JP3180532B2 - 距離計測装置 - Google Patents

距離計測装置

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JP3180532B2 JP26814893A JP26814893A JP3180532B2 JP 3180532 B2 JP3180532 B2 JP 3180532B2 JP 26814893 A JP26814893 A JP 26814893A JP 26814893 A JP26814893 A JP 26814893A JP 3180532 B2 JP3180532 B2 JP 3180532B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非接触で被測定物まで
の距離を3次元に測定する装置に関し、例えば、レーザ
ーレーダーにより被測定物までの距離を計測したり、ロ
ボットの眼として、周囲の物体の位置を計測する装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】測量器の分野では、レーザー光を変調し
て測定物に発光し、発信光と受信光との位相差を検出し
て、距離を測定する方式が実用化されている。一方、レ
ーザーパルスを測定物に向かって発射して、そのパルス
の往復時間を測定する方法があるが、非常に短い時間を
測定するために、高価な装置となり、測定精度も数セン
チ程度であった。パルスによる方式の測定精度を向上さ
せるため、受信回路がパルスを受信すると再び発信回路
が作動するように装置を構成して、測定物との間で測定
パルスを複数回往復させて、単位時間当たりの往復回数
から距離を測定する装置が考案された。例えば、特開昭
48-3865 号公報の方式では、発信装置と受信装置と周波
数測定器とから構成される。受信装置が発信装置の発射
したレーザーパルスの反射波を受信すると、発信装置を
駆動し、再びレーザーパルスを発射するのである。この
とき、発信装置を駆動させる周波数を測定することによ
って、レーザーパルスが1回往復する時間が測定でき
る。この方式では、1回だけのパルスの往復時間を測定
する装置に比べて、時間を測定する装置が低速なもので
も可能となる。同様な例として、特開平1-219691号公報
がある。この方式も受信回路からの信号により、発信回
路を駆動して、循環的にレーザーパルスを往復させ、単
位時間あたりの往復回数を測定するのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レーザー光を
変調する方式では、原理的に変調した光の波長の半分の
長さより長い距離を測定することはできなかった。した
がって、最大測定距離に応じて測定装置を変更しなけれ
ばならなかった。特開昭48-3865 号公報の方式では、レ
ーザーパルスを使用するため、レザーパルスの立ち上が
り検出が測定精度に影響する。たとえば、受信信号の強
さがあるしきい電圧を越えたときにパルスを受信したと
するなら、測定物の反射率により信号の立ち上がり具合
が異なる。よって、同じ距離でも測定物により測定結果
が異なる。しかも、基本的にレーザーパルス幅以上の分
解能は得られない。つまり、この方式は、複数回連続し
て測定をおこなうことによって、1回の往復時間の測定
精度を向上させるものであって、レーザーパルスの立ち
上がりの検出誤差に起因する誤差は解決しない。特開平
1-219691号公報の方式にしてもレーザーパルスの立ち上
がりの検出誤差に起因する誤差の解決にはならない。さ
らに都合の悪いことに、この方式では予め定められた時
間あたりの往復回数を測定するために、レーザーパルス
を発信して、戻ってくるまでに測定が終了することがあ
る。つまり、ある測定距離では、レーザーパルスが戻っ
てきた時に測定が終了するであろうし、別の測定距離で
は、レーザーパルス発射直後あるいは測定物に当たった
時に終了するであろう。この方式では1回分の往復時間
の誤差が生じるのである。これら2つの方法はパルスレ
ーザーを使用しているため、現実に存在するパルスレー
ザーを使用した場合、単位時間あたりに連続してパルス
信号を発射させる周期に限界がある。つまり、たとえば
1秒間に測定できる回数に限界がでてくるのである。こ
れは、測定物が運動している場合あるいは測定装置とス
