JP3177970B2 - 音響信号表示システム及びその音響信号表示方法 - Google Patents

音響信号表示システム及びその音響信号表示方法

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JP3177970B2
JP3177970B2 JP37132898A JP37132898A JP3177970B2 JP 3177970 B2 JP3177970 B2 JP 3177970B2 JP 37132898 A JP37132898 A JP 37132898A JP 37132898 A JP37132898 A JP 37132898A JP 3177970 B2 JP3177970 B2 JP 3177970B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響信号表示シス
テムに関し、特に、水中で単一音源ソノブイから発信さ
れた音響信号の反響音を複数のソノブイ位置で受信した
場合の音響信号表示システム及びその音響信号表示方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、音響信号表示方式は、例えば図9
のように、航空機等から水中に投下した音源ソノブイ1
と複数のパッシブソノブイ21〜2Nを使用し、音源ソ
ノブイ1から音響信号を発信し、水中目標8からの反響
音をパッシブソノブイ21〜2Nで受信する。
【0003】ここで、Nは、パッシブソノブイの本数に
対応するものとする。
【0004】受信された反響音は、縦軸をレベルとし、
横軸を時間とする画面に、それぞれのパッシブソノブイ
毎に表示される。
【0005】操作員は、あらかじめ設定された閾値の中
からそれぞれのパッシブソノブイの表示毎に環境状況に
応じたものを選択した上で設定を行い、閾値を越えた受
信信号波形を個々のパッシブソノブイについて観測す
る。
【0006】更に、操作員は観測している表示から直接
波及び水中目標を確認し、カーソル等の手段を用いて、
到来時刻を入力する。
【0007】直接波及び水中目標の反響音の到来時間差
から、水中目標8が存在する2次元座標平面上の楕円を
計算する。
【0008】上記により得られた水中目標8の存在する
楕円をパッシブソノブイ21〜2Nについて同時に表示
し、その交点から目標位置を確認する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術には、
以下の問題点がる。
【0010】第1の問題点は、複数のパッシブソノブイ
の受信信号を観測するため、操作員に負荷がかかる。
【0011】その理由は、複数のパッシブソノブイ1つ
1つに対して操作員が信号を確認し、信号の検出をしな
ければならないことにある。
【0012】第2の問題点は、パッシブソノブイ受信信
号の信号検出を行う場合、微弱信号は損失してしまう。
【0013】その理由は、信号レベルに対して、閾値を
設定して信号を検出するため、閾値を下回る微弱信号は
損失してしまうことにある。
【0014】本発明の目的は、水中目標の検出におい
て、操作員が個々のパッシブソノブイ受信信号を観測す
る負荷を軽減し、効率よく水中の目標の位置を確認でき
る音響信号表示システム及びその音響信号表示方法を提
供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、微弱信号に対する検
出能力を向上することができる音響信号表示システム及
びその音響信号表示方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の音響信号表示シ
ステムは、設定された発信タイミングを音源ソノブイに
送信する送信制御器と、送信制御器より指示された発信
タイミングにより、音響信号を水中に発信する音源ソノ
ブイと、複数のパッシブソノブイで構成され、音源ソノ
ブイからパッシブソノブイまで直接伝搬する音響信号の
直接波と水中目標からの音響信号の反響音とを受信し、
変調方式を用いて、受信信号として受信器に送出するパ
ッシブソノブイサブシステムと、入力された受信信号を
復調し、受信音響信号として対応した信号処理器にそれ
ぞれ出力する受信器と、受信音響信号を入力し、各パッ
