JP3180031B2 - 蛍光発光測定装置 - Google Patents

蛍光発光測定装置

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JP3180031B2 JP18844896A JP18844896A JP3180031B2 JP 3180031 B2 JP3180031 B2 JP 3180031B2 JP 18844896 A JP18844896 A JP 18844896A JP 18844896 A JP18844896 A JP 18844896A JP 3180031 B2 JP3180031 B2 JP 3180031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光色素により標
識した試料からの蛍光を測定する蛍光発光測定装置に関
し、特に、レーザ光源などの高輝度光源による励起光の
散乱光を効果的に除去し、発光した蛍光を高い感度で読
み取ることのできる蛍光発光測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電気泳動したDNAの分析におい
て、蛍光色素で標識した試料の分析を行う場合、標識の
ために用いた蛍光物質を含む蛍光色素に対しては、非常
に微弱な光量でしか発光しない蛍光物質に対して、図8
に示すように、その蛍光物質の吸光度が最大となる励起
波長(励起曲線)の励起光によって、効率よく蛍光色素
の蛍光物質を励起し、この励起波長から、その長波長側
に発生する蛍光物質の特有の波長中心値の蛍光(蛍光曲
線)を測光する。そして、受光した蛍光の量から試料の
量などを推定するようにしている。
【0003】このため、特に、高い検出感度で試料の量
を測定するために、効率的に試料から発光する蛍光の光
を収集し、更に、試料の読み取り面で散乱する励起光か
らの光を効率的に除去して受光する必要がある。
【0004】励起光からの散乱光を除去するため、特
に、波長選択性の高い干渉フィルタを用いる場合、干渉
フィルタの選択特性を充分に引き出すためには、入射光
をフィルタ面に対してほぼ垂直に入射させる必要があ
る。垂直でない場合には、通過帯域が短波長側にシフト
し、発光した蛍光の検出に対してノイズとなる光源の励
起波長に対する遮断特性が甘くなる。
【0005】また、試料から発光する蛍光の光がある面
積に広がり、拡散状態に近い状態で発光している場合に
は、光ファイバアレイなどを用いて集光して、そのファ
イバを束ねてその出射面からの光を光学フィルタに結合
するが、その場合にも、光学フィルタに垂直に入射させ
る平行光成分を抽出しなければならない。この際、平行
光成分の抽出のため、平行光成分でない一部の角度成分
の光量が、蛍光の検出成分から捨てられてしまうことに
なり、結果として、蛍光の受光効率の低下を招いてしま
う。
【0006】このため、従来においては、信号対雑音比
を向上させるためには、主として、受光する光量の信号
成分を増やすことで、結果的に波長選択性を犠牲にしな
がら妥協可能な信号対雑音比で蛍光測定装置を構成して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
蛍光色素から発光する蛍光を測定する蛍光測定装置にお
いては、蛍光色素を励起する光源の励起波長が、検出す
る蛍光の波長より短波長側であるため、励起波長でのフ
ォトンエネルギーが高く、蛍光色素の蛍光物質を破壊し
てしまう。このため、1度の読み取りしか実行できず、
1度の読み取りで確実に読み取りを行わなければならな
い。つまり、2度読みができないという問題がある。具
体的には、例えば、吸光波長が490nm付近にあるフ
レオレセイン系の蛍光色素(例えば、フレオレセイン・
イソチオシアネート)の場合、波長488nmのアルゴ
ンレーザーを用いて励起すると、蛍光色素が破壊され、
2度読みができない。
【0008】また、1度の読み取りで蛍光の測定を行う
場合においても、従来においては、短い波長の励起光で
励起しているために、フォトンエネルギーが高く、読み
取り途中においても、蛍光物質の光分解が進行する。し
