JP3180389U - 超音波加湿器 - Google Patents

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Abstract

【課題】霧化運転を長時間行なった際に、取付ベースの放熱性能が低下せず、熱による不具合を防止し、耐久性に優れた超音波加湿器を提供する。
【解決手段】底壁20に底孔を有する樹脂製の貯水ケース部2と、貯水ケース部2の水Wを霧化するための超音波を発振する振動子3と、底壁20に固着されると共に振動子3が取着される金属製の取付ベース5と、を備えた超音波加湿器であって、取付ベース5は、表て面5aを貯水ケース部2に向けて底壁20に固着され、底孔と連通する窓部51を有すると共に、振動子3が窓部51を下方から閉塞するように取着され、取付ベース5の表て面5aと、窓部51の内面51aとに、フッ素樹脂コーティング層50を被覆形成したものである。
【選択図】図1

Description

本考案は、超音波加湿器に関する。
従来、超音波加湿器は、水が貯えられる樹脂製の貯水ケース部と、貯水ケース部の水を霧化するための超音波を発振する振動子と、を備えている。そして、振動子は、貯水ケース部の底孔を介して水と接触するように金属製の取付ベースに取着されている。また、取付ベースは、貯水ケース部の水と接触するように配設され冷却効果を得ている(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−87437号公報
しかし、長時間、霧化運転すると、水含有成分、例えば、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が蒸発残留物として析出する。そして、どのようなメカニズムか明らかではないが、超音波と、水と、水含有成分から成る蒸発残留物(析出物)と、取付ベースの金属素材(アルミニウムや鉄等の金属)等が相互に関係して、取付ベースの水接触部位に、白い不純物が発生して固着する現象が起こる。このような不純物固着現象が発生すると、取付ベースの放熱(冷却)性能が低下するといった問題があった。
つまり、長時間運転すると取付ベースが高温となって、貯水ケース部や水密用のシール部材等が熱変形し、水漏れ等の不具合が発生するといった問題や、取付ベースに取着している振動子や発振回路用電子部品等が熱で故障するといった問題があった。
そこで、本考案は、霧化運転を長時間行なった際に、取付ベースの放熱性能が低下せず、熱による不具合を防止し、耐久性に優れた超音波加湿器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本考案の超音波加湿器は、底壁に底孔を有する樹脂製の貯水ケース部と、該貯水ケース部の水を霧化するための超音波を発振する振動子と、上記底壁に固着されると共に上記振動子が取着される金属製の取付ベースと、を備えた超音波加湿器に於て、上記取付ベースは、表て面を上記貯水ケース部に向けて上記底壁に固着され、上記底孔と連通する窓部を有すると共に、上記振動子が上記窓部を下方から閉塞するように取着され、上記取付ベースの表て面と、上記窓部の内面とに、フッ素樹脂コーティング層を被覆形成したものである。
本考案によれば、長時間霧化運転しても、取付ベースに不純物が固着せず、取付ベースが十分な放熱(冷却)性能を維持できる。したがって、貯水ケース部や水密用シール部材等の取付ベース近傍部位・部材が所定温度以上まで上昇することを防止して、熱変形せず、水漏れ等の不具合を防止できる。また、取付ベースに取着している振動子や発振回路用電子部品等が熱で故障するのを防止できる。
本考案の実施形態を示す断面側面図である。 図1の要部拡大図である。 取付ベースの一例を示す平面図である。
以下、図示の実施形態に基づき本考案を詳説する。
図1に示すように、ケーシング本体10内に、霧化すべき水Wが貯えられる補充タンク部1と、補充タンク部1の下方位置に設けられ補充タンク部1から給水弁11を介して供給された水Wが貯えられる(ABSやPP等)樹脂製の貯水ケース部2と、貯水ケース部2の水Wを霧化するための圧電セラミックス等の振動子3と、貯水ケース部2の上方位置に設けられ水Wが霧化したミストMが浮遊するミスト室6と、ミスト室6と外部を連通する吐出路7と、ミストMを吐出路7の吐出口71から噴出させるための搬送風Kを発生させる送風ファン8と、を備えている。
さらに、貯水ケース部2の底壁20に固着されると共に振動子3が取着されるアルミニウムや鉄等の金属製の取付ベース5を備えている。
図2及び図3に於て、取付ベース5は貯水ケース部2の底壁20と平行状の平板部53と、平板部53に貫設された円形状の窓部51と、窓部51を包囲するように(同心状に)配設され平板部53から上方突出状に形成された円筒状壁部52と、窓部51と同心状に配設され裏面5bから上方へ窪んだ振動子位置決め用の円形状の座部(凹部)54と、を有している。
