JP3179257B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3179257B2 JP21027193A JP21027193A JP3179257B2 JP 3179257 B2 JP3179257 B2 JP 3179257B2 JP 21027193 A JP21027193 A JP 21027193A JP 21027193 A JP21027193 A JP 21027193A JP 3179257 B2 JP3179257 B2 JP 3179257B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多値出力レベルを得る
ことができるMOS(金属−酸化物−半導体)型マスクR
OM(読み出し専用記憶装置)を備えた半導体装置および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、製品化されているMOS型マスク
ROMは、そのほとんどが、1個のメモリーセルに2値
すなわち1ビットの情報を記憶させるものである。
【0003】このROMの大容量化およびチップ面積の
縮小化によるコスト低減を実現するためには、1つのメ
モリーセルに、より多値の情報を記憶させることが有効
である。
【0004】例えば、特開昭59−148360号公報
および特開昭61−263263号公報には、メモリー
セルを構成する複数のトランジスタのチャネル領域に選
択的に不純物イオンを注入して、実効チャネル幅を相違
させることにより、多値出力レベルを得る半導体装置を
製造する方法が開示されている。図8に、この方法によ
り得られる半導体装置の一例を示す。図8(A)は平面
図であり、図8(B),(C)は、それぞれ図8(A)のC−
C′断面図およびD−D′断面図である。図8におい
て、Wfはチャネル幅を示す。そして、W1〜W3は実
効チャネル幅を示す。図8(A)において、斜めハッチン
グした領域は、不純物注入領域である。メモリーセル
は、チャネル幅Wfの全領域に不純物イオン注入が行な
われたトランジスタTr400と、チャネル幅Wfの3
分の2の領域に不純物イオン注入が行なわれたトランジ
スタTr300と、チャネル幅Wfの3分の1の領域に
不純物イオン注入が行なわれたトランジスタTr200
と、チャネル幅Wfの領域に不純物イオン注入が行なわ
れなかったトランジスタTr100の4つの状態のトラ
ンジスタから構成されている。
【0005】不純物イオンを注入することによって、ト
ランジスタの閾値電圧が電源電圧以上に高くなるので、
不純物イオン注入領域はチャネル本来の導電機能を有さ
ない。上記各トランジスタTr100〜Tr400は、
実効チャネル幅が異なるから、各トランジスタの駆動能
力の違いによる4値の出力レベルを選択できる。従っ
て、この半導体装置は、2ビットの情報を記憶すること
ができる。
【0006】また、今一つの多値出力レベルを得る半導
体装置として、図10(B)に示すように、ゲート電極7
3a〜73dの電極幅を互いに異ならせて、実効チャネ
ル長が異なる4つのトランジスタを構成したものがある
(特開平5−48044号参照)。図10(B)において、
上記4つのトランジスタのチャネル長l1,l2,l3,l4
の関係は、l1<l2<l3<l4である。
【0007】トランジスタの駆動能力は、実効チャネル
幅を実効チャネル長で除した値に略比例するので、上記
実効チャネル長が異なる4つのトランジスタは、互いに
駆動能力が異なる。したがって、図10(B)に示す半導
体装置は、4値の出力レベルを選択でき、2ビットの情
報を記憶できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記前者の従来の半導
体装置の製造方法では、実効チャネル幅をチャネル領域
への不純物イオン注入により変化させている。
【0009】そして、例えば、上記従来例では、チャネ
ル幅Wfの3分の1の領域(最小の不純物イオン注入領
域)を、最小解像寸法で形成したとしても、チャネル幅
Wfはその3倍程度必要である。
【0010】この場合、メモリーセルのサイズは、チャ
ネル幅Wfを最小の解像寸法で形成した場合の約2倍と
なる。したがって、メモリーセルに2ビットの多値情報
を記憶させても、結果的に大容量化・チップ面積の縮小
化の効果が小さくなる欠点がある。
【0011】このことを、図9を参考にして説明する。
図9(A)は従来の多値メモリーセルのチャネル幅方向の
断面を示す。また、図9(B)は、従来の2値(=1ビッ
ト)メモリーセルのチャネル幅方向の断面を示す。上記
多値メモリーセルの最小加工寸法と、上記2値メモリー
セルの最小加工寸法とは同じである。
【0012】図9(A)に示した多値メモリーセルは、素
子分離幅およびゲート電極幅を最小加工寸法で加工して
いる。この多値メモリーセルの場合、ROMデータ書き
込みパターンにも最小寸法を用いる必要がある。すなわ
ち、実効チャネル幅を4段階に設定するためには、チャ
ネル幅Wfとして実効チャネル幅W3の3倍程度の寸法
が必要になる。したがって、従来の多値メモリーセルで
は、そのプロセスの解像限界よりかなり大きな寸法のト
ランジスタを含むことになり、メモリーセル寸法が大き
くなってしまう。
【0013】また、図9(B)に示すように、多値メモリ
ーセルではない2値メモリーセルであれば、図9(A)に
示した多値メモリーセルと同じメモリーセルエリア内に
2個のトランジスタを形成できる。したがって、図9
(B)に示した2値メモリーセルは、図9(A)に示した多
値メモリーセルと同じ2ビットの情報を記憶することが
できる。このような場合には、多値メモリーセルを用い
る必要がほとんどなくなる。
【0014】2値メモリーセルを、メモリーセルサイズ
を増大させることなく、多値メモリーセルにするために
は、不純物注入領域をフォトリソグラフィの解像限界よ
り小さなステップで刻む技術が必要になる。
【0015】また、上記後者の従来例では、トランジス
タの実効チャネル長を、ゲート電極幅を異ならせること
によって、異ならせている。この場合、ゲート電極パタ
ーンを形成する工程が、ROMデータ書き込み工程にな
る。したがって、ゲート電極を作成してしまった後にR
OMデータ書き込みを行う場合に比べて、ROMデータ
書き込みから出荷までの納期が長くなるという問題があ
る。
【0016】また、ゲート電極幅が最も大きなトランジ
スタつまりフォトリソグラフィ最小解像寸法よりも大き
なゲート電極幅を有するトランジスタによって、上記ト
ランジスタが構成するメモリーセルのサイズが増大する
という問題がある。即ち、上記従来例では、メモリーセ
ルが2ビットの情報を記憶することができ、1ビット情
報を記憶するメモリーセルに比べて2倍の情報を記憶で
きるが、上記メモリーセルサイズが、たとえば、図10
(A)に示す通常の1ビットメモリーセルに比べて約1.