たがって、検出する蛍光が非常に微弱であるために、そ
の読み取りゲインをかせぐ目的で、検出した蛍光の信号
を積分しながら読み取りを行う場合において、積分時間
をある程度以上長くしても、信号対雑音比がそれほど改
善されないという問題がある。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、本発明の目的は、励起波長
成分を高い効率で除去して、発光した蛍光を読み取るこ
とができる蛍光発光測定装置を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、蛍光読み取りの際の蛍光物質
の光分解による破壊を低減し、繰り返し読み取りを行う
ことができる蛍光発光測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため、本発明の蛍光発光測定装置は、蛍光色素で標
識した試料に対し当該色素の発光波長帯に属する励起波
長で励起する蛍光励起手段と、蛍光色素から発光した蛍
光を集光する集光手段と、前記集光手段により集光した
蛍光から前記励起波長よりも短波長側の成分を選択的に
受光する光学フィルタ手段と、該光学フィルタ手段で選
択した光を電気信号に変換する光電変換手段と、該電気
信号に所望の処理を施すための信号処理手段と、結果を
表示するための表示手段とを有することを特徴とする。
【0011】このような特徴を有する蛍光発光測定装置
においては、試料に標識された蛍光色素に対して、蛍光
の発光波長と同じ波長帯に属する励起波長の励起光源を
用いて励起し、当該励起波長よりも短波長側の成分を光
学フィルタ手段を用いて選択して分離し、蛍光色素から
発光した蛍光を取り込む。すなわち、蛍光発光する蛍光
曲線のピーク波長より長い波長の光を発光する励起光源
の励起光によって、蛍光色素を励起する。この場合の蛍
光色素の励起では、励起光のフォトンエネルギーは低
く、したがって、励起効率は悪いが、蛍光色素の蛍光物
質は確実に励起されて、蛍光を発光する。この発光した
蛍光を受光して集光し、例えば、励起波長よりも短波長
側に通過波長の遮断波長特性を有する干渉フィルタを用
いた光学フィルタにより、励起波長よりも短波長側の成
分を選択的に取り込む。取り込まれた蛍光は、光電変換
素子を用いて電気信号に変換する。更に、この電気信号
は、信号処理手段により、ディジタル信号に変換されて
所望の処理が施され、表示手段により結果が表示され
る。
【0012】この場合、本発明の蛍光発光測定装置で
は、蛍光色素に対する励起光の波長を蛍光波長帯に重ね
るようにして励起する。このため、この励起波長は、従
来の励起波長よりも十分に長い波長の光であるので、励
起波長のフォトンのエネルギーは低く、複数回の蛍光読
み取りを行っても、蛍光色素や色素を標識している試料
がほとんど光分解されない。また、光学フィルタは、励
起光よりも短波長側に通過波長の遮断波長特性を有する
干渉フィルタを用いてフィルタリングするため、光学フ
ィルタへの入射角が垂直でなくても励起波長側(フィル
タの長波長側)の遮断波長特性は影響を受けず、確実に
励起波長の光を遮断できる。発光した蛍光を受光する短
波長側は、ブロードにできるため充分な帯域を確保でき
る。従って、信号帯雑音比を高くして、蛍光を測定でき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する場合の形
態について、図面を参照して具体的に説明する。図1
は、本発明の実施例にかかる蛍光発光測定装置の要部の
構成を示す図である。図1において、10は励起光を発
光するレーザ光源、11はキュベット、12は光源から
の照射光、13は第1集光レンズ、14は干渉フィル
タ、15は第2集光レンズ、16は光電子増倍管16、
17は増幅器、18はアナログ・ディジタル変換回路、
19はデータ処理装置である。
【0014】図1を参照して、蛍光発光測定装置の動作
の概略を説明する。キュベット11は、計測用の試料を
入れる石英ガラス製の直方体状の透明容器であり、この
キュベット11に、蛍光色素を標識した被測定試料を入