円筒状壁部52の内周面52aは、上方拡径テーパ状に形成されている。
取付ベース5は、表て面5aを貯水ケース部2に向け(上方へ向け)、窓部51が底壁20に貫設された底孔21と連通するように配設されている。
取付ベース5は、円筒状壁部52の上部が、底孔21に内嵌状に差し込まれて、位置決めされ、円筒状壁部52の上面52c及び内周面52aと、窓部51の内面51aは水Wに接触するように配設されている。
また、取付ベース5の円筒状壁部52の外周面52bには、貯水ケース部2の底壁20と取付ベース5の間を密封(水密)して底孔21からの水漏れを防止する円環状のシリコンゴム等のゴム製の第1シール部材61が外嵌状に取着される。
また、取付ベース5には、振動子3が、窓部51を下方(裏面5b側)から閉塞するように、かつ、その上面3aが水Wと接触するように裏蓋状に取着されている。
振動子3は、その周縁部3dに密着する横断面コの字状のゴム製の第2シール部材62が外嵌状に取着されている。
第2シール部材62は、円環状に形成され、取付ベース5の座部54に、内嵌状に取着して、取付ベース5と振動子3の間を密封(水密)して窓部51からの水漏れを防止している。
また、取付ベース5の裏面5bに、振動子3及び第2シール部材62が下方への脱落を防止すると共に、第2シール部材62が取付ベース5への密着する押圧力を付与する押さえカバー部材60が固着されている。
そして、取付ベース5は、表て面5aと、窓部51の内面51aとに、フッ素樹脂コーティング層50を設けている。ここで、取付ベース5の表て面5aとは、円筒状壁部52のテーパ状の内周面52aと、円筒状壁部52の上面52cと、円筒状壁部52の外周面52bと、平板部53の上面53aと、である。つまり、表て側の全面(各面)と、窓部51の内面51aとに、フッ素樹脂コーティング層50を被覆形成している。
取付ベース5の裏側の各面(座部54の内周面54aと座部54の座面54cと、平板部53の下面53b)は、フッ素樹脂コーティング層50を省略することで、フッ素樹脂吹き付け工程において、取付ベース5を表裏ひっくり返す必要がなく、ムラなく均一に、そして、容易かつ迅速に吹き付けができる。また、ヒータ加熱工程(焼成工程)において、取付ベース5を保持する特別な治具が必要なく姿勢が安定して、均一に加熱することができる。また、表て側の水接触部位(円筒状壁部52の上面52c及び内周面52aや、窓部51の内面51a)のみにフッ素樹脂コーティング層50を設ける場合に比べて、細かなマスキングが必要なく、フッ素樹脂コーティング層50の形成を容易かつ迅速に行なうことができる。
フッ素樹脂コーティング層50は、取付ベース5にフッ素樹脂を吹き付け、その後、ヒータの加熱等によって焼成して形成したものであり、例えば、テフロン(登録商標)コーティングである。
フッ素樹脂コーティング層50の「フッ素樹脂」とは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)等である。
そして、フッ素樹脂コーティング層50は、耐薬品性(酸、アルカリ、塩等の水溶液に浸食されにくい)、非粘着性(難付着性)、撥水性、耐熱性、滑り性(低摩擦性)、耐磨耗性、高い電気絶縁性といった特性を有するものである。
また、フッ素樹脂コーティング層50は、人工又は天然のダイヤモンド微粉末を含有させたもの、或いは、人工又は天然の鉱物や宝石の微粉末を含有させたものでも良い。
また、図1及び図2に示すように、振動子3や送風ファン8、電源等を制御するための制御回路部9を備えている。なお、図1及び図2に於て、配線部材や電源コード等は図示省略している。また、貯水ケース部2の水位を所定高さ(水量を所定量)に保持するためのフロートスイッチ(リミットスイッチ)を図示省略している。
制御回路部9は、振動子3を発振制御する(駆動させる)発振回路部93を有している。
そして、発振回路部93のトランジスタ93aを、取付ベース5の裏面5b(平板部53の下面53b)に固着している。そして、振動子3やトランジスタ93aの熱を、取付ベース5を介して、空気中や貯水ケース部2の水Wに放熱するように設けている。つまり、取付ベース5は、放熱板(水Wに接触して冷却されることで、振動子3やトランジスタ93aを冷やす冷却板)でもある。なお、取付ベース5は、放熱性、加工容易性、金型成型性に優れたアルミニウム製とするのが好ましい。
なお、本考案は設計変更可能であって、取付ベース5の裏面5bにフッ素樹脂コーティング層50を設けても良い。また、ケーシング本体10の形状は自由である。また、補充タンク部1、貯水ケース部2、ミスト室6、吐出路7、送風ファン8等の配置や形状は自由である。
また、振動子3は、水Wを霧化可能であれば、振動数は自由であるが、1秒間に100万回(1MHz)以上250万回以下(2.5MHz)の振動数が望ましい。より好ましくは、120万回〜180万回(1.2MHz〜1.8MHz)である。
次に、上述した本考案の超音波加湿器の作用について説明する。
