JP3179742B2 - 芝草合成品種の紫斑発生防止方法及び防止剤、並びに寒地型芝草の冬期変色防止方法及び防止剤 - Google Patents

芝草合成品種の紫斑発生防止方法及び防止剤、並びに寒地型芝草の冬期変色防止方法及び防止剤

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貴志 佐藤
信義 増田
昌彦 荒井
隆士 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベントグラス等の
芝草合成品種において冬期に現れる紫斑発生を防止する
方法及びこの方法に使用する紫斑発生防止剤、並びにブ
ルーグラス等の寒地型芝草に現れる冬期変色防止方法及
びこの方法に使用する冬期変色防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ベント
グラスペンクロスやベントグラスぺンリンクス等の芝草
は、ゴルフ場のグリーン等に広く使用されている西洋芝
である。これらの西洋芝は、耐寒性に大変優れた種子繁
殖の芝草であり一年を通して緑度を保持することができ
る。しかし反面、これらの西洋芝は3種以上の株を親と
して作られたいわゆる合成品種であるため、ターフ造成
を行ってから数年を経過すると個体ごとの品質のばらつ
きが顕著になり、一部のアントシアン生成が旺盛な種子
の旺盛な繁殖力によって冬期においてターフ上で赤紫色
の斑点が現れる、いわゆる紫斑が発生する問題がある。
かかる紫斑は特に景観を重視するゴルフ場等で問題とな
っている。
【0003】一方、ブルーグラス等の西洋芝は、耐寒性
に大変優れた種子繁殖の寒地型芝草であるため、やはり
ゴルフ場等で使用されている。これら寒地型芝草は、コ
ウライシバ等の暖地型芝草のように冬期に地上部が枯れ
ることはなく一年を通して緑度を保持することができる
反面、アントシアンの生成・蓄積により冬期に変色し、
ターフ全体の景観が著しく悪化する問題があり、やりゴ
ルフ場等で紫斑同様問題となっている。
【0004】しかしながら、芝草合成品種の紫斑発生防
止、寒地型芝草の冬期変色防止、或いはアントシアンの
生成・蓄積抑制についての有効かつ簡便な手段が開示さ
れていないのが現状である。そこで本発明は、かかる従
来の問題に鑑み、芝草合成品種に現れる紫斑発生の防止
方法及びこの方法に使用する紫斑発生防止剤、並びに寒
地型芝草に現れる冬期変色防止方法及びこの方法に使用
する冬期変色防止剤を提供せんとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題解決のため、
本発明は、ベタインを施用することを特徴とする芝草合
成品種の紫斑発生防止方法、並びに寒地型芝草に現れる
冬期変色防止する方法を提供する。ベタインを施用し
植物体中のベタイン含有量を増大させることにより、
芝草のアントシアン生成乃至蓄積を抑制することがで
き、これより紫斑の発生並びに冬期変色を有効に防止す
ることができる。なお、紫斑とは、特に冬期に芝草合成
品種のターフに現れる赤乃至紫色の斑点をいう。
【0006】また、本発明は、ベタインを有効成分とす
る芝草合成品種の紫斑発生防止剤並びに寒地型芝草の冬
期変色防止剤を提供する。かかる紫斑発生防止剤又は冬
期変色防止剤を秋〜冬にかけて芝草に散布することによ
り、植物体のベタイン含有量を増大させることができ、
これよりアントシアン生成乃至蓄積を抑制し紫斑発生並
びに冬期変色を有効に防止することができる。なお、ベ
タイン合成酵素遺伝子を遺伝子導入することによって
も、植物体のベタイン合成を促進させることができる。
【0007】ここで、ベタインとは、第4アンモニウム
塩基、ホスフォニウム塩基、スルフォニウム塩基などの
分子内塩で両性イオンを形成する全ての化合物を意味す
る。中でも、アミノ酸のN−トリアルキル置換体、すな
わち一般式
【0008】
【化1】
【0009】(式中R(R 1 及びR 2 は炭素数1〜8の
アルキル基又はHを表す)で示される化合物は、動植物
界に広く存在する天然物であり、自然界例えば地中や水
中等において容易に分解され、しかも環境汚染の心配が
ないという点で好ましい。
【0010】さらにその中でも、グリシンベタイン、す
なわち一般式
【0011】
【化2】
【0012】が好ましい。グリシンベタインは、海草、
エビ、カニなどの甲殻類やイカ、タコ、或いは貝類等の
水産物、麦芽、或いはキノコ類に含まれているほか、サ
トウダイコンの糖蜜中に多量に含まれており工業的に分
離製造することができて入手し易い上、厚生省の定める
「既存添加物名簿」に調味料として記載されているよう
にその安全性も確認されている。更に、水及びアルコー
ルへの溶解性が高いため溶液の濃度調整を自在に行うこ
とができ取扱いが容易であるほか、溶液が無色無臭なの
で公園やゴルフ場などの人の出入りの多い場所にも散布
でき、しかも酸やアルカリに非常に安定であるため土壌
に散布した場合にも安定した効果を期待できる点から、
特に好ましい。なお、本発明ではベタインの起源は特に
問題としない。
【0013】本発明のベタインには、化学合成により精
製した状態のベタイン、天然物に含有されている状態の
ベタイン、或いはその天然物から抽出した状態のベタイ
ンのいずれの状態であっても使用することができる。天
然物に含有されている状態のベタインとしては、例えば
サトウダイコン等をおろし金やフードプロセッサー等を
用いて細断した状態のもの等を挙げることができる。
【0014】本発明におけるベタイン濃度は、施用濃度
として0.1〜100g/m2 、好ましくは1〜50g
/m2 (粗抽出物の場合にはベタイン相当量)に調製す
るのがよい。もっとも、植物の種類、環境及び施用時期
などによって適宜変更するのがよい。
【0015】また、ベタインは単独でも本発明の有効成
分であるが、このベタインに有効炭水化物量を高め、植
物の耐寒性を向上させるカリウムや窒素を混合すれば、
アントシアン生成乃至蓄積抑制効果をさらに向上させる
ことができる。また、ベタインにクロロフィルの合成に
