JP3179013U - 放射線測定器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の個人被曝線量計の機能に加え、建屋の内外に関わらず線量率とその計測地点を測定し、加えて作業者のバイタルサインを計測し、これらの計測値を管理センタに送信することができる機能を付加した放射線測定器を提供すること。
【解決手段】 ケーシング内に電源部と、半導体検出器を使用して線量率を計測する放射線計測部と、計測位置を測定する位置計測部と、前記線量率から積算線量を計算するとともに各部の作動を制御する制御部と、前記線量率及び前記積算線量が制限値を超えると警報を発する警報部と、前記線量率及び前記計測位置のデータを記憶する記憶部と、前記線量率と前記計測位置を送信する通信部を設けると共に、ケーシング表面に前記線量率又は前記積算線量を表示する表示部と、線量率及び積算線量の制限値を設定する操作部を配設したことを特徴とする放射線測定器である。
【選択図】 図1

Description

本考案は、化学剤、生物剤、放射性物質、核および爆発物により発生する大規模災害(以下、「CBRNE」という。)に対処する要員や、復旧作業に従事する作業者が装着する放射線測定器に関し、特に、環境に危険物が存在する区域において活動するCBRNE対処要員や作業者の生命身体の安全を確保するために有効な放射線測定器に関する。
原子力発電所などの原子力施設での事故、核燃料などの放射線物質の輸送中の事故及びテロ行為により環境中に放射性物質が拡散した場合には、周囲の環境に深刻な悪影響を及ぼすため、迅速に事故に対処すると共に、早急に事故を収束させ、拡散した放射性物質の除去及び放射性廃棄物の撤去等の復旧作業を行う必要がある。
事故対処や復旧作業を行うためには、CBRNE対処要員や作業者が環境に危険物が存在する区域(以下、「ホットゾーン」という。)に立ち入って、所要の作業を実施する必要がある。
通常、原子力発電所などの原子力施設内での作業に従事する作業者は、被曝線量を管理するために個人被曝線量計を携帯する。個人被曝線量計は、作業者が原子力施設内での作業間に被曝した積算線量を計測し、作業者の年間積算線量が制限を超えないように管理するために使用される。また、個人被曝線量計には、予め積算線量値を設定し、作業者が作業の間に被曝した積算線量が予め設定した積算線量値に達したときに警報を発するタイプもあり、作業者に作業エリアからの退出を促すために使用される。平常時の原子力施設内で作業する場合には、施設内の線量は低く、また安定しているため、前述した従来の個人被曝線量計の機能で十分に作業者の積算線量を管理することができる。
しかしながら、原子力施設で原子力事故が発生した場合には、施設周辺のホットゾーンにおける放射線量は平常時に比べると著しく高くなると共に、漏れ出した放射性物質による汚染状況は一様ではない。このため、事故の初動対処で最初にホットゾーンに立入るCBRNE対処要員のファーストレスポンダーにとってホットゾーン内の汚染状況は未知である。最初に未知の環境に立入って活動するファーストレスポンダーの生命身体の安全を確保するためには、ファーストレスポンダーが被曝する放射線の線量率及び積算線量をリアルタイムに計測するとともに、CBRNE対処作業を指揮、監督する管理センタ等の部署(以下、単に「管理センタ」という。)で計測値をモニターし、ファーストレスポンダーが過度に被曝することを避けるように適切な助言、指示を行う必要がある。
また、初動対処後において、ホットゾーンで事故の復旧作業にあたる作業者についても被曝する線量率をリアルタイムで計測して被曝管理を行うと共に、ホットゾーンの汚染状況を的確に把握し、線量が高いホットスポットへの立ち入りを回避するなどの被曝管理を管理センタで集中して行い、作業者の安全を確保する必要がある。
従来の個人被曝線量計では作業間に作業者が被曝した積算線量を計測すること、及び線量率が制限を超えていることを警告することはできるが、作業中に随時その時点での線量率を確認することができず、また、どの場所でどの程度被曝したのかを把握することもできないため、作業者の被曝管理に万全を期することができない。