シブソノブイに対し、座標上の反響音位置と反響音位置
に対応する反響音レベルとを求めて、反響音レベル累加
処理器に出力する信号処理器と、パッシブソノブイ毎に
信号処理器より入力された反響音位置に対応する反響音
レベルを座標位置毎に累加し、累加反響音位置と累加反
響音位置に対応する累加反響音レベルとを表示処理器に
出力する反響音レベル累加処理器と、入力された累加反
響音位置に、累加反響音位置に対応する累加反響音レベ
ルのレベル強度に対して、所定の輝度階調(輝度を段階
的に分割して設定したもの、以下輝度階調という)を割
り当て、画面上に音源ソノブイと各パッシブソノブイの
位置と共に表示する表示処理器とから構成され、信号処
理器は、複数のパッシブソノブイの受信音響信号に対し
て、直接波を所定の閾値により検出し、反響音について
は閾値を用いないで処理を行う手段を有する。
【0017】また、設定された発信タイミングを音源ソ
ノブイに送信する送信制御器と、送信制御器より指示さ
れた発信タイミングにより、音響信号を水中に発信する
音源ソノブイと、複数のパッシブソノブイで構成され、
音源ソノブイからパッシブソノブイまで直接伝搬する音
響信号の直接波と水中目標からの音響信号の反響音とを
受信し、変調方式を用いて、受信信号として受信器に送
出するパッシブソノブイサブシステムと、入力された受
信信号を復調し、受信音響信号として対応した信号処理
器にそれぞれ出力する受信器と、受信音響信号を入力
し、各パッシブソノブイに対し、座標上の反響音位置と
反響音位置に対応する反響音レベルとを求めて、反響音
レベル累加処理器に出力する信号処理器と、パッシブソ
ノブイ毎に信号処理器より入力された反響音位置に対応
する反響音レベルを座標位置毎に累加し、累加反響音位
置と累加反響音位置に対応する累加反響音レベルとを表
示処理器に出力する反響音レベル累加処理器と、入力さ
れた累加反響音位置に、累加反響音位置に対応する累加
反響音レベルのレベル強度に対して、所定の色調を割り
当て、画面上に音源ソノブイと各パッシブソノブイの位
置と共に表示する表示処理器とから構成され、信号処理
器は、複数のパッシブソノブイの受信音響信号に対し
て、直接波を所定の閾値により検出し、反響音について
は閾値を用いないで処理を行う手段を有してもよい。
【0018】また、信号処理器は、信号処理部と直接波
検出処理部と反響音レベル記憶処理部とから構成され、
信号処理部は、受信器より入力された受信音響信号に対
して、フィルタ処理と検波積分処理とレベルの平均化処
理とを行い、受信レベル信号を算出して直接波検出処理
部と反響音レベル記憶処理部に出力する手段を有し、直
接波検出処理部は、受信レベル信号に対してあらかじめ
設定された閾値により、直接波到来時刻を検出し、反響
音レベル記憶処理部に出力する手段を有し、反響音レベ
ル記憶処理部は、直接波到来時刻以降、あらかじめ設定
された所定の時間間隔で受信レベル信号のサンプリング
を行い、サンプリングの時刻を反響音到来時刻とし、入
力された直接波到来時刻と反響音到来時刻との時間差を
算出し、時間差及び音源ソノブイ位置とパッシブソノブ
イ位置との位置関係に基づき計算された、反響音の伝搬
距離を一定とする楕円軌跡を計算し、楕円軌跡計算の距
離誤差を補うために楕円軌跡を中心として所定の幅を有
する領域を設定し、その反響音到来時刻に対応する受信
レベル信号である反響音レベルを記憶し、所定の時間間
隔で受信レベル信号に対して同様の処理を繰り返し、領
域が重なり合う場合は、反響音レベル強度の強いものを
その反響音位置の反響音レベルとして反響音レベル累加
処理器に出力する手段を有してもよい。
【0019】本発明の音響信号表示システムの音響信号
表示方法は、信号処理器により、複数のパッシブソノブ
イの受信音響信号に対して、直接波を所定の閾値により
検出し、反響音については閾値を用いないで処理を行う
段階を有する。
【0020】また、信号処理器により、複数のパッシブ
ソノブイの受信音響信号に対して、直接波を所定の閾値
により検出し、反響音については閾値を用いないで処理
を行う段階を有してもよい。
【0021】また、信号処理部により、受信器より入力
された受信音響信号に対して、フィルタ処理と検波積分