5倍になる。したがって、最終的には、この従来例のメ
モリーセルと同一記憶容量の1ビットメモリーセルに比
べて、メモリーサイズが約0.75倍にとなる。つま
り、この従来例では、メモリーセルサイズ当たりの記憶
容量の増大量が少ないという欠点がある。
【0017】そこで、本発明の目的は、上記欠点を解決
するためになされたものであり、メモリーセルサイズを
増大させることなく、メモリーセルサイズ当たりの記憶
容量を増大させることができ、大容量化あるいはチップ
面積の縮小化を図ることができる半導体装置およびその
製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明の半導体装置の製造方法は、
駆動能力が異なる複数のトランジスタを含むメモリーセ
ルを有するMOS型マスクROMを備え、多値出力レベ
ルを実現する半導体装置の製造方法であって、基板上に
ゲート電極を形成した後に、上記基板上および上記ゲー
ト電極上に、所定のパターンの第1マスクを形成し、次
に、上記第1マスクおよび上記ゲート電極をマスクとし
て、上記ゲート端からセルフアラインで、上記ゲート電
極を通過しない低いエネルギーで上記基板にイオン注入
を行って、上記基板に含まれ、かつ、上記ゲート電極に
対向する実効チャネルと境を接し、上記ゲート電極に対
向する領域から、上記ゲート電極に非対向の領域にまで
達するが上記ゲート電極に対向する領域の幅方向中央を
横切らない実効チャネル幅縮小用不純物注入部を形成す
る第1の情報書き込みイオン注入工程と、上記第1マス
クに替えて第2マスクを、上記基板上および上記ゲート
電極上に形成し、次に、上記第2マスクをマスクとし
て、上記ゲート電極を通過する高いエネルギーで上記基
板にイオン注入を行って、上記ゲート電極に対向する領
域を含む領域にある基板に、上記ゲート電極の一側端に
対向する位置から上記ゲート電極の他側端に対向する位
置まで延びる不純物注入部を形成する第2の情報書き込
みイオン注入工程とを有することを特徴としている。
【0019】また、請求項2の発明の半導体装置の製造
方法は、請求項1に記載の半導体装置の製造方法におい
て、上記基板へのイオン注入を、斜め回転イオン注入に
よって行うことを特徴としている。
【0020】また、請求項3に記載の発明の半導体装置
の製造方法は、駆動能力が異なる複数のトランジスタを
含むメモリーセルを有するMOS型マスクROMを備
え、多値出力レベルを実現する半導体装置の製造方法で
あって、基板上に複数のゲート電極を形成した後に、上
記基板上および上記ゲート電極上に、所定のパターンの
第1マスクを形成し、上記ゲート電極と上記第1マスク
とをマスクとして、ソース/ドレイン部を形成するため
に上記基板に注入する不純物と同じタイプの不純物を、
上記基板に注入して、上記基板に含まれ、かつ、上記ゲ
ート電極に対向する実効チャネルと境を接し、上記ゲー
ト電極に対向する領域から、上記ゲート電極に非対向の
領域に延びる実効チャネル長縮小用不純物注入部を形成
することによって、上記実効チャネルが導電する方向と
なるゲート電極の幅方向の両側端に対向する領域に上記
実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成されている第
1トランジスタ部と、ゲート電極の幅方向の片側端に対
向する領域だけに上記実効チャネル長縮小用不純物注入
部が形成されている第2トランジスタ部と、ゲート電極
に対向する領域に上記実効チャネル長縮小用不純物注入
部が形成されていない第3トランジスタ部とを形成する
情報書き込みイオン注入工程と、上記実効チャネルが導
電する方向となる上記ゲート電極幅方向の両側端に隣接
してサイドウォール絶縁膜を形成し、上記ゲート電極お
よび上記サイドウォール絶縁膜をマスクとして上記ゲー
ト電極に非対向の領域に不純物を注入して、上記ソース
/ドレイン部となるソース/ドレイン高濃度拡散層を形
成し、実効チャネル長が異なる3つのトランジスタを作
製する工程とを備えることを特徴としている。
【0021】また、請求項4に記載の発明の半導体装置
の製造方法は、駆動能力が異なる複数のトランジスタを
含むメモリーセルを有するMOS型マスクROMを備
え、多値出力レベルを実現する半導体装置の製造方法で
あって、基板上に複数のゲート電極を形成した後に、上
記基板上および上記ゲート電極上に、所定のパターンの
第1マスクを形成し、上記ゲート電極と上記第1マスク
とをマスクとして、ソース/ドレイン部を形成するため
に上記基板に注入する不純物と同じタイプの不純物を、
上記基板に注入して、上記基板に含まれ、かつ、上記ゲ
ート電極に対向する実効チャネルと境を接し、上記ゲー
ト電極に対向する領域から、上記ゲート電極に非対向の
領域に延びる実効チャネル長縮小用不純物注入部を形成
することによって、上記実効チャネルが導電する方向と
なるゲート電極の幅方向の両側端に対向する領域に上記
実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成されている第
1トランジスタ部と、ゲート電極の幅方向の片側端に対
向する領域だけに上記実効チャネル長縮小用不純物注入
部が形成されている第2トランジスタ部と、ゲート電極
に対向する領域に上記実効チャネル長縮小用不純物注入
部が形成されていない第3トランジスタ部とを形成する
第1の情報書き込みイオン注入工程と、上記実効チャネ
ルが導電する方向となる上記ゲート電極幅方向の両側端
に隣接してサイドウォール絶縁膜を形成し、上記ゲート
電極および上記サイドウォール絶縁膜をマスクとして上
記ゲート電極に非対向の領域に不純物を注入して、上記
ソース/ドレイン部となるソース/ドレイン高濃度拡散
層を形成して、上記第1トランジスタ部,第2トランジ
スタ部,第3トランジスタ部を、それぞれ、第1トラン
ジスタ,第2トランジスタ,第3トランジスタにし、異
なる実効チャネル長を有する3つのトランジスタを作製
する工程と、ゲート電極の上から、実効チャネルが含む
不純物と同じタイプの不純物を上記ゲート電極に対向す
る領域にある基板に注入して、上記第1乃至第3トラン
ジスタのいずれよりもしきい値電圧が高いオフトランジ
スタを作製する工程とを備え、上記メモリーセルに4値