この様な従来の個人被曝線量計の問題に対処するため、特許文献1には、放射線センサで検知した線量率および測定場所を、例えばこの管理センタで速やかに検知し、線量率が許容値をこえたときはこの管理センタにおいても警報を発するようにした放射線検知装置が開示されている。
この放射線検知装置は、携帯用の検知部と、この携帯用の検知部と交信する複数個の固定用のコントローラと、これら複数個の固定用コントローラに接続された上位計算機などからなる制御部とで構成されており、複数個のコントローラを放射線施設や管理区域で放射線の強さを測定すべき要所要所に設置し、前記制御部を放射線施設等の管理センタに設置して使用する。線量率が許容値を越えたときは、原子力関連施設への入場者が帯同する検知部が警報を発すると共に、検知部の放射線センサで検知した線量率および測定場所を管理センタで速やかに検知するものである。
また、特許文献2には、所定のタイミングで又は定期的に線量データをホスト装置に送信できると共に、被曝エリアの特定も可能な放射線計測システムが開示されている。
この放射線計測システムは、例えば原子力発電所の原子炉建屋内に設置されるものであり、建屋内を複数のエリアに区分して、各エリアには基地局を設置すると共に、作業者にはそれぞれ携帯機を含む放射線測定器を携帯させ、基地局と携帯機との間では無線通信によって通話や測定データの伝送を双方向に行わせるものである。
特開平7−63857号公報 特許第3273915号公報
しかしながら、特許文献1に記載された放射線検知装置では、携帯用の検知部に近接した固定用コントローラから送信される位置を測定場所とするとともに、固定用コントローラを介して制御部にデータを送信しているため、携帯用の検知部と固定用コントローラとが交信することができる範囲内では作業者の被曝状況をほぼリアルタイムで把握するとともに、線量の高いエリアを特定することができるが、固定用コントローラが設置されるのは建屋内の管理区域がほとんどであり、固定用コントローラが設置されていない場所、特に建屋外部においては、放射線の強さを測定することも測定場所を特定することができない。
特許文献2に記載された放射線計測システムは、エリアを例えばフロアごと、あるいは部屋ごとに設定し、各エリアに基地局を配置している。このため、携帯機と基地局とが交信することができる建屋内部では作業者の被曝状況をほぼリアルタイムで把握するとともに、線量の高いエリアを特定することができるが、基地局が設置されない建屋外においては、原子力関連施設の敷地内であっても個人被曝線量データを監視することも、被曝エリアを特定することもできない。
原子力施設でCBRNEが発生した場合には、放射性物質は建屋の外部にも大規模に飛散し、通常では放射線管理区域外である建屋外部であっても極めて高線量のホットゾーンとなるとともに、特に事故発生直後の初動対処時においては、ホットゾーン内の線量及び汚染分布状況は不明である。このため、初動対処にあたるファーストレスポンダーの生命身体の安全を確保するためには、ファーストレスポンダーが被曝する放射線の線量率、及び被曝場所を管理センタおいてリアルタイムで監視することが必要である。
また、汚染状況が不明であるホットゾ-ンに最初に立入り初動対処にあたるファーストレスポンダーの極度の緊張した心理状態をリアルタイムに管理センタにおいて把握し、活動に対する適切な助言、指示を行い、ファーストレスポンダーの活動を円滑に推進するためには、ファーストレスポンダーのバイタルサインを計測し、計測値を管理センタに送信する必要がある。
さらに、初動対処後に、ホットゾーンで事故の復旧作業に従事する作業者の被曝管理を適切に行うとともに不必要な被曝を避けるためには、個々の作業者が被曝する放射線の線量率、及び被曝した場所を管理センタおいてリアルタイムに監視し、全ての作業者の被曝状況及びホットスポットの位置に関する情報を集中管理すること必要である。
事故の復旧作業に従事する作業者は、放射性物質の吸引及び身体への付着を防止するため、防塵マスクを装着すると共に放射線防護服と防塵手袋を着用するが、これらは通気性が低いため、特に夏期における身体的な負担は非常に大きい。このため、作業者の熱中症等を予防し、健康管理を適切に行うためには、作業者のバイタルサインを計測して管理センタに送信し、管理センタにおいて医療関係者等がリアルタイムにモニターして適切な助言、指示を行う必要がある。