処理とレベルの平均化処理とを行い、受信レベル信号を
算出して直接波検出処理部と反響音レベル記憶処理部に
出力する段階と、直接波検出処理部により、受信レベル
信号に対してあらかじめ設定された閾値により、直接波
到来時刻を検出し、反響音レベル記憶処理部に出力する
段階と、反響音レベル記憶処理部により、直接波到来時
刻以降、あらかじめ設定された所定の時間間隔で受信レ
ベル信号のサンプリングを行い、サンプリングの時刻を
反響音到来時刻とし、入力された直接波到来時刻と反響
音到来時刻との時間差を算出し、時間差及び音源ソノブ
イ位置とパッシブソノブイ位置との位置関係に基づき計
算された、反響音の伝搬距離を一定とする楕円軌跡を計
算し、楕円軌跡計算の距離誤差を補うために楕円軌跡を
中心として所定の幅を有する領域を設定し、その反響音
到来時刻に対応する受信レベル信号である反響音レベル
を記憶し、所定の時間間隔で受信レベル信号に対して同
様の処理を繰り返し、領域が重なり合う場合は、反響音
レベル強度の強いものをその反響音位置の反響音レベル
として反響音レベル累加処理器に出力する段階とを有し
てもよい。
【0022】本発明では、複数のパッシブソノブイを使
用して、その各ソノブイに対して一旦、2次元座標平面
上の位置に反響音レベルを決定する。そして、同一座標
位置の各ソノブイの反響音レベルを累加して、最終的に
その座標位置の反響音レベル強度とする。従って、操作
員が、個々のパッシブソノブイ受信信号を観測する必要
がなく、また、1つ1つのパッシブソノブイ受信では反
響音レベルが弱い信号でも、複数のパッシブソノブイの
反響音レベルを累加することによって水中目標を容易に
見つけることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】(発明の第1の実施の形態)次
に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に
説明する。
【0024】図1は、本発明の第1の実施の形態である
音響信号表示システムの構成ブロック図である。
【0025】図1において、音源ソノブイ1とパッシブ
ソノブイサブシステム2は、共に航空機等から水中に投
下される。一方、送信制御器3と受信器4と信号処理器
51〜5Nと反響音レベル累加処理器6と表示処理器7
は、航空機上等に搭載される。
【0026】ここで、Nは、パッシブソノブイの本数に
対応するものとする。
【0027】送信制御器3は、設定された発信タイミン
グ301を音源ソノブイ1に送信する。
【0028】音源ソノブイ1は、送信制御器3より指示
された発信タイミング301により、音響信号S 10
1を水中に発信する。
【0029】パッシブソノブイサブシステム2は、1〜
NのN本のパッシブソノブイ21〜2Nで構成され、音
響信号S 101の直接波と反響音を受信し、FM等の
変調方式を用いて、電波等の手段により、受信信号21
1〜2N1として受信器4に送出する。
【0030】受信器4は、入力された受信信号211〜
2N1を復調し、受信音響信号411〜4N1として対
応した信号処理器51〜5Nにそれぞれ出力する。
【0031】信号処理器51〜5Nは、受信音響信号4
11〜4N1を入力し、各パッシブソノブイに対し、座
標上の反響音位置5132〜5N32とそれに対応する
反響音レベル5131〜5N31を求める。
【0032】図2は、信号処理器5Nの詳細を示す構成
ブロック図であり、構成は、信号処理部5N1と直接波
検出処理部5N2と反響音レベル記憶処理部5N3から
なる。
【0033】信号処理部5N1は、受信器4より入力さ
れた受信音響信号4N1に対して、フィルタ処理、検波
積分処理及びレベルの平均化処理を行い、受信レベル信
号5N11を算出して直接波検出処理部5N2と反響音
レベル記憶処理部5N3に出力する。
【0034】直接波検出処理部5N2は、受信レベル信
号5N11に対してあらかじめ設定された閾値により、
直接波到来時刻5N21を検出し、反響音レベル記憶処
理部5N3に出力する。
【0035】反響音レベル記憶処理部5N3は、直接波
到来時刻5N21以降、あらかじめ設定された所定の時
間間隔で受信レベル信号5N11のサンプリングを行
い、この時刻を反響音到来時刻とする。