出力レベルを持たせることを特徴としている。
【0022】また、請求項5に記載の発明は、請求項3
または4に記載の半導体装置の製造方法であって、上記
メモリーセルに含まれず、上記MOS型マスクROMに
含まれるLDD構造のトランジスタを作製するときのL
DD注入条件を、上記第1の情報書き込みイオン注入工
程と同じイオン注入条件にし、かつ、上記LDD注入を
上記第1の情報書き込みイオン注入工程で用いたマスク
と同じマスクを用いて行うことを特徴としている。
【0023】また、請求項6に記載の発明は、請求項4
に記載の半導体装置の製造方法であって、上記第1トラ
ンジスタを複数個作製し、この複数の第1トランジスタ
の内の少なくとも1つを選択し、この選択した第1トラ
ンジスタのゲート電極の上から、実効チャネルが含む不
純物と同じタイプの不純物を上記ゲート電極に対向する
領域にある基板に注入して、上記第1乃至第3トランジ
スタのいずれよりもしきい値電圧が高いオフトランジス
タを作製することを特徴としている。
【0024】
【作用】請求項1の発明の半導体装置の製造方法は、上
記第1の情報書き込みイオン注入工程によって、第1マ
スクとゲート電極をマスクとして実効チャネルに隣接す
る実効チャネル幅縮小用不純物注入部を形成する。そし
て、第2の情報書き込みイオン注入工程によって、ゲー
ト電極の一側端から他側端に亘る不純物注入部を形成す
る。従って、ゲート電極幅よりも小さな寸法ステップで
実効チャネル幅が異なる複数のトランジスタが形成さ
れ、サイズアップを招くことなく、多値出力レベルを有
する半導体装置が形成される。
【0025】また、上記第1の情報書き込みイオン注入
工程では、チャネル中央部に高Vth化注入を行わず、ゲ
ート電極に非対向の領域からゲート電極に対向する領域
まで達するが、上記ゲート電極に対向する幅方向中央を
横切らない実効チャネル幅縮小用不純物注入部を、第1
マスクとゲート電極をマスクとして、ゲート端からセル
フアラインで形成するから、実効チャネル幅縮小用不純
物注入部のアライメントずれが起こり難く、特性変動が
起こり難い。
【0026】また、請求項2の発明の半導体装置の製造
方法によれば、基板へのイオン注入を、斜め回転イオン
注入によって行うので、ゲート電極に対向する領域に、
イオンを注入することが容易になる。
【0027】また、請求項3の発明の半導体装置の製造
方法は、ゲート電極と第1マスクとをマスクとして、ゲ
ート電極に対向する領域からゲート電極に非対向の領域
に延びる実効チャネル長縮小用不純物注入部を形成する
ことによって、ゲート電極の幅方向の両側端に対向する
領域に実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成されて
いる第1トランジスタと、ゲート電極の幅方向の片側端
に対向する領域のみに実効チャネル長縮小用不純物注入
部が形成されている第2トランジスタと、ゲート電極に
対向する領域に実効チャネル長縮小用不純物注入部が形
成されていない第3トランジスタとを形成する。従っ
て、この発明によれば、ゲート電極の幅寸法よりも小さ
いステップで実効チャネル長が異なる3つのトランジス
タが形成される。
【0028】この発明は、実効チャネル長縮小用不純物
注入部を形成する工程がROMデータ書き込み工程とな
るので、上記ROMデータ書き込み工程がゲート電極形
成よりも後工程になる。したがって、マスクROMの短
納期化に有効である。
【0029】また、この発明は、従来例と異なり、フォ
トリソグラフフィ最小解像寸法よりもゲート電極幅が大
きなトランジスタを形成しないので、ゲート電極幅を上
記最小解像寸法で形成することができる。したがって、
1ビットメモリーセルと同じサイズで、多値情報を記憶
でき、メモリーセルサイズ当たりの記憶容量を増大させ
ることができる。すなわち、記憶容量を減らすことな
く、メモリーセルサイズを縮小することができる。たと
えば、メモリーセルが3値(1.5ビット)を記憶する場
合には、2値(1ビット)を記憶するメモリーセルに比べ
て、メモリーセルサイズを3分の2(0.66倍)に縮小
することができ、メモリーセルが4値を記憶する場合に
は、2値を記憶するメモリーセルに比べて、メモリーセ
ルサイズを4分の2(0.5倍)に縮小することができ
る。したがって、メモリーセルサイズを0.75倍に縮
小できる上記後者の従来例よりも、メモリーセルサイズ
縮小効果が大きい。
【0030】また、請求項4の発明の半導体装置の製造
方法は、第1の情報書き込みイオン注入工程によって、
ゲート電極と第1マスクとをマスクとして、不純物を基
板に注入して、実効チャネル長縮小用不純物注入部を形
成し、これにより、ゲート電極の幅方向の両側端に対向
する領域に実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成さ
れている第1トランジスタ部と、ゲート電極の幅方向の
片側端に対向する領域だけに実効チャネル長縮小用不純
物注入部が形成されている第2トランジスタ部と、ゲー
ト電極に対向する領域に実効チャネル長縮小用不純物注
入部が形成されていない第3トランジスタ部とを形成す
る。そして、さらに、上記第1乃至第3トランジスタの
いずれよりもしきい値電圧が高いオフトランジスタを作
製する。したがって、この発明によれば、4値出力レベ
ルのメモリーセルが実現される。
【0031】また、請求項5の発明の半導体装置の製造
方法は、MOS型マスクROMに含まれるLDD構造の
トランジスタを形成するためのイオン注入条件とマスク
を、上記第1の情報書き込みイオン注入工程と同じにし
たので、上記LDD構造のトランジスタが容易に形成さ
れる。
【0032】また、請求項6の発明の半導体装置の製造
方法は、請求項4に記載の製造方法において、上記第1
トランジスタを複数個作製し、複数の第1トランジスタ
の内の少なくとも1つの第1トランジスタのゲート電極
の上から、上記ゲート電極を通過して基板に至る不純物
を注入して、上記第1乃至第3トランジスタのいずれよ
りもしきい値電圧が高いオフトランジスタを作製する。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0034】図1に、本発明の第1実施例である半導体