れる。例えば、被測定試料のDNAが入れられる。この
試料が入れられたキュベット11に対して、励起光とし
て、レーザ光源10からの照射光12を照射すると、こ
こから蛍光が発光するので、発光した蛍光を第1集光レ
ンズ13により集光して、平行光に変換する。そして、
平行光の蛍光を干渉フィルタ14に通して、レーザ光源
からの散乱光を除去し、蛍光成分を選択して通す。干渉
フィルタ14を通過した蛍光成分は、第2集光レンズ1
5で更に集光されて、光電子増倍管16に入射される。
光電子増倍管16は、第2集光レンズ15で集めた蛍光
成分を電気信号に変換する。増幅器17は、変換された
電気信号を増幅し、アナログ・ディジタル変換回路18
に入力する。アナログ・ディジタル変換回路18では、
電気信号のアナログ信号をディジタル信号に変換する。
そして、データ処理装置19によって、変換されたディ
ジタル信号を蓄積すると共に、所定のデータ処理を行
う。
【0015】図2は、本発明の蛍光発光測定装置におい
て使用する蛍光色素の励起波長と光学フィルタの波長分
離特性の関係を説明する図である。本発明の蛍光発光測
定装置においては、図2に示すように、試料に標識され
た蛍光色素の蛍光曲線21に対し、この蛍光色素を励起
する励起光は、その波長特性を示す励起曲線22が蛍光
曲線21のピークの波長帯より長い波長側の光を用い
る。また、蛍光色素の蛍光曲線21に対応して、蛍光色
素から発光した蛍光をノイズから分離するための光学フ
ィルタの波長選択特性23は、蛍光色素の蛍光曲線21
に対応したものを用いる。このため、ここでの光学フィ
ルタの波長選択特性23と、励起曲線22の波長特性と
の関係は、励起波長よりも短波長側に通過波長の遮断波
長特性を有するものとなっている。つまり、ここでの光
学フィルタは、励起波長よりも短波長側において蛍光成
分を選択的に取り込む。
【0016】光学フィルタとして、ここでは長波長側に
鋭い遮断波長特性を有する波長選択性の高い干渉フィル
タを用いる。干渉フィルタは、選択する光に対して入射
角が垂直であると良好な波長選択特性を示すが、入射角
が広がると、その通過波長が短波長側にシフトする。こ
の場合、入射角が広がり、その通過波長が短波長側にシ
フトしても、長波長側には鋭い波長遮断特性をそのまま
有するので、そのフィルタ特性を効果的に利用できる。
【0017】図3は、干渉フィルタの入射角による通過
波長の遮断波長特性を説明する図である。図3に示すよ
うに、干渉フィルタは、入射角が0°,5°,10°の
ように短波長側にずれた光成分を含む場合、その波長選
択特性は、それぞれの波長選択特性を合成したものとな
り、結果的には、その通過波長は短波長側にシフトした
ものとなる。しかし、長波長側においては、干渉フィル
タの鋭い波長遮断特性をそのまま有する。本発明の蛍光
発光測定装置において、蛍光色素から広がりを持って発
光した蛍光測定する場合、蛍光成分は入射方向が異なる
光が混合して入射することになる。このため、干渉フィ
ルタを用いて波長選択すると、ここで用いる干渉フィル
タの波長選択特性が、図3に示すように、短波長側でな
だらかな遮断特性となるが、長波長側では、本来の光学
フィルタの遮断特性に従った急峻な波長遮断特性を有す
るものとなっているので、長波長側の励起波長は確実に
遮断できる。
【0018】このような干渉フィルタの波長選択特性
は、図2に説明したように、励起波長に非常に近い短波
長側において蛍光を選択的に透過する場合に、非常に適
した波長選択特性となっている。つまり、本発明の蛍光
発光測定装置において、励起波長よりも短波長側で蛍光
成分を選択するようにすると、入射光を干渉フィルタ面
に垂直に入射させなくても、干渉フィルタの特性を有効
に利用して、励起波長成分を確実に除去して、発光した
蛍光の波長成分を選択できる。この結果、入射角が広が
り、それに連れて波長通過域が短波長側にシフトして
も、信号対雑音比を高くして発光した蛍光を受光でき
る。
【0019】再び、図1および図2を参照して、具体例
で説明すると、被測定対象の試料に標識する蛍光色素の
試薬として、例えば、フレオレセイン・イソチオシアネ