【0036】そして、入力された直接波到来時刻5N2
1と反響音到来時刻との時間差を算出する。
【0037】直接波到来時刻5N21を基準として、所
定の時間間隔で検出された受信レベル信号5N11の到
来時刻との時間差及び音源ソノブイ位置012とパッシ
ブソノブイ位置0N5の位置関係に基づき計算された、
反響音の伝搬距離を一定とする楕円軌跡を計算する。
【0038】次に、楕円軌跡計算の距離誤差を補うため
に楕円軌跡を中心として所定の幅を有する領域を設定
し、その反響音到来時刻に対応する受信レベル信号5N
11である反響音レベルを記憶する。
【0039】所定の時間間隔で受信レベル信号5N11
に対して同様の処理を繰り返す。
【0040】このとき、領域が重なり合う場合は、反響
音レベル強度の強いものをその反響音位置5N32の反
響音レベル5N31として反響音レベル累加処理器6に
出力する。
【0041】反響音レベル累加処理器6は、パッシブソ
ノブイ毎に信号処理器51〜5Nより入力された反響音
位置5132〜5N32に対応する反響音レベル513
1〜5N31を座標位置毎に累加する。
【0042】累加反響音位置601に対応する累加反響
音レベル602を表示処理器7に出力する。
【0043】表示処理器7は、入力された累加反響音位
置602とこれに対応する累加反響音レベル601のレ
ベル強度に対して輝度階調または色調を割り当て、画面
上に音源ソノブイ1と各パッシブソノブイ21〜2Nの
位置と共に表示する。
【0044】次に、本発明の動作について図1を用いて
詳細に説明する。
【0045】音源ソノブイ1は、送信制御器3より指示
された発信タイミング301により、音響信号S 10
1を水中に発信する。
【0046】パッシブノブイサブシステム2は、音響信
号S 101の直接波と反響音を受信し、FM等の変調
方式を用いて、電波等の手段により受信信号211〜2
N1として受信器4に送出する。
【0047】受信器4は、入力された受信信号211〜
2N1を復調し、受信音響信号411〜4N1として対
応した信号処理器51〜5Nにそれぞれ出力する。
【0048】ここで、Nは、パッシブソノブイの本数に
対応するものとする。
【0049】信号処理器51〜5Nは、同じ動作を行う
ため、N本目のパッシブソノブイ処理に対応する信号処
理器5Nを、図2を用いて説明する。
【0050】図2において、信号処理部5N1は、入力
された受信音響信号4N1に対してフィルタ処理、検波
積分処理及びレベルの平均化処理を行う。
【0051】フィルタ処理は、受信音響信号4N1から
あらかじめ設定された周波数帯域を通過させ、不要な成
分を除去する。
【0052】ここで、図3(a)のようにフィルタ処理
後の信号は、正と負の値をとる。
【0053】信号レベル強度を抽出するため、検波積分
処理として、信号レベルの絶対値をとった後、所定の時
間間隔にわたって、信号レベルを平均する。
【0054】これにより、図3(b)が得られる。
【0055】検波積分処理によって得られた信号に対
し、レベルの平均化処理により、信号レベルの平均値を
一定化する。
【0056】図3(c)を参照すると、検波積分処理後
の信号を時間軸方向に、直接波より充分に長い所定の区
間枠をとり、その区間の平均レベルを算出する。
【0057】算出した平均レベルは、区間枠中心の時間
位置の平均レベルとする。
【0058】この処理で区間枠をシフトさせて計算して
いくと、平均レベル信号が得られる。
【0059】各区間枠の信号レベルに対し、計算式(受
信レベル信号5N11)=(検波積分処理後の信号)÷
(平均レベル信号)により、図3(d)のような平滑化
した信号が計算され、受信レベル信号5N11として直
接波検出処理部5N2と反響音レベル記憶処理部5N3
に出力する。
【0060】直接波検出処理部5N2は、入力された受
信レベル信号5N11に対し、あらかじめ設定された閾
値を越えた時刻を検出し、直接波到来時刻5N21(t
d)とする(図4)。
【0061】反響音レベル記憶処理部5N3の処理を説
明する前に、反響音の検出のしかたとして、図4を使用
し説明すると、直接波到来時刻5N21(td)以降、
あらかじめ設定された所定の時間間隔で受信レベル信号
5N11のサンプリングを行い、この時刻を反響音到来
時刻(t)とする。