そこで本考案は、上記の課題を解決するために開発したものであり、従来の個人被曝線量計の機能に加え、建屋の内外に関わらず線量率を計測するともにその計測地点を記憶し、それらのデータを管理センタに送信する機能を付加した放射線測定器、さらには装着者のバイタルサインを計測してその計測値を管理センタに送信する機能を付加した放射線測定器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1における考案は、ケーシング内に電源部と、半導体検出器を使用して線量率を計測する放射線計測部と、計測位置を測定する位置計測部と、前記線量率から積算線量を計算するとともに各部の作動を制御する制御部と、前記線量率及び前記積算線量が制限値を超えると警報を発する警報部と、前記線量率及び前記計測位置のデータを記憶する記憶部と、前記線量率と前記計測位置を送信する通信部を設けると共に、ケーシング表面に前記線量率又は前記積算線量を表示する表示部と、線量率及び積算線量の制限値を設定する操作部を配設したことを特徴とする放射線測定器である。
請求項2における考案は、位置計測部は、複数の航法衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、現在位置を算出する放射線測定器である。
請求項3における考案は、通信部は、PHS(Personal Handy-phone System)、特定小電力無線局などの無線通信機端末を使用している放射線測定器である。
請求項4における考案は、バイタルサイン(心拍数、呼吸数、血圧、体温及び酸素飽和度(SpO2))を計測するバイタルサイン計測手段を有し、前記通信部により前記バイタルサイン計測手段が計測したバイタルサインの計測値を送信する放射線測定器である。
請求項1に係る考案によると、従来の個人被曝線量計が有する線量率及び積算線量の計測機能に加え、計測した線量率とその計測位置を記憶すると共に、線量率とその計測位置のデータを送信することができるので、管理センタにおいてリアルタイムにCBRNEタオ所要員及び作業者(以下、「作業者等」という。)の被曝状況を確認することができると共に、送信されてきたデータからホットゾーンの線量の分布状況やホットスポットの存在状況を正確に知ることができる。従って、作業者等のマネジメントコントロールが確実に実施され、医療の見地から作業者等の健康管理などを有効に行うことができる。
請求項2に係る考案によると、位置計測機能を容易かつ安価に付加することができると共に、航法衛星からの電波をGPS受信機が受信することができる屋外では、線量の計測位置(緯度、経度)を正確に測定することができる。
請求項3に係る考案によると、既存のネットワークを利用して通信機能を容易かつ安価に付加することができる。特にPHS等の無線通信端末を使用した場合には、原子力関連施設内の配置した基地局を経由して線量率とその計測位置のデータを管理センタに送信することができるため、建屋の中に基地局を適宜設置すれば、航法衛星からの電波をGPS受信機が受信することができない屋内であっても、通信に使用している基地局を知ることにより、その基地局の設置場所を計測位置として利用することができる。また、無線通信機端末の通話機能を使用すれば、作業者等と管理センタが音声により交信することができるため、作業者等と管理センタ間の双方向で意思の疎通を明確に行うことにより作業者等の安全をより確実に図ることができる。
請求項4に係る考案によると、ホットゾーンで活動する作業者等のバイタルサイン(心拍数、呼吸数、血圧、体温及び酸素飽和度(SpO2))の計測値を管理センタに送信し、管理センタにおいてリアルタイムでモニターすることができるので、管理センタにいる医療関係者等が作業者等のバイタルサインの計測値に対応する医学的見地からの助言、指示を適切に行うことができる。
