き補強筋42は、位置をずらして配列される。具体的に言うと、縦向き補強筋41と横向き補強筋42は、直径0.6センチの鉄筋であり、各網状体4の縦向き補強筋41の間の間隔は10センチであり、横向き補強筋42の間の間隔も10センチである。
各連結部材6は蛇行形状を呈しつつ二つの網状体4に連結され、各節点43ともう一つの網状体4は、その節点43が隣接する二つの節点43と連結され、各連結部材6は節点43をまたいで前記節点43に固定される。また、二つの異なる向きの連結部材6が各節点43に連結され、前記向きは、図4に示すように、二つの異なる斜め向きであり、二つの異なる向きの連結部材6は、前記横向き補強筋42に対称に固定される。ダブルパネル構造ユニット11は、梁と同じ構造を形成するが、具体的に言うと、連結部材6は直径0.3センチの鉄筋である。
パネル3は、パネル本体32と、複数の節点開口33と、複数の縦向き固定溝34と、複数の横向き固定部35とを備える。各節点開口33は、パネル本体32に形成されるとともに、各節点43の箇所に配置され、連結部材6は節点開口33を通して節点43に巻きつけるように固定される。各コンクリート排出部31は、パネル本体32を貫通するコンクリート排出孔311と、グラウティング空間5から離れるようにパネル本体32から延伸する吊り片312と、吊り片312から垂直に延伸してコンクリート排出孔311と向かい合うコンクリートストップ片313とからなる。ここで特に説明が必要なのは、図面を簡潔にするため、そして説明を行いやすくするため、図の中で設けたコンクリート排出部31の数は、説明のために概略として記載したものであり、実際に実施するときは、縦向き補強筋41と横向き補強筋42が囲む各領域内に、十六個のコンクリート排出部31が設けられる。つまり、十平方センチ内ごとに十六個のコンクリート排出部31が設けられる。各縦向き固定溝34は、パネル本体32がグラウティング空間5へ凹むことで形成され、縦向き補強筋41を差し込み固定することができる。各横向き固定部35は、横向き開口351と、複数の固定壁352とを備え、各固定壁352の両端は、それぞれ、横向き開口351の両辺に連結され、横向き開口351には横向き補強筋42が差し込まれ固定される。また、パネル3は、リサイクルの廃棄薄鉄板、空き缶、あるいは、ドラム缶を利用してつくることができる。
図3から図4を参照する。ここでは、さらに、各連結部材6の向きの説明を行う。各節点43に連結された二つの連結部材6の内の一つの連結部材6は、縦向き補強筋41に溶接され、もう一つの連結部材6は横向き補強筋42に溶接される。しかも、図4の横断面に示すように、縦向き補強筋41に溶接された連結部材6は、蛇形するように二つの網状体4間をいったりきたりして巻きつけられ、横向き補強筋42に溶接された連結部材6は、図1の縦断面に示すように、二つの網状体4の間を、蛇行形状を呈しつついったりきたりして巻きつけられる。
図5に示すように、本実施例1は、施工現場で作る必要がなく、事前に、施工現場の外で作り、その後、施工現場まで運び、さらに重機でとりつけることができる。しかも、型枠を取り付ける必要がなく、直接コンクリートの流し込みを行うことができる。コンクリートを流し込むと同時に、コンクリート排出孔311(図2を参照)から流出したスラリーが、コンクリートストップ片313を基準面として平らになり、それにより、全体をならす作用が生じる。このようなやり方は、従来の技術と比べて時間を節約することができ、コンクリートが固まるのを待ってモルタルを塗ってならす必要がない。また、施工後のすべての部材がメイン構造体の一部となる。
(実施例2)
図6を参照する。本考案の実施例2は、排水溝に適用される。本考案の実施例2は、間隔をあけて配列された二つのダブルパネル構造ユニット11を備える。なお、内側に配置された二つのパネル3の高さは外側の二つのパネル3より低い。実施例2は、さらに、一組の縦断面がU形の主筋2と、一層のビニール布7を備える。主筋2は、二つが相互に平行の垂直段21と、二つの垂直段21に連結される水平段22とを備え、二つのダブルパネル構造ユニット11は、それぞれ垂直段21に設けられ、それにより、垂直段21はグラウティング空間5内に配置される。ビニール布7は、二つの外側パネル3及び水平段22の外を覆う。実施例1と同じように、実施例2も施工現場の外で先につくることができる。また、重要なのは、施工をするときに木製の型枠が必要なく、従来の技術のように排水溝内外に支持部材を設ける必要もない。実施例2では、支持部材8を二つのダブルパネル構造ユニット11の間に当接させる。このため、従来の技術では、一個80センチ幅の排水溝を施工する際は、排水溝本体のほぼ二倍の土溝を掘らなければならなかったが、実施例2では、8〜10センチ多く隙間をつくるだけで、本実施例2を土溝内に固定して、隙間に水と砂をいれて、細かい砂で満たすことができる。
図7に示すように、本実施例2では、コンクリートを流し込むと同時に、乾いたモルタルを内側の二つのパネル3へ入れる。それにより、内側の二つのパネル3からあふれ出したスラリーが素早く乾き平らになる。また、外側の二つのパネル3からあふれ出したスラリーは、ビニール布7で覆われているため、自然に平らになる効果があり、二重の保護層が形成される。また、二つの外側のパネル3にコンクリート排出部31を設けないようにすることもできる。つまり、二つの外側のパネル3は、コンクリート排出部31を備えていないようにすることもできる。
(実施例3)