【0062】次に、反響音レベル記憶処理部5N3の処
理について、図5を用いて説明する。
【0063】図5において、まず、パッシブソノブイ2
Nが受信する反響音が水中目標8のものである場合、音
源ソノブイ1から水中目標8に音響信号が伝搬する距離
をL1、水中目標8からパッシブソノブイ2Nに水中目
標8の反響音が伝搬する距離をL2とし、2次元座標平
面上においてL1+L2が反響音の伝搬距離となる。
【0064】反響音の伝搬距離(L1+L2)は、直接
波到来時刻5N21(td)と反響音到来時刻(t)と
の時間差(t−td)と音速Cを用いて下式のように求
める。
【0065】L1+L2=L+C×(t−td) ここで、Lは音源ソノブイ1とパッシブソノブイ2Nの
距離とし、音源ソノブイ位置012とパッシブソノブイ
位置0N5より算出する。
【0066】これにより、音源ソノブイ1の位置とパッ
シブソノブイ2Nの位置を結ぶ線を長軸とし、反響音の
伝搬距離を一定とする軌跡を算出する。
【0067】ここで、2定点からの距離の和が一定であ
る曲線の軌跡、つまり楕円の算出式を説明する。
【0068】たとえば、図6を参照すると、2定点F、
F’をx軸上に、原点に関し対称な場所にとって、それ
を F(c,0),F’(−c,0) (c>0) とすると、F,F’からの距離の和がいつも2aに等し
いような点Pの曲線の式を (PFの長さ)+(PF’の長さ)=2a Pの座標を(x,y)とすると、 ((x−c)2 +y21/2 +((x+c)2 +y2
1/2 =2a となり、xを0から±aまで変化させたとき、 x=0...±a y=±((a2 − c2 )−(a2 − c2 )x2 / a2
1/2 で楕円座標を求めることができる。
【0069】この算出方法のF’を音源ソノブイ1の位
置、Fをパッシブソノブイ2Nの位置、Pを水中目標8
の位置として対応させて楕円軌跡を求める。
【0070】次に、楕円軌跡計算の距離誤差を補うため
に楕円軌跡を中心として所定の幅を有する領域を設定
し、この領域に対応付けて、反響音到来時刻(t)の反
響音レベルを記憶する。
【0071】所定の時間間隔で、同様の処理を繰り返
す。
【0072】このとき、図7のように、2次元座標平面
上で、楕円軌跡を中心として所定の幅を有する領域A
31と領域B 32が重なり合った場合は、領域A 31
のもつ反響音レベル強度と領域B 32のもつ反響音レ
ベル強度を比較し、強い方のレベルを重なり合った領域
の反響音レベルとする。
【0073】この処理は、操作員が信号を観測すること
なく、反響音位置5N32に対する反響音レベル5N3
1を自動的に検出する。
【0074】信号処理器5Nの処理をパッシブソノブイ
の本数分行った結果、それぞれのソノブイに対して反響
音位置5132〜5N32とそれに対応する反響音レベ
ル5131〜5N31を得る。
【0075】反響音レベル累加処理器6は、各パッシブ
ソノブイに対応した反響音位置5132〜5N32と反
響音レベル5131〜5N31を画面上、全ての座標に
ついて同一座標位置のものを累加し、最終的に累加反響
音位置602とそれに対応する累加反響音レベル601
を決定する。
【0076】表示処理器7は、反響音レベル累加処理器
6で決定した累加反響音位置602に対応した累加反響
音レベル601の強度に対して所定の輝度階調を割り当
て、既知である音源ソノブイ位置012と各パッシブソ
ノブイ位置015〜0N5を使用し、表示する。
【0077】水中目標を確定するには、パッシブソノブ
イ3本以上必要であるため、図8では、音源ソノブイ1
とパッシブソノブイ21、22及び23の位置を使用し
た表示例を示す。
【0078】音源ソノブイ1と個々のパッシブソノブイ
間に表示された楕円は、輝度により反響音のレベルとし
て表示され、それらの交点に水中目標が存在する。
【0079】3本のパッシブソノブイに関連した楕円領
域の交点は、複数か所存在するが、本発明の効果によ
り、水中目標が実際に存在する位置の輝度が強調される
ため、操作員は、容易に水中目標8を観測できる。
【0080】(発明の第2の実施の形態)次に、本発明
の第2の実施の形態について図を参照して詳細に説明す
る。
【0081】図1を参照すると、反響音レベル累加処理
