JP3177729U - ブーツ殺菌具 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトかつ簡易な構成でブーツ内部を隈なく殺菌することができるブーツ殺菌具を提供する。
【解決手段】酸素、又は二酸化炭素、若しくはこれらの混合ガス(以下、単にガスという)を内部に溜める空間を形成する殺菌具本体11と、内部に逆止弁を有し、前記殺菌具本体11内にガスを導入するためのガス導入部12と、を備える。さらに殺菌具本体11が、テーパ状の側面を有しブーツの履口にフィットしてガスの漏出を防止する漏出防止部11Aと、ブーツの筒部に挿入される筒内挿入部11Bと、その筒内挿入部11Bに設けられる一つ又は複数の孔からなるガス排出部11Cと、から構成され、前記殺菌具本体11に溜めたガスを前記ガス排出部11Cからブーツ内に排出することにより、ブーツ内の殺菌を行う。
【選択図】図6

Description

本考案は、ブーツの内部を殺菌するためのブーツ殺菌具に関する。
ブーツとは、踝や脹脛等を覆うための筒部を備えた靴の総称であり、防寒具やファッションアイテムとして男女問わずに普及している。
ブーツは通常の靴と異なり、筒部があるために通気性が良好とは言えず、着用することで内部に汗等の湿気が溜まりやすい。また湿度に加えて人間の体温がさらに雑菌の繁殖しやすい環境を作るため、足白癬(水虫)等への感染、悪臭の発生やカビの発生等を引き起こす。そのため、まめに殺菌、消臭等のケアを行うことが必要となる。
従来のブーツの殺菌、消臭方法としては、除菌消臭スプレーの噴霧が一般的に知られている。また、箱型のケースにブーツを収容し、紫外線やオゾン等で殺菌、消臭を行う靴殺菌脱臭装置等がある。
しかしながら、従来の除菌消臭スプレーでは、成分をブーツ内部(特に、爪先側の奥など)の隅々まで行き渡らせることはその形状から困難であるという問題があった。また、従来の箱型の靴殺菌脱臭装置は、ブーツを収容可能なものとなると非常に大型になり、一般家庭等で備えるのは容易ではないという難点があった。
そこで本考案は、上記状況に鑑みて、コンパクトかつ簡易な構成でブーツ内部を隈なく殺菌することができるブーツ殺菌具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案は、酸素、又は二酸化炭素、若しくはこれらの混合ガス(以下、単にガスという)を内部に溜める空間を形成する殺菌具本体と、内部に逆止弁を有し、前記殺菌具本体内にガスを導入するためのガス導入部と、を備え、さらに殺菌具本体が、テーパ状の側面を有しブーツの履口にフィットしてガスの漏出を防止する漏出防止部と、ブーツの筒部に挿入される筒内挿入部と、その筒内挿入部に設けられる一つ又は複数の孔からなるガス排出部と、から構成され、前記殺菌具本体に溜めたガスを前記ガス排出部からブーツ内に排出することにより、ブーツ内の殺菌を行うことを特徴とするブーツ殺菌具を提供する。
ここで、前記ガスと共に、次亜塩素酸水又は次亜塩素酸の塩類を溶解した水のミストを前記殺菌具本体に溜めて、前記ガス排出部からブーツ内に排出するようにしても良い。
本考案によれば、非常にコンパクトかつ簡易な構成でブーツ内部を隈なく殺菌し、足白癬(水虫)等への感染、悪臭の発生や、カビの発生等を防止することが可能となる。
本考案の一実施形態に係るブーツ殺菌具の概要を示す全体模式図(殺菌具本体内にガスを溜めた状態)である。 図1のブーツ殺菌具の概要を示す全体模式図(殺菌具本体からガスを抜いた状態)である。 図1のブーツ殺菌具の使用方法を説明するための模式図(その1)である。 図1のブーツ殺菌具の使用方法を説明するための模式図(その2)である。 図1のブーツ殺菌具の使用方法を説明するための模式図(その3)である。 図1のブーツ殺菌具の使用状態を説明するための一部断面模式図である。 本考案の他の実施形態に係るブーツ殺菌具の概要を示す全体模式図(殺菌具本体内にガスを溜めた状態)である。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2は、本考案の一実施形態に係るブーツ殺菌具の概要を示す全体模式図である。図1は殺菌具本体内にガスを溜めた状態、一方図2は殺菌具本体からガスを抜いた状態をそれぞれ図示している。
これらの図に示すように、本実施形態のブーツ殺菌具1は、内部に酸素、又は二酸化炭素、若しくはこれらの混合ガス(以下、上記を総称して単にガスという)を内部に溜める空間を形成可能な殺菌具本体11と、この殺菌具本体11にガスを導入するためのガス導入部12とを備えている。
殺菌具本体11は、ブーツの筒部に合わせて略円筒状に膨らませることができる長尺な袋状の部材である。その上部には側面がテーパ状に拡がる漏出防止部11Aが設けられており、後述の図6に示すように側面のテーパ部でブーツ100の履口100Aにフィットして履口100Aからのガスの漏出を防止する。この漏出防止部11Aの下部には、ブーツの筒部に差し込む長尺な筒内挿入部11Bが配置される。筒内挿入部11Bには、殺菌具本体11に溜められたガスを徐々に排出できるよう、微小孔(ガス排出部)11Cが複数設けられている。
殺菌具本体11の素材としては、耐圧性、非通気性の樹脂素材(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等)が好適である。