本考案に係る放射線測定器の構成を示す図である。 本考案に係る放射線測定器の一実施例を示す正面図である。 本考案に係る放射線測定器が動作を示すフローチャートである。 本考案に係る放射線測定器を構内PHSシステムを利用して使用する場合の概念図である。
本考案における一実施形態を図面に従って詳述する。図1は本考案に係る放射線測定器の構成を示し、図2は本考案に係る放射線測定器の一実施例を示す。図1及び図2に示すように、放射線測定器1は、ケーシング2に電源部3、放射線計測部4、位置測定部5、制御部6、記憶部7、警報部8及び通信部9を収容し、ケーシング2の正面表面に表示部10及び操作部11を設けて構成されている。また、ケーシング2には、図2に示すように上部にスピーカ12を、下部にマイク13を設けている。さらに、所要によりケーシング2の外部にバイタルサイン測定手段14を接続し、放射線測定器の構成に含めることができる。
電源部3は、一次電池又は二次電池を有しており、制御部6を介して放射線計測部4、位置測定部5、通信部6等に電力を供給する。なお、一次電池を使用する場合には、ケーシング2の背面に電池交換用の蓋を設け、電池交換を可能とする。二次電池を使用する場合には、ケーシングの底部にコネクタを設け、放射線測定装置を使用しない場合に保持するホルダー(図示しない)から充電できるようにする。
放射線計測部4は、検出器で放射線の線量率を計測し、線量率を制御部6と記憶部7へ伝達する。本例では、検出器としてシリコン半導体検出器を使用しているため、検出器の小型化が可能となると共に、消費電力が少ないので低消費電力化を図ることができる。
位置測定部5は、GPSアンテナ(図示せず)により航法衛星から送信されるGPS情報を受信し、受信したGPS情報からその地点の緯度・経度を求め、記憶部7へと伝達する。
制御部6は、電源部3から電源の供給を受け、放射線計測部4、位置測定部5、記憶部7、警報部8、通信部9等に電力を供給すると共に各部を制御している。また、制御部6はタイマー機能を有しており、放射線測定装置1の動作を一定の時間間隔で繰り返すように制御している。さらに制御部6は、放射線計測部4から伝達された線量率を時間積分して積算線量を計算している。放射線計測部4から伝達された線量率が事前に設定した制限値を超えた場合には、警報部8を作動させて装着者に警告すると共に、通信部9を作動させ、測定した線量率と測定位置を管理センタ等へ通報する。また、積算線量が事前に設定した制限値を超えた場合にも、警報部8を作動させて作業者等に警告すると共に、通信部9を作動させ、積算線量を管理センタへ通報する。
記憶部7は、放射線計測部4で計測された線量率、制御部6で計算された積算線量、位置測定部5で測定した計測位置、並びに後述する心バイタルサイン計測手段14で計測された作業者のバイタルサインの計測値を記憶し、制御部6の指示により通信部9にこれらのデータを伝達する。また、記憶部7は後述する設定部11で設定する設定データも記憶する。
警報部8は、ブザー及びバイブレータにより構成されており、制御部6からの制御を受けて作動する。ブザー音と振動の双方により警告を行うため、作業者等に対し効果的に警告することができる。なお、ブザー音は、ケーシング2の上部に設けたスピーカ12から発せられる。
通信部9は、制御部6の制御を受け、所定の通信相手、例えば、管理センタのコンピュータに線量率、計測位置及びバイタルサインの計測値のデータを送信する。通信部6は、特定小電力無線局などの無線通信機端末を利用して構成しているので、データ通信だけでなく、所要の場合には音声による通話も可能である。特に、既存のPHSのカード型端末を組込んで通信部9を構成した場合には小型化に適する。
また、無線通信機端末により音声通話を行う際には、ケーシング2の上部に設けたスピーカ12と下部に設けたマイク13を使用する。なお、通話品質と作業性を考慮した場合には、スピーカ12とマイク13を使用するよりも、ケーシング2の下端部にジャック15aを設け、咽喉マイク等を備えたヘッドセットをプラグにより接続して使用することが好ましい。