図8を参照する。本考案の実施例3は、床スラブに適用される。本考案の実施例3は、単一パネル構造ユニット12を備える。単一パネル構造ユニット12の構成部材は、ダブルパネル構造ユニット11と大体同じであるが、その差は、ダブルパネル構造ユニット11は二つのパネル3を備え、単一パネル構造ユニット12は、ひとつのパネル3しか備えていない点である。つまり、網状体4の内の一つは、パネル3に固定されない。実施例3を実際に使う際は、パネル3に固定されていない前記網状体4は、元々床スラブに用いるスラブ筋を直接網状体4として用いている。
(実施例4)
図9を参照する。本考案の実施例4は、主筋2と帯筋9を備える柱に適用される。主筋2と帯筋9は、横断面が四角形を呈する構造体である。また、ここで注意が必要なのは、図9は図面を簡潔にして説明をしやすくするためであり、細部の部品構造は省略している。もし、細部の部品構造をはっきり確認したい場合は、図1を参照する。実施例4は、主筋2と帯筋9の周囲を囲む単一パネル構造ユニット12からなる。各単一パネル構造ユニット12におけるパネル3に固定していない網状体4は、それぞれ、主筋2と帯筋9からなる四角形の構造体の一面に固定される。また、パネル3に固定される網状体4の幅は、パネル3に固定されていない網状体4の幅より広い。同様に、単一パネル構造ユニット12を梁に使用することもでき、梁と柱帯筋の根本的な差異以外に、主に、梁は縦断面U字形の三面構造であり、柱は横断面四角形の四面構造であるため、梁は三つの単一パネル構造ユニット12しか必要ない。
本考案の各好ましい実施例は、いずれも、建築法規にのっとって実施される。しかも、実施例1において、網状体4の縦向き補強筋41と横向き補強筋42の配列はかなり緊密であるため、従来の技術の壁が二層以上の主筋2が必用な時、実施例1を使用した後、網状体4によって壁にさらなる強度を与えることができ、一層の主筋2の使用する量を減らすことができる。しかも、全体の強度は減らない。つまり、従来の技術で使う一層の主筋2材料を、網状体4の材料に換えることができる。
11 ダブルパネル構造ユニット
12 単一パネル構造ユニット
2 主筋
21 垂直段
22 水平段
3 パネル
31 コンクリート排出部
311 コンクリート排出孔
312 吊り片
313 コンクリートストップ片
32 パネル本体
33 節点開口
34 縦向き固定溝
35 横向き固定部
351 横向き開口
352 固定壁
4 網状体
41 縦向き補強筋
42 横向き補強筋
43 節点
5 グラウティング空間
6 連結部材
7 ビニール布
8 支持部材
9 帯筋

Claims (8)

  1. パネルと、二つの網状体と、湾曲可能な複数の連結部材とからなる型枠取り外し不要の建築構造であって、
    パネルは、複数のコンクリート排出部を備え、
    二つの網状体の間隔に囲まれて、グラウティング空間が形成され、
    網状体の内の一つは前記パネルに固定され、各網状体は、いずれも、並べて設けられた縦向き補強筋と、並べて設けられた横向き補強筋とを備え、前記縦向き補強筋と横向き補強筋が相互に縱横に連結した箇所は、節点を形成し、
    各連結部材は、蛇の形状を呈しつつ前記二つの網状体に連結され、前記連結部材の連結を利用し、各節点と、もう一つの網状体における前記節点に対応する最も近い二つの節点は連結され、各節点は、いずれも、少なくとも二つの異なる向きの連結部材によって固定されることを特徴とする、型枠取り外し不要の建築構造。
  2. 網状体の各縦向き補強筋と、もう一つの網状体の対応する縦向き補強筋は、位置をずらして配列されることを特徴とする、請求項1に記載の型枠取り外し不要の建築構造。
  3. 網状体の各横向き補強筋と、もう一つの網状体の対応する横向き補強筋は、位置をずらして配列されることを特徴とする、請求項1に記載の型枠取り外し不要の建築構造。
  4. 前記型枠取り外し不要の建築構造は、さらに、もう一つのパネルを備え、パネルに固定していないもう一つの網状体は、前記もう一つのパネルに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の型枠取り外し不要の建築構造。
  5. 各パネルはいずれもパネル本体を備え、各コンクリート排出部には、前記パネル本体を貫通するコンクリート排出孔と、前記グラウティング空間から離れるように前記パネル本体から延伸した吊り片と、前記吊り片から垂直に延伸して前記コンクリート排出孔に向かい合うコンクリートストップ片とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の型枠取り外し不要の建築構造。
  6. 前記パネルは、さらに、前記パネル本体から凹んで形成する複数の縦向き固定溝と、前記パネル本体に形成される複数の横向き固定部とを備え、
    各縦向き固定溝には、縦向き補強筋が差し込まれて固定され、各横向き固定部は、横向き開口と、前記横向き開口の対応する両辺にそれぞれ連結される複数の固定壁とを備え、各横向き固定部には、横向き補強筋が差し込まれて固定されることを特徴とする、請求項1に記載の型枠取り外し不要の建築構造。
  7. 網状体の内の一つの各横向き補強筋と、もう一つの網状体の対応する横向き補強筋は、位置をずらして配列されることを特徴とする、請求項1に記載の型枠取り外し不要の建築構造。
  8. 各節点に固定された二つの連結部材は、前記横向き補強筋に対称に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の型枠取り外し不要の建築構造。
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