JP3176809U - 装飾片を取付けた着物及びその帯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大きな工数をかけることなく、華やかで優雅な雰囲気を醸し出すことが出来る着物の提供。
【解決手段】 装飾手段として石やガラスを所定の形状に加工した装飾片を用い、この装飾片を着物の一部に複数個止着している。
【選択図】 図1

Description

本考案は複数の装飾片を散りばめた着物、及びその帯に関するものである。
我が国において古来から使用されて来ている着物(和服)は、その外観が華やかであり、その為に製作には非常に時間がかかり、コスト的には高くなってしまう。近年では、常日頃着物を着ている人は少なくなっているが、その華やかさ及び雰囲気は洋服を着用しては醸し出すことは出来ないものと成っている。
着物になる生地は西陣織りといったように、昔からの伝統工芸に基づいて製作され、着物に仕立てられ、形成される模様は極めて鮮やかである。例えば、生地を染めて模様を形成するのが一般的であるが、特別な糸(例えば金糸)を用いて織り込んだ着物生地を製作する場合もあり、その製作コストは極めて高額となる。
ところで、近年では従来のこのような優雅な着物は高価であることから、若い人は着物から遠ざかりつつある。その為に、色々工夫してコスト的にも安く、若い人にも手が届く着物も一部で制作されている。しかし、製作工数を少なくしてコスト的にも安い着物であれば、必然的に華やかさに欠け、優雅さが無くなってしま、その為に、着物を着用した場合の雰囲気を醸し出すことは出来ない。
簡易着物としては、特開2009−74225号に係る「三部式簡易着物」は従来の着物の形や特徴を出来るだけ残しながら、扱いやすく、着易く、着崩れし難く、洋服との接点のある着物がある。すなわち、従来の着物を三部に分けて扱いやすく、着易くしたものであり、半襦袢状の上衣はブラースを、着物上部は洋服の上着を、着物下部はスカートを連想させている。半襦袢状の上衣をブラジャーと補助紐で結び合わせ、襟元の着崩れを防ぎ、着物上部に帯通しを付け、帯のずれ落ちるのを防ぎ、着物下部の左右の裾の端を切り取り、裾をさばき易くしている。
これにより、洋服に慣れて着物が始めての人でもすぐに着られ、また、着崩れを気にせず、日常生活着として利用出来る。しかも、従来の着物の形を出来る限り残し、着用時に紐で微調整して体に合わせて着る事が出来、従来の着物の良さを充分味わうことが出来る。
特開2002−242006号に係る「重ね着型着物」は、着用経験が無く、着物を正しく着付けることができない人であっても、短時間の中に整然と着用可能で、しかも活発な動きにも着崩れせず、変化に富んだ着物の着こなしを実現可能とする新規な構造からなる重ね着型着物である。
すなわち、帯の巻付け箇所となる辺りを縫い目とし、それより上方を半襦袢部、それよりも下方を着物用生地からなる下半着物部として互いを縫合してなる襦袢付き裾側着物体とする一方、着物用の生地を用い、半襦袢部を覆って重ね着可能であり、帯の巻き付け箇所となる辺りよりも僅かに下方となる丈寸法として腰上側着物体に形成した重ね着型着物である。
特開2009−74225号に係る「三部式簡易着物」 特開2002−242006号に係る「重ね着型着物」
このように、近年の着物は昔のように製作に多くの工数をかけた高価なものではなく、比較的簡易な方法で安く製作したものが若者の間で好まれるようになっている。その為に、着物としての華やかさ及び着物を着用した時の雰囲気が失われつつある。本考案が解決しようとする課題はこの問題点であり、安く製作した着物であっても、華やかさや優雅さを有し、着用した時の雰囲気を醸し出すことが出来る着物及び着物を着用する際の帯を提供する。
本考案に係る着物はその一部に複数の装飾片を取付けている。ただし、着物の種類は若者の間で人気のある近年の簡易型着物に限定するものではないが、その製作に大きな工数をかけない着物を対象としている。すなわち、形成される図柄を比較的簡素なものとし、派手で華やかな図柄の代わりに光り輝く装飾片を取付けている。
ここで、装飾片として天然石はもちろんのこと、人が工場で製造する人工石も含まれる。該装飾片は着物生地の表面に接着されたり、又は縫い付けされ、着物には複数の装飾片が点在している。ここで、装飾片の材質、形状、並びに種類は限定しないが、光を反射して光ることが出来るように表面には複数の平面を有す多面体が適している。しかし、表面を滑らかな曲面とすることも可能である。
基本的には指輪に取付けているダイヤモンドのごときカット面が好ましい。
代表的なブリリアントカットは、すべての稜線がガードル(外周)を横切る面の取り方をしているのが、この「ブリリアントカット」の特徴である。この手法により装飾片の輝きが外に向かって放たれ、美しい虹色の世界を作り上げることが出来る。
また、ステップカットは、すべての面がガードル(外周)と平行にステップ状(階段型)につけらている。この方法により、氷のような透明感がある輝きが表現でき、素材の良さが要求されるカットで、複数の装飾片を並べて使われる場合に適している。さらに、プリンセスカットは、比較的新しいカット方法であり、ブリリアントカットを変化させ、四角い形で光を引き出しているので、ステップカットより輝いて見える。