装置の製造方法を示す。図1には、MOS型マスクRO
Mに含まれるメモリーセルのみを示す。
【0035】図1(A)は、ROMデータ書き込み不純物
イオン注入工程での上記メモリーセルの平面図であり、
図1(B)は、図1(A)のA−A′線断面図であり、図1
(C)は、図1(C)は、図1(A)のB−B′線断面図であ
る。
【0036】上記製造方法は、実効チャネル幅が異なる
複数のトランジスタを含む半導体装置を作製する方法で
ある。
【0037】図1(B)は、実効チャネル幅(Wf1〜Wf
4)が異なる4つのトランジスタTr1〜Tr4となる領
域を示している。この領域のメモリーセルは、注入領域
が異なる複数の不純物イオン注入部6を含んでいる。
【0038】次に、まず、図1に示すこの製造方法の第
1のROMデータ書き込みまでの工程を説明する。
【0039】図1(A)および図1(C)に示すように、
第1導電型の半導体基板1の表層内部に第2導電型の帯
状のソース/ドレイン領域2を、互いに平行に、複数配
設する。
【0040】次に、図1(B)に示すように、上記ソー
ス/ドレイン領域2と直交する帯状のゲート電極4を、
互いに所定の間隔を開けて、上記ゲート酸化膜3の上に
複数形成する。
【0041】次に、上記ゲート酸化膜3および上記ゲー
ト電極4の上に、第1の情報書き込みレジストパターン
5を、フォトリソグラフィにより形成する。
【0042】次に、ROMデータパターンである上記レ
ジストパターン5およびゲート電極4をマスクとして、
第1のROMデータ書き込みイオン注入を行う。このイ
オン注入によって、注入領域が異なる複数の不純物注入
部6を形成する。上記イオン注入は、ゲート電極4を通
過させない低いエネルギー(例えばB+イオンで35ke
V〜70keV程度)で行う。
【0043】上記イオン注入によって、図1(B)に示
す領域には、ゲート電極4の片側のみからチャネル部に
不純物が導入され、上記片側のみに不純物注入部6が形
成されたトランジスタTr2と、ゲート電極4の両側か
らチャネル部に不純物が導入され、上記両側に不純物注
入部6が形成されたトランジスタTr3とが形成され
る。チャネル部とは、ゲート電極に対向する領域にある
基板である。
【0044】上記不純物注入部6,6,6を形成すること
によって、実効チャネル幅がWf2である実効チャネル
CH2と、実効チャネル幅がWf3である実効チャネル
CH3とが形成される。実効チャネルは、ゲート電極4
に印加された電圧に応じて、導電状態と遮断状態の2つ
の状態のいずれかの状態になる。
【0045】なお、上記イオン注入時には、トランジス
タTr1になる領域にある基板1およびトランジスタT
r4になる領域にある基板1にはイオンが注入されず、
不純物注入部が形成されない。
【0046】次に、図2に示すように、図1(B)に示し
たレジストパターン5に替えて、レジストパターン7
を、ゲート絶縁膜3及びゲート電極4の上に形成する。
次に、第2のROMデータ書き込み用の上記レジストパ
ターン7をマスクとして、不純物イオンを上記基板1に
注入する。
【0047】上記レジストパターン7は、図1(B)に
示したレジストパターン5と異なり、トランジスタ領域
の全体を覆う部分とトランジスタ領域の全体が貫通した
部分のみから構成されており、トランジスタ領域の半分
だけを覆う部分を有していない。
【0048】また、上記不純物イオン注入は、上記ゲー
ト電極4を通過する高いエネルギー(例えばB+イオンで
150〜200keV程度)で行う。
【0049】従って、上記レジストパターン7によって
覆われていない領域のトランジスタTr4は、上記不純
物イオン注入によって、ゲート電極4に対向するチャネ
ル全域に不純物イオンが導入され、上記チャネル全域が
不純物注入部6になる。また、上記レジストパターン7
によって全域が覆われたトランジスタTr1は、そのチ
ャネルに不純物イオンが全く注入されない。
【0050】つまり、この第2のROMデータ書き込み
によって、上記第1のROMデータ書き込み時に不純物
イオンが注入されなかったトランジスタ(Tr1,Tr
4)に、不純物イオンが注入されるか否かが選択される
のである。
【0051】次に、図3に示すように、層間絶縁膜9,
金属配線10,保護膜11を形成して、半導体装置を形
成する。
【0052】図1〜図3に示した製造工程は、MOS型
マスクROMに含まれるメモリーセルの製造に関する説
明であり、一般的な他の素子を含んだ半導体装置を製造
する場合には、他の素子を作るための工程を付加するこ
とが必要である。
【0053】上記第1実施例によれば、上記したよう
に、ゲート電極4の幅Wf1よりも小さな寸法ステップ
で実効チャネル幅が異なる複数のトランジスタTr1〜
4を形成できる。したがって、記憶できる情報密度を増
大させることができる。
【0054】尚、上記実施例において、第1のROMデ
ータ書き込み工程時に、図5に示すように、不純物イオ
ン注入を、斜め回転イオン注入にすれば、ゲート電極4
4下のチャネルのより内側まで不純物イオン注入するこ
とができる。
【0055】この場合、上記ROMデータ書き込みイオ
ン注入後に、さらに、ゲート電極下に不純物イオンを拡
散させるために実行する高温熱処理の温度を低く設定す
ることができる。したがって、上記不純物イオンを拡散
させるための熱処理が、上記半導体装置に含まれるメモ
リーセル以外の素子の特性を変化させないようにでき
る。したがって、上記メモリーセル以外の素子を作製す
る工程を、上記ROMデータ書き込みのためのイオン注
入工程およびアニール工程よりも後の工程にしなくても
よくなる。したがって、マスクROMの短納期化に対す
るより有効な合理的製造プロセスを実現できる。
【0056】次に、上記第1実施例の製造方法によって
作製された多値メモリーセルを構成するトランジスタの
能力について述べる。ここで、例えば、実効チャネル幅
0.6〜0.8μm程度であり、ドライブ電流が300μ
A程度の能力を持つトランジスタのドライブ電流がどの
ような値になるのかを図4に示す。
【0057】片側からの不純物拡散によって、実効チャ
ネル幅が0.2μm程度縮小されるとすれば、図4に示
すように、トランジスタTr1〜Tr4の実効チャネル
幅Wf1〜Wf4は、それぞれWf1≒0.75μm,Wf