ート(以下FITCという)を用いる場合、このFIT
Cの蛍光発光の特性は、図2に示すように、最小の励起
波長が490nm、蛍光発光の強度が最大となる波長が
520nmとなるので、励起波長の照射光12を照射す
る光源としては、例えば、ネオジウムをドウピングした
YAGと非線形光学結晶を組み合わせて、2次高調波と
して532nmの波長を発生する固体2次高調波グリー
ンレーザを使用する。
【0020】この固体2次高調波グリーンレーザから発
生する光を励起光として、キュベット11内にある試料
に標識されたFITCを照射すると、照射されて励起し
たFITCからは蛍光が発生する。発生した蛍光は、第
1集光レンズ13によって集光されて並行光に変換さ
れ、干渉フィルタで構成される光学フィルタ14に到達
する。
【0021】光学フィルタ14を構成する干渉フィルタ
は、FITCの蛍光発光特性に合わせて、その最大とな
る波長520nmにその波長選択特性を有するものを使
用する。干渉フィルタは、その物理的特性から、図3に
示すように、その励起波長よりも短波長側に通過波長の
遮断波長特性を有するものであり、その遮断特性によっ
て、励起光の散乱光から蛍光成分を選択的に透過させ
る。この結果、光学フィルタ14を通過した蛍光成分
は、更に、第2集光レンズ15を通過して絞り込まれ
て、光電子増倍管16へ入射される。光電子増倍管16
は、入射された蛍光をその強度に比例した電気信号に変
換し、電気信号を出力する。
【0022】光電子増倍管16から出力された電気信号
は、増幅器17において増幅され、アナログディジタル
変換回路18においてディジタルデータに変換され、デ
ータ処理装置18に送られる。データ処理装置18のデ
ータ処理では、検出した蛍光信号に対して、所定時間の
信号の蓄積処理を行い、また、信号の時間平均化処理な
どデータ処理を行う。
【0023】本実施例のレーザ光源の励起波長,蛍光物
質の蛍光発光特性,干渉フィルタの通過域波長特性の関
係を説明すると、グリーンレーザを用いる場合、レーザ
光源から発光される光の波長は532nmである。図2
に示すように、532nmの励起波長で蛍光色素のFI
TCを励起した場合でも、FITCの蛍光物質は、発光
波長520nmにピークを持つ波長帯で発光する。すな
わち、この場合の蛍光の発光強度は、例えば、波長48
8nmのレーザ光を発光するアルゴンレーザからの光を
励起波長として用いた場合と比較すると、蛍光の発光効
率は、約1桁低いものとなるが、波長520nmにピー
クを持つ蛍光が、グリーンレーザの励起波長532nm
よりも短波長側において、アルゴンレーザを用いた場合
と同様に得ることができる。したがって、励起波長より
も短波長側において、フィルタ特性23を有する干渉フ
ィルタを用いて、500〜525nm帯の蛍光を選択的
に取得することにより、十分に計測が可能となり、高い
信号対雑音比で蛍光を検出することができる。
【0024】また、本発明の蛍光発光測定装置では、蛍
光色素を励起する励起光として、比較的長い波長の励起
波長を用いるので、蛍光物質および試料に対する光分解
効果をかなり低減できる。そのため、複数回の読み取り
が可能となる。図4は、本実施例における蛍光物質の光
分解の低減効果を説明する図である。図4は、アルゴン
イオンレーザ(488nm)を用いた場合と、グリーン
レーザ532nmを用いた場合のそれぞれの蛍光の減衰
量の時間変化の特性を示している。図4に示すように、
同一パワーのレーザ光を照射した場合に、励起波長53
2nmで励起する場合は、励起波長488nmで励起す
る場合と比較して、3桁以上光分解のレートが減少して
いる。このような特徴は非常に重要である。つまり、蛍
光色素の励起を繰り返し行い、複数回の読み取りを行っ
ても、蛍光色素および試料の光分解はあまり進行せず、
蛍光色素を標識した試料に対する長時間の積分読み取り
などにも十分対応できることになる。
【0025】図5は、本発明の別の実施例にかかる蛍光
検出型電気泳動パターン読取装置の要部の構成を示すブ
ロック図である。次に、本発明の蛍光発光測定装置を用
いる蛍光検出型電気泳動パターン読み取り装置の実施例