キャナを組み合わせ複数の場所を連続して測定するとき
に、運動速度あるいはスキャニングの速度の限界に関わ
る。そこで本発明は、パルスレーザーの代わりに、連続
してレーザーを2つの発光状態で交互に発射し、反射信
号が到着したタイミングを正確に検出することによっ
て、測定距離に関わりなく同一の装置で距離を測定し、
従来方式より、測定精度、分解能を向上させた距離周波
数変換方式による光学式走査型距離計を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明は、任意の被測定物に対して連続光を発する
発光手段と、前記被測定物からの反射光を受光する受光
手段と、前記受光手段が反射光を受光したとき前記発光
手段に前記連続光の発光を停止させるとともに、前記受
光手段が反射光を受光しなくなったとき前記発光手段に
前記連続光の発光を開始させる手段と、前記発光手段の
発光と停止の周期を測定する手段と、を備えたことを特
徴とするものである。
【0006】
【作用】特開昭48-3865 号公報や特開平1-219691号公報
の方式では、はじめから規定されたパルス幅(発光時
間)のパルス光を発射するから、パルス光の1回分の往
復時間の誤差が生じる。ただし、被測定物との距離によ
っては、誤差が生じないこともある。つまり、距離によ
って、パルス幅をうまく変えてやり、発光期間と停止期
間を同じくすれば、誤差は生じないわけである。ところ
が、被測定物との距離がわからない。そこで、パルス光
ではなく連続光を発射し、その反射光の有無で連続光の
発射をON・OFFすることで、この問題を解決したも
のである。本発明の原理を図7に示す。図7は下記よう
な動作順序をわかりやすく示すものである。 (1)受光系がなにも受光していなければレーザー発信
器(発光源)を発振する。 (2)レーザー光が物体にあたり反射する。 (3)やがて反射したレーザー光が受光系により受光さ
れる。 (4)レーザー光が受光系により受光されるとレーザー
発信器の発振を停止する。 (5)やがて受光系がなにも受光しなくなる。 (6)受光系がなにも受光していなければレーザー発信
器(発光源)を発振する(つまり(1)とおなじ)。 このように、受光装置が何も受光していない間、光源が
光ビームを発し続け、受光装置が光ビームの反射を受光
している間、光源が光ビームの発光を停止することによ
り、光源が発光する期間と発光を停止する期間は等しく
なり、誤差は全く生じなくなる。また逆にこの発光期間
と発光停止期間が等しくなるように、受光装置から光源
への信号を制御すれば、いかなる被測定物からの反射光
にたいしても正確に光ビームの帰還したタイミングを捕
えることが可能となり測定精度が向上する。また上記の
ように、光ビームを循環的に発し、その循環回数とそれ
に要した時間を測定することにより1回の往復に要した
時間を正確に測定でき測定精度が向上する。さらに、循
環回数を多くすれば測定時間を長くすることが可能とな
り、低速な時間計測装置でも測定可能となり、低価格の
装置を実現することが可能となる。なお、発光のON・
OFFではなく、強弱でもよいことは勿論である。
【0007】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1に基づい
て説明する。まず、装置の概略と信号の流れを説明す
る。光源1からの光は、平行光線にするための光学系2
をへて平行光線3とされる。平行光線3は2つのプリズ
ム4、5を通過して任意の方向へ照射される。モーター
17、20によって、それぞれプリズム4、5が回転す
る。図2に示すように、図1で構成される距離計測装置
26から発射された平行光線3は、被測定物27にあた
り、その1部が反射光6となり装置26へ戻る。反射光
6は、これを集める光学系7を通過して受光素子8に集
光されて検出される。受光素子8からの信号は電気信号
となり、A.C.カップリング増幅器9、反転器10を通過
し光源1をドライブする変調器11へ伝えられる。増幅
器の信号は増幅度測定用回路14を経て増幅度信号とし
て外部機器へ出力される。反転器10からの信号は周波
数測定用回路13を経て周波数信号15として外部機器
へ出力される。モーター17、20はモーター制御回路
23によって制御される。
【0008】この装置の動作原理を詳しく説明する。光
源1は変調器11によって制御され、2つの強度のどち