2≒0.5μm,Wf3≒0.25μm,Wf4=0にな
る。つまり、Wf2は、Wf1の約3分の2の値になり、
Wf3は、Wf1の約3分の1の値になる。すなわち、上
記場合には、4段階の駆動能力を持ち、この駆動能力の
差がほぼ均等なメモリーセルが形成される。
【0058】そして、実効チャネル幅が、0.1μm減
少すると、ドライブ電流が略40〜50μAだけ減少す
るので、トランジスタTr1〜Tr4のドライブ電流I
D1〜ID4は、それぞれ、ID1≒300μA,ID2≒20
0μA,ID3≒100μA,ID4≒0μAになる。
【0059】また、回路的には、選択トランジスタや配
線抵抗成分を考慮して、上記Tr1〜Tr4を含むメモ
リーセル回路全体の多値出力レベルのレベル差が略均等
になるように、上記ドライブ電流を設定すれば、センス
回路への入力レベルの判定に有効であり、正確に判定す
ることが可能になる。
【0060】上記多値出力レベルのレベル差を均一化す
るためには、上記ゲート電極上から不純物を注入して作
製した不純物注入部を、上記ゲート電極に対向する領域
の端から上記ゲート電極に対向する領域の中央に向かっ
て拡散させる拡散寸法を適性に制御することが重要であ
る。
【0061】次に、この発明の半導体装置の製造方法の
第2実施例を図6を参照しながら説明する。
【0062】この製造方法は、まず、図6(A)に示すよ
うに、ウエル形成工程と素子分離工程とを施した第1導
電型の半導体基板21上に、ゲート絶縁膜22を介し
て、複数のゲート電極23を、所定の間隔を開けて形成
する。
【0063】次に、第1のROMデータ書き込み用のレ
ジストパターン24を、フォトリソグラフィによって形
成する。そして、このレジストパターン24およびゲー
ト電極23をマスクとして、上記ゲート電極23を通過
させない低いエネルギーで、上記基板21にイオン注入
する。このイオン注入は、たとえば、Nチャネルトラン
ジスタを作製する場合であれば、ソース/ドレイン注入
と同タイプのP+イオンあるいはAs+イオンを用いる。
そして、P+イオンを用いる場合には、40〜100k
eV程度でイオン加速し、As+イオンを用いる場合に
は、40〜120keV程度でイオン加速する。
【0064】図6(A)に示す工程によって、メモリーセ
ルに含ませようとするROMデータに応じて、ゲート電
極23の片側のみからROMデータ書き込み用の不純物
イオン25が注入された第2トランジスタ部T2と、ゲ
ート電極23の両側から不純物イオン25が注入された
第1トランジスタ部T1と、不純物イオン25が注入さ
れなかった第3トランジスタ部T3とが形成される。
【0065】上記不純物イオン25を注入した後に、基
板21を熱処理することによって、図6(B)に示す拡散
部28が形成される。
【0066】次に、上記レジストパターン24を取り去
り、上記ゲート電極23上および上記ゲート絶縁膜22
上に、絶縁膜を堆積させ、次に、この堆積させた絶縁膜
を、エッチバックさせて、図6(B)に示すサイドウォー
ル絶縁膜26を形成する。
【0067】次に、上記ゲート電極23およびサイドウ
ォール絶縁膜26をマスクとして、上記基板21に、ソ
ース/ドレイン部を形成するための不純物イオン27を
注入する。この注入は、たとえば、As+を、80ke
Vで、かつ、2〜10×1015cm-2で行う。
【0068】上記不純物イオン27を注入した後に、上
記基板21を熱処理することによって、図6(C)に示す
ソース/ドレイン部29を形成する。
【0069】なお、上記拡散部28が含む不純物は、上
記ソース/ドレイン部29が含む不純物と同タイプであ
るので、上記拡散部28は、上記ソース/ドレイン部2
9と一緒に、ソース/ドレインとして機能する。
【0070】したがって、図6(C)に示すように、この
製造工程で作製されたメモリーセルは、チャネル長がL
3である第3トランジスタTr30と、チャネル長がL2
である第2トランジスタTr20と、チャネル長がL1
である第1トランジスタTr10とを含む。
【0071】上記チャネル長L1はチャネル長L2よりも
短く、チャネル長L2はチャネル長L3よりも短い(L1
2<L3)。
【0072】トランジスタの駆動能力は、チャネル幅が
同じならば、チャネル長が短いほど大きいので、上記第
1トランジスタTr10のドライブ電流が最も大きくな
り、上記第3トランジスタTr30のドライブ電流が最
も小さくなる。
【0073】したがって、上記3つのトランジスタTr
10,Tr20,Tr30を含むメモリーセルは、3つ
の出力レベルを有する。
【0074】次に、図6(C)に示すように、上記ゲート
電極23およびサイドウォール絶縁膜26の上に層間絶
縁膜30を形成し、さらに、コンタクト形成,金属配線
形成工程を行い、最後に、保護膜31を形成する。これ
により、3値出力レベルを有するメモリーセルを含むマ
スクROMが形成される。
【0075】なお、上記トランジスタ以外の一般的な素
子を含んだ半導体装置を作製する場合には、上記素子を
作成するための工程が別に必要になる。
【0076】上記第2実施例によれば、上記したよう
に、ゲート電極23の幅L3よりも小さな寸法ステップ
で実効チャネル長が異なる複数のトランジスタTr10
〜30を形成できる。したがって、記憶できる情報密度
を増大させることができる。
【0077】次に、本発明の第3実施例の半導体装置の
製造方法を、図7を参照しながら説明する。
【0078】この第3実施例は、図7(A)に示すよう
に、まず、メモリーセルを構成するトランジスタTr1
01〜Tr105を、前述の第2実施例と同様にして作
製する。したがって、上記トランジスタTr105は、
図6(C)に示すトランジスタTr30に相当し、トラン
ジスタTr104は、図6(C)に示すトランジスタTr
20に相当し、トランジスタTr103は、図6(C)に
示すトランジスタTr10に相当する。
【0079】図7(A)において、109はソース/ドレ
イン部であり、108は拡散部であり、102はゲート
絶縁膜である。
【0080】次に、ゲート電極103およびサイドウォ
ール絶縁膜106の上に、レジストパターン107を形
成する。このレジストパターン107は、トランジスタ
Tr103に対向する領域が貫通している。そして、上