表示部10は液晶表示器であり、放射線計測部4が計測した線量率又は積算線量をデジタル式に表示する。表示部10に線量率と積算線量のどちらを表示するかの選択は、表示部10の下部に設けられた選択ボタンにより行う。「μSv/h」と表示されたボタン10aを押した際には線量率が、「mSv」と表示されたボタン10bを押した際には、積算線量が表示窓10cに表示される。また、表示窓10cの下部には、押したボタンの側にバー10dが表示され、表示された数値が線量率であるのか積算線量であるのかを識別することができる。
操作部11は、三つのボタンにより構成されている。ボタン11aを長押しすると、携帯用放射線測定装置1の電源をON、OFFすることができる。また電源をONにした後、ボタン11aを短く押すごとに操作モードを切り替えることができる。操作モードとしては、線量率の制限値設定、積算線量の制限値設定、計測繰返し時間の設定及び音声通話がある。線量率、積算線量及び計測繰返し時間の設定は、ボタン11aにより所定のモードに切り替えた後、ボタン11b、11cを使用して行い、これらの設定値は記憶部7に記憶される。
バイタルサイン計測手段14は、人間の基本的なバイタルサインである心拍数、呼吸数、血圧、体温に加え、酸素飽和度(SpO2)を計測する。これらの計測値を管理センタでモニターすることにより、ファーストレスポンダーの心理状態や健康状態、及び作業者の健康状態を把握することができる。
バイタルサインを計測する手段は特に限定されないが、血圧及び体温は、例えば手首式の血圧体温計で計測することができ、呼吸数は例えば頚部に装着する呼吸センサや胸部に装着する装着する呼吸センサにより計測することができる。また、酸素飽和度(SpO2)及び心拍数は、例えばパルスオキシメータにより計測することができるが、作業性を考慮すると、指先に装着するプローブよりも耳に装着するイヤープローブが適している。
前記血圧体温計、呼吸センサ、パルスオキシメータが計測した計測データは、ケーブルによりケーシング2内の記憶部7へ伝達される。前記ケーブルは、計測データの伝達とこれらの機器への電源の供給のために使用され、一端はこれらの機器に適宜の手段により接続されており、他の一端にはプラグが設けられている。これらの機器を使用する時には、これらの機器を作業者に装着するとともに、プラグをケーシング2の底部に設けたジャッ15bに接続し、バイタルサイン計測手段14を放射線測定器1の構成に包含させる。
本考案に係る放射線測定器1を使用する場合には、ケーシング2の表面に設けられたボタン11aを長押しし、電源をONとする。この後、ボタン11aを短く押して設定モードを切り替え、ボタン11b、11cを使用して線量率、積算線量の制限値を設定する。また、必要に応じ、線量計測時間間隔も同時に設定する。このような初期の設定が完了すると、放射線測定器1は図3に示すフローチャートに従って制御部6により制御され、動作を開始する。なお、作動中の放射線測定器1の電源をOFFにする場合には、電源をONにする場合と同様に、ボタン11aを長押しすることで行うことができる。
図3に示すフローチャートにより、本考案に係る放射線測定器1の動作を説明する。ボタン11aを長押しして電源をONとすると、放射線測定器1は作動を開始する。先ず制御部6内のタイマーがリセットされ、次に放射線計測部4が線量率を計測し、位置測定部5が計測位置を測定する。バイタルサイン計測手段14を接続している場合には、さらにバイタルサイン計測手段14が作業者等の心拍数、呼吸数、血圧、体温及び酸素飽和度(SpO2)を計測する。次に、放射線計測部4が測定した線量率と制限値が比較され、線量率が制限値以下の場合には、計測開始から制御部6で線量率を時間積分して求めた積算線量と制限値が比較される。積算線量が制限値以下の場合には、計測時間間隔を経過したか否かが判断され、経過していない場合には、放射線計測部4での線量率の測定へと戻り、上記の手順を繰り返す。
計側時間間隔を経過している場合には、計測した線量率と計算により求めた積算線量、並びにバイタルサイン計測値を記憶部7へ送って記憶させる。この時、GPSデータを受信できていれば、受信したGPSデータから求めた計測地点の緯度、経度のデータも記憶部7へ送って記憶させる。記憶部7に記憶させたこれらのデータは通信部9へ送られ、制御部6の制御に従いPHS等の無線通信機端末を利用して管理センタのコンピュータに送信される。これにより、管理センタでは、装着者が被曝している線量率、被曝位置、積算線量並びにバイタルサインの計測値をリアルタイムで把握することができる。