らかの強度の光を発光する。強い強度の光を「オン」と
すれば、これはより強度の少ない「オフ」の強度(無発
光を含む)よりも、少なくとも数倍以上の強度である。
この「オン」の光を第1の強度の光とし、この「オフ」
の光を第2の強度の光とする。この場合の光源は、レー
ザーダイオードでも、LEDでも構わない。2つの異な
る強度の光を交互に生成できるものであればなんでもよ
い。ただしこの光源としては、より短い時間でスイッチ
されることが望ましい。本実施例では半導体レーザーを
使用した。光源1からの光は光学系2により、平行光線
3に変換されるとともに半導体レーザーが持っている非
点収差を取り除いた円形の光束になる。この光源と平行
光線にする光学系は、帰ってきた光を集める光学系7の
光軸にマウントされている。もちろん光源の設置場所は
ここに限定されず、光源を別の場所において、小さな鏡
あるいはビームスプリッタをレンズ7前方に設置して、
光源からの光を反射させてプリズム4、5を通るように
させることも可能である。平行光線3は、屈折用プリズ
ム4を通り、屈折しプリズム5に入射する。本実施例で
は26度屈折する。そしてプリズム5の斜辺で反射し、
もう一方から出ていく。プリズム4および5はできれば
軽い材料、たとえばプラスティックでできていることが
望ましい。プリズムの形状、設置角度、屈折角度は限定
しない。走査光の走査範囲によってはその他の角度のプ
リズムでも可能である。プリズム4は緩やかな角度のプ
リズムでもよいし、くさび型のプリズムでもよいし、フ
レネルのプリズムでもよい。プリズム4は円形のホルダ
ー16で支持されている。
【0009】ホルダー16は、ベアリングの上に設置さ
れている。モーター17の回転がベルト19で伝達さ
れ、ホルダー16が回転する。ホルダー16の回転軸と
同じ軸で回転するようにプリズム5が取付けられてい
る。モーター20によって直接またはその他の方法、例
えばベルトドライブにより、プリズム5が回転される。
この2つのプリズムの回転軸は、送りだされる光の光軸
と同じであることが望ましい。ホルダー16はプリズム
4の重量とバランスし、高速で回転できるように重心が
中心にあることが望ましい。プリズム4は光学系2と光
源1に近い方が望ましい、そうすることによりプリズム
4、5の表面で反射した散乱光のうちで平行光線3に平
行なものが受光に影響を及ぼさないようにできるからで
ある。プリズム4、5は、平行光線3ができるだけプリ
ズム4の中心の近くに入射するように、できるだけ接近
していた方がよい。平行光線3がプリズム5に入る時、
その中心方向に屈折する。これによりプリズム4から出
たときの屈折の角度を減らす。平行光線3はプリズム5
から出ていく時は、中心方向と逆方向へ屈折する。プリ
ズム5にはバランス用のおもり22がついている。これ
らがモーター20にたいして静的にも動的にもバランス
のとれた負荷となる。プリズム4とモーター17の回転
角度、およびプリズム5とモーター20の回転角度は、
それぞれエンコーダー18、21で検出される。モータ
ー制御回路23はこの2つのモーターの位置を制御す
る。モーター制御回路23でモーターの速度を設定して
もよいし、外部のコンピューターから指令されてもよい
し、その他の制御装置から指令されてもよい。
【0010】実際のモーターの位置信号25は、周波数
信号15や増幅度信号14と同様に外部のコンピュータ
ー等により読み込まれる。平行光線3は被測定物27で
部分的に反射して、反射光6として距離計に帰ってく
る。反射光6のわずかな光はプリズムや鏡で反射される
が、大部分は光学系7に入り、受光素子8に集められ
る。受光素子8はフォトダイオードやその他の検出器で
特に限定しない。受光素子8からの信号29を増幅器9
が増幅する。増幅器9で増幅された信号の振幅を増幅度
計測回路12が測定する。一方、増幅器9で増幅された
信号は、反転器10により位相が反転させられる。この
位相反転は増幅器9で増幅の途中出行われてもよい。反
転器10の出力信号28は論理レベル「1」または
「0」の信号となる。出力信号28は光源1を駆動する
変調器11に入力される。平均のしきい電圧30よりも
信号の振幅が大きくなろうとしている時に、光源1が第
2の強度の光を発光し、逆にしきい電圧30よりも小さ
くなろうとしている時に光源1が第1の強度の光を発光
する。このしきい電圧は、出力信号28の論理レベル