記レジストパターン107をマスクとして、上記トラン
ジスタTr103に、ゲート電極103を通過してゲー
ト電極103に対向するチャネルに達するような高いエ
ネルギーで、第2のROMデータを書き込むために、不
純物イオン113を注入する。上記イオン注入は、たと
えば、上記トランジスタTr103がNチャネルトラン
ジスタである場合には、チャネルと同じタイプのB+
オンを用いて、120〜200keV程度のエネルギー
で行う。
【0081】上記イオン注入によって、上記トランジス
タTr103は、実効チャネルを有さなくなり、しきい
値電圧Vthが電源電圧を越えるオフトランジスタにな
る。
【0082】したがって、この第3実施例によれば、実
効チャネルを持たない上記オフトランジスタであるトラ
ンジスタTr103と、実効チャネル長が最も長いトラ
ンジスタTr105と、実効チャネル長が2番目に長い
トランジスタTr104と、実効チャネル長が3番目に
長いトランジスタTr101とを有するメモリーセルを
作製することができる。したがって、上記実施例によれ
ば、4つの出力レベルを有するメモリーセルを作製する
ことができる。つまり、上記実施例によれば、2ビット
情報を記憶できるメモリーセルを作製できる。
【0083】次に、図7(B)に示すように、上記各トラ
ンジスタの上に層間絶縁膜110を形成し、コンタクト
ホール形成工程、金属配線形成工程を経て、最後に保護
膜111を形成し、4値出力レベルを持つメモリーセル
を含むマスクROMが形成される。
【0084】また、この第3実施例によれば、第2実施
例と同様に、ゲート電極103の幅L3よりも小さな寸
法ステップで実効チャネル長が異なる4つのトランジス
タTr101,102,103,104を形成できる。し
たがって、記憶できる情報密度を一層増大させることが
できる。
【0085】上記第3実施例の製造方法によって作製し
た半導体装置は、請求項7の発明の半導体装置の実施例
になる。
【0086】上記第3実施例で作成したメモリーセルの
主要寸法とトランジスタ性能の一例を以下に示す。即
ち、メモリーセルサイズが1.5μm×1.5μmであ
り、ゲート電極幅が0.7μmであり、サイドウォール
絶縁膜幅が片側0.15μmであり、実効チャネル長L
1=0.4μm、L2=0.55μm、L3=0.7μm
である場合には、上記メモリーセルを構成するトランジ
スタTr101,Tr104,Tr105のドライブ電流
としては、それぞれ、340μA,290μA,250μ
A程度を得ることができる。そして、これらのドライブ
電流の差によって、3つの出力レベルを得ることがで
き、さらに、ドライブ電流が実質的に0アンペアである
オフトランジスタTr103との組み合わせにより、4
つの出力レベルを得ることができる。
【0087】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1の発明の半導体装置の製造方法は、第1の情報書き込
みイオン注入工程によって、第1マスクとゲート電極を
マスクとして実効チャネルに隣接する実効チャネル幅縮
小用不純物注入部を形成する。そして、第2の情報書き
込みイオン注入工程によって、ゲート電極の一側端から
他側端に亘る不純物注入部を形成する。したがって、ゲ
ート電極幅よりも小さな寸法ステップで実効チャネル幅
が異なる複数のトランジスタが形成され、サイズアップ
を招くことなく、多値出力レベルを有する半導体装置が
形成される。
【0088】また、上記第1の情報書き込みイオン注入
工程では、チャネル中央部に高Vth化注入を行わず、ゲ
ート電極に非対向の領域からゲート電極に対向する領域
まで達するが、上記ゲート電極に対向する幅方向中央を
横切らない実効チャネル幅縮小用不純物注入部を、第1
マスクとゲート電極をマスクとして、ゲート端からセル
フアラインで形成するから、実効チャネル幅縮小用不純
物注入部のアライメントずれが起こり難く、特性変動が
起こり難い。
【0089】また、請求項2の発明の半導体装置の製造
方法によれば、基板へのイオン注入を、斜め回転イオン
注入によって行うので、ゲート電極に対向する領域に、
イオンを注入することが容易になる。
【0090】また、請求項3の発明の半導体装置の製造
方法は、ゲート電極と第1マスクとをマスクとして、ゲ
ート電極に対向する領域からゲート電極に非対向の領域
に延びる実効チャネル長縮小用不純物注入部を形成する
ことによって、ゲート電極の幅方向の両側端に対向する
領域に実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成されて
いる第1トランジスタと、ゲート電極の幅方向の片側端
に対向する領域のみに実効チャネル長縮小用不純物注入
部が形成されている第2トランジスタと、ゲート電極に
対向する領域に実効チャネル長縮小用不純物注入部が形
成されていない第3トランジスタとを形成する。従っ
て、この発明によれば、ゲート電極の幅寸法よりも小さ
いステップで実効チャネル長が異なる3つのトランジス
タが形成される。
【0091】この発明は、実効チャネル長縮小用不純物
注入部を形成する工程がROMデータ書き込み工程とな
るので、上記ROMデータ書き込み工程がゲート電極形
成よりも後工程になる。したがって、マスクROMの短
納期化に有効である。
【0092】また、この発明は、従来例と異なり、フォ
トリソグラフフィ最小解像寸法よりもゲート電極幅が大
きなトランジスタを形成しないので、ゲート電極幅を上
記最小解像寸法で形成することができる。したがって、
1ビットメモリーセルと同じサイズで、多値情報を記憶
でき、メモリーセルサイズ当たりの記憶容量を増大させ
ることができる。すなわち、記憶容量を減らすことな
く、メモリーセルサイズを縮小することができる。たと
えば、メモリーセルが3値(1.5ビット)を記憶する場
合には、2値(1ビット)を記憶するメモリーセルに比べ
て、メモリーセルサイズを3分の2(0.66倍)に縮小
することができ、メモリーセルが4値を記憶する場合に
は、2値を記憶するメモリーセルに比べて、メモリーセ
ルサイズを4分の2(0.5倍)に縮小することができ
る。したがって、メモリーセルサイズを0.75倍に縮
小できる上記後者の従来例よりも、メモリーセルサイズ
縮小効果が大きい。