器6の処理までは、本発明の第1の実施の形態と同様と
する。
【0082】表示処理器7は、カラーディスプレイを使
用し、累加反響音位置602に対する累加反響音レベル
601に対して所定の色調を割り当て、画面上に音源ソ
ノブイ1と各パッシブソノブイ21〜2Nの位置と共に
表示する。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明には以下の
効果がある。
【0084】第1の効果は、操作員が個々のパッシブソ
ノブイの受信音響信号を観測する必要がないため、操作
員の負荷が軽減される。
【0085】その理由は、各パッシブソノブイの受信音
響信号に対し、個々に反響音位置と反響音レベルを検出
し、その後、同一座標位置の反響音レベルを累加する処
理を行い、レベル強度を輝度階調または色調で表示する
ことにより、反響音レベル強度の強い位置として容易に
観測できるためである。
【0086】第2の効果は、パッシブソノブイの受信音
響信号の微弱信号に対して検出率が向上する。
【0087】その理由は、各パッシブソノブイの受信音
響信号に対し、閾値を設定していないため閾値を下回る
微弱信号が損失しないためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である音響信号表示
システムの構成ブロック図である。
【図2】図1中の信号処理器の構成ブロック図である。
【図3】信号処理の説明図である。 (a)フィルタ処理後の信号を示す図である。 (b)検波積分処理後の信号を示す図である。 (c)区間平均算出後の信号を示す図である。 (d)平滑化後の信号を示す図である。
【図4】直接波検出処理部の説明図である。
【図5】伝搬領域の軌跡算出動作の説明図である。
【図6】楕円軌跡算出動作の説明図である。
【図7】伝搬領域の比較動作の説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の表示例である。
【図9】従来の信号表示方式の原理を説明する音響信号
伝搬経路断面図である。
【符号の説明】
1 音源ソノブイ 2 パッシブソノブイサブシステム 3 送信制御器 4 受信器 6 反響音レベル累加処理器 7 表示処理器 8 水中目標 21〜2N パッシブソノブイ 31 領域A 32 領域B 51〜5N 信号処理器 011〜0N1 音響信号R 012 音源ソノブイ位置 015〜0N5 パッシブソノブイ位置 101 音響信号S 211〜2N1 受信信号 301 発信タイミング 411〜4N1 受信音響信号 5N1 信号処理部 5N2 直接波検出処理部 5N3 反響音レベル記憶処理部 601 累加反響音レベル 602 累加反響音位置 5131〜5N31 反響音位置 5132〜5N32 反響音レベル 5N11 受信レベル信号 5N21 直接波到来時刻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 3/80 - 3/86 G01S 5/18 - 5/30 G01S 7/52 - 7/64 G01S 15/00 - 15/96

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設定された発信タイミングを音源ソノブ
    イに送信する送信制御器と、 該送信制御器より指示された前記発信タイミングによ
    り、音響信号を水中に発信する前記音源ソノブイと、 複数のパッシブソノブイで構成され、前記音源ソノブイ
    から前記パッシブソノブイまで直接伝搬する前記音響信
    号の直接波と水中目標からの前記音響信号の反響音とを
    受信し、変調方式を用いて、受信信号として受信器に送
    出するパッシブソノブイサブシステムと、 入力された前記受信信号を復調し、受信音響信号として
    対応した信号処理器にそれぞれ出力する前記受信器と、 前記受信音響信号を入力し、各前記パッシブソノブイに
    対し、座標上の反響音位置と該反響音位置に対応する反
    響音レベルとを求めて、反響音レベル累加処理器に出力
    する前記信号処理器と、 前記パッシブソノブイ毎に前記信号処理器より入力され
    た前記反響音位置に対応する前記反響音レベルを座標位
    置毎に累加し、累加反響音位置と該累加反響音位置に対