「1」および「0」の比が等しくなるように制御され
る。なぜなら、本発明の原理では、距離計測装置26と
被測定物27の間の距離が一定ならば、光源1が第1の
強度の光を発光している時間と第2の強度の光を発光し
ている時間は等しいからである。
【0011】計測装置の発振の期間33は、被測定物2
7までの距離を往復する時間31と、光の伝播速度と、
受光素子8から光源1までの信号の伝播の遅れ時間32
によって決まる。本発明で光源1からの光が被測定物2
7まで行って帰ってきて、光源1の強度を変化させるま
での1往復が、このシステムの発振周期の1/2周期に
相当する。この1周期は次式で表わされる。 P=2Te +4D/C …(1) ここでPは発振の周期、Te は受光素子8から光源1ま
での信号の伝播時間32、Dは被測定物27までの距
離、Cは光の速度である。この発振のN周期分に要する
時間を測定した場合、その時間TはN×Pであり、目標
までの距離Dはこのように求めることができる。 D=C(T−2NTe )/4N…(2) 周波数測定器13が、時間Tについて、ある最小時間ま
で測定できるとすれば、距離の分解能は測定する発振周
期Nの数に比例する。よって計測する発振周期Nを増や
せば分解能を向上させることができる。水晶時計の分解
能は非常に高く、しかも長時間にわたって正確であるの
で、発振周期Nを多く測定すれば高い分解能と精度を得
ることが可能である。測定する発振周期Nを多くすれば
するほど、測定の時間が長くなるので単位時間あたりの
測定回数と分解能との間には合い反する関係がある。タ
イマーそのものは1対100億の精度があるので理論上
は高精度の測定を行うことが可能なはずである。
【0012】本実施例について、さらに実機に基づき具
体的に説明する。被測定物の表面27にぶつかる赤外光
ビームを作りだすために半導体レーザー1とレンズ2が
使用されている。光は被測定物の表面27で散乱的に反
射し、そのうちのいくらかが集光レンズ7で集められフ
ォトダイオードセンサ8の上に焦点を結ぶ。センサーか
らの信号が増幅される。電気信号に変換される前にベル
研究所製の光学増幅器を使って光学的に増幅する。半導
体レーザーを駆動する変調器11につながる反転比較器
10に入力される。そのセンサーからの信号がある平均
値より大きければ、変調器11は半導体レーザー1の発
光を停止して、逆に小さければ半導体レーザー1の発光
させる。フォトダイオードセンサ8からの信号は増幅器
9でACカップリングされているので、DC信号や低い
周波数の信号(200KHz以下)は増幅された信号か
らは取り除かれている。装置に電源を投入した時点では
半導体レーザー1は発光しているかもしれないし、発光
していないかもしれない。フォトダイオードセンサ8と
増幅器9は、ランダムノイズにより微小信号を発生し、
ある時点で半導体レーザー1を逆の発光状態にするよう
変調器11を駆動する。この遷移は連続して繰り返され
る。よってこの発振を引き起こしたり持続させたりする
回路は不要である。この遷移の周期は周波数計測回路で
計測される。これはある一定回数の周期、つまりある一
定回数、半導体レーザー1が発光停止状態から発光状態
へ遷移したときの時間を計測しているのである。ここで
ある発光停止状態から発光状態へ遷移し、次の発光停止
状態から発光状態へ遷移するまでを1サイクルとする。
実機ではタイマーの分解能は33.3ナノ秒で、最大204
8サイクルまでのいづれかのサイクル数を選択し、その
時間を計測した。光は1ナノ秒に30cm進むのでこの
システムの分解能は (30×33.3)/(4×2048)=0.122 cm となる。一回の測定あたり2048サイクル時間をかけ
るとすると、上記分解能は1秒あたり3662回の測定
のサンプルレートで得られるものである。この実機では
このサンプルレートを750万回/秒まで増やすことが
可能である。ただしこれに応じて分解能は低下する。よ
り早いサンプルレートでかつ高い分解能を持つシステム
はもう少し複雑な電子回路で実現できるかもしれない。
タイマーが測定した時間はメモリに格納され、外部のコ
ンピュータシステムやマイクロプロセッサーと表示装置
からなる小型の装置によって読みだすことが可能であ
る。このコンピュータにより(1)の式を使って時間を
距離に変換することができる。受光素子8から光源1ま