ガス導入部12は、殺菌具本体11の上端部に設けられた、キャップ付きの空気栓からなる。キャップは簡単に取り外しが可能である一方で、キャップを外しても殺菌具本体11内の気体が出ないよう、ガス導入部12の内部には逆止弁が設けられている。このガス導入部12にガスボンベ等を接続して、殺菌具本体11内にガスを溜める。
以下、本考案のブーツ殺菌具の使用方法について、図3乃至図5を用いて説明する。また、図6はブーツ殺菌具の使用状態を説明するための一部断面模式図である。ここではブーツのみ断面を示している。
まず、図3に示すように、殺菌処理をしたいブーツ100に、ガスを抜いた状態の空のブーツ殺菌具1を挿入する。具体的には、ブーツ殺菌具1の漏出防止部11Aがブーツ100の履口100A辺りにくるまで、筒内挿入部11Bをブーツ100の筒部に入れる。
次いで、図4に示すように、ガスボンベ200をガス導入部12に接続して、ガスを殺菌具本体11内に供給する。殺菌具本体11はガスが溜まるにつれて次第に膨らむため、漏出防止部11Aとブーツ100の履口100Aがフィットするよう、位置を調整しながらガスの供給を続ける。
殺菌具本体11内にガスが溜まって殺菌具本体11が十分に膨らんだら、図5に示すようにガスボンベ200をガス導入部12から外し、ガス導入部12のキャップをして、微小孔11Cからのみガスが排出されるようにする。この状態で一定時間放置することにより、本ブーツ殺菌具1によるブーツ100の殺菌が完了する。
このように構成することにより、図6に示すようにブーツ100の筒内下部に位置する微小孔11Cのみからガスが排出され、ガスを最も雑菌が繁殖しやすいブーツの底部内側全体に行き渡らせることが可能となる。
ここでは複数の微小孔11Cからブーツ100内にガスを排出する例を示したが、図7に示すように、微小孔11Dは一つのみにしても良い。この図7では、図1に示す実施形態と同一の部分については同一の符号を付している。また、図1では主に、筒内挿入部11Bの下部側に複数の微小孔11Cが集中的に設けられた例を図示しているが、筒内挿入部11Bの全体に亘って設ける等、微小孔11Cは様々な位置に配置可能である。
なお、上記ではブーツを殺菌するためのガスとして、酸素、又は二酸化炭素、若しくはこれらの混合ガスを用いている。酸素は酸化作用による殺菌、消臭効果があり、二酸化炭素は殺菌、消臭効果のほか、防虫作用を有し、バクテリア、カビ、害虫などの発生を抑制することができる。一方、本考案では、これらのガスにさらに次亜塩素酸水又は次亜塩素酸の塩類を溶解した水(以下、まとめて単に次亜塩素酸水と言う)のミストを加えても良い。次亜塩素酸は、主に酸化剤、漂白剤、外用殺菌剤、消毒剤として利用されており、これをミストにしてブーツ100内に噴霧することにより、殺菌効果を高めることができる。
次亜塩素酸水のミストを本考案のブーツ殺菌具に使用する場合、次亜塩素酸水のミストを噴霧できるミストスプレー(霧吹き)をガス導入部12に接続して殺菌具本体11内にミストを導入しても良いし、ガスと共に次亜塩素酸水のミストを噴霧できるガスボンベを使用しても良い。
以下、酸素、二酸化炭素と共に次亜塩素酸水のミストを噴霧して試料一個当たりの生菌数を測定した実験結果から、その殺菌効果の有効性を示す。
Figure 0003177729
表1は、酸素及び次亜塩素酸水ミストの噴霧による生菌数測定結果を示している。ここでの試料は、普通寒天培地に黄色ブドウ球菌の試験菌液を0.1mL塗抹したものを用いた。そして、酸素ガスボンベを接続した噴霧装置を用いて、次亜塩素酸水ミストを酸素と共に試料に噴霧した後五分間放置のセットを三回繰り返した。
その結果、表1に示すように、一度目の測定では噴霧前(作用前)は270個だった生菌数が、噴霧後(検体作用)には0個になった。また、二度目の測定では噴霧前(作用前)は400個だった生菌数が、噴霧後(検体作用)には0個になった。上記から、酸素及び次亜塩素酸水ミストの噴霧による殺菌効果は明らかである。
このように、本考案によれば、非常にコンパクトかつ簡易な構成でブーツ内部を隈なく殺菌し、足白癬(水虫)等への感染、悪臭の発生や、カビの発生等を防止することが可能となる。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本考案の範囲から排除するものではない。
本考案は、ブーツの内部を殺菌するためのブーツ殺菌具に関し、産業上の利用可能性を有する。
1 ブーツ殺菌具
11 殺菌具本体
11A 漏出防止部
11B 筒内挿入部
11C 微小孔(ガス排出部)
11D 微小孔(ガス排出部)
12 ガス導入部

Claims (2)

  1. 酸素、又は二酸化炭素、若しくはこれらの混合ガス(以下、単にガスという)を内部に溜める空間を形成する殺菌具本体と、
    内部に逆止弁を有し、前記殺菌具本体内にガスを導入するためのガス導入部と、
    を備え、
    さらに殺菌具本体が、
    テーパ状の側面を有しブーツの履口にフィットしてガスの漏出を防止する漏出防止部と、
    ブーツの筒部に挿入される筒内挿入部と、
    該筒内挿入部に設けられる一つ又は複数の孔からなるガス排出部と、から構成され、
    前記殺菌具本体に溜めたガスを前記ガス排出部からブーツ内に排出することにより、ブーツ内の殺菌を行うことを特徴とするブーツ殺菌具。
  2. 前記ガスと共に、次亜塩素酸水又は次亜塩素酸の塩類を溶解した水のミストを前記殺菌具本体に溜めて、前記ガス排出部からブーツ内に排出することを特徴とする請求項1に記載のブーツ殺菌具。
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