を説明すると、この蛍光検出型電気泳動パターン読取装
置は、蛍光物質で標識した試料を電気泳動したゲルに対
して、レーザ光を照射して、泳動展開された蛍光の分布
パターンを読み取る。その場合に、本発明に従い、光源
として、蛍光色素で標識した試料に対し当該色素の発光
波長帯に属する励起波長を発行するレーザ光源を用い、
光学フィルタとしては、受光した蛍光から励起波長より
も短波長側の成分を選択的に受光する干渉フィルタを用
いる。
【0026】蛍光検出型電気泳動パターン読取装置の装
置構成について説明すると、図5において、50は光
源、51は光源からの照射光、52は照射光をゲルの読
み取り面に走査する走査ミラー、53は電気泳動したゲ
ルの読み取りサンプル、54は第1集光レンズ、55は
集光ファイバアレイ、56は干渉フィルタ、57は第2
集光レンズ、58は光電子増倍管、59は増幅器、60
はアナログ・ディジタル変換回路、61はデータ処理装
置である。
【0027】蛍光検出型電気泳動パターン読取装置にお
いては、光源50は、読み取りサンプルのゲルに照射す
る励起波長のレーザ光を発光する。光源50から発光す
るレーザ光は、読み取りサンプルに標識された蛍光色素
を励起するための照射光12となり、走査ミラー12に
よって、その反射光が読み取りサンプル53の照射面に
光ビームスポットとして走査される。読み取りサンプル
53は平板状のゲルをガラス板で挟んだ電気泳動後のサ
ンプルであり、この読み取りサンプル53の読み取り面
に、蛍光色素を励起する励起光として、光源10からの
照射光11を走査して照射する。励起光が照射される
と、照射された区画に存在する蛍光色素の蛍光物質から
は蛍光が発光する。
【0028】これにより、読み取りサンプル53の表面
において、励起された蛍光色素から蛍光が発光する。読
み取りサンプル53の蛍光色素から発生した蛍光は、第
1集光レンズ54により集光されて、集光ファイバアレ
イ55に導入され、集光ファイバアレイ55内を導かれ
て、干渉フィルタ56に供給される。集光ファイバアレ
イ55の蛍光の入射口(取り込み口)は、集光レンズ5
4の焦点位置となっており、集光レンズ54を通過した
光の中から読み取りサンプル53のゲルの蛍光発光面の
位置の光を選択的に取り込むための空間フィルタの働き
をする。
【0029】集光ファイバアレイ55から導出された光
は、干渉フィルタ56により、その光の蛍光成分を選択
的に取り出す。干渉フィルタ56により選択された蛍光
成分は、第2集光レンズ57により更に集光され、光電
子増倍管58に導入される。光電子増倍管58は、入力
された蛍光を電気信号に変換して出力する。光電子増倍
管58から出力された電気信号は、増幅器59により増
幅され、増幅された電気信号は、アナログ・ディジタル
変換回路60に入力され、電気信号のアナログ信号をデ
ィジタル信号に変換する。そして、アナログ・ディジタ
ル変換回路60により変換されたディジタル信号は、デ
ータ処理装置61において、蓄積保存や積分処理などの
所定の信号処理が行われる。
【0030】ここでの走査ミラー52としては、例え
ば、電流駆動型のガルバノメータスキャナやポリゴンミ
ラーなどが用いられる。また、必要に応じて、走査光の
移動速度やスポット系を補正するための補正レンズが使
用される。また、電気泳動後のゲルの読み取りサンプル
53の蛍光色素から発生した蛍光は、蛍光の発光位置に
焦点を有するシリンドリカルレンズの集光レンズ54に
よって集光されるが、その反対側の焦点位置には、集光
ファイバアレイ55の蛍光の入射口(取り込み口)が置
かれる。この結果、ゲルからの光が結像する位置に集光
ファイバアレイ55の光りの入射口が置かれ、光学路の
空間位置的に、ゲルの支持板のガラス板の表面からの散
乱光を分離して集光できる。集光された光は干渉フィル
タ56に導かれる。
【0031】また、ここでの干渉フィルタ56は、図2
に示したように、励起波長532nmより短波長側の波
長を通過させる波長遮断特性のものを用いる。このた
め、図3において説明したように、入射角の依存性によ
って波長遮断特性がなだらかになるのは、短波長側であ