での信号の伝播時間Teは、予め距離のわかっているも
のを測定することにより知ることができる。本実施例で
は、一般的な物体からの反射を受光して距離を計測し
た。反射装置を被測定物体に設置して使用することも可
能で、使用範囲を数キロメータまで拡張できる。たとえ
ば、このような反射装置としてコーナーキューブがあ
る。土木測量で、キロメーター単位での距離測定をする
ときに、このような反射装置が使われている。
【0013】実機での測定試験結果について説明する。
3、662Hzのサンプルレートで0から10メートル
までの範囲を1.22ミリメートルの精度で測定する。測定
距離が減少するとサンプルレートは増加する。2.5 メー
トルの測定でサンプルレートは最大7.5Mhzである。図4
に一定距離を一定時間計測した結果を示す。実験装置は
壁から約700 ミリメートルのところに置かれ31680 回の
測定がおこなわれた。ガウス分布で標準偏差は0.453 ミ
リメートルである。データのヒストグラムの分布状態
や、かけ離れたデータがないことから測定結果が一様に
分布することがわかる。つまり、ある測定精度内にデー
タがおさまるのである。
【0014】図5に別の実験結果を示す。扇風機の回転
する羽を測定したものである。光ビームを一定速度で回
転する羽がさえぎる状況を表わしている。図の下側の測
定点は羽の横断面を表わし、上側の測定点は背後の壁を
示している。これは装置の動特性を意味し、動く被測定
物に対しても測定可能であることを証明している。さら
に別の実験結果を図6に示す。計測装置は実験室の中央
に置かれ、プリズムを360度回転させて試作機のまわ
りの実験室の状況を計測した。プロットした測定点は建
物の水平方向断面と内部にある物体を示す。これはあら
ゆる物体の表面にたいして、あらゆる照射角度で光線を
あてても、物体までの距離が測定することができること
を表わしている。
【0015】他の距離測定システムと同様に、本発明で
の測定誤差の原因には2つある。1つはランダムノイズ
による誤差であり、もう1つはシステマティックな誤差
である。ランダムノイズは検出器の温度ノイズや外乱光
などのいろいろな原因が考えられる。計測においてこの
ランダムノイズを減らすいろいろな方法があるが、それ
らは多くの計測システムにとっても同様である。例えば
受信する光あるいは電気信号をフィルタリングするとか
送り出す光の出力を増やすとか、検出するために集める
光を増やすとか、低温に冷やされた検出器を使うという
ようなことである。ランダムノイズやホワイトノイズの
影響で測定誤差の標準偏差が増大する。これは何回かの
測定の平均をとることや、ある長い時間(多くのサイク
ル)にわたって測定をすることで減らすことができる。
ノイズによる絶対時間誤差の変動は合計の測定時間の平
方根に比例し、時間の誤差率は時間の平方根に反比例す
る。本発明の先の実施例では、レーザー光の継続的な強
さの変化として、その動作での論理信号「オン」及び
「オフ」レベルを使用ている。もちろん、これはアナロ
グ回路でも実施可能である。ここでノイズが受信信号の
半分より増幅されなければ、反転回路の状態を変化させ
ることがなく測定に影響しない。状態の遷移の途中にノ
イズが現われると精度に測定影響を与える。ノイズが状
態の遷移の途中で信号のレベルを変化させると、反転回
路の出力に影響をあたえる。状態の遷移が早ければ早い
ほどノイズによる影響は少なくなる。そのような高速の
回路は光ファイバー通信で使われ、状態の遷移を1ナノ
秒以下にできる。
【0016】システマティックな誤差は発振の周波数の
変化や、受信信号の増幅率、それに部品の温度が電子回
路に影響されて起きる。これらの全ての要素は、測定に
より得た補正表に基づいて、装置が作動中に補正する。
一般に、この補正はシステムからの出力を調整するよう
にソフトウエアによっておこなわれる。本発明の動作が
2値化によるため、ランダムノイズが状態の遷移を招く
可能性がある。そして、そのような遷移した状態が持続
することがある。この現象では、周波数計測回路は本来
の3倍あるいはそれ以上の時間を測定し、間違った距離
計測をおこなう原因となる。図4に示すように、このよ
うな現象は本発明による実機で集めたデータからは観測
されなかった。データは自然に分布して、かけ離れた値
がないことが計測システムの信頼性を示している。余分