関与するマグネシウム、鉄分、マンガン等を混合すれ
ば、芝の緑度を鮮やかにするなど一層好ましい。
【0016】上記本発明において、上記のベタイン乃至
その混合物はそのまま直接使用することもできるが、一
般には、水溶液とするなど適当な液体担体に溶解するか
若しくは分散させ、又は適当な粉末担体と混合するか若
しくはこれに吸着させ、所要の場合はさらにこれらに乳
化剤、分散剤、懸濁剤、展開剤、浸透剤、湿潤剤、安定
剤などを添加し、水溶液剤、乳剤、油剤、水和剤、粉剤
などの製剤として使用することができる。また、液体肥
料に溶解して使用することもできるし、ペレット状やカ
プセル状に加工すれば遅効性の製剤とすることもでき
る。
【0017】ここで、製剤に使用する液体担体として
は、水や、メタノール、エタノールのようなアルコール
類や、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類
や、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコ
ールのようなエーテル類や、灯油、機械油のような脂肪
族炭化水素類や、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソル
ベントナフサ、メチルナフタレンのような芳香族炭化水
素類や、ジメチルホルムアミドのような酸アミド類など
の溶媒を用いることができ、これらの一種又は二種以上
を混合して使用することもできる。粉体担体としては、
タルク、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、消石
灰、珪藻土、酸性白土のような鉱物質粉末、さらにアル
ミナ、シリカゲルなども用いることができ、これらの一
種又は二種以上を混合して使用することができる。展開
剤、乳化剤、浸透剤、可溶化剤などとして使用される界
面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル、高
級脂肪酸エステル、アルキルアリールスルホン酸エステ
ル、アルキレンオキシド系界面活性剤などを使用するこ
とができる。
【0018】次に、ベタイン合成酵素遺伝子を遺伝子導
入することにより、植物体のベタイン合成を促進させ、
植物体中のベタイン濃度を増大させる方法について説明
する。
【0019】ベタイン合成酵素遺伝子としては、植物体
から単離したベタインアルデヒドデヒドロゲナーゼ(B
ADH)が有効である。ベタイン合成酵素遺伝子を遺伝
子導入する方法としては、アグロバクテリウム等の遺伝
子導入ベクターによる方法、プロトプラスト融合による
方法、エレクトロポレーションによる方法、マイクロイ
ンジェクション法、パーティクルガン法などが有効であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について説
明する。 (実施例1)ターフが形成されている状態のベントグラ
スペンリンクス圃場、並びにケンタッキーブルーグラス
とペレニアルライグラスとの混合圃場(ケンタッキーブ
ルーグラス/ペレニアルライグラス圃場)を試験圃場と
して用い、以下の散布試験を行った。各試験圃場につい
て、グリシンベタイン5g/リットル又は10g/リッ
トルの水溶液を調製し、各水溶液を11月下旬〜1月下
旬まで1か月に1回の頻度で1リットル/m2 だけ散布
した。また、対照区として無散布区をそれぞれ別に設
け、両者の葉色及び枯れ具合を随時観察評価し、そして
3月上旬における最終的な評価を以下の表1及び表2に
示した。
【0021】表1はベントグラスペンリンクス圃場の試
験結果、表2はケンタッキーブルーグラス/ペレニアル
ライグラス圃場の試験結果である。いずれの表において
もベタイン散布区1はグリシンベタイン5g/リットル
水溶液を散布した試験区、ベタイン散布区2はグリシン
ベタイン10g/リットル水溶液を散布した試験区を示
す。また、緑度の評価は、3人の審査官の肉眼観察によ
り行い、その評価基準は、葉色について劣悪〜良好まで
を1〜9までの全9段階で評価し、枯れについて枯れ状
態(完全退色)〜緑色状態までを1〜9までの全9段階
で評価した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】この結果、対照区はアントシアン蓄積によ
る紫斑の発生が見られたが、いずれの試験圃場において
もグリシンベタイン散布区ではその散布量に比例して紫
斑発生及びアントシアンによる変色を抑える効果が認め
られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 隆士 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊 藤園内 (56)参考文献 特開 平10−52169(JP,A) 特開 平10−262457(JP,A) 特開 平1−228416(JP,A) 特開 昭63−179803(JP,A) 特開 昭52−93570(JP,A) 特開 平4−89406(JP,A) 特開 昭56−34608(JP,A) 特開 平1−135702(JP,A) 特開 平6−107511(JP,A) 特公 昭36−24025(JP,B1) 特表 平11−505517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 37/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベタインを施用することを特徴とする芝
    草合成品種の紫斑発生防止方法。
  2. 【請求項2】 ベタインを有効成分とする芝草合成品種
    の紫斑発生防止剤。
  3. 【請求項3】 ベタインを施用することを特徴とする寒
    地型芝草の冬期変色防止方法。
  4. 【請求項4】 ベタインを有効成分とする寒地型芝草の
    冬期変色防止剤。
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