るため、特に、垂直な平行光成分を抽出する光学系を用
いなくても非常に高い信号対雑音比を得ることができ
る。また、このような干渉フィルタ56だけで十分に蛍
光波長の光を選択分離できるので、複数の光学フィルタ
を用いることなく、光学部品が減る分だけ蛍光の光量の
損失が少なくなる。また、装置の原価を下げることがで
きる。
【0032】次に、本発明の蛍光発光測定装置の更に別
の実施例として、前述の場合とは別の蛍光色素の試薬と
励起波長の光を発光する光源との最適な組み合わせ例に
ついて説明する。図6は、本発明の蛍光発光測定装置に
使用できる別の蛍光試薬の蛍光波長特性とその励起波長
特性の関係を説明する図である。図6に示すように、蛍
光色素としてテトラ・メチル・ローダミン・イソチアシ
アネート(TRITC)を用いる場合には、その励起光
を発光する光源としては、ヘリウムネオンレーザを59
4nm帯で発振させて用いる。この場合の干渉フィルタ
は550nm〜585nmの波長通過特性を有するもの
を用いる。
【0033】図7は、本発明の蛍光発光測定装置に使用
できる更に別の蛍光試薬の蛍光波長特性とその励起波長
特性の関係を説明する図である。図7に示すように、蛍
光色素として、テキサスレッドを用いる場合、その励起
光の光源としては、発振波長630nmの半導体レーザ
を用いる。この場合の干渉フィルタは600nm〜62
0nmの波長通過特性を有するものを用いる。これら
は、いずれも蛍光の発光帯域で励起することで、蛍光色
素の光分解の寿命が長くなり、また、励起光の短波長側
で受光することにより、少ない部品構成で、かつ、高い
信号対雑音比で読み取ることができる。
【0034】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の蛍光発光
測定装置によれば、励起光の波長を蛍光の発光波長帯と
同じ波長帯とすることにより、従来の励起波長帯で励起
する場合よりも光分解を低く抑えることができる。ま
た、光学フィルタとして、干渉フィルタを用いて励起波
長よりも短波長側の蛍光を選択的に受光することによ
り、干渉フィルタへの入射角依存による遮断特性の劣化
を避けて受光できるために、高い信号対雑音比を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1本発明の実施例にかかる蛍光発光測定装
置の要部の構成を示す図、
【図2】 図2は本発明の蛍光発光測定装置において使
用する蛍光色素の励起波長と光学フィルタ波長分離特性
の関係を説明する図、
【図3】 図3は干渉フィルタの入射角による通過波長
の遮断波長特性を説明する図、
【図4】 図4は本実施例における蛍光物質の光分解の
低減効果を説明する図、
【図5】 図5は本発明の別の実施例にかかる蛍光検出
型電気泳動パターン読取装置の要部の構成を示すブロッ
ク図、
【図6】 図6は本発明の蛍光発光測定装置に使用でき
る別の蛍光試薬の蛍光波長特性とその励起波長特性の関
係を説明する図、
【図7】 図7は本発明の蛍光発光測定装置に使用でき
る更に別の蛍光試薬の蛍光波長特性とその励起波長特性
の関係を説明する図、
【図8】 図8は従来の蛍光強度測定における蛍光試薬
の蛍光曲線と励起波長の関係を説明する図である。
【符号の説明】
10…レーザ光源、11…キュベット、12…照射光、
13…第1集光レンズ、14…干渉フィルタ、15…第
2集光レンズ、16…光電子増倍管16、17…増幅
器、18…アナログディジタル変換回路、19…データ
処理装置、50…光源、51…照射光、52…走査ミラ
ー、53…読み取りサンプル、54…第1集光レンズ、
55…集光ファイバアレイ、56…干渉フィルタ、57
…第2集光レンズ、58…光電子増倍管、59…増幅
器、60…アナログ・ディジタル変換回路、61…デー