また、作業者等が原子炉建屋等の屋内で活動している等のため、GPSデータを受信することができない場合には、緯度、経度のデータに替えて「U/R(受信不能)」と記憶部7に記憶させて送信する。このデータを受けた管理センタでは、当該通信を中継した基地局の位置情報を取得し、当該基地局の設置場所を計測位置として知ることができる。
この後、制御部6内のタイマーがリセットされ、上記の測定シーケンスが事前に設定した計測時間間隔毎に繰り返される。
上記のシーケンスにおいて、放射線計測部4が計測した線量率が制限値を超えていた場合には、警報部8を作動させて作業者等に警告すると共に、測定した線量率及び計測地点を記憶部7に記憶させ、通信部9から管理センタのコンピュータに送信する。このため、装着者と管理センタが同時に、作業者等が制限線量率以上の放射線に被曝していることを知ることができると共に、管理センタは作業者等にその場所からの退去を促すことができる。この時、状況により、無線通信機端末の音声通話機能を使用すれば、管理センタからより状況に即した詳細な指示を作業者等に伝えることができる。
また、作業者等が被曝している線量率が制限値以下であっても、積算線量が制限を超えた場合には、警報部8を作動させて作業者等に警告し、放射線管理区域からの退去を促す。
本考案に係る放射線測定器1を使用すると、従来の個人被曝線量計と同様に作業者等の被曝管理を行えるだけでなく、作業者等が携帯する放射線測定器1から送信されるデータにより、管理センタにおいてリアルタイムに作業者等の被曝状況及び身体状況を知ることができるので、より適切に作業者等の被曝管理及び健康管理を行うことができる。
さらに、複数の作業者等が携帯する放射線測定器1が計測した線量率と計測位置のデータを一定の時間間隔で送信するので、非常に多くの線量率と計測位置のデータに基づき、ホットゾーンの放射線量率のマップを極めて正確に作図することができる。このため、ホットゾーンにおけるホットスポットの場所を正確に知り、そのような場所を避けて活動をすることにより、作業者等の不必要な被曝を防止することができる。
また、本考案に係る放射線測定器1は継続して線量率と計測位置のデータを取得して送信するため、これらのデータを使用すると、風向、風速等の天候の影響を受けて随時変化するホットゾーンの放射線量率の分布に適切に対応し、最新の放射線量率の等高マップを極めて正確に作図することができる。従って、ホットゾーンで復旧作業に従事する作業者の被曝リスクを常時最少に管理することができる。
なお、この放射線量率の等高マップは、既存の作図ソフトを利用することにより簡単に描くことができる。
図4において、本考案に係る放射線測定器1と管理センタとの間の通信手段の一例として、構内PHSシステム技術を利用する場合を説明する。前述した様に、建屋16内においては航法衛星17からの電波を受信することができないので、位置測定部5により計測位置を知ることができない。一方、PHSを含む携帯電話システムでは簡易位置情報の機能があり、現在、電話機と交信を行っている基地局18を検索することができる。従って、建屋16内部の主要区画ごとに基地局18を事前に配置しておけば、放射線測定器1と通信を行っている基地局18を管理センタで検索することにより、建屋16内部の測定場所を知ることができる。なお、事前に基地局18を配置して構内PHSシステムを構築しておくことにより、平常時からPHS電話を利用して建屋内部での業務に従事する作業者同士の通話が行える利点もある。