着物に取付ける上記装飾片は、必ずしも同一種類に限るものではなく、複数種類の装飾片を場所を変えて取付けることも出来る。一方、装飾片は着物に限らず、該着物を着用する際に使用する帯の表面に目立つように取付けることが出来、装飾片を取付けることで着物に適した豪華な帯を構成できる。
本考案に係る着物は、その製作に大きな工数をかけることなく、華やかな図柄は存在しないが、その代わり複数の装飾片を取付けている為に、該着物は優雅で華やかとなる。そして、着物を着用した場合に、従来の着物を着た場合と同じような雰囲気を醸し出すことが出来る。装飾片は光輝き、手頃な価格の着物であっても高価に見えるようになる。
そして、装飾片として人工石を用いるならば、ガラスのような透明な装飾片に限らず、着物の色彩に適合するカラフルで鮮やかな人工石を使用出来、しかもコスト的には比較的安くなる。すなわち、大きな費用をかけないで華やかなで優雅な着物を製作することが出来る。
装飾片を裾部分に取付けた本考案に係る着物を示す実施例。 ブリリアンカットを有す装飾片の具体例。 (a)は着物生地に接着される装飾片、(b)は着物生地に糸で縫い止めされる装飾片。
図1は本考案に係る着物を表している実施例である。同図に示す着物は若者の間で近年流行り形態ではなく、昔からの形態をしているが、裾部分1には装飾片2,2・・・が取付けられている。着物本体には特別な模様や図形などの図柄を形成することなく、また図柄を形成した場合であっても工数のかからない手軽なものとし、その代わり複数の上記装飾片2,2・・・を散りばめている。装飾片2,2・・・を取付ける部分は裾部分1に限るものではなく、袖部分3、又は襟部分の正面とする場合もある。
ここで、装飾片2とは一種の石であって、光が当って光輝くように成っている。その為に、その形状は指輪に取付けるダイヤモンドのように多面体を形成している。例えば、すべての稜線がガードル(外周)を横切る面の取り方をしている「ブリリアントカット」を形成し、このブリリアントカットにより装飾片2の輝きが外に向かって放たれ、美しい虹色の世界を作り上げることが出来る。
図2は上記ブリリアンカットを有す装飾片2の正面図を表しているもので、最もオーソドックスなカッティングで、エンゲージリングの定番にもよく用いられ、58面体のカットで装飾片2の魅力を最大限に引き出し、まばゆい輝きを導き出すことができる。
ところで、この装飾片2は着物生地に接着にて止着することが出来る。又は着物生地に縫付けることも出来る。図3は上記装飾片2の縦断面を示している。図3(a)に示す装飾片2は半球体をなして着物生地に接着剤を介して止着することが出来る。その為に、底面4は平坦な面を有し、該底面4が着物生地に接して接着することが出来る。
図3(b)は縫い付けて着物生地に止着することが出来る装飾片2であり、その為に中央には縫付け部5を有すると共に、該縫付け部5の先端には縫付け穴6を設けている。そこで、上記縫付け穴6に糸を通して着物生地に縫い止めされるが、この際、縫い止めされた装飾片2が揺らぐことなく安定するように底面7が生地に接するようにしている。すなわち、縫付け部5の先端8は底面7より後退し、縫い止めされた場合には着物生地に底面7が接することで該装飾片2は安定する。
ここで、装飾片2は一般に人工石が使用され、特に外観上はダイヤモンドに見えて輝きに優れているスワロスキーなどの透明なガラス製装飾品2が適している。しかし、近年では高品質な人工石が数多く開発され、例えば、白水晶、黄水晶、ブルー水晶、アメジスト、ルビー、ヘマタイト、ピンクサファイヤなど、色彩を備えた人工石を使用することも出来る。
そして、その形状は前記図2に示すブリリアンカットを有す場合に限らず、図3のような半球体、又は星形、ピラミット形であってもよい。
ところで、図1に示す着物の場合、裾部分1のコーナーに複数個の装飾片2,2・・・を配列した状態で取付けているが、着物に形成した図柄の一部を構成するように装飾片2,2・・・を取付けることも出来る。例えば、着物柄として花を形成する場合、その花中央に色彩を有す装飾片2,2・・・を取付けることで、図柄と調和した装飾形態となる。
一方、着物を着用する場合、帯は必須要件であり、この帯にも上記装飾片2,2・・・を取付けることが出来る。着物は比較的地味であっても、豪華な装飾片2,2・・・を取付けた帯を締めることで全体の雰囲気は大きく向上する。帯にもその種類は多種多用であるが、本考案では該帯の種類は限定しないことにする。
1 裾部分
2 装飾片
3 袖部分
4 底面
5 縫付け部
6 縫付け穴
7 底面
8 先端

Claims (4)

  1. 装飾を施した着物において、該装飾手段として石やガラスを所定の形状に加工した装飾片を用い、この装飾片を着物の一部に複数個止着したことを特徴とする装飾片を取付けた着物。
  2. 上記装飾片を接着剤を用いて着物生地に止着した請求項1記載の装飾片を取付けた着物。
  3. 上記装飾片を着物生地に糸で縫付けた請求項1記載の装飾片を取付けた着物。
  4. 着物を着用する時に使用する帯において、該帯の一部に装飾片を取付け、装飾片は石やガラスを所定の形状に加工し、これを帯の一部に複数個止着したことを特徴とする着物帯。





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