タ処理装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウォーナー ユエン アメリカ合衆国カルフォルニア州サンブ ルノ・スイーツ395 ベイヒル・ドライ ブ1111 ヒタチ・ソフトウェア・エンジ ニアリング・アメリカ・リミテッド内 (56)参考文献 特開 平5−52809(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/62 - 21/74 G01N 27/447 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光色素で標識した試料に対し当該色素
    の発光波長帯に属する励起波長で励起する蛍光励起手段
    と、 蛍光色素から発光した蛍光を集光する集光手段と、 前記集光手段により集光した蛍光から前記励起波長より
    も短波長側の成分を選択的に受光する光学フィルタ手段
    と、 該光学フィルタ手段で選択した光を電気信号に変換する
    光電変換手段と、 該電気信号に所望の処理を施す信号処理手段と、 結果を表示する表示手段とを有することを特徴とする蛍
    光発光測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の蛍光発光測定装置にお
    いて、 前記光学フィルタ手段は、励起波長よりも短波長側に通
    過波長の遮断波長を有する干渉フィルタを用いることを
    特徴とする蛍光発光測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の蛍光発光測定装置にお
    いて、 蛍光色素は、500〜560nmの発光波長を有するフ
    レオレセイン系の蛍光色素であり、 蛍光励起手段は、ネオジウムイオンをドープした非線形
    結晶を実質的に発光波長1064nmでレーザ発振さ
    せ、更に非線形結晶を用いて実質的に波長532nmの
    2次高調波を発生させるレーザ発振器であり、 光学フィルタ手段は、500〜525nmの波長成分を
    選択的に通過させる光学フィルタであることを特徴とす
    る蛍光発光測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の蛍光発光測定装置にお
    いて、 蛍光色素は、550〜640nmの発光波長を有するロ
    ーダミン系の蛍光色素であり、 蛍光励起手段は、ヘリウム及びネオンガスを媒体として
    実質的に波長594nmでレーザ発振するレーザ発振器
    であり、 光学フィルタ手段は、550〜590nmの波長成分を
    選択的に通過させる光学フィルタであることを特徴とす
    る蛍光発光測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の蛍光発光測定装置にお
    いて、 蛍光色素は、550〜640nmの発光波長を有するロ
    ーダミン系の蛍光色素であり、 蛍光励起手段は、波長620〜640nmでレーザ発振
    する半導体レーザ素子であり、 光学フィルタ手段は、前記半導体レーザー素子の発振波
    長よりも概ね5nm短波長側に遮断波長特性を有し、そ
    れ以下の波長成分を選択的に通過させる光学フィルタで
    あることを特徴とする蛍光発光測定装置。
  6. 【請求項6】 蛍光色素で標識した試料を2次元状に分
    布させた読み取り媒体に対して、当該蛍光色素の発光波
    長と概ね一致する励起波長の励起光を発光する光源手段
    と、 前記読み取り媒体上で前記励起光を走査する励起光走査
    手段と、 前記読み取り媒体上で発生する蛍光を集光する集光手段
    と、 前記集光手段により集光された光から前記励起波長より
    も短波長側の蛍光成分を選択的に通過させる光学フィル
    タ手段と、 前記光学フィルタ手段を通過した光を電気信号に変換す
    る光電変換手段と、 前記電気信号をディジタル信号に変換するアナログディ
    ジタル変換手段と、 前記ディジタル信号に所望の処理を施す信号処理手段
    と、 該信号処理後のデータを2次元状に再構成して表示する
    表示手段とを備えることを特徴とする蛍光発光測定装
    置。
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