【0093】また、請求項4の発明の半導体装置の製造
方法は、第1の情報書き込みイオン注入工程によって、
ゲート電極と第1マスクとをマスクとして、不純物を基
板に注入して、実効チャネル長縮小用不純物注入部を形
成し、これにより、ゲート電極の幅方向の両側端に対向
する領域に実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成さ
れている第1トランジスタ部と、ゲート電極の幅方向の
片側端に対向する領域だけに実効チャネル長縮小用不純
物注入部が形成されている第2トランジスタ部と、ゲー
ト電極に対向する領域に実効チャネル長縮小用不純物注
入部が形成されていない第3トランジスタ部とを形成す
る。そして、さらに、上記第1乃至第3トランジスタの
いずれよりもしきい値電圧が高いオフトランジスタを作
製する。したがって、この発明によれば、4値出力レベ
ルのメモリーセルが実現される。
【0094】また、請求項5の発明の半導体装置の製造
方法は、MOS型マスクROMに含まれるLDD構造の
トランジスタを形成するためのイオン注入条件とマスク
を、上記第1の情報書き込みイオン注入工程と同じにし
たので、上記LDD構造のトランジスタを容易に形成で
き、製造工程を簡略化できる。
【0095】また、請求項6の発明の半導体装置の製造
方法は、請求項4に記載の製造方法において、上記第1
トランジスタを複数個作製し、複数の第1トランジスタ
の内の少なくとも1つの第1トランジスタのゲート電極
の上から、上記ゲート電極を通過して基板に至る不純物
を注入して、上記第1乃至第3トランジスタのいずれよ
りもしきい値電圧が高いオフトランジスタを作製する。
したがって、ソース/ドレイン部を形成するための注入
条件より低濃度の注入条件で第1イオン注入を行う場合
に、第2トランジスタあるいは第3トランジスタをオフ
トランジスタとした場合よりもソース/ドレイン部のジ
ャンクション耐圧を向上させることができるので、ドレ
イン電圧をより高く設定でき、半導体装置の高速化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体装置の製造方法の第1実施例
の第1のROMデータ書き込みのためのイオン注入工程
を説明する図である。
【図2】 上記第1実施例の第2のROMデータ書き込
みのためのイオン注入工程を説明する図である。
【図3】 上記第1実施例によって作製された本発明の
半導体装置の実施例の断面図である。
【図4】 上記半導体装置の多値メモリーセルを構成す
るトランジスタの能力を示す図である。
【図5】 上記第1実施例の変形例の第1のROMデー
タ書き込みのためのイオン注入工程を説明する断面図で
ある。
【図6】 本発明の半導体装置の製造方法の第2実施例
を説明するメモリーセル断面図である。
【図7】 本発明の半導体装置の製造方法の第3実施例
を説明するメモリーセル断面図である。
【図8】 図8(A)は従来の2ビット情報記憶タイプの
半導体装置の平面図であり、図8(B),(C)は従来の2
ビット情報記憶タイプの半導体装置(図8(A))の断面図
である。
【図9】 図9(A)は図8に示す従来の多値出力半導体
装置を示す図であり、図9(B)は従来の1ビット出力の
半導体装置のメモリーセル断面図である。
【図10】 図10(A)は従来の1ビット出力の半導体
装置のメモリーセルの断面図であり、図10(B)は今
1つの従来の多値出力半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1,41,21,101,51,71,91…半導体基板、
2,29,109,52,99…ソース/ドレイン部、3,
22,102,43,53,63…ゲート絶縁膜、4,44,
23,103,54,73,74,93…ゲート電極、5,4
5,24,55,75…レジストパターン、6,46,56,
66…不純物注入部、7,107…レジストパターン、
8,95…不純物注入部、9,30,110,97,80…
層間絶縁膜、10…金属配線、11,31,111,98,
81…保護膜、25,27,113…不純物イオン、2
6,106…サイドウォール絶縁膜、28,108…拡散
部、62,82…ロコス酸化膜。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動能力が異なる複数のトランジスタを
    含むメモリーセルを有するMOS型マスクROMを備
    え、多値出力レベルを実現する半導体装置の製造方法で
    あって、 基板上にゲート電極を形成した後に、上記基板上および
    上記ゲート電極上に、所定のパターンの第1マスクを形
    成し、次に、上記第1マスクおよび上記ゲート電極をマ
    スクとして、上記ゲート端からセルフアラインで、上記
    ゲート電極を通過しない低いエネルギーで上記基板にイ
    オン注入を行って、上記基板に含まれ、かつ、上記ゲー
    ト電極に対向する実効チャネルと境を接し、上記ゲート
    電極に対向する領域から、上記ゲート電極に非対向の領
    域にまで達するが上記ゲート電極に対向する領域の幅方
    向中央を横切らない実効チャネル幅縮小用不純物注入部
    を形成する第1の情報書き込みイオン注入工程と、 上記第1マスクに替えて第2マスクを、上記基板上およ
    び上記ゲート電極上に形成し、次に、上記第2マスクを
    マスクとして、上記ゲート電極を通過する高いエネルギ
    ーで上記基板にイオン注入を行って、上記ゲート電極に
    対向する領域を含む領域にある基板に、上記ゲート電極
    の一側端に対向する位置から上記ゲート電極の他側端に
    対向する位置まで延びる不純物注入部を形成する第2の
    情報書き込みイオン注入工程とを有することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記基板へのイオン注入を、斜め回転イオン注入によっ
    て行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 駆動能力が異なる複数のトランジスタを
    含むメモリーセルを有するMOS型マスクROMを備
    え、多値出力レベルを実現する半導体装置の製造方法で