建屋16外においては航法衛星17からの電波を受信することができるので、位置測定部5により計測位置を知ることができる。しかしながら、平常時には構内PHSシステムを使用する必要がほとんどない原子力関連施設の敷地内に基地局18を設置しておくことは、経済的な面からも現実的ではない。従って、事故発生直後に敷地内に適宜の間隔で所要の個数の基地局18を設置することになる。設置した基地局18と管理センタとは通信回線19を介して接続しても良いが、広大な敷地内に通信回線19を敷設することは大変な作業であり、敷設完了までに時間を要し、その間事故対応にあたる作業者の被曝管理を十分に行うことができないだけでなく、通信回線を敷設する作業者が被曝することも考慮しなければならない。このため、例えば特開平10−336094号公報に開示されている「構内PHS基地局」のような可搬型で独立電源を備え、衛星通信等により管理センタと通信を行うことができる器材を利用し、短時間で敷地内の構内PHSシステムを構築し、本考案に係る放射線測定器を使用することができる状況を整備することが好ましい。
以上説明したように、本考案に係る放射線測定器を使用すると、原子力施設でCBRNEが発生した場合に、事故発生直後にホットゾーン立入って初動対処を行うファーストレスポンダーの被曝状況、並びに心理状況及び身体状況を管理センタにおいてリアルタイムに把握し、ファーストレスポンダーの活動に対する適切な助言、指示を行い、活動を円滑に推進させると共に、生命身体の安全を確保することができる。また、初動対処後に行われる復旧作業でも、管理センタにおいて、作業者が被曝している線量率、積算線量及び作業者のバイタルサインの計測値をリアルタイムにモニターすることができるので、作業者の被曝管理及び健康管理を集中的かつ確実に行うことができる。これに加え、作業者等が活動した各地点で自動的に計測された線量率及び計測地点のデータが管理センタに送信されるので、管理センタにおいて、複数の作業者等から送信されてきた多数の線量率及びその測定地点のデータから、日々刻々変化するホットゾーンの放射線量率のマップを描いて汚染状況をリアルタイムに把握し、復旧作業に従事する作業者の不必要な被曝を防止することができるので、その効果は医学的面からも作業者の健康管理において非常に大きいものがある。
1 放射線測定器
3 電源部
4 放射線計測部
5 位置測定部
6 制御部
7 記憶部
8 警報部
9 通信部
10 表示部
11 操作部
14 バイタルサイン計測手段

Claims (4)

  1. ケーシング内に電源部と、半導体検出器を使用して線量率を計測する放射線計測部と、計測位置を測定する位置計測部と、前記線量率から積算線量を計算するとともに各部の作動を制御する制御部と、前記線量率及び前記積算線量が制限値を超えると警報を発する警報部と、前記線量率及び前記計測位置のデータを記憶する記憶部と、前記線量率と前記計測位置を送信する通信部を設けると共に、ケーシング表面に前記線量率又は前記積算線量を表示する表示部と、線量率及び積算線量の制限値を設定する操作部を配設したことを特徴とする放射線測定器。
  2. 前記位置計測部は、複数の航法衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、現在位置を算出する請求項1に記載の放射線測定器。
  3. 前記通信部は、PHS(Personal Handy-phone System)、特定小電力無線局などの無線通信機端末を使用している請求項1又は2に記載の放射線測定器。
  4. バイタルサイン(心拍数、呼吸数、血圧、体温及び酸素飽和度(SpO2))を計測するバイタルサイン計測手段を有し、前記通信部により前記バイタルサイン計測手段が計測したバイタルサインの計測値を送信する請求項1乃至3の何れか1項に記載の放射線測定器。
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JP2017016490A (ja) * 2015-07-03 2017-01-19 富士電機株式会社 監視システム
JP2019138646A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 株式会社東芝 放射線測定システム、放射線測定装置、放射線モニタリングシステム及び放射線モニタリング方法。
CN112346107A (zh) * 2020-11-20 2021-02-09 重庆建安仪器有限责任公司 用于通信组网的辐射标识器

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