    応する累加反響音レベルとを表示処理器に出力する前記
    反響音レベル累加処理器と、 入力された前記累加反響音位置に、該累加反響音位置に
    対応する累加反響音レベルのレベル強度に対して、所定
    の輝度階調を割り当て、画面上に前記音源ソノブイと各
    前記パッシブソノブイの位置と共に表示する前記表示処
    理器とから構成され、 前記信号処理器は、前記複数のパッシブソノブイの前記
    受信音響信号に対して、前記直接波を所定の閾値により
    検出し、前記反響音については閾値を用いないで処理を
    行う手段を有する音響信号表示システム。
  2. 【請求項2】 設定された発信タイミングを音源ソノブ
    イに送信する送信制御器と、 該送信制御器より指示された前記発信タイミングによ
    り、音響信号を水中に発信する前記音源ソノブイと、 複数のパッシブソノブイで構成され、前記音源ソノブイ
    から前記パッシブソノブイまで直接伝搬する前記音響信
    号の直接波と水中目標からの前記音響信号の反響音とを
    受信し、変調方式を用いて、受信信号として受信器に送
    出するパッシブソノブイサブシステムと、 入力された前記受信信号を復調し、受信音響信号として
    対応した信号処理器にそれぞれ出力する前記受信器と、 前記受信音響信号を入力し、各前記パッシブソノブイに
    対し、座標上の反響音位置と該反響音位置に対応する反
    響音レベルとを求めて、反響音レベル累加処理器に出力
    する前記信号処理器と、 前記パッシブソノブイ毎に前記信号処理器より入力され
    た前記反響音位置に対応する前記反響音レベルを座標位
    置毎に累加し、累加反響音位置と該累加反響音位置に対
    応する累加反響音レベルとを表示処理器に出力する前記
    反響音レベル累加処理器と、 入力された前記累加反響音位置に、該累加反響音位置に
    対応する累加反響音レベルのレベル強度に対して、所定
    の色調を割り当て、画面上に前記音源ソノブイと各前記
    パッシブソノブイの位置と共に表示する前記表示処理器
    とから構成され、 前記信号処理器は、前記複数のパッシブソノブイの前記
    受信音響信号に対して、前記直接波を所定の閾値により
    検出し、前記反響音については閾値を用いないで処理を
    行う手段を有する音響信号表示システム。
  3. 【請求項3】 前記信号処理器は、信号処理部と直接波
    検出処理部と反響音レベル記憶処理部とから構成され、 前記信号処理部は、前記受信器より入力された前記受信
    音響信号に対して、フィルタ処理と検波積分処理とレベ
    ルの平均化処理とを行い、受信レベル信号を算出して前
    記直接波検出処理部と前記反響音レベル記憶処理部に出
    力する手段を有し、 前記直接波検出処理部は、前記受信レベル信号に対して
    あらかじめ設定された閾値により、直接波到来時刻を検
    出し、前記反響音レベル記憶処理部に出力する手段を有
    し、 前記反響音レベル記憶処理部は、 前記直接波到来時刻以降、あらかじめ設定された所定の
    時間間隔で前記受信レベル信号のサンプリングを行い、
    該サンプリングの時刻を反響音到来時刻とし、 入力された前記直接波到来時刻と前記反響音到来時刻と
    の時間差を算出し、該時間差及び音源ソノブイ位置とパ
    ッシブソノブイ位置との位置関係に基づき計算された、
    前記反響音の伝搬距離を一定とする楕円軌跡を計算し、 楕円軌跡計算の距離誤差を補うために楕円軌跡を中心と
    して所定の幅を有する領域を設定し、その前記反響音到
    来時刻に対応する前記受信レベル信号である反響音レベ
    ルを記憶し、 所定の時間間隔で前記受信レベル信号に対して同様の処
    理を繰り返し、 前記領域が重なり合う場合は、反響音レベル強度の強い
    ものをその反響音位置の反響音レベルとして前記反響音
    レベル累加処理器に出力する手段を有する請求項1又は
    請求項2に記載の音響信号表示システム。
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