    あって、 基板上に複数のゲート電極を形成した後に、上記基板上
    および上記ゲート電極上に、所定のパターンの第1マス
    クを形成し、 上記ゲート電極と上記第1マスクとをマスクとして、ソ
    ース/ドレイン部を形成するために上記基板に注入する
    不純物と同じタイプの不純物を、上記基板に注入して、
    上記基板に含まれ、かつ、上記ゲート電極に対向する実
    効チャネルと境を接し、上記ゲート電極に対向する領域
    から、上記ゲート電極に非対向の領域に延びる実効チャ
    ネル長縮小用不純物注入部を形成することによって、 上記実効チャネルが導電する方向となるゲート電極の幅
    方向の両側端に対向する領域に上記実効チャネル長縮小
    用不純物注入部が形成されている第1トランジスタ部
    と、ゲート電極の幅方向の片側端に対向する領域だけに
    上記実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成されてい
    る第2トランジスタ部と、ゲート電極に対向する領域に
    上記実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成されてい
    ない第3トランジスタ部とを形成する情報書き込みイオ
    ン注入工程と、 上記実効チャネルが導電する方向となる上記ゲート電極
    幅方向の両側端に隣接してサイドウォール絶縁膜を形成
    し、上記ゲート電極および上記サイドウォール絶縁膜を
    マスクとして上記ゲート電極に非対向の領域に不純物を
    注入して、上記ソース/ドレイン部となるソース/ドレ
    イン高濃度拡散層を形成し、実効チャネル長が異なる3
    つのトランジスタを作製する工程とを備えることを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 駆動能力が異なる複数のトランジスタを
    含むメモリーセルを有するMOS型マスクROMを備
    え、多値出力レベルを実現する半導体装置の製造方法で
    あって、 基板上に複数のゲート電極を形成した後に、上記基板上
    および上記ゲート電極上に、所定のパターンの第1マス
    クを形成し、 上記ゲート電極と上記第1マスクとをマスクとして、ソ
    ース/ドレイン部を形成するために上記基板に注入する
    不純物と同じタイプの不純物を、上記基板に注入して、
    上記基板に含まれ、かつ、上記ゲート電極に対向する実
    効チャネルと境を接し、上記ゲート電極に対向する領域
    から、上記ゲート電極に非対向の領域に延びる実効チャ
    ネル長縮小用不純物注入部を形成することによって、 上記実効チャネルが導電する方向となるゲート電極の幅
    方向の両側端に対向する領域に上記実効チャネル長縮小
    用不純物注入部が形成されている第1トランジスタ部
    と、ゲート電極の幅方向の片側端に対向する領域だけに
    上記実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成されてい
    る第2トランジスタ部と、ゲート電極に対向する領域に
    上記実効チャネル長縮小用不純物注入部が形成されてい
    ない第3トランジスタ部とを形成する第1の情報書き込
    みイオン注入工程と、 上記実効チャネルが導電する方向となる上記ゲート電極
    幅方向の両側端に隣接してサイドウォール絶縁膜を形成
    し、上記ゲート電極および上記サイドウォール絶縁膜を
    マスクとして上記ゲート電極に非対向の領域に不純物を
    注入して、上記ソース/ドレイン部となるソース/ドレ
    イン高濃度拡散層を形成して、上記第1トランジスタ
    部,第2トランジスタ部,第3トランジスタ部を、それ
    ぞれ、第1トランジスタ,第2トランジスタ,第3トラン
    ジスタにし、異なる実効チャネル長を有する3つのトラ
    ンジスタを作製するイオン注入工程と、 所定のパターンの第2マスクを形成し、ゲート電極の上
    から、実効チャネルが含む不純物と同じタイプの不純物
    を上記ゲート電極に対向する領域にある基板に注入し
    て、上記第1乃至第3トランジスタのいずれよりもしき
    い値電圧が高いオフトランジスタを作製する第2の情報
    書き込みイオン注入工程とを備え、上記メモリーセルに
    4値出力レベルを持たせることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の半導体装置の
    製造方法であって、 上記メモリーセルに含まれず、上記MOS型マスクRO
    Mに含まれるLDD構造のトランジスタを作製するとき
    のLDD注入条件を、上記第1の情報書き込みイオン注
    入工程と同じイオン注入条件にし、かつ、上記LDD注
    入を上記第1の情報書き込みイオン注入工程で用いたマ
    スクと同じマスクを用いて行うことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の半導体装置の製造方法
    であって、 上記第1トランジスタを複数個作製し、この複数の第1
    トランジスタの内の少なくとも1つを選択し、 この選択した第1トランジスタのゲート電極の上から、
    実効チャネルが含む不純物と同じタイプの不純物を上記
    ゲート電極に対向する領域にある基板に注入して、上記
    第1乃至第3トランジスタのいずれよりもしきい値電圧
    が高いオフトランジスタを作製することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
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KR100546360B1 (ko) 2003-08-06 2006-01-26 삼성전자주식회사 Nor형 마스크 rom 소자 및 이를 포함하는 반도체소자의 제조 방법

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