の状態の遷移による問題が明白だとしても、ある一定時
間にあるレベルでレーザーの出力を保ち、測定のための
最初の状態の遷移をおこし正常状態に戻すことによって
余分の状態の遷移による影響を防げる。
【0017】第1の実施例では光のビームに2値化状態
を使用した。それは「オン」か「オフ」である。ここで
「オン」あるいは「オフ」とは2つの異なる強度か、2
つの反対の極性である。しかし、サイン曲線状に継続的
に変化する波形も使用可能であり、適応分野によっては
そのほうが適切かもしれない。第2の実施例として、光
源と受光素子を測定装置内に一緒に配置するかわりに、
受光素子を被測定物上に置き、光源を測定装置内に設置
して2つを分離することも可能である。被測定物と測定
装置の間の距離を計測するために、光源からの光が被測
定物に発射され被測定物上の受光素子が直接検出する。
よって、光源と受光素子の間の距離を直接測定できる。
【0018】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
受光信号の状態によって発光信号の状態を2つの状態を
繰り返すように制御し、この2つの状態の時間の比が等
しくなるように発光状態を制御することにより、被測定
物の表面状態や、測定距離の変化による影響をうけるこ
となく、精度よく距離を測定することができる。また、
光を複数回往復させて時間を測定するので、安価な時間
測定回路で時間が測定できる。さらに、往復回数も計測
するので、1回の往復にかかる時間を正確に求めること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す構成図
【図2】本実施例の装置で被測定物までの距離を計測す
るときの概略図
【図3】増幅回路9の入力信号と光源からの出力信号の
例を示した図
【図4】距離計測結果を示す図
【図5】扇風機の羽を計測した結果を示す図
【図6】実験室内部を計測した結果を示す図
【図7】本発明の原理説明図
【符号の説明】
1 光源 2 平行光線にするための光学系 4,5 プリズム 6 反射光 7 反射光集光光学系 8 フォトダイオード(受光素子) 9 増幅器 10 反転器 11 光源1を駆動する変調器 14 増幅度測定用回路 15 周波数測定用回路 17,20 モーター 23 モーター制御用回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−264885(JP,A) 特開 平1−219691(JP,A) 特開 昭58−198781(JP,A) 特公 昭51−6567(JP,B2) 特公 昭47−34353(JP,B2) 特公 昭46−36027(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/48 - 7/51 G01S 17/00 - 17/95

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の被測定物に対して連続光を発する
    発光手段と、 前記被測定物からの反射光を受光する受光手段と、 前記受光手段が反射光を受光したとき前記発光手段に前
    記連続光の発光を停止させるとともに、前記受光手段が
    反射光を受光しなくなったとき前記発光手段に前記連続
    光の発光を開始させる手段と、 前記発光手段の発光と停止の周期を測定する手段と、を
    備えたことを特徴とする距離計測装置。
  2. 【請求項2】 任意の被測定物に対して強さの異なる第
    1と第2の2つの連続光のうち一方の強さの連続光を選
    択して発する発光手段と、 前記被測定物からの反射光を受光する受光手段と、 前記受光手段が一方の強さの反射光を受光したとき前記
    発光手段が発する前記連続光の強さを他方の強さに変更
    する手段と、 前記一方と他方の光の強弱の周期を測定する手段と、を
    備えたことを特徴とする距離計測装置。
  3. 【請求項3】 前記発光手段あるいは受光手段の方向を
    変化させるための少なくとも1つのプリズムと、そのプ
    リズムの駆動機構を備えたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の距離計測装置。
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