電源を入れることで、振動子3が駆動し、超音波を発振して、貯水ケース部2の水Wを霧化する。また、送風ファン8が駆動し、搬送風Kは発生させて、水Wが霧化したミストMを、吐出口71から噴出(噴霧)させる。
そして、霧化運転を長時間行なうと、水含有成分から成る極微小な蒸発残留物(析出物)が発生し、取付ベース5に付着・堆積する虞がある。しかし、フッ素樹脂コーティング層50の難付着性、撥水性、摺動性等により、極微小な蒸発残留物の付着・堆積が防がれる。不純物発生の原因のひとつである蒸発残留物(析出物)が付着して集積するのを防ぐことで、不純物の発生及び固着を防ぐ。
また、取付ベース5の金属素材を、フッ素樹脂コーティング層50によって、水中のイオンや水含有物の析出物(蒸発残留物)等に直接的に接触させず(非接触とし)、さらに、耐薬品性や撥水性によって、不純物の発生・固着を防ぐ。
なお、水含有成分は、例えば、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラル成分、塩素や水道管からの鉄分等、である。
ここで、本考案の超音波加湿器(取付ベース5にフッ素樹脂コーティング層50を設けたもの)を実施例とし、フッ素樹脂コーティング層50を省略したものを比較例1とし、取付ベース5にフッ素樹脂コーティング層50のかわりに黒色塗料の塗装膜を設けたものを比較例2とし、フッ素樹脂コーティング層50のかわりに金属系メッキ層(金属皮膜)を設けたものを比較例3として耐久試験を行なった。水Wは家庭用の水道水を使用し、適宜補充した。
比較例1〜3を夫々複数設置して霧化運転を開始すると、開始後500時間〜1000時間(1日5時間の使用で、年間使用期間を100日と仮定した場合に、1年〜2年の予想使用期間)で、白い不純物の固着が発生し、取付ベース5の冷却性能低下による異常熱で、近傍の部材や部位に熱変形が発生し、水漏れ等の不具合が発生した。また、熱で振動子3が破損したものや、トランジスタ93aが高温となって発振回路が機能停止したものがあった。
実施例は、霧化運転開始後2500時間以上(5年以上の予想使用期間)でも、不純物の固着が見られず、取付ベース5の異常発熱による不具合が発生せず、比較例1〜3よりも耐久性に優れていることが明らかとなった。
また、比較例2は、塗装の剥離が見られた。また、比較例1、及び、塗装剥離後の比較例2に、錆びや腐蝕のような現象(酸化や白化のような現象)が発生し、この現象も放熱性の低下の原因となっていた。
実施例は、フッ素樹脂コーティング層50の剥離は見られず、錆びや腐蝕のような現象も見られなかった。
以上のように、本考案の超音波加湿器は、底壁20に底孔21を有する樹脂製の貯水ケース部2と、貯水ケース部2の水Wを霧化するための超音波を発振する振動子3と、底壁20に固着されると共に振動子3が取着される金属製の取付ベース5と、を備えた超音波加湿器に於て、取付ベース5は、表て面5aを貯水ケース部2に向けて底壁20に固着され、底孔21と連通する窓部51を有すると共に、振動子3が窓部51を下方から閉塞するように取着され、取付ベース5の表て面5aと、窓部51の内面51aとに、フッ素樹脂コーティング層50を被覆形成したので、長時間霧化運転しても、取付ベース5に不純物が固着せず、取付ベース5が十分な放熱(冷却)性能を維持できる。したがって、貯水ケース部2の底壁20や、水密用の第1・第2シール部材61,62等の取付ベース近傍部位・部材が所定温度以上まで上昇することを防止して、熱変形せず、水漏れ等の不具合を防止できる。また、取付ベース5に取着されている振動子3やトランジスタ93a等の発振回路用電子部品が熱で故障するのを防止できる。
2 貯水ケース部
3 振動子
5 取付ベース
5a 表て面
20 底壁
21 底孔
50 フッ素樹脂コーティング層
51 窓部
51a 内面
W 水

Claims (1)

  1. 底壁(20)に底孔(21)を有する樹脂製の貯水ケース部(2)と、該貯水ケース部(2)の水(W)を霧化するための超音波を発振する振動子(3)と、上記底壁(20)に固着されると共に上記振動子(3)が取着される金属製の取付ベース(5)と、を備えた超音波加湿器に於て、
    上記取付ベース(5)は、表て面(5a)を上記貯水ケース部(2)に向けて上記底壁(20)に固着され、上記底孔(21)と連通する窓部(51)を有すると共に、上記振動子(3)が上記窓部(51)を下方から閉塞するように取着され、
    上記取付ベース(5)の表て面(5a)と、上記窓部(51)の内面(51a)とに、フッ素樹脂コーティング層(50)を被覆形成したことを特徴とする超音波加湿器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108507110A (zh) * 2018-03-21 2018-09-07 浙江世贸装饰股份有限公司 一种防